借金をしてしまった原因がパチンコであるような場合、夫に知られてしまうと夫婦関係が悪くなり、最悪の場合離婚に発展する事態となってしまいます。
そのため借金をしている事を隠したい、というのがほとんどの人の本音ですが、それは可能なのでしょうか。

夫に隠せる場合と隠せない場合

まず、夫は妻が借金をしている事がわかる手段があるのでしょうか。
借金をしているかどうかは信用情報機関という所が記録をしています。
この信用情報については開示をする事ができますが、本人以外からの開示については代理する事に同意する書面の作成が必要で、それがなければ本人の同意なく開示してくれません。
ですので妻になんの相談もなく借金があるかどうかを調査することはできませんし、その原因がパチンコである事はわかりません。
ですので、返済をしているうちは夫にわかる事はないでしょう。
問題は返済ができなくなってしまった場合です。借入したお金が返済できなくなると、督促がくる事になります。
借入にあたって自宅の住所・電話番号をしっているような場合には、自宅の電話番号に電話がかかってきたり、自宅の住所に通知がきます。
申込の際に、妻の実家に住所があるもので申込をしたような場合で、申込を携帯でしているような場合なければ、自宅に郵送物や電話がくることになってしまいます。
ですので払えなくなったような場合には督促をなんとかしなければなりませんので、弁護士・司法書士に債務整理を依頼する事が考えられます。

債務整理手続きをすると夫に隠せるのか

債務整理手続きをすると、借金をしている事・その原因がパチンコである事を夫に隠せるのでしょうか。
弁護士に依頼をすると、消費者金融等の貸金業者はたとえ借入原因がパチンコであるような場合でも督促をとめなけばならない事になっているため、夫に隠せる可能性は高まります。
夫に債務整理を依頼したことを打ち明ける必要があるか、についてですが、できれば打ち明けた方が以後の手続きはスムーズにすすむものの、必須ではありません。
弁護士から夫の携帯や自宅の電話に連絡する事は、たとえば依頼をしてから連絡が取れなくなってしまったような事情がない限りありません。
弁護士に依頼をすると契約書や各種書類の郵送が自宅にされる可能性があるので、それで夫にバレてしまう場合もあります。
しかし、借金の原因について弁護士が伝える事は守秘義務の関係でできないですし、郵送物についても弁護士であることを隠して郵送するなどして工夫もしてくれます。
問題は具体的な手続き段階に入ってからです。

債務整理の手続きをしたら夫に隠せるのか

債務整理にも任意整理・自己破産・個人再生などあるのですが、夫にわからずにできるのでしょうか。
まず任意整理についてですが、貸金業者と弁護士が和解をしてくれることで、支払い条件が軽くなります。
ですので任意整理をしている事・借金の原因がパチンコである事が夫に比較的わからずに手続きをすすめる事ができます。
任意整理や個人再生は以後３年は支払いをつづけていかなければいけない手続きですので、支払い期間中に支払いがとまってしまうような事態になると、督促が自宅にくる事になり、夫に隠すのが難しくなると考えましょう。
自己破産や個人再生については、申立にあたって夫の給与明細を裁判所から要求されるような場合があり、その場合には夫に隠すのは難しいといえるかもしれません。
また、手続きが進むと裁判所や裁判所から選任される管財人・再生委員といった人と面談をしなければならなくなり、お昼に何しているのか報告しているような場合には、夫に隠すのは難しい場合があります。
自己破産手続きの場合には、手続き期間中に管財人に郵送物が送付されて、中身について全部あけられて調査された上で、その管財人から自宅にまとめて送ってきます。
そのため、送ってきたものを見てしまうような場合には夫に隠すのが難しい場合があります。

まとめ

借金をしてしまっても、それがすぐに夫にわかってしまう、その原因がパチンコであるとわかってしまうような事はありません。
しかし、借金が支払えなくなってしまった場合には、貸金業者からの督促が原因で夫に隠すのが無理になる事があります。
ですので債務整理手続きをとるべきなのですが、債務整理手続きにも手続き上の様々な理由から借金をしている事自体を隠し通すのが難しい場合があります。
どのような手続きを利用すれば夫にパチンコでつくった借金である事がわからずに通せるかは、借金・使えるお金の額・状況によってまちまちです。
確実に言えることは、相談をするならばなるべく早いほうが良いという事になりますので、借金に困り始めたならば、なるべく早く弁護士に相談するようにしましょう。