看護師は,人の生命や身体に日々関わらなければならない仕事で,患者からの無理な注文への対応や,職場間の人間関係等,精神的に非常にストレスフルな仕事ですし,長時間勤務や夜勤等の勤務シフト等で肉体的にもハードな仕事です。
一般的には,看護師の給料は同年代の平均より高いと言われていますが,肉体的,精神的な大変さから,ストレス発散のために買い物やギャンブル等にのめりこんで散財してしまい,借金が膨らんでしまうケースも少なくないようです。
では,看護師の方が,返せないほどの多額の借金を負ってしまった場合,自己破産等の債務整理をすることで資格がはく奪されるようなことはないのでしょうか?
看護師の方の債務整理についてご説明いたします。
看護師の方がなぜ借金をしてしまうのか?
看護師の方は,収入は平均より高く安定していると思われていますが,精神的にも肉体的にもきつい仕事による日常のストレスを発散するために,収入以上に買物やギャンブル,飲酒等にお金を使ってしまい,それを繰り返してしまうことで,借金がかさんでしまったという話は聞くことがあります。
現状では看護師の9割程度は女性ですので,女性ならではの支出として,美容関係の支出(エステ,マッサージ,全身脱毛等)がありますが,これらは一度だけではなく,定期的に複数回サロン等に通うようなものも多く,総額では何十万円という金額を支払うことになってしまい,クレジットカードで支払うことが多くなりがちです。
また,旅行やブランド物のショッピング等に関しても,10万円を超えるような支払になれば,同様にクレジットカードでの支払が多くなってしまいがちです。
このようにクレジットカードの利用が増えていった際に陥りやすいのが,毎月の支払額を低く抑えるために,リボ払いを利用してしまうことです。
リボ払いは毎月の支払額は一定ではあるものの,利用手数料が高い率で定められていますので,元金がなかなか減っていかないという怖さがあるものの,毎月の支払額が変わらないために,次々と新しい買物等をしてしまうこともあり,結果として,クレジットカードの利用料金総額が高額になってしまうのです。
そうなると,毎月の支払は,ほとんどが手数料に充てられて元金がほとんど減りませんので,1枚のクレジットカードが利用限度額に達してしまうと,次のクレジットカードを利用し,それを繰り返すことで,完済するまでに何十年もかかるような金額にまで膨らんでしまうことになりかねません。
看護師の方が任意整理して借金(債務)の返済減額をするときの注意点
任意整理をしてしまうと,資格制限等を受けるのではありませんか?
勤務先等に知られずに任意整理できますか?
絶対知られずに済むとは言い切れませんが,任意整理を弁護士に依頼をされるのであれば,その後の債権者との連絡・交渉は全て弁護士に任せることができますので,自宅や職場に債権者から連絡がいくことはなく,通常,任意整理のことを知られる可能性はほとんどありません。
看護師の資格を失うことはありませんか?
看護師の資格を失うことはありません!
看護師は国家資格ですので,任意整理を行うと資格(看護師免許)をはく奪されるのではないかと心配されるかもしれませんが,任意整理に関しては,一切,資格制限はありませんので,資格をはく奪されることはありません。
勤務先の病院を解雇されることもありませんか?
もし,任意整理を行ったことが,勤務先にばれてしまったとしても,任意整理を理由として解雇することは不当解雇に該当し,その解雇は無効ですので,解雇はできませんし,万一,解雇されることになれば,争うことが可能です。
いわゆるブラックリストに載ってしまいます。
任意整理を行ったことによって,信用情報機関への事故情報の登録がされます(いわゆるブラックリストに載ることになります。)ので,一定期間(通常5~7年程度)は新たな借り入れや新たなクレジットカードの作成ができなくなります。
看護師の方が自己破産して借金(債務)をゼロ(免責)にするときの注意点
自己破産をしてしまうと,資格制限等を受けるのではありませんか?
勤務先等に知られずに自己破産できますか?
民間の病院に勤務されているのであれば,絶対知られずに済むとは言い切れませんが,通常,知られることはまずありません。
自己破産を弁護士に依頼をされるのであれば,その後の債権者や裁判所との連絡・交渉は全て弁護士に任せることができますので,自宅や職場に債権者や裁判所から連絡がいくことはありません。民間の病院に勤務されているのであれば,絶対知られずに済むとは言い切れませんが,通常,知られることはまずありません。
自己破産をすると,官報(国が発行している新聞のようなものです。)に住所氏名と自己破産の事実が掲載されますが,官報を定期購読又は定期的にチェックしている人は通常いませんので,官報に掲載されたことから自己破産の事実がばれるということはまず考えられません。
なお,国公立の病院に勤務されており公務員である方に関しては,共済組合に借入がある場合には,自己破産をすると,そのことが勤務先に知られてしまう可能性は高いものとなります。
共済組合が債権者となれば,当然,弁護士からの受任通知も,裁判所からの開始決定等の通知も共済組合になされますので,共済組合から職場の方に連絡がいくことになると思ってください。
詳しくは,「国家公務員や地方公務員の借金の債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)について」の記事をご参照ください。
自己破産して看護師の資格を失うことはありませんか?
結論から言うと、自己破産しても看護師の資格を失うことはありません!
看護師は国家資格ですので,自己破産を行ってしまうと,資格(看護師免許)をはく奪されるのではないかと心配されるかもしれませんが,いわゆる看護師法に定められている欠格事由に自己破産は該当していませんので,資格をはく奪されることはありません。
看護師法に定められている「看護師としての品位を損するような行為のあったとき」に該当しないことも任意整理と同じで該当しないものと考えて大丈夫だと思われます。
勤務先の病院を解雇されることもありませんか?
勤務先の病院を解雇されることもありません!
もし,自己破産を行ったことが,勤務先にばれてしまったとしても,自己破産を理由として解雇することは不当解雇に該当し,その解雇は無効ですので,解雇はできません。この点については,民間,公務員を問いません。万一,解雇されることになれば,争うことが可能です。
いわゆるブラックリストに載ってしまいます。
自己破産すると、信用情報(ブラックリスト)には登録されます。任意整理を行った場合と同じデメリットがあります。
なお、美容代、エステ代、整形費用などで高額な支出をした場合には、浪費とみなされますが、浪費になった場合に、免責が下りるかどうかについては、こちらのブログをご覧ください。
関連記事:免責不許可事由(浪費やギャンブル)があっても、自己破産で免責してもらえるの?
看護師の方が個人再生して借金(債務)を減額するときの注意点
個人再生をしてしまうと,資格制限等を受けるのではありませんか?
勤務先等に知られずに個人再生できますか?
民間の病院に勤務されているのであれば,絶対知られずに済むとは言い切れませんが,通常,知られることはまずありません。
個人再生を弁護士に依頼をされるのであれば,その後の債権者や裁判所との連絡・交渉は全て弁護士に任せることができますので,自宅や職場に債権者や裁判所から連絡がいくことはありません。
個人再生も,官報に住所氏名と個人再生の事実が掲載されますが,官報に掲載されたことから個人再生の事実がばれるということはまず考えられないのは,自己破産の場合と同じです。
なお,国公立の病院に勤務されており公務員である方に関しては,共済組合に借入がある場合には,個人再生をすると,そのことが勤務先に知られてしまう可能性は高いものとなることは,自己破産の場合と同じです。
詳しくは,「国家公務員や地方公務員が債務整理をしてもよいのでしょうか?」の記事をご参照ください。
看護師の資格を失うことはありませんか?
看護師の資格を失うことはありません!
看護師は国家資格ですので,個人再生を行ってしまうと,資格(看護師免許)をはく奪されるのではないかと心配されるかもしれませんが,個人再生に資格制限はありませんので,資格をはく奪されることはありません。
看護師法に定められている「看護師としての品位を損するような行為のあったとき」に該当しないことも任意整理,自己破産と同じで該当しないものと考えて大丈夫だと思われます。
勤務先の病院を解雇されることもありませんか?
勤務先の病院を解雇されることもありません!
もし,個人再生を行ったことが,勤務先にばれてしまったとしても,個人再生を理由として解雇することは不当解雇に該当し,その解雇は無効ですので,解雇はできません。この点については,民間,公務員を問いません。万一,解雇されることになれば,争うことが可能です。
いわゆるブラックリストに載ってしまいます。
個人再生手続をすると、信用情報(ブラックリスト)には登録されます。
任意整理のところで説明したのと同じデメリットがあります。
看護師の方で借金にお困りの方は,債務整理を取り扱う大阪・難波(なんば)・堺市の弁護士に
心の拠り所として,日々笑顔を絶やさずに業務に向き合っておられることと思いますので,借金で悩むような状態は,早急に解決し,少しでもストレスを少なくして,患者の皆さんのお力になっていただきたいと思います。
法律事務所ロイヤーズ・ハイには,債務整理に長けた経験豊富な弁護士が何人も在籍しております。
看護師の方で借金にお困りの方は,債務整理を取り扱う大阪・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。