「借金はいけない」と思っていても、低収入や生活の苦しさからヤミ金に手を出してしまうこともあるでしょう。
ヤミ金は法律違反の行為であるため、原則として借金を返済しなくても問題ありません。
しかし、最初から踏み倒すつもりでお金を借りると、取り立て業者から頻繁に連絡がかかってきたり、訴えられたりとトラブルに発展する可能性があります。
では、無事にヤミ金から逃れる方法はないのでしょうか？
そこで今回は、ヤミ金から逃れるためにできることをご紹介します。
どうすればヤミ金に対抗できるのか、有効な方法について知っておきましょう。

ヤミ金（闇金）から逃げ切れるのか

低収入やギャンブルなどが原因で、ヤミ金からお金も借りる人は一定数います。
そこで気になるのは「ヤミ金からの借金は、本当に返済義務があるのか？」ということです。
まずは、ヤミ金の返済義務について理解しておきましょう。

原則返済義務はなし

ヤミ金から借りたお金は、原則返済の義務はありません。
ヤミ金は消費者金融と違い、貸金業法とは無関係に仕事をしている人たちです。
都道府県や国への登録をせず、無登録で貸金をしている業者をヤミ金と言います。
以前はヤミ金に対しても返済義務があったのですが、2008年の最高裁判所の判例から事情が変わりました。
最高裁で「違法な条件による貸付は無効」と定められたため、利息も元本も返済の必要がなくなったのです。
また現在では、ヤミ金融対策法が成立されています。
「10日で3割」など高額な利息がヤミ金の特徴と言えますが、年利109.5%を超える金利の場合は、契約自体が無効と判断される法律です。
基本的にヤミ金からお金を借りても返済の必要はありませんので、ぜひ覚えておきましょう。

取り立ての連絡はかかってくる

ヤミ金融対策法によって被害数は減少しましたが、返済を迫るヤミ金業者は消えていません。
ヤミ金は期日までに返済がない場合、電話で取り立てをします。
1日に何十件も電話をかけてきたり、「実家や職場にばらす」と脅したりするケースもあります。
貸金業法において深夜における電話の取り立ては禁止されていますが、ヤミ金は法律もお構いなしです。
利用者が返済するまで、ヤミ金は連絡を続けます。
借金をした本人や家族などに連絡しても返済に応じない場合は、自宅に嫌がらせをしてくることもあります。
身に覚えのない大量の出前が届くなどの行為で、利用者を困らせるのです。

ヤミ金を騙してお金を借りていい？

ヤミ金は法律違反でお金を貸している業者なので、原則返済の義務はありません。
そうであれば「お金を借りて踏み倒せばいいのでは？」と思うかもしれませんが、返済の意思なくお金を借りることは止めておきましょう。
最初から偽名を使い、返す気がなくお金を借りると詐欺罪が適用される可能性があるからです。
ヤミ金は法律違反でお金を貸しているため、基本的に返済に応じる必要はありません。
しかし、他人を騙してお金を借りることは犯罪行為です。
相手も悪いことをしていますが、自分も悪いことをしているため刑事罰の対象となりえます。
また、ヤミ金の取り立てに返済義務が発生しないのは、ヤミ金の貸付が「不法原因給付」に該当するからです。
不法原因給付とは、「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」法律です。
不正にお金を貸す業者に対しては、利用者を守る観点から返済の義務がありません。
ただし、お金を踏み倒そうと思ってヤミ金から借金をした場合には、返済義務が発生する可能性もあるので注意しましょう。

ヤミ金から逃れる方法

ヤミ金からお金を借りてしまった時には、返済から逃れる方法を考えましょう。
ここではヤミ金から逃れる方法についてお伝えします。

返済をストップする

現在、ヤミ金への返済を続けている方は、返済をストップしましょう。
ヤミ金との取引内容は法律違反であるため、契約そのものが無効です。
ヤミ金を騙そうと思って借金したのでなければ、支払った元本と利息が返還される可能性もあります。
ヤミ金からプレッシャーに負けてずるずると返済し続けてしまうと、ヤミ金も諦めることはありません。
今以上に損害額を増やさない工夫が必要です。

警察に相談

ヤミ金からの借金については、警察も相談に乗ってくれます。
借用書や明細などの資料が揃っている方は、警察に被害を報告しましょう。
証拠があれば警察も対応しやすくなる上、銀行口座の停止も警察であれば可能です。
目立ったトラブルがない場合は警察も動きにくいですが、まずは相談してみてください。

消費生活センター

消費生活センターとは、各自治体に設けられたお客様相談口のことです。
ヤミ金に特化した場所ではありませんが、消費生活アドバイザーなどの資格を所持した職員が借金全般の相談に乗ってくれます。
あくまで相談ができるだけなので、具体的な対応については弁護士や司法書士への依頼が必要です。

法律事務所に助けを求める

ヤミ金の相談先としては、法律事務所が専門家と言えます。
ヤミ金に強い事務所に行けば、詳しく事情を伺った後、借金取り立てを防ぐ対応をしてくれるでしょう。
弁護士が債務整理を開始したことを伝える受任通知をヤミ金に発送しても、なお取り立てが続く場合には、警察と連携してヤミ金に対処します。
公的機関と比較すると費用は高くなりますが、悩まされてきたヤミ金からの連絡や督促から解放されるのは大きなメリットです。
また、一定の収入を下回るなど条件はありますが、法テラスへの相談もおすすめです。
法テラスは、無料の法律相談や弁護士費用の立替えを行っている公的機関です。
利用には電話予約が必要で、30分の相談を最大3回まで無料で受けられます。
各当道府県に設置されているため、近くの事務所を探してみると良いでしょう。

ヤミ金に対して知っておきたい予備知識

ヤミ金に手を出してしまった時は、どのように行動するかが大切です。
間違った選択をしてしまうと、問題が解決しないばかりか悪化してしまう可能性もあるでしょう。
ここでは、ヤミ金に関して知っておきたい予備知識についてご紹介します。

ヤミ金は自己破産の対象にならない

ヤミ金で借金をした方の中には、自己破産を考える方もいます。
しかし、ヤミ金は自己破産の対象外です。
違法な貸金業者との契約は自己破産の対象にならないため、ヤミ金からの借金がなくなることはありません。
加えて、自己破産をすると官報に名前や住所が公表されます。
ヤミ金に自己破産したことがバレてしまうと、かえって取り立てが厳しくなる可能性もあります。

家族や親せきに事前に借りたことを伝えておく

ヤミ金からお金を借りた場合は、実家や家族に連絡しておきましょう。
ヤミ金は個人情報を把握しているため、自宅はもちろん勤務先などの情報も得ています。
事前に借金したことを周囲に伝えておけば、万が一ヤミ金から連絡が来たとしても心の準備ができます。
人間関係を円滑に進めるための工夫も忘れてはいけません。

ヤミ金は消費者金融とは異なり、法律違反で営業している業者です。
原則として借金は返す必要がないため、連絡があっても無視し続けるようにしましょう。
最高裁でも判例が出ている通り、法律的にも返済の義務はありません。
また、ヤミ金に対しては一人で抱え込まないことも大切です。

闇金に強い弁護士に相談する。借金にお困りの方は，債務整理を取り扱う大阪市・難波（なんば）・堺市の弁護士に

証拠が揃っていれば警察も動いてくれますし、ヤミ金に強い弁護士も数多くいます。
多少費用がかかっても、安心して日常生活が送れるのは魅力的です。
ヤミ金の取り立てから逃れたい方は、弁護士など専門家への相談をおすすめします。

債務整理を多く取り扱う大阪市・難波（なんば）・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。