競馬は，スポーツ観戦？それともギャンブル？

さて，皆さんは，競馬をどのように見てらっしゃいますか？
競馬の見どころ，というものがあります。
競馬の場合，どのように馬が育ってきたのか，血統，騎手の腕，実績。
そして，そのような，騎手らの努力や技術を見に行く，ということであれば，「スポーツ観戦」と言えるでしょう。
彼らの勝負にかける姿勢や努力をみて，自分も刺激を受け，自分ももっと何らかの分野で頑張ろう，人のために頑張ろう，と思えるなら，素晴らしいことです。
ただ，競馬は公営ギャンブルという側面があります。
ここが，注意しなければならないところです。
競馬を見ているうちに，お金を稼ぐことが目的にすり替わってしまうのです。もしくは，そもそも日々の生活に刺激がなくて，賭け事をしたいと思ってされる方も多いです。

また，何気なく始めたつもりが，気付けば競馬なしでは張り合いがなくなり，常に競馬場に行かなければならないという考え方に変わってしまう恐ろしい危険性もはらんでいます。

また，負けが続くと，その損失を取り戻さなければならないという考えになってしまい，さらに競馬にお金をつぎ込んでしまうこともあります。

節度をもって競馬を楽しむかぎりは問題ありませんが，日常生活にまで影響が出るようになってしまうと大変なことになります。

競馬で借金をする人はどんな人？？

競馬の楽しみ方は，さまざまでしょう。

純粋に勝負の行方を予想する過程が好きな人
予想を的中させることに快感を覚える人
騎手のことが好きな人
馬のことが好きな人
勝負が白熱している様子が好きな人
一方で，ギャンブルとしてとらえてお金を稼ぐことが好きな人

では，この中で，どういった方が，借金をしてしまうのでしょうか？

私の事務所は大阪の難波にありますが，週末になると，南海難波駅には競馬新聞を片手に持ってウインズを目指す方をたくさん見かけます。

しかし，私の実感としては，そうした方が借金をしてまで競馬をしているかというと，そうではないような気がしています。

なぜなら，こうした方の競馬の楽しみは，どの馬が勝つかを予想することであって，大金を稼ぐことではないからです。
もちろん，予想が当たってお金が入ったら嬉しいと思いますが，その当てる過程を楽しんでいるので，負けて口では愚痴や文句を言っていたとしても楽しめている，ということなのです。

では，どういう方が借金までしてしまうのでしょうか？？

結論から言うと，競馬をギャンブルであり，お金を得る手段として捉えている人です。
そして，特にその中でも，多額の借金を負ってしまう方は，熱中しやすい，負けず嫌い，お金の管理が苦手，であることが多いです。
熱中しやすい人や負けず嫌いな人は，一度負けても，勝ちたい，負けを取り返したい，と思います。
ですから，どんどんお金を費やして，馬券を購入し，勝つまでお金をつぎ込みます。
ところが，公営ギャンブルは，胴元が得をし，客が損をするようにできています。

ですから，たとえ一時的に勝つことがあっても，長い目で見れば，損をします。

多くの方が，こういった事実に気付かないまま，どんどん競馬にお金をつぎ込んでしまいます。
ただ，実際にギャンブルを数多くやる人は，確率論で負ける可能性が高いことはわかっています。
しかし，自分は勝てる，という根拠のない自信を持っていることが多いため，結果的にお金をつぎ込んでしまうのです。

では，全員が最初からお金をどんどん競馬につぎ込んでしまうのかというとそうではありません。

競馬にまだ慣れていない当初は，自分のお給料や小遣いの範囲内で，馬券を購入します。
ところが，熱中しているうちに，どんどん賭けていき，すぐにお金がなくなります。
すると今まで熱中していた競馬ができなくなるので，暇になります。
退屈でやることがなくなると，心がざわついてきます。
早く，競馬に行きたいと。
そこで，競馬につぎ込むお金を作るために，消費者金融でキャッシングしたり，もしくは生活費をクレジットカードで支払って，リボ払いにします。
すると，手元にお金が余るので，さらに馬券を買うことができてしまいます。
こういったことを繰り返すことで，借金の金額は雪だるま式に増えていってしまいます。

競馬に打ち込んでいる方は，残念ながら金銭感覚が麻痺してしまっていることが多く，既に借金地獄に陥りかけていることに気付くことができません。

ここで，お金の管理がちゃんとしている人であれば，どこまでが自分のお金で，どこからか借金であるかの区別がつきます。

しかし，お金の管理が苦手な方は，その区別がつきません。
まるで，借金をして得たお金が自分のお金であるかのような錯覚に陥って，借りられる限りどんどん使います。
すると，あっという間に，借入限度額に達するので，ほかに新しい消費者金融やクレジットカード会社からお金を借ります。
そして，借入と返済を繰り返して，自転車操業状態になります。

頭の中は，借金のことでいっぱいになって，借金地獄に陥ります。

この時点で，ようやく競馬が原因で借金地獄に陥ってしまったことに気付かされます。

競馬必勝法とする商材や競馬ブロブに注意しよう

上記に記載してきたのは，実際に競馬をやって，賭けて借金を負ってしまったケースです。

一方で，競馬必勝法という，甘い誘惑に負けて，高額な商材を購入してしまう，ということがあります。

往々にして，「１００％勝てる」，「絶対勝てる」，「９９％勝てる」などのうたい文句が書かれてあります。

そもそも，公営ギャンブルで胴元が得をし，客が確率的に損をするようになっています。

上述したように，公営ギャンブルとは，胴元が得をし，客が確率的に損をするようになっています。
また，そんな１００％勝てる方法があるなら，他人にそれを教えるでしょうか？
人に教材を売ってお金を稼がなくても，１００％勝てる方法を知っているなら，自分も公営ギャンブルをして，お金を稼げばいいだけの話です。

さらに言えば，本当に必勝法が存在するなら，必勝法を他人に広めてしまえば，多くの人が公営ギャンブルで勝ち続けることができてしまいます。

そうなると，そのような必勝法が存在するなら，胴元が損をしてしまうので，早々に何らかの対策を講じて，必勝法を必勝法ではなくするはずです。
また，逆に，胴元がそのような対策を講じていない，ということは，必勝法が存在しないことの裏返しではないでしょうか？
ですので，そのように考えれば，公営ギャンブルで「１００％勝ってお金を稼ぐことはできない」ことは分かるはずなのですが，甘い言葉に誘われて，ついつい興味を持って買ってしまう，という方もいます。
悪質なケースだと，購入してお金を払ったが，商材が届かない，ということもあるようです。
そうすると，商材を買った人は，詐欺だと思いますよね？

そこで，そのような方をターゲットに，「この商材を売っていた業者が，詐欺だと分かった」「ですから，その詐欺グループを捕まえるために探偵をつけましょう」，などと言われて，高額な探偵代を払わされてしまう，ということもあります。
もちろん，この探偵代も詐欺です。
そうすると，二重に被害にあってしまうことになります。これで数百万円の借金を負ってしまう，ということもあります。
「必勝法」と称するようなブログは乱立しているので，ついつい「勝ち続けている人がいる」と勘違いしてしまうかもしれませんが，くれぐれも注意しましょう。
まったく同じ人や業者が，違うタイトルのブログを書いて乱立させることによって，「勝ち続けている人がいる」との錯覚をさせ，必勝法を購入させようとしている可能性もあるのですから。
ただ，最近は，「１００％勝てる」というような分かりやすく嘘っぽい必勝法を書いているサイトも少なくなってきたかもしれませんね。

しかし最近は巧妙化しており，
「１００％は勝てないことは当然」「しかし，あなたの努力次第で確率をあげることはできる」
というような表現で，本人の向上心を煽り，あたかも勝てる可能性が高い誠実な内容が書かれてある，と錯覚させて，高額な商材を買わせるものもあります。

しかし，何度も言いますが，確率論的に客は損をするようになっています。
ですので，

このように一見まともなことが書かれてあるサイトについても，信用するのは禁物です。
いずれにしても，

お金を稼ぐことを目的にして，競馬，競艇，競輪をすることはおススメできません。

本当にお金を稼ぎたいなら，人のために働く，ことがお金を稼ぐための近道です。

では，競馬で借金してしまった場合，どのように返済すればよいのでしょう？

家族・親族・友人から借りて返済する，という方もいますが，別記事で書いたように，自分自身が大変な思いをして返済したわけではありませんので，お金の大切さを学べずに，再び借り入れをしてしまう，という方は本当に多いです。

そこで，自分で責任を取ろうとして，会社を退職し，その退職金で一気に返済するという方もおられます。
これはこれで，自分のした結果に対して自分で責任を取っているので，一つの解決法だと思います。
ただ，仕事を退職することになるので，今以上の給与や待遇の会社に再就職できるかどうかということや，妻や子供がいる場合には家族を養っていけるかどうか不安要素が残ります。

そこで，債務整理という方法もあります。
債務整理は，（１）任意整理　（２）破産　（３）個人再生　があります。

1. 任意整理は，利息をゼロにして借金を長期の分割の支払いにしてもらう方法です。
2. 破産は，一定の財産を失う代わりに，借金を０円（免責）にしてもらう方法です。
3. 個人再生は，借金を最大１０分の１まで減額して，３年間で分割して払っていく手続きです。

どの手続が適切であるかは，債務整理に詳しい弁護士に相談されることをオススメします。きっとよりよい解決法が見つかるはずです。
なお，退職して退職金で返済をすることを考える前に，（２）や（３）の手続きをとれば，退職金を残したまま，借金を減額したり，０円（免責）もできたりする可能性があります。

ですので，いきなり退職という手段をとるのではなく，競馬が原因で借金にお困りの方は，債務整理を多く取り扱う大阪・難波（なんば）・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。