夫や妻がパチンコ依存になっていて、家庭も顧みずに家計が成り立たず、多額の借金を抱えてしまっている。
このような場合にはもう離婚をしてしまいたい…と思ってしまうでしょう。
しかし、実際に離婚をするまでにはどのような流れとなるかについて、このページでお伝えします。
離婚の種類について知っておく
離婚にはどのような種類があるのか知っておきましょう。
協議離婚は、当事者の話し合いにより合意をした上で、役所に届け出ることで成立します。
調停離婚は、裁判所に申し立てをして、裁判官と調停委員2人が進行をする形で審議をして調停案を双方に出し、これに承諾すれば成立する離婚です。
裁判離婚は、離婚裁判を提起して、裁判所に判決を出してもらって成立する離婚です。
主婦のパチンコ依存によるリスク
主婦がパチンコに依存しはじめるとどのようなリスクを抱えてしまうでしょうか。
最初は家計の範囲内でやりくりしていたものでも、ギャンブルは負ける事が通常で、にもかかわらず「勝てば取り戻せる」という意識が働いてしまい、徐々に金額が大きくなります。その結果、家計の自由に使える分を通り越して、生活に必要なお金を切り詰めてまでパチンコをするようになり始めるリスクが高いです。
さらに、依存が悪化すると、生活に必要なお金だけでは足りなくなってしまい、消費者金融・信販会社・銀行のカードローンなどでキャッシングを初めてしまいます。キャッシングが日常化してしまうと、返済のための借入をするようになります。
こうなると、1社からの借入だけだと賄えなくなってしまい、次々と雪だるま式に借入をしていまう事が多くあります。実際に夫の給料をつかってパチンコをしはじめて借金が膨らんだため、支払いができなくなった…という場合に、夫が理解を示してくれるケースは多くありません。返済ができなくなった主婦は自分を追い込んでしまい、精神状態が悪化するようなリスクを抱えているといえるでしょう。
お金を稼ぐために風俗や売春をしてしまうようなケースも発生しえます。
離婚が成立するまでの流れ
離婚が成立するまでの流れについてみてみましょう。
協議離婚の場合は、夫・妻の間で話合いをはじめます。慰謝料・養育費・親権・財産分与などの事項について取決めをします。
話合いが整ったならば、市区町村の窓口に離婚届けを提出します。離婚はこの届出がされて初めて成立します。
調停離婚の場合は、夫・妻のどちらかが裁判所に調停の申立を行う事によって始まります。申立をして1か月後くらいに1回目の話し合いのための期日が設定される事になります。
期日では夫・妻は別々の部屋で待たされ、交互に裁判官1名と調停委員に話を聞いてもらいながら、妥協点を探っていきます。
解決のために必要な情報が整理できると、裁判官・調停委員は当事者に対して調停案を示しますので、それに双方合意をすれば離婚が成立します。
戸籍との関係で届出が必要とされているので忘れずに行います。
裁判離婚の場合は、前提として調停の申立を行って、調停案に納得いかなかった場合に、調停案に承諾せずに、離婚裁判を起こす事ができます。
調停では当事者の主張を聞きながら柔軟な判断をするのに対して、裁判では基本的には当事者の主張と立証内容を見て判断をする仕組みになっています。
裁判の期日も案件の難易によって1か月に一回づつくらい期日という集まる日程が組まれます。
裁判をするのに必要な主張と証拠資料が揃うと裁判を結審して、判決を出すことになります。
この判決に対して不服がある場合には控訴・上告をする事ができますが、判決が確定すると、判決内容に対しては異論を唱える事ができなくなります。
離婚が成立するにはどれくらいの期間が必要か
では実際に離婚するまでにどれくらいの期間が必要なのでしょうか。
協議離婚の場合には、極端な話をすると協議さえ整えば、届出をすれば終わりです。
もう財産分与も慰謝料も何もいらないので、とにかく別れて欲しいというような場合には、届出に必要な離婚届けを提出する時間で終わってしまう事が可能です。
調停離婚の場合には、調停期日における話合いに必要な審理の回数によります。
大体のケースでは3回の期日で調停案を出せるようになることが多いと言われております。
申立をしてから、1回目の期日が決まるまでに一か月程度かかります。
その後の期日の指定も1か月程度の事が多いので、合計としては3~4ヶ月程度の期間が必要であると考えておくとよいでしょう。
裁判離婚の場合も申し立てから1回目の期日まで1か月程度かかり、2回目以降も1か月程度の期間がかかります。裁判離婚の場合は案件の難易によってしまうのですが、5回以上はかかるので、少なくとも5か月以上はかかる事が多いです。
パチンコ依存が原因で離婚する場合にはどんな交渉が必要になるか
パチンコ依存が原因で離婚をしたい場合にはどのような事が交渉材料になるか知っておくと、離婚に必要な期間が短縮される可能性がありますので、是非まとめておきましょう。
まずは、離婚原因があるといえるかという事です。
協議離婚の場合には離婚原因が無くても離婚できますが、調停離婚・裁判離婚の場合には離婚原因がないと離婚ができません。
パチンコ依存にも程度が様々あり、パチンコをしている期間が短く、本人も反省をしているような場合には、離婚を認めない場合もあるからです。
きちんと、離婚する事がやむえない状況であるという事をまとめておくと、相手から「離婚原因がない」と主張された場合でも、きちんと反論できるようになります。
そして、慰謝料・養育費・財産分与などの財産的な事項についてです。
パチンコ依存がひどく散財をしているような場合には、慰謝料・養育費の支払いについてはルーズになりがちです。
当事者で感情的に話し合うとなかなか合意ができず、長引いてしまいますので、判断がしやすいように話し合う事項をまとめるべきでしょう。
まとめ
このページでは、離婚の種類と、それぞれの種類に応じた離婚の流れ、どれくらいの期間が必要なのか、といった事についてお伝えしてまいりました。
離婚に要する期間は短ければ短いほど精神的なダメージや、経済的な不利益を被らないですみます。
その一方で、長引けば長引くほど、早く離婚をしたいという思いが強くなり、取返しのつかない条件で離婚をしてしまう事もあります。
パチンコ依存があるような場合には、返す事ができなくなっている程度に借金問題悪化している場合があり、その場合には借金問題も一緒に解決しなければならない場合が多くあります。
なるべく早い段階から弁護士に相談をして、有利に離婚をするめられるようにしましょう。