個人再生での弁護士依頼は必須とも言え、ほとんどの方が弁護士に依頼して手続きを行います。そうは言っても、実際にこれまで弁護士と関わりを持ったことがある方が多く、「どうやって弁護士を選べばよいの?」と、思っている方も多いでしょう。
今回は、個人再生での弁護士の探し方と選び方についてご説明します。特に、今回が初めて弁護士を探してみるという方は、ぜひ参考にしてご自身に合った弁護士を選んでいってみてください。
個人再生で依頼する弁護士を探す方法
まず、弁護士を選んでいく前に弁護士を探すことから始まりますね。こちらでは、個人再生で依頼するための弁護士の探し方を、メリット・デメリットを交えながらいくつかご紹介します。
インターネットで探す
今やインターネットで公式サイトや広告を出している弁護士事務所がほとんどですし、債務整理に力を入れている弁護士をまとめて掲載しているポータルサイトもいくつかあります。インターネットで検索すれば、簡単に弁護士が探せるようになっています。
メリット
インターネットで探すメリットは、何といっても簡単に複数の弁護士事務所を探すことができることです。
後述する選び方を参考にしながら、複数の弁護士事務所を比較検討しやすくなっていますし、検索結果から電話番号や相談フォームなどの相談がしやすい導線になっています。
デメリット
正直に言うと、インターネットで探すデメリットはこれといってありませんが、強いて言えば選択肢が多すぎて逆に選ぶことが大変になることです。選び悩むことが多い方は、手間がかかって少し困ってしまうかもしれません。
また、全国の弁護士事務所が検索できてしまいますので、対応地域外の弁護士が検索結果に出てくることもあります。依頼前には、近隣で対応地域の弁護士事務所かどうかの確認もしておきましょう。
法テラスから紹介してもらう
『法テラス』という日本司法支援センターが運営する、公的機関から弁護士を紹介してもらう方法もあります。
メリット
法テラスは、特に弁護士費用の支払いが困難な方にも弁護士依頼ができるような制度に力を入れています。
個人再生を検討するくらいですから、弁護士費用が不安な方も多いでしょう。法テラスの弁護士費用立替制度が利用できるケースがあります。
デメリット
一方、法テラスで紹介される弁護士の詳細は不明です。場合によってはそこまで債務整理案件に力を入れていない弁護士になってしまうこともあるでしょう。ご自身で弁護士を選べない点がデメリットです。
また、弁護士費用の立替制度といっても、後々分割して支払う必要があります。同じようなことを個々の弁護士事務所でもやっていることが多いので、立替制度がとても魅力的ということでもありません。
むしろ、法テラスの立替制度は条件や審査があるので、弁護士事務所の分割払いを利用した方が便利です。
弁護士会の相談会に参加する
各都道府県の弁護士会では、定期的に相談会を設けていますので、相談会に参加して担当してくれる弁護士を探していく方法もあります。
メリット
同じ都道府県の弁護士会主催の相談会ですので、安心感を覚える方は多いでしょう。初めての弁護士相談ということで、不安が多い方もいらっしゃるかと思います。
デメリット
弁護士会の相談会は日時が決まっており、場合によっては相談料がかかることがあります。個々の弁護士事務所への相談であれば、基本的に無料でできますし、日中であればたいてい相談できるので、他の方法と比べるとデメリットが多いと言えます。
知人から紹介してもらう
昔ながらの方法ですが、以前に弁護士に依頼した知人から弁護士を紹介してもらったり、知り合いの弁護士に依頼したりする方法があります。
メリット
知人の紹介もしくは知り合い弁護士ということで、信頼性は一番高いと考えられます。依頼して「良かった」と思わなければ、なかなか紹介したりはしないですからね。
デメリット
ただし、紹介される弁護士が債務整理に力を入れているとは限りません。後述しますが、弁護士が活動する分野は様々あり、弁護士によっても得意・不得意があるのです。
あまり個人再生を取り扱っていない弁護士に依頼してしまうと、得意な弁護士に比べて解決まで時間がかかる。弁護士費用も割高になることが考えられます。
いくら身近な関係であっても、知り合いにわざわざ「債務整理をした」ということを教えてくる人はいません。紹介してもらった弁護士が債務整理を得意としていない限り、この方法はおすすめではありません。
個人再生(債務整理)をしっかり任せられる弁護士の選び方
弁護士の探し方についてお伝えしましたが、こちらではある程度弁護士を絞った後の選び方についてご説明します。
債務整理に力を入れている弁護士
上でもお伝えしましたが、個人再生を依頼するのであれば、債務整理に力を入れている弁護士に限って選んでいってください。
弁護士が活躍する分野は、債務整理以外にも慰謝料請求や労働問題、刑事事件など様々あります。
経験が浅い分野の弁護士を選んでしまうと、個人再生での再生計画案が認可されない可能性が高くなることも考えられますし、慣れない分野なので料金も割高になることがあり得ます。
適正価格でしっかりした結果を出してもらうためには、債務整理を得意としている弁護士を選ぶようにしましょう。
個人再生の実績が豊富な弁護士
上記の内容とも被りますが、特に個人再生の解決件数や相談件数などの実績が分かる弁護士だとなお良いでしょう。
弁護士事務所のホームページなどを見てみても、解決件数や過去の依頼者の声などを載せてある弁護士も多くいますので、参考にしてみてください。
相談者の話をしっかり聞いてくれる弁護士
ここからは実際に相談してみないと分からないのですが、相談時にしっかり相談者の話を聞いてくれる弁護士に依頼を決めるようにしましょう。
弁護士も人ですので、相性の良し悪しがあります。債務整理を多く取り扱っている弁護士であれば心配は少ないでしょうが、借金問題ということで、相談者に横柄な態度をとる弁護士もわずかながらいます。
公式サイトなどでどのように良い実績が書かれていても、相性に関しては実際に相談してみたいと分かりません。相談料は無料の弁護士事務所が多いですので、人となりを知るためにまずは相談してみることをおすすめします。
料金体系が分かりやすい弁護士
依頼をより前向きに検討している弁護士がいれば、具体的に料金体系を聞き、はっきりと分かりやすい弁護士事務所に決めていきましょう。
内容 | 金額 |
---|---|
相談料 | 基本無料 |
着手金 | 30~50万円程度 |
報酬金 | 10万円程度 |
個人再生での弁護士費用相場は、上記の通りで合計50万円程度が相場ですが、実際には弁護士事務所によって違いが出てきます。依頼した場合には、具体的にいくらになるのかの見積りも聞いておきましょう。
また、追加で発生する料金の有無も要確認です。
まとめ
個人再生を依頼する弁護士は、色々な方法で探すことができますが、一番おすすめはインターネットを使いながらご自身で探してみることです。
ある程度弁護士に目星をつけたなら、以下の点を選ぶ基準にしてみましょう。
- 債務整理への力の入れ方
- 個人再生の実績
- 相談時の相性の良さ
- 料金体系の分かりやすさ
実際に相談してみないと分からないことも多いです。多くの弁護士事務所で無料相談ができますので、お悩み相談と弁護士選びを兼ねて気軽に相談してみてください。