こんにちは!弁護士の田中今日太です。
前回は,手品を披露しました笑
・・・冗談です笑
今回は,応用編についてお話します。
前回は,①著者の経歴②利害関係を考える,ということでしたね。
しかし,その本の著者の経歴の中からは,利害関係が見えないときがあります。
その本に「その経歴」を書いてしまうと,利害関係がバレてしまうので,あえて「書かない」ということですね。
この場合には,もう少し工夫して,その本を書いた人物の歴史思想信条を探る必要があります。
場合によっては,その人の親族なども調べてみると面白いです。
本を書くような方は,何らかの分野で活躍をしている有名な方が多いです。
と同時に,有名な方の親族は,やはり有名な方が多かったりします。
親の思想や信条は,何らかの形で子に受け継がれます。
それが「教育」というものです。
親の思想信条をそのまま受け継いでいる場合と反面教師にしている場合があります。
皆様はどうでしょうか?
そのように考えると,なぜ,その人がそのような主張をしているかが分かってきます。
・・・・ここまでくると,「手品」というよりも,「探偵」のような気がしてきますね笑
弁護士をしていると,「嘘」を見抜かなければならない機会も多いです。
ただ,それだけでは足りません。
嘘を見つけることが,真実を見つけることには必ずしもつながらないからです。
ですから,「嘘」を見抜くと同時に,「真実」を追求することが大切だと思います。
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皆さんは,学生時代「国語」の授業で、「著者」の意図・思惑は何かを読み取りなさい,と習ったことはありませんか?
人が文章を書く時には,何かしらの意図や思惑を込めます。
出版して,多くの人に本を読んでもらおうとするときは尚更です。
例えば,ファッション業界は,今年は何が流行るか?ということを雑誌で書きますね。
しかし,「何が流行るか」ではなく,「流行らせるものをあらかじめ決めている」ことはもはや世間の常識ですよね?
流行らせるカラーやファッションをあらかじめ決めておいて,それを雑誌に「今年の流行色」と言って,大々的に宣伝して流行らせるわけですね。
そうしなければ,その年のファッション(服飾品)は売れませんから。
当然ですが,その雑誌の内容は,今年のカラーやファッションがいかにカッコいいか,可愛いものであるかを書きなぐっているわけです。
ですから,その雑誌では,流行らせる予定のファッションを「より良く見せる」ことが,著者の意図なわけですね。
ただ,例外的に,文章の内容自体に意図や思惑を込めない,という場合があります。
これは,本を書いて出版すること自体が目的である場合です。
つまり,宣伝(ブランディング)のためです。
要は,内容はそこまで大事ではなく,通り一遍の無難な内容でよいわけです。
「その書籍を書いて出したという事実」こそが大切なわけです。
その事実があれば,その道の「プロ」であると人から認知してもらえるからですね。
すなわち,世の中に出回っている書籍は、大まかに言うと,この二通りに分類されるわけです。
- 内容の中に自分に有利な内容(表現したい内容・意図した内容)を盛り込んだ書籍
- 内容はどうでもよいが宣伝(ブランディング)が目的の書籍
上記①の特徴は,どこかに誘導が入ることです。自分がそれを読み終わったときに,どういう感情や結論を得られているかを考えれば,その本の意図は分かります(もしくは経歴と利害関係を調べたらわかります。)。
上記②の特徴は,内容がめちゃめちゃ薄いことです。なぜなら出すこと自体が目的だからですね。
・・・・・どうでしょうか?
このように考えると本を読むのが少し空しくなるかもしれませんね。
ただ,皆さんの世界の見え方は今までと変わるはずです。
ちなみに,古書はオススメです。
以前にも書いたことがありますが,古書には、古今東西変わらぬ真実が書かれていることがあるからです。
・・あれ?私は,古書の宣伝がしたかったのかな?笑
いやいや、私の目的は,一つです。皆さんの真実追求の一助になることです。