幣事務所では、ホストクラブ・キャバクラ・風俗が原因で作った借金について、債務整理手続き(任意整理・個人再生・自己破産)をされたいというご相談を受けることが多くあります。 ホストクラブやキャバクラや風俗にはまってしまい、特定のキャストや風俗嬢に入れ込んでしまうケースや、もしくはホストクラブやキャバクラや風俗に行くこと自体にはまってしまうケース等があります。 ここでは、そういった方々が借金をしてしまった場合、どのような解決方法があるかをご説明します。
水商売(ホストクラブやキャバクラ)・風俗とは何か。
なぜ水商売(ホストクラブやキャバクラ)・風俗が原因で借金(債務)をしてしまうのか? ホストクラブやキャバクラとは、キャスト(ホストやキャバ嬢)から接待を受けることができる飲食店をいいます。 また、風俗とは、一般的に風俗嬢から性的なサービスを受けることができる店舗をいいます。 取引先の接待等でこれらの店舗が利用されることも少なくありませんが、やはり個人的に楽しむための利用が大半を占めているように見受けられます。 こうした方々も、元々は接待や知人に連れられてといったことがきっかけとなり、楽しみを知り、はまってしまうというケースが多くみられます。
では、なぜ借金をしてしまうほどにこれらの店舗に通い続けてしまうのでしょうか? その理由としてはいくつか考えられます。 まずは、店舗を訪れることの敷居の低さがあります。 一般的に、ホストクラブやキャバクラは、初めて来店する方に対しては比較的リーズナブルな価格を提示します。 すると、この金額で楽しめるならば、次回も来店しようという考えが働いてしまいます。 次に、仕事や家庭のストレスの解消先になっていることがあります。 キャストや風俗嬢は、利用者を心地よくさせるための技術指導を受けており、その接客技術は卓越したものがあります。 仕事や家庭の愚痴を吐き出しても、真摯に耳を傾けてもらえるだけではなく、楽しいイベントも行われるため、気分が高揚した状態で退店させてくれます。 鬱々とした気分で入店したものの、高揚した気分で退店できることから、次回も来店しようという考えが働いてしまいます。 こういったことが続くことで、またホストクラブやキャバクラや風俗に行きたいという気持ちにさせられてしまいます。
しかし、こういった店舗では支払う金額が非常に高額です。 通常であれば、あっという間に給与や小遣いを使い果たしてしまいます。 それでも、またホストクラブやキャバクラや風俗に行きたいという気持ちが強くなってしまうことで、借金をしてでも訪れてしまうのです。
しかし、下記に見るように、ホストやキャバクラ、風俗の借金は高額になりやすく一種の中毒性のようなものもあります。そのため、これらに通うこと自体がお勧めできるものではありません。また、債務整理手続きを行う上でも、様々なハードルがあります。これらの店に通うことはくれぐれも注意をしましょう。
水商売(ホストクラブやキャバクラ)・風俗が原因の借金(債務)を任意整理して返済 減額をするときの注意点
借入期間が短期間の場合
上述したように、ホストクラブやキャバクラや風俗店では、その利用額が非常に高額であるため、あっという間に手元にあるお金を使い果たしてしまいます。 それでも、また行きたいという気持ちが先走ってしまい、銀行や消費者金融やクレジットカード会社から借入れをして、それらの費用に充てようとします。
ホストクラブやキャバクラや風俗に通い詰める方に見られる傾向として、比較的短期間に複数社から合計で数百万円の借入をしてしまうことが多く見受けられます。
この原因として考えられるのは、借入金のほぼすべてがホストクラブやキャバクラや風俗の費用に充てられており、なおかつその料金が高額であるためです。 1社あたりからの借入限度額は50万円から100万円の範囲内であることが多いため、すぐに限度額の上限に達してしまい、また新たな借入先を見つけ、そこから借入れをするということを繰り返すことになります。 そうすると、全体的には何年もかけて数百万円の借入をしているように見えますが、1社あたりでみると短期間で限度額いっぱいまで借入をしてしまい、返済に困るということが多いです。 こうした場合に任意整理を行っても、大きなメリットが得られない可能性があります。
返済期間の短期化
上述したように、比較的短期間で借入をしてしまうと、任意整理を行っても大きなメリットが得られない可能性があります。
その具体的な内容としては、返済期間が通常よりも短く設定されてしまうことです。
その原因は、短期間に限度額いっぱいまで借金をしていることにあります。 いうまでもなく、銀行や消費者金融やクレジットカード会社は、暴利を貪り、その利息収入が収益となっています。
可能な限り限度額いっぱいの金額を貸し付け、元金の返済ができないような高額な返済額を要求し、利息だけを可能な限り長期間搾り取るのです。
しかし、これが限度額いっぱいまで貸し付けたものの、ほとんど返済が行われることなく弁護士が介入してしまうとどうなるでしょうか? 借入先は、利息収入をほとんど得ることなく、返済を受けられなくなるということになります。 つまり、ほとんど利益を得られないまま弁護士に介入されることになり、元本しか回収できなくなることになります。
すると、借入先に分割弁済の和解交渉を申し入れたとしても、一般的な3年間から5年間での分割弁済に応じてもらえず、短期間での分割弁済しか応じてもらえないリスクがあることに注意が必要です。
とはいえ、弁護士は粘り強く借入先と交渉を行いますので、すべての案件が短期間での弁済になるわけではありませんので、ご安心ください。
よくある事例のモデルケース
よくある事例のモデルケースとしてご紹介します。 会社員として働かれているところ、離婚により寂しい気持ちが生まれ、その寂しさを紛らわそうと考え、風俗店を訪れました。 接客を受けた風俗嬢の対応にはまってしまい、頻繁に同店を訪問し、同じ風俗嬢を指名し続けました。 給与はあっという間に使い果たしてしまい、それでも風俗嬢に会いたい一心で、銀行や消費者金融から借入れをしました。 気付けば借金の金額は200万円近くまでになりました。 返済に困って弁護士に相談したところ、収入が安定しており、独身で生活費も高額ではなかったことから、任意整理を選択することになりました。 借入先との交渉において、当初は2年以内の分割弁済しか応じないという姿勢でした。しかし、弁護士の粘り強い交渉の結果、5年間の分割弁済の和解をすることができ、毎月の返済は3万円程度まで減額することができました。
水商売(ホストクラブやキャバクラ)・風俗が原因の借金(債務)を自己破産してゼロ(免責)にするときの注意点
水商売(ホストクラブやキャバクラ)・風俗通いが原因の高額な借金で自己破産できるか?
上述したように、ホストクラブやキャバクラや風俗に通い詰める方に多く見られる傾向として、比較的短期間に複数社から合計で数百万円の借入をしてしまう傾向があります。 比較的短期間に高額な借入れを行い、それをホストクラブやキャバクラや風俗に浪費すると、裁判所に破産申立を行った際に、こうした行為が免責不許可事由(借金がゼロ(免責)にならないことをいいます。)にあたるものとして、裁判官から厳しい追及を受けることになります。
同時廃止手続においては、口頭審査期日が設けられ、裁判所に呼び出されることになります。
しかし、免責不許可事由があり、裁判所から呼び出されたとしても不安になる必要はありません。 口頭審査期日には弁護士が同席し、必要に応じてフォローも行います。
まずは、比較的短期間に高額な借入れを行い、ホストクラブやキャバクラや風俗に浪費してしまったことを反省する姿勢を見せることが重要です。
また、反省していることを裁判所に示すために、反省文を提出することも有効な方法です。
こうして、裁判所に対して真摯に反省している態度を示すことができ、裁量免責(本来なら借金をゼロ(免責)にしてもらえないところを、裁判官の判断で、借金をゼロ(免責)にしてもらうことをいいます。)を得ることが可能になります。
短期間で高額な借入れをしてホストクラブやキャバクラや風俗に浪費してしまったからといって、すぐに自己破産を諦めてしまうのではなく、まずは弁護士にご相談ください。
風俗やキャバクラにはまってしまう男性の心理と自己破産できるか、家族にバレるかどうかについて記載したブログもご覧ください。
風俗やキャバクラで作った借金(キャッシング)でも自己破産できるか?
なお、免責が下りないかどうかについて詳しい記事を書いておりますので、こちらもご覧ください。
免責不許可事由(浪費やギャンブル)があっても、自己破産で免責してもらえるの?
同時廃止か管財事件か
裁判所に自己破産を申し立てる際には、目立った資産等がなければ、同時廃止という手続きを選択します。
この手続きは、基本的には書面のみで借金をゼロ(免責)にするかどうかの審査が進むため、比較的短期間で借金をゼロ(免責)にしてもらうことができ、さらに裁判所に支払う費用も安く抑えることが可能であることが最大のメリットです。
とはいえ、内容によっては、上述したように口頭審査期日が設けられ、裁判所に呼び出されることもあります。 一方で、借入の金額や期間や使い道、資産の金額によっては、管財事件になる可能性があります。
管財事件とは、管財人(裁判所から選任される弁護士のことで、債務者と債権者の中間的な存在として、債務者の借入や財産を調査する立場にある人)の指導監督のもと手続きを進めていくものです。
管財人は借入や財産だけでなく、生活態度も監督されます。
例えば、ホストクラブやキャバクラや風俗に浪費しているような場合、一定期間本人の生活態度の変化等を管財人が観察し、その結果更生されたと判断されれば、借金をゼロ(免責)にするよう裁判所に意見を出してくれます。 管財事件のデメリットとしては、同時廃止に比べると借金をゼロ(免責)にしてもらうまでに手続きが長期化する傾向があることと、裁判所に支払う費用が最低でも20万円程度必要になることです。
弁護士費用とは別に、裁判所に支払う費用がかなり高額であることが悩ましい点です。 これだけを見ると、管財事件とはハードルの高い手続きであるかのように見えますが、まったく不安になる必要はありません。
裁判所に支払う費用については、コツコツと積み立てるか周囲から援助を受ける等してご準備いただくしかありません。 しかし、手続きの進行に関しては、管財人から質問されたことに誠実に対応し、短期間で高額な借入れを行い、ホストクラブやキャバクラや風俗に浪費してしまったことを反省する姿勢を見せることで、裁判官の裁量により、借金をゼロ(免責)にしてもらうことが可能です。
よくある事例のモデルケース
よくある事例のモデルケースとしてご紹介します。 会社員として勤務していたところ、労働環境が過酷であり、過度なストレスがかかる環境に置かれていました。 ある日、職場の先輩に誘われてキャバクラを訪れたところ、キャストの丁寧な対応に驚かされました。 また、退店する際には、不思議なくらい職場での鬱憤を忘れていました。 この日を境に、ストレスを解消するために、キャバクラに頻繁に訪れるようになりました。 給与はあっという間に使い果たしてしまい、それでもキャバクラに行きたいという一心で、銀行や消費者金融やクレジットカード会社から手当たり次第に借入れをしました。 このようなことを繰り返しているうちに、わずか数年間で借金の金額は700万円を超えていました。 弁護士に自己破産を依頼したところ、借入の期間が短く、借金の総額も高額であり、使い道も浪費であることから、管財事件として進めることになりました。 管財人の指導監督のもと、生活態度を改めることで、無事に700万円を超える借金(債務)をゼロ(免責)にしてもらうことができました。
水商売(ホストクラブやキャバクラ)・風俗が原因の借金(債務)を個人再生して減額するときの注意点
借金の理由は問われない
上述したように、自己破産の手続きの際は、ホストクラブやキャバクラや風俗に浪費しているような場合、裁判所に呼び出されることや、管財人が選任されるなどのリスクが存在します。
しかし、個人再生の手続きにおいては、借金の原因がホストクラブやキャバクラや風俗に浪費しているような場合であったとしても、裁判所から指摘されることはありません。 なぜなら、自己破産と異なり、免責不許可事由というものが存在しないからです。
さらに、自己破産の場合は自宅を失うことになりますが、個人再生においては、住宅ローンはそのまま返済を続けることができるため、自宅を失うこともありません。
浪費の金額が相当程度高額である場合や、自宅を守りたい場合、個人再生は非常に有効な手段です。
債権者の同意を得られるかがポイント
個人再生の手続きは、非常にメリットがある一方で、制約もあります。 代表的なものとしては、小規模個人再生においては、債権者数かつ借入総額の過半数の債権者の同意を得なければなりません。
繰り返し述べたように、ホストクラブやキャバクラや風俗に浪費しているような場合、比較的短期間で高額な借入れをしていることが多いです。 借入先にしてみれば、短期間で限度額いっぱいまで借入をされてしまい、その後すぐに個人再生をされてしまうと、利息収入がほとんど得られません。 すると、借入先から個人再生手続に同意してもらえない可能性があります。
しかし、小規模個人再生ができなかったとしても、給与所得者等再生という手続きを行うことが可能です。 こちらの手続きの場合、借入先の同意が不要というメリットがある反面、返済額が高額になるというデメリットがあることに注意が必要です。
さらに、全員がこの手続きを使えるわけではないことにも注意が必要です。 弁護士は、状況に応じて最適な手続きをアドバイスさせていただきますので、まずは弁護士にご相談ください。
よくある事例のモデルケース
よくある事例のモデルケースとしてご紹介します。 大手企業において会社員として勤務していたところ、軽い気持ちで同僚とホストクラブに訪れました。 ホストクラブでは盛大に盛り上がり、また初回料金も安く設定されていたこともあり、異様な興奮状態のまま退店しました。 しばらく日数が経過しても、その興奮を忘れることができず、再度ホストクラブを訪れました。 再度の来店にホストからは手厚い接客を受け、さらにホストクラブに通い詰めることになりました。 支払は高額であったものの、毎回クレジットカードで支払っていました。 ところが、あっという間に限度額いっぱいになってしまったので、今度は銀行から借入れをしてホストクラブに通い続けました。 しかし、そのような状態も長く続かず、返済に困り始めた頃には借金の総額は1000万円に迫る勢いでした。 弁護士に相談したところ、借金の総額が高額であり、使い道も浪費であることから、個人再生を選択することになりました。 幸いなことに単独で過半数を占める債権者はおらず、目立った資産も特になかったことから、借金は200万円まで圧縮することができ、3年間での分割弁済とすることができました。 毎月の返済は、6万円以下にまで減額することができ、無事に生活を立て直すことができました。
水商売(ホストクラブやキャバクラ)・風俗が原因で借金にお困りの方は,債務整理を取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士に
このページでは、ホストクラブやキャバクラや風俗が原因でなぜ借金をしてしまうのか、そして債務整理手続き(任意整理・個人再生・自己破産)をした場合の注意点等をご説明しました。
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