本の中身を読まずとも,内容が分かる方法!?1

こんにちは!弁護士の田中今日太です。

今回は,「本の中身を読まなくても,そこに書かれてある内容が分かる」方法をお教えします。

え,まじか!?と思われた方。手品の類ではありません(笑)

これは,広告業界,出版業界に身を置く人間であれば,基本として知っている内容です。

ただ,それ以外の業界の方は,あまり馴染みがないかもしれません。

しかし,この方法を知っておくことで,「世の真実」が見えます。

結論から先に言いましょう。

それは,①「著者の経歴を見ること」②「著者の利害関係を知ること」です。

例えば,「弁護士の就職・転職事情」について記載された本があったとします。

まず,その中身を読む前に,著者欄を読みます。

すると,著者の経歴の中に,著者の勤めていたり,経営している会社を掲載されています。

その会社をネットで調べると,その会社が,「人材紹介会社」だったと仮定します。

そして,ここで,人材紹介会社の利害関係を検討します。

以下の事情は,弁護士業界人ぐらいしか知らないことですが,

弁護士が,「今いる法律事務所から他の法律事務所に転職するときに,人材紹介会社を用いること」はまずありません。

法律業界は狭い業界であるため,知り合い,知人,友人をたどって,転職先の法律事務所を探すことが通常です。

そのため,法律事務所から法律事務所への移籍について人材紹介会社が活躍することはありません。

人材紹介会社が,活躍できるとしたら,法律事務所に勤務する弁護士が,インハウスローヤー(企業の法務部に雇われて活動する弁護士)になるときぐらいです。

法律事務所に勤務していた弁護士は,社会や企業のことをあまり知りません。

面接などもろくに経験したことがありません。

そこで,弁護士がインハウスローヤーになるときには「面接の訓練」「履歴書の書き方」「企業の情報」などをあらかじめ学んでおく必要があります。

ここで,力を発揮するのが,「人材紹介会社」です。

人材紹介会社は,企業に弁護士を紹介し,インハウスローヤーとして採用された場合には,「フィーをもらい,利益を出す」ことができます。

すなわち,人材紹介会社としては,弁護士に,インハウスローヤーになってもらった方が,ビジネス的には「おいしい」ということですね。

逆に,法律事務所から法律事務所への移籍の場合は,人材紹介会社を通すことはまずないので,ビジネス的に「うまみはありません」。

以上が,人材紹介会社の利害関係です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここまでくると,「人材紹介会社が書いた書籍」にどのような内容が書かれているかは予想できますね?

人材紹介会社に有利な方向,すなわち,「弁護士にインハウスローヤーを目指してもらうような内容」になるはずです。

例えばですが,「インハウスローヤーが増加している」「インハウスローヤーの収入が安定している一方で,法律事務所勤務の弁護士は安定しない。」「インハウスローヤーは勤務時間が決まっているが,法律事務所はそうではない。」などなど。

こう思って,その本を読んでみると,まさに予想した内容が書かれていることが多々あります。

もう少し中立性を保った(中立性を装った)本であれば,以下のような工夫をしていることが多いです。

1.それぞれのメリットデメリットを記載している。

→それぞれのメリットデメリットを記載しないと,中立性を保っていないことが明らかなので,その本の信用性がなくなり,結果としてその本の目的が果たせないため。

2.記載する順序として,一番前に,先の例でいうと「法律事務所への就職」「法律事務所から法律事務所への移籍」を記載する。

→いくらインハウスが増えているといっても,やはり法律事務所勤務の弁護士を目指す人間は相変わらず多いので,一番最初に持ってこないと,彼らのニーズにこたえたことにはならず,不信感をかってしまうため。

このように①・②によって,中立性を保つ

→信用性を高め,そこに記載されている内容が真実であるように見せる

→結果として,インハウスを目指す弁護士を増加させる

というテクニックですね。

しかしながら,大体の本が,やはり自分にとって有利な内容を記載しようとしますので,本の中の分量として,最も紙面を割いているのは,やはり「インハウスローヤー」に関する情報だったりします。

以上のように,著者の経歴,利害関係を調べたうえで,本の中身を読むと,「そりゃ、そういう結論に誘導するような記載になるわな」(笑)と笑ってしまうことも多々あります。

皆様も,一度,ご自身が興味のある分野で試してみてください。

新たな発見があるはずです。

ちなみにですが,書籍の中には,数的なデータや統計を用いて,あたかもそれが正しいかのように裏付けしますが,自分の主張の裏付けになるようなデータをあえて選んで持ってくるので,数字や統計があるからといって,その主張を安易に鵜呑みにしないように注意してくださいね。