交通事故 慰謝料 整骨院 治療費
2021.08.21 2022.11.15

交通事故後の痛みが現れたら整形外科と整骨院どちらを受診すべき?

交通事故後の痛みが現れたら整形外科と整骨院どちらを受診すべき?

普段、身体に痛みを感じたら整形外科を利用する方もいれば、整骨院を利用する方もいるでしょう。

交通事故で身体に痛みを生じた場合、整骨院か整形外科のどちらを利用するかにより、損害賠償請求といった法的手段に大きな影響を与えることが考えられます。

そこで、本記事において、交通事故による負傷の際に整骨院を利用することのメリット及びデメリットついてご説明致します。

交通事故後の身体の痛み

症状

交通事故による身体の痛みとしては、むち打ち症、捻挫、打撲、骨折その他多くの種類の痛みが考えられます。

そして、交通事故による負傷として最も多い痛みがむち打ち症です。

むち打ち症とは、医学用語上、頸椎捻挫・頸部挫傷・外傷性頸部症候群と診断されます。衝突により首が揺さぶられる動作が、鞭をうったように見えることから、このような通称となりました。

衝突により、首の組織や神経が損傷することにより、首の痛み、頭痛、記憶力の低下など多方面に症状が現れます。

治療を受けるため費用・不明点を保険会社に相談

保険会社に費用や不明点を相談した場合、様々なトラブルの起きることが考えられます。

まず、保険会社への質問への返答が遅いことを理由にもめることが考えられます。保険会社にとっては数多く抱えている案件の一つでしかなく、後回しになっている可能性があります。返答が遅いと感じた場合は積極的に質問することが重要です。

また、示談交渉や等級認定において、保険会社が有利な条件でまとめようとするあまり、被害者が納得できず揉めることが考えられます。損害賠償額の算定は、低い方から順に自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準と三段階あり、保険会社は任意保険基準を提示してくるため、納得できないことが考えられます。

等級認定においては、必要かつ十分な証拠をそろえる必要があり、事実認定や証拠方法について多くの経験を有しない被害者にとって、酷な立証を強いられているといえます。

そのため、示談交渉や等級認定において揉めた際は弁護士に相談されることを強くお勧め致します。

他には、治療費の打ち切りを促され、トラブルになる事ことも考えられます。保険会社は平均的な治療期間に従い提案してくることが考えられますが、その後に治療の必要性を立証できれば請求可能です。もっとも、立証や立て替え払い等、多くの知識を必要とするため、こういった場合も、弁護士へ相談をしてみましょう。

上記に述べた他にも、保険会社に相談することで多くのトラブルが発生することが予想されます。その際は、法の専門家であり交渉力の高い弁護士にまずは一度相談されることをお勧め致します。

整形外科と整骨院の違い

整形外科は医師、整骨院は柔道整復師

整形外科において、治療を行うのは国家資格である医師の有資格者です。他方、整骨院において施術を行うのは、同じく国家資格である柔道整復師の有資格者です。


柔道整復師は、医師でないため、レントゲン診断・MRI診療・手術・投薬治療といった医療行為を行うことはできません。マッサージ等により症状を和らげていく施術をします。

整骨院での施術メリット

慰謝料を増額できる

通院慰謝料とは、通院治療により被害者の受ける精神的苦痛を賠償するためのものです。通院期間中は、精神的苦痛を受け続けると考えられているため、実際に通院した通院日数ではなく、治療が完了するまでの通院期間をベースに算出されます。

そのため、整形外科では処理が完了し受診することができない場合でも、整骨院で積極的に施術を受け続ければ、期間が増加するため、慰謝料も増額できると考えられます。

もっとも、被害者といえども、明らかに必要がないにも関わらず、慰謝料を稼ぐためだけに整骨院に通い続けることは、何ら正当性のない賠償金を相手から奪うものであり、場合によっては刑事罰に処される可能性もあるため絶対にすべきではありません。


リハビリ・長期の治療に有効

特にむち打ち症においては、慢性期が長期化するケースが多々存在します。慢性期におけるマッサージ等による整骨院で受けられる施術は、回復のために有用である場合も少なくありません。

しかし、整形外科はマッサージ等の施術をする所ではないため、湿布の処方等の経過観察しかしてもらえない場合もあります。

その点で、回復のためにリハビリや、長期の治療が必要な場合に整骨院を利用することができることは最大のメリットであるといえるでしょう。

整骨院での施術デメリット

整体等と間違えて施術を受けるケース

整骨院に通院したつもりが整体を受けただけであったケースも考えられます。整体は、国家資格を有しない者が行うマッサージ等の施術のことを指し、治療行為としての損害と認められる可能性は限りなく低いと考えられます。

そのため、本来ならば得られたはずの賠償金を得られないというリスクが存在します。

後遺障害等級認定が受けにくい場合もある

交通事故の被害に遭った後、医療機関を受診せず、整骨院の施術のみを受けていた場合は、後遺障害等級認定が受けにくい場合もあるというリスクがあります。

後遺障害として認定を受けるためには、レントゲン写真・MRI画像といった客観的診断資料に加えて、診断書等の資料が不可欠です。しかし、レントゲン写真・MRI画像を撮影記録する検査は、医師にしか行うことはできません。また、診断書を作成する主体として法律上認められているのも医師のみです。

したがって、後遺障害等級認定に必要な資料を集めることのできない結果として、後遺障害等級認定が受けにくくなるというリスクがあります。


後遺障害が認定されると、損害賠償額が大きく跳ね上がることも多く、本来であれば得られた損害賠償額よりも大きく減額されてしまうというリスクも存在します。

以上のように、整骨院のみに通院することは、損害賠償等の法的手続において大きなリスクが存在します。

そのため、最初の受診は医療機関である整形外科等において、医師の処置を受けることを強くお勧め致します。

交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

本記事において、整骨院のメリット・デメリットをご説明致しました。

むち打ち症におけるマッサージのように、整骨院でしかできないもので回復に大いに役立つというメリットがあるため、一概に医療機関にのみ頼ることが良いとは限りません。

大事なのは、適切な整形外科と整骨院の使い分けであると考えられます。

特に最初の受診は、損害賠償の手続の観点から、整形外科の受診を強くお勧め致します。

そして、損害賠償手続関係でトラブルが生じた場合や、疑問に感じた場合は弁護士に相談されると心強い味方となってくれることでしょう。

整骨院の通院についてご不安な方は、交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにぜひご相談ください。


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