2020.07.28 2022.10.01

介護士(介護福祉士,ヘルパー等)の債務整理について

介護士(介護福祉士,ヘルパー等)の債務整理について

介護関係の職業に関しては,国家資格である介護福祉士,社会福祉士や公的資格であるケアマネジャーと民間事業者の「介護職員初任者研修」を受講したホームヘルパー等,介護関係に関わる仕事をされる方を総称して「介護士」と呼ばれることがあります。

あくまで,俗称ではありますが,一般的にも介護の仕事をされている方のことを「介護士」さんと呼ぶことは多いですので,ここでは,介護関係の職業の総称として介護士という表現をさせていただきます。

介護関係の仕事は,超高齢化社会となってしまった現在の日本において,無くてはならない大切な仕事ではあります。

介護を要する高齢者の方の世話をするという点で,責任も重く,また肉体的にも精神的にもストレスが多い仕事ですが,給料の面では決していいものとは言えず,需要が多い仕事であるにもかかわらず,なかなか需要に供給が追い付かず,結果として,1人1人の介護士の負担が重くなっている状態であると言わざるを得ません。

このような状況の中で,給料が低いことと相まって,借金に苦しんでおられる介護士の方もいらっしゃるのではないかと思います。

とはいえ,借金問題に気を取られている状態は,良質な介護作業を行うに際しての妨げになりかねませんので,もし,借金に苦しんでおられる介護士の方がおられましたら,この記事をお読みいただき,ご参考になさってください。

介護士の方で,借金を重ねてしまう方のパターンとは?

介護士の方が,借金を重ねてしまう場合,そのパターンとしては,大きく2つの流れが考えられます。

まず,給料が低いことから,生活費の足しにするために,借金をしてしまうことが考えられます。現在の日本では,無くてはならない重要な仕事であるにもかかわらず,相応の給料がもらえない方が多くいらっしゃるというのは,残念ながら事実と言わざるを得ませんし,真面目な介護士の方ほど,無理をして安い給料でも必要以上に頑張ってしまい,自分の生活が犠牲になることで必要以上の生活費が必要となり,結果として,生活自体が厳しくなってしまうこともあり得ます。

また,介護士は女性の方がパートタイムやアルバイト,契約社員や派遣社員として勤務されているケースも多く,契約先の事務所の都合によっては,契約の打切り等によって収入がなくなる等,不安定な雇用形態の方が多いことから,どうしても一時的に借入金等に頼らざるを得ない場合もあり得ます。

次に,主に高齢者の方の介護の仕事であり,認知症等の高齢者の方に対する対応や,頑固な高齢者の方の無理難題に付き合わされるなど,肉体的にも精神的にもストレスフルな職業であることは間違いなく,日頃のストレス解消のために,買物やギャンブル等に必要以上のお金をつぎ込んでしまって,結果として,借金が増えていってしまうという流れが考えられます。

介護士が債務整理をすることで仕事上問題になることがありますか?

特に問題になることはありません。資格制限もありません。

介護福祉士や社会福祉士という国家資格に関しても,欠格事由に自己破産をしたことはあげられていませんし,ホームヘルパーに関しても,債務整理に関して何らかの問題になるような規定は一切ありません。

また,自己破産等の債務整理をしたことを理由として解雇することは,労働契約法に違反する不当解雇であり,解雇は無効ですので,債務整理をしたから勤務先を解雇されるということはありません。

地方公務員として働いている介護士の方も多くおられると思いますが,公務員の欠格事由としても,自己破産や債務整理等の記載はありませんので,懲戒免職を受けるようなことはありません。なお,「公務員としてふさわしくない非行」に該当しないかという点を心配される方もいらっしゃるかもしれませんが,この場合の「非行」は犯罪行為かこれに類する行為を指すものと解釈されていますので,借金が懲戒事由に該当する心配はありません。

介護士の債務整理の方法はどのようなものがありますか?

任意整理

任意整理は,債権者と交渉して,利息・遅延損害金をカットして,元金のみを3~5年で分割弁済していくようにするのが原則的な方法です。

借金が増えた理由は問われませんが,3年~5年程度,毎月返済を続けていかなければなりませんので,ある程度安定した収入を継続して得ることが見込めないと難しい方法ではあります。

個人再生

個人再生は,裁判所に申立てて,住宅ローン以外の借金を5分の1程度に圧縮したうえで,その圧縮した金額を原則3年で支払っていく方法です。

自己破産と異なり,借金が増えた理由も問われず,資金的な手当ができるのであれば,持家を維持しながら支払っていくことも可能ですし,任意整理よりは支払総額を低く抑えることができます。ただし,任意整理と同じく安定した収入がないと難しいと言わざるを得ません。

自己破産

自己破産は,裁判所に申立てて,免責決定を受けると税金や損害賠償債務等を除く債務全てが免除されます。

原則として,自分の資産もすべて吐き出さなくてはいけませんが,これまでの毎月の支払からは解放されますので,一番楽に再出発できる方法であるといえます。

ただし,唯一,債務整理の3つの方法の中では,借金が増えた理由も問われますので,たとえストレス解消のためであっても,収入以上の借入やカードの利用は浪費とみられますので,免責不許可事由に該当し裁量免責を受けることを目指さなければなりません。

また,生活費の不足が原因であったとしても,今後,借金の支払がない状態で,新たな借金をすることなく生活できることを示さなければなりませんので,今後の生活設計については,建て直したものをきちんと作る必要はあります。

そのため,債務整理に長けた経験豊富な弁護士に依頼する必要が高いものではありますが,これまでの借金を反省して再出発する意思があれば,いずれにしても免責を受けることは十分に可能です。

また,いずれの方法で債務整理をしたとしても,有している資格をはく奪されることはありませんし,勤務先や家族等にも内緒で手続を進めることは可能です。

債務整理を真剣に検討すべきタイミングとは?

給料だけでは支払できずに,借入をして支払をしたことがある。

このような状況に陥るということは,自分の収入と支出のバランスがきちんと把握できていないことの現れですので,現状では何とか給料で支払えているとしても,いつ借金を増加させてもおかしくない状態にあり,危険な状態に片足を踏み入れていると思ってもらうほうがいいと思います。

リボ払いでの利用が増えている。

リボ払いは,毎月同額の支払でよいものの,利息(手数料)が高額になり,なかなか元金が減っていきませんので,リボ払いを繰り返していると,いつまで経っても元金が減らず,自分の収入は全てリボ払いの支払に充てざるを得ないうえに,利息(手数料)ばかり支払ってしまうようなことになりかねません。

一度,リボ払いの明細と自分の収入状況をきちんと確認したうえで,支払方法を変更する等しなければ,債務整理への道をまっしぐらということになりかねません。

複数の債権者への支払が,常に気になっている。

このような状況に陥るということは,少なくとも,常に支払うべき借金の存在を意識しており,複数の債権者に順繰りに支払を続けている,自転車操業状態に陥っているという可能性が非常に高いものですので,早急に,債務整理をすべきかどうかを決めて対応しなければならない状態であると言わざるを得ません。

支払が遅れ,債権者から電話連絡等がされたことがある。

約定どおりの支払ができているのであれば,債権者からは連絡されませんので,電話連絡をされたことがあるというのは,支払が遅れ,しかも,それが度々になっていることの現れです。勤務先に借金のことが明らかになってしまう可能性も高いと言わざるを得ず,一刻も早く,弁護士に相談して,債務整理を行うべき状態であると言わざるを得ません。

逆に,債務整理を行わず借金の支払で頭が一杯になってしまっては,小さなことであっても介護作業のミスにつながる等,仕事に影響を及ぼしかねませんし,勤務先や携帯電話に債権者から何度も督促の電話がかかってくる等すると,勤務先の他のスタッフや介護対象の高齢者の方の方に迷惑をかけたりすることになりかねず,借金で大変な状態になっていることを知られてしまうことになり問題になって,仕事を続けづらくなりかねませんし,仕事を無断欠勤したりするようなことになってしまえば,就業規則に反して懲戒処分を受けるようなことにもなりかねません。

悩んでいるよりは,すぐに弁護士にご相談ください!

介護士は,日々,肉体的にも精神的にも追い込まれるような大変な仕事ではありますが,介護が必要な高齢者の方の方にとっては,まさに日々の生活の支えですし,使命感の中で,毎日の業務に向き合っておられることと思います。

そうであればこそ,借金問題があるような状態は,早急に改善して,少しでもストレスを少なくして,介護を必要とする方のお力になっていただきたいと思います。

当事務所には,債務整理に長けた経験豊富な弁護士が何人も在籍しております。借金が気になられたのであれば,一人で悩まれずに,遠慮なくご相談ください。

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