クレジットカードを使っていると、「今月の支払いはちょっと厳しいから、リボ払いにしようかな」と考える方は多いです。
リボ払いなら毎月の支払いが一定になり、多く支払った月でも少額の支払いになるため、活用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、リボ払いによって借金が増え、最終的には自己破産にまで至ってしまったというケースが増えてきています。
そこで今回は、リボ払いでなぜ自己破産に至ってしまうのか、リボ払いの仕組みを解説しながらご紹介していきましょう。
リボ払いの仕組み
リボ払い(リボルビング払い)は、毎月の返済額を一定の金額に直す方法を指します。
例えば、クレジットカードで30万円のブランドもののバッグを購入した場合、一括返済を選ぶと翌月30万円の請求となってしまいますが、リボ払いを選択すれば毎月こちらが決めた返済額で済みます。
1万円と決めれば毎月1万円の返済で済むのです。
一見、毎月の返済額が抑えられて負担が少ないように感じられますが、実際にはリボ払いを行うと負担が増えてしまいます。
なぜリボ払いを選ぶと返済の負担が増えてしまうのかというと、高額な手数料を取られてしまうためです。
リボ払いの場合、金利は10~15%に設定されていることが多いです。
例えば30万円の商品を購入したとします。
一括で支払った場合、こちらの負担は30万円のみです。
しかしリボ払いで毎月1万円の返済、金利が10%だった場合、返済総額は346,645円、返済回数は35回になってしまいます。
一括で支払うよりも46,645円も多く支払ったことになるのです。
しかもそれに気付かず、毎月のようにリボ払いを活用していると金利も上乗せされ、利子の返済はしているものの元本が全く減らない可能性もあります。
なぜリボ払いで自己破産に陥ってしまうのか?
リボ払いの恐ろしいところは、いつの間にかカードの利用上限に達してしまう点にあります。
なぜいつの間にかカードの利用上限に達してしまうのでしょうか?
クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠があり、どちらにも使用できる上限が決められています。
もしもショッピング枠とキャッシング枠の上限が30万円、カードの総枠上限が50万円だった場合、ショッピング枠の上限30万円分を使い切った後にキャッシング枠も使いたいとなったらどうなるでしょうか?
キャッシング枠も上限30万円まで使えるように見えますが、実際は20万円しか利用できません。
これは総枠50万円によってショッピングで30万円使い切ってしまっているためです。
いくらキャッシング枠の上限が30万円でも、総枠で50万円を超えることはできません。
リボ払いを繰り返し利用していると、返済している金額にしか目が行かなくなり、実際の利用上限が見えづらくなってしまいます。
そのため、いつの間にかカードの利用上限に達してしまうという事態に陥ってしまうのです。
また、リボ払いは高額な商品を買っているのに毎月の支払は低額なので、感覚が麻痺してしまう傾向にあります。
例えば一般的な収入の人なら10万円を超える買い物だと、慎重に考えて余裕があったら購入し、あまり余裕がない時は購入しないことも判断できます。
しかし、リボ払いになると「どうせ毎月5,000円支払えばいいだけ」という感覚で、どんどん高額な商品も買ってしまうのです。
結果、元本と利息はどんどん膨れ上がり、最終的には自己破産に至ってしまいます。
リボ払いから抜け出す方法
リボ払いは支払いが長期的になり、数年後に返済が困難になるケースが多いです。
リボ払いから抜け出し、返済から解放されるにはどうすれば良いでしょうか?
繰り上げ返済をする
リボ払いから抜け出すには、まず元本をなくしていかなければなりません。
元本を少しでも減らすために、繰り上げ返済を行いましょう。
将来返済しなければいけない分もまとめて今支払っておけば、その分の手数料が支払わなくても良くなります。
未払いの元本から手数料は発生しているので、繰り上げ返済で未払い分を早めに減らしていきましょう。
毎月の返済額を増やす
繰り上げ返済の他にも効果的な方法として、毎月の返済額を増やす方法がおすすめです。
例えばこれまで毎月3,000円で返済していたものを、5,000円分増やして8,000円に変えたとします。
元々3,000円から金利に支払っていた分しか元本を減らせなかったものが、8,000円から金利分を除いたものが元本の支払いに充てられます。
5,000円分でも十分な効果が得られるので、負担になりすぎない程度に返済額を増やしてみましょう。
ボーナス払いでまとめて返済する
ボーナスがもらえる職場で働いているなら、ボーナス払いも検討してみましょう。
ボーナス払いとは、まとめて支払ってしまうことで半年以上も支払いを先延ばしにでき、なおかつ金利発生を抑えることができる方法です。
リボ払いだと毎月少額で支払っているためその分金利はかさんでしまいますが、ボーナス払いなら支払った分の金利がなくなります。
ボーナスなら通常の月給とは別に用意されているものなので、まとめて支払いやすいといったメリットもあります。
また、ボーナスをもらえない職場で働いていても、ボーナス払いを利用することは可能です。
低金利のローンへ借り換える
リボ払いは金利が比較的高く、15%に設定されているケースがほとんどです。
場合によっては消費者金融の方が低金利になっている場合もあります。
そんな時は、利用しているリボ払いよりも低金利のローンへ借り換えてみましょう。
低金利のローンを選べば金利分が抑えられ、返済総額が減少する可能性が高いです。
消費者金融だと、初回限定で最大30日間金利が0円のところもあります。
金利0円のまま返済するには30日間で全て返済する必要がありますが、それまでにまとめて返済できるという場合は一切金利を支払わなくても良くなるため、非常にお得です。
ただし、消費者金融の金利は上限18%でリボ払いより高くなってしまう可能性もあります。
必ずシミュレーションなどで金利がどれくらいになりそうかチェックしておきましょう。
どうしても返済できなければ債務整理へ
繰り上げ返済やボーナス払い、ローンの借り換えなど、様々な方法を試しても返済が困難な場合は債務整理も検討してみてください。
債務整理は消費者金融などから借りたお金が返せない場合に利用できるだけでなく、リボ払いなどにも対応できます。
債務整理だとまずは任意整理を実施し、依頼した司法書士とカード会社側で交渉してもらい、条件付きで利息の減額などを求められます。
ただし、借金自体がなくなるわけではないため、任意整理後もしっかりと毎月返済していかなくてはなりません。
それでも返済が厳しければ、自己破産となります。
自己破産は最終手段として残しておき、まずは弁護士に相談してみましょう。
今回はリボルビング払いと自己破産についてご紹介してきました。
リボ払いは一見毎月の返済額を抑えられるため、便利な支払い方法とイメージされますが、実際には高金利で利息が付き、返済総額が一括よりも増えてしまうデメリットがあります。
中にはリボ払いで自己破産に陥ってしまうケースも少なくありません。
そうならないためにも、今回ご紹介した繰り上げ返済や返済額を増やす方法、ボーナス払い、ローンの借り換えなどを利用し、リボ払いから抜け出しましょう。
それでも返済が困難な時は、弁護士に相談して債務整理の手続きを進めていきましょう。