2020.09.28 2022.10.03

競馬が原因で作った借金を債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)して、返済・減額・免責するときの注意点

競馬が原因で作った借金を債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)して、返済・減額・免責するときの注意点

幣事務所では、競馬が原因で作った借金について、債務整理手続き(任意整理・個人再生・自己破産)をされたいというご相談を受けることがあります。 軽い気持ちで始めた競馬が、気付けば借金をしてまで打ち込んでしまうようになり、家庭までも壊しかねない状況にまで追い詰められているようなケースも見受けられます。

どうしようもない状況に追い込まれてしまう前に、弁護士に相談することで解決できることもあります。 ここでは、そういった方々が借金をしてしまった場合、どのような解決方法があるかをご説明します。

競馬とは何か。なぜ競馬が原因で借金(債務)をしてしまうのか?

まずもって、競馬はまぎれもない公営ギャンブルであるということに注意が必要です。 さらに、公営ギャンブルの恐ろしいところは、胴元が得をし、客が損をするようにできていることです。

つまり、一時的に勝つことができたとしても、長期的な視点で見た場合には、必ず損をすることになります。

また、競馬には中毒性があり、気付けばギャンブル依存症になるリスクもあります。 軽い気持ちで競馬を始めたつもりが、気付けば競馬なしでは張り合いがなくなり、常に競馬場に行かなければならないという考え方に変わってしまいます。

さらに、負け続けてしまうと、その損失を取り戻さなければならないという考えになってしまい、なお一層競馬にお金をつぎ込んでしまいます。

競馬にまだ慣れていない頃は、自分のお給料や小遣いの範囲内で馬券を購入しますが、熱中してしまうと賭け金が徐々に高額になり、すぐにお金がなくなります。

そこで、競馬につぎ込むお金を工面するために、消費者金融やクレジットカード会社でキャッシングをしたり、生活費をクレジットカードで支払ってリボ払いにします。 このような方法で手元にお金を残し、馬券の購入につぎ込みます。 こういったことを繰り返すことで、借金の金額は雪だるま式にどんどん増えてしまいます。

そして、借入と返済を繰り返し、自転車操業の状態になります。 こうして借金地獄に陥ってしまうのです。

競馬が原因の借金(債務)を任意整理して返済減額をするときの注意点

短期間の借入に要注意

上述したように、競馬を始めた当初は収入の範囲内で馬券を購入しますが、熱中してしまうことで、賭け金が高額になり、あっという間にお金を使い果たしてしまいます。 そこで、銀行や消費者金融やクレジットカード会社から借入れをして、馬券の購入費用に充てようとします。

一般的に、競馬に打ち込む方に見られる傾向として、わずか半年から長くても数年の間に複数社から合計で数百万円の借入をしてしまうことが非常に多く見受けられます。

この原因として考えられるのは、借入金のほぼすべてが馬券の購入費用に充てられており、なおかつその賭け金が高額であるためです。 1社あたりからの借入限度額は50万円から100万円の範囲内であることが多いため、すぐに限度額の上限に達してしまい、また新たな借入先を見つけ、そこから借入れをするということを繰り返すことになります。 そうすると、全体的には数年間で数百万円の借入をしているように見えますが、1社あたりでみると短期間で限度額いっぱいまで借入をしてしまい、返済に困るということが多いです。

このような状態に陥るのは、公営ギャンブルの性質が、胴元が得をし、客が損をするようになっているためです。

一時的に利益をあげることができたとしても、長期的な視点で見ると必ず損をします。 このことは、借金の金額が短期間で驚異的に増えていくという事実が証明しているといえるのではないでしょうか。 まずは、こういった現実があることに気付くことが重要です。

弁済期間の短期化

競馬に打ち込む方に多く見られる傾向として、わずか半年から長くても数年の間に複数社から合計で数百万円の借入をしてしまうということは、上述した通りです。 全体的には数年間で数百万円の借入をしているように見えても、1社あたりに着目すると、短期間で限度額まで借入をしてしまい、すぐに返済ができない状態になってしまい、弁護士が介入することが多くあります。 これを、借入先の視点で見ると、短期間で貸付を限度額いっぱいまで行い、利息収入をほとんど得ることなく、返済を受けられなくなるということになります。 つまり、ほとんど利益を得られないまま弁護士に介入されることになり、元本しか回収できなくなることになります。

すると、借入先に分割弁済の和解交渉を申し入れたとしても、一般的な3年間から5年間での分割弁済に応じてもらえず、短期間での分割弁済しか応じてもらえないリスクがあることに注意が必要です。

とはいえ、弁護士は粘り強く借入先と交渉を行いますので、すべての案件が短期間での弁済になるわけではありませんので、ご安心ください。

よくある事例のモデルケース

よくある事例のモデルケースとしてご紹介します。 会社員として働かれているところ、何の変化もない日常に飽き飽きし、軽い気持ちで競馬を始めました。 当初は収入の範囲内で馬券を購入していましたが、慣れてくると次第に購入金額も高額になりました。 給与をあっという間に使い果たしてしまい、銀行や消費者金融から借入れをしました。 気付けば借金の金額は200万円近くまでになりました。 家族に知られずに(内緒で)解決されたいという意向があることを弁護士に伝えたところ、任意整理を選択することになりました。 弁護士の粘り強い交渉の結果、当初は2年以内の分割弁済しか応じないという借入先を説得し、5年間の分割弁済の和解をすることができ、毎月の返済は3万円程度まで減額することができました。

競馬が原因の借金(債務)を自己破産してゼロ(免責)にするときの注意点

短期間での高額な借入れに要注意

上述したように、競馬に打ち込む方に多く見られる傾向として、わずか半年から長くても数年の間に複数社から合計で数百万円の借入をしてしまうということがあります。 短期間での高額な借入れを行い、ギャンブルに浪費したことは、裁判所に破産申立を行った際に、ギャンブルに浪費したことが免責不許可事由(借金がゼロ(免責)にならないことをいいます。)があるものとして、裁判官から厳しい追及を受けることになります。

具体的には、口頭審査期日が設けられ、裁判所に呼び出されることが多くあります。

しかし、免責不許可事由にあたり、裁判所から呼び出されたからといって不安になる必要はありません。 口頭審査期日には弁護士が同席し、必要に応じてフォローも行います。

重要なことは、短期間で高額な借入れを行い、ギャンブルに浪費してしまったことを反省する姿勢を見せることです。

必要に応じて反省文を提出することも、そういった姿勢を示す有効な材料です。 こういった行動をとることで、裁判所に反省している姿勢を示すことができ、裁量免責(裁判官の判断で、本来なら借金をゼロ(免責)にしてもらえないところを、借金をゼロ(免責)にしてもらうことをいいます。)を得ることが可能になります。 短期間で高額な借入れをして競馬に浪費してしまったからといって、すぐに自己破産を諦めてしまうのではなく、まずは弁護士にご相談ください。

同時廃止か管財事件化

裁判所に自己破産を申し立てる際には、目立った資産等がなければ、同時廃止という手続きを選択します。 これは、基本的には書面のみで借金をゼロ(免責)にするかどうかの審査が進むものです。 とはいえ、内容によっては、上述したように口頭審査期日が設けられ、裁判所に呼び出されることもあります。

同時廃止の最大のメリットは、比較的短期間で借金をゼロ(免責)にしてもらうことができ、さらに裁判所に支払う費用も安く抑えることが可能であることです。

しかし、借入の金額や期間や資産の金額によっては、管財事件になる可能性があります。

管財事件とは、本来なら借金をゼロ(免責)にするべきところではないと判断されるところを、一定期間本人の生活態度の変化等を管財人が観察し、その結果更生されたと判断されれば、借金がゼロ(免責)になるというものです。

管財人とは、裁判所から選任される弁護士のことで、債務者と債権者の中間的な存在として、債務者の借入や財産を調査する立場にあります。

管財事件のデメリットとしては、同時廃止に比べると借金をゼロ(免責)にしてもらうまでに手続きが長期化する傾向があることと、裁判所に支払う費用が最低でも20万円程度必要になることです。

弁護士費用とは別に、裁判所に支払う費用がかなり高額であることが悩ましい点です。 これだけを見ると、管財事件とはハードルの高い手続きであるかのように見えますが、まったく不安になる必要はありません。

裁判所に支払う費用については、コツコツと積み立てるか周囲から援助を受ける等してご準備いただくしかありません。 しかし、手続きの進行に関しては、管財人から質問されたことに誠実に対応し、短期間で高額な借入れを行い、ギャンブルに浪費してしまったことを反省する姿勢を見せることで、裁判官の裁量により、借金をゼロ(免責)にしてもらうことが可能です。

また、弁護士も適宜フォローを行いますので、ご安心ください。

よくある事例のモデルケース

よくある事例のモデルケースとしてご紹介します。 会社員として働かれているところ、取引先の担当者に誘われて競馬場に行くことになりました。 軽い気持ちで馬券を購入したところ、その馬券が的中し、何倍ものお金になって返ってきました。 競馬は儲かるという錯覚に陥ってしまい、競馬に打ち込むようになりました。 しかし、結果的に損失ばかり出してしまいました。 損失を取り戻そうと考え、銀行や消費者金融から借入れを行い、さらに競馬につぎ込みました。 借入を繰り返すうちに、借金の金額は500万円を超えてしまいました。 定年退職が近い将来に迫っていたこともあり、老後の生活のことも考え、自己破産手続きを弁護士に依頼しました。 裁判所からは短期間での借入と浪費について厳しい追及がありましたが、反省の姿勢を示したことで、無事に500万円を超える借金(債務)をゼロ(免責)にしてもらうことができました。

競馬が原因の借金(債務)を個人再生して減額するときの注意点

債権者の同意を得られるかがポイント

小規模個人再生においては、債権者数かつ借入総額の過半数の債権者の同意を得なければなりません。

繰り返し述べたように、競馬が原因で借金をされた方は、短期間で高額な借入れをしている傾向が非常に多く見受けられます。 上述したように、債権者の視点に立った場合、短期間で限度額いっぱいまで借入をされてしまい、その後すぐに個人再生をされてしまうと、利息収入がほとんど得られません。 すると、借入先から個人再生手続に同意してもらえない可能性があります。

しかし、小規模個人再生ができなかったとしても、給与所得者等再生という手続きを行うことが可能です。 こちらの手続きの場合、借入先の同意が不要というメリットがある反面、返済額が高額になるというデメリットがあることに注意が必要です。

ただし、全員がこの手続きを使えるわけではないことにも注意が必要です。 弁護士は、状況に応じて最適な手続きをアドバイスさせていただきますので、まずは弁護士にご相談ください。

住宅ローンの延滞に要注意

個人再生の最大のメリットは、自宅を守ることができることです。 個人再生をすると、住宅ローンの返済はそのまま継続することができ、それ以外の借入先への返済は最大10分の1まで減額されます。

ただし、何の要件もなく、こういった特例を受けることはできません。 一般的には、特例を利用することができる要件を満たしていることが多いのですが、競馬にお金をつぎ込みすぎたことが原因で、住宅ローンを数ヶ月間にわたって延滞されている方がいらっしゃいます。

個人再生においては、住宅ローンの返済を継続していくことが可能であることが前提にありますので、手続をスムーズに進めていくためには、住宅ローンの延滞がないことが望ましいものといえます。

ただし、住宅ローンの延滞があったとしても、一定の条件のもとで個人再生をすることは可能ですので、まずは早急に弁護士にご相談ください。

よくある事例のモデルケース

よくある事例のモデルケースとしてご紹介します。 会社員として勤務していたところ、仕事のストレスを発散しようと競馬を始めました。 競馬場で熱狂している間だけは、何も考えることもなく、ストレスから解放されました。 当初は収入の範囲内で馬券を購入していましたが、慣れてくると徐々に馬券の購入額が高額になりました。 毎月の給与はあっという間に使い果たし、これまでの貯金もつぎ込んでしまいました。 競馬場に行きたい一心で、銀行や消費者金融から借入れを行い、さらに競馬につぎ込みました。 借金を重ね続けたことで、気付けば借金は500万円にまで増えてしまい、返済に困るようになりました。 返済に困って弁護士に個人再生を依頼したところ、退職金以外に目立った資産もなかったことから、借金は100万円まで圧縮することができ、3年間での分割弁済とすることができました。 毎月の返済は、3万円以下にまで減額することができ、無事に生活を立て直すことができました。

競馬が原因で借金にお困りの方は,債務整理を取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士に

このページでは、競馬が原因でなぜ借金をしてしまうのか、そして債務整理手続き(任意整理・個人再生・自己破産)をした場合の注意点等をご説明しました。 競馬が原因で借金にお困りの方は、債務整理を多く取り扱う大阪・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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