2020.04.17 2022.10.01

任意整理における弁護士の選び方

任意整理における弁護士の選び方

任意整理は、債権者との交渉によって債務を減額していきますが、依頼する弁護士の実力によって結果も変わってきます。

慣れない弁護士に依頼してしまうと、思ったほどの減額ができない、債権者に対して最適な交渉を取れずに解決まで期間がかかってしまうことが考えられます。

今回は、任意整理での弁護士の探し方と選び方についてご説明します。特に、今回が初めて弁護士を探してみるという方は、ぜひ参考にしてご自身に合った弁護士を選んでいってみてください。

任意整理の依頼をする弁護士の探し方

弁護士を選ぶ前に、まずは候補となる弁護士を探していきましょう。最初に、任意整理の依頼をする弁護士の探し方からご紹介します。

インターネットで探す

最近ではインターネットで広告を出す弁護士や、ホームページを活用する弁護士は多くなりましたし、複数の弁護士をまとめて掲載しているポータルサイトも増えています。インターネットで弁護士を探す方法は簡単で便利ですね。

メリット

インターネットで弁護士を探すメリットは、簡単に複数の弁護士を探して比較しやすいことです。また、検索結果から電話番号や相談フォームなど、すぐに相談しやすい形になっています。

デメリット

インターネットで探すデメリットはこれといってありませんが、強いて言えば選択肢が多すぎて選ぶことが大変になることです。選び悩むことが多い方は、手間がかかって少し困ってしまうかもしれません。

また、全国の弁護士事務所が検索できてしまいますので、対応地域外の弁護士が検索結果に出てくることもあります。依頼前には、近隣で対応地域の弁護士事務所かどうかの確認もしておきましょう。

法テラスから紹介してもらう

日本司法支援センターが運営する『法テラス』という公的機関から弁護士を紹介してもらうこともできます。

参考:「相談をご希望の方へ|法テラス」

メリット

法テラスは、主に弁護士費用の支払いが困難な方にも弁護士依頼ができるような制度に取り組んでいます。任意整理では弁護士費用が不安な方も多いでしょうから、収入や財産の条件を満たせば、法テラスの弁護士費用立替制度が利用できます。

デメリット

一方、法テラスで紹介される弁護士を選ぶことができません。場合によってはあまり債務整理に注力していない弁護士になる可能があります。

また、弁護士費用の立替制度は、後で分割して支払う必要があります。個々の弁護士事務所でも同じく分割払いに対応していることが多いので、立替制度が特に優れた制度ということでもありません。

弁護士会の相談会に参加する

各都道府県の弁護士会では定期的に相談会を設けており、相談会で弁護士をさがす方法もあります。

参考:「全国の弁護士会|日本弁護士連合会」

メリット

初めての弁護士相談ということで不安もあるかと思いますが、同じ都道府県の弁護士会主催で安心感を覚える方も多いでしょう。

デメリット

弁護士会の相談会は日時が決まっており、場合によっては相談料がかかることがあります。個々の弁護士事務所への相談であれば、基本的に無料でできますし、日中であればたいてい相談できるので、他の方法と比べるとデメリットが多いと言えます。

知人から紹介してもらう

知人に弁護士や弁護士依頼の経験がある人から紹介してもらう方法もあります。

メリット

もともとの知人ということで信頼度は一番高いでしょう。紹介してくれる場合も、「依頼して良かった」から紹介してくれるのであって、悪い印象があれば紹介しないでしょうからね。

デメリット

ただし、知人弁護士や紹介してくれる弁護士が債務整理に力を入れているとは限りません。弁護士にも得意・不得意があるので、任意整理の依頼をするなら債務整理に力を入れている弁護士に依頼すべきです。

いくら身近な関係であっても、知り合いにわざわざ「債務整理をした」ということを教えてくる人はいません。紹介してもらった弁護士が債務整理を得意だと分からない限り、この方法はおすすめではありません。

任意整理の弁護士の選び方|失敗しないためのチェックポイント

ある程度弁護士の候補が見つかったなら、実際に依頼する弁護士を絞っていきましょう。こちらでは、任意整理で選ぶべき弁護士のポイントをご説明します。

債務整理に力を入れている弁護士

繰り返しますが、任意整理を依頼するのであれば、債務整理に力を入れている弁護士を選んでいってください。弁護士が活躍する分野は、債務整理以外にも慰謝料請求や刑事事件、労働問題など様々あります。

経験が乏しい分野の弁護士を選んでしまうと、債権者との交渉に難航することも考えられますし、慣れない分野なので料金も割高になることがあり得ます。適正価格でしっかりした結果を出してもらうためには、債務整理を得意としている弁護士を選ぶことが最適です。

相談者の話をしっかり聞いてくれる弁護士

実際に相談してみないと分からないことですが、相談時にしっかり話を聞いてくれる弁護士に依頼を決めましょう。

弁護士も人ですので、相性の良し悪しがあります。親身になって話を聞いてくれる人や、やるべきことをズバズバ言ってくれる人など、どの弁護士が良いと感じるかは相談者次第でしょう。

公式サイトなどでどのように良い実績が書かれていても、相性に関しては実際に相談してみたいと分かりません。基本的に相談は無料でできますので、まずは相談してみてください。

料金体系が分かりやすい弁護士

依頼をより前向きに検討している弁護士がいれば、具体的に料金体系を聞き、はっきりと分かりやすい弁護士事務所に決めましょう。

任意整理での弁護士費用は、以下のように『借入先1社3万円前後+減額報酬10%』が費用相場だと思っておいてください。

内容 金額相場
着手金 1社あたり3万円前後
基本報酬金 1社あたり2万円程度
減額報酬金 減額の10%程度
その他日当や実費 弁護士事務所によって違う

ただ、実際には弁護士事務所によって価格や料金体系にも違いが出てきます。依頼した場合には、具体的にいくらになるのかの見積りも聞いておきましょう。

任意整理での弁護士と司法書士の違い

ここまで弁護士依頼を前提に説明しましたが、実は任意整理では司法書士に依頼することも可能です。ただし、司法書士が任意整理でできる内容にはいくつかの制限があります。

弁護士 司法書士
債務額 制限なし 1社140万円以下の債務のみ
交渉 認定司法書士のみ
訴訟代理人 認定司法書士のみ(第一審のみ)
費用 1社3万円+減額報酬10%程度 1社2万円+減額報酬10%程度
その他債務整理 全て代理可能 過払い金:1社140万円以下
自己破産:書類作成のみ
個人再生:書類作成のみ

司法書士について簡単にまとめると、1社あたり140万円以下の債務しか取り扱えず、個人再生や自己破産などの裁判所の手続きでは書類作成しかできません。

費用面では司法書士の方が若干安い傾向にはありますが、実際には個々の事務所での差の方が大きいです。

司法書士も選ぶ対象にできる人

  • 140万円以下の債務である
  • なるべく費用を抑えたい
  • 任意整理以外の方法は考えていない

上記でご説明した内容をまとめると、以上3つに当てはまる方は司法書士も選択肢に入れてみても良いでしょう。その中から費用面で納得でき、相性が合った弁護士・司法書士を選んでいきましょう。

まとめ

任意整理は色々な方法で探せますが、まずはインターネットを使って探す方法が簡単です。ある程度弁護士に目星をつけたなら、以下の点を選ぶ基準にしてみましょう。

  • 債務整理への力の入れ方
  • 任意整理の実績
  • 相談時の相性の良さ
  • 料金体系の分かりやすさ

実際に相談してみないと分からないことも多いです。ほとんどの弁護士事務所で無料相談ができますので、お悩み相談と弁護士選びを兼ねて気軽に相談してみてください。

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