パチンコで借金地獄に陥った人も、いつかは借金を返済しなければなりません。
パチンコに打ち込みすぎて、気付けば自転車操業の状態にまで陥ってしまった方々は、どのように解決を図られたのでしょうか。
このページでは、パチンコで借金地獄に陥った人が解決するためにとりうる手続とその手続きの内容についてお伝えします。
弁護士に依頼をせずに返済するパターン
弁護士に依頼せずに返済をしていくには、並々ならぬ労力とストレスを覚悟しなければなりません。
当然のことながら、そもそも生活が成り立たないほどの借金をしているため、パチンコをやめていただくことは必須です。
この点については、弁護士に依頼しても、更生のために必要なことですから何か変わることはありません。
パチンコが習慣化している生活をされていた方が、パチンコをやめるということは相当なストレスがかかりますが、生活再建の為にはやむを得ないことですので、場合によっては専門機関のカウンセリングを受ける等の対応が必要になります。
さて、借金には通常15%から20%の利息が加算されます。
1社から100万円を借入れた場合、1ヶ月あたり発生する利息は1万2500円です。
毎月2万円ずつ返済を続けたとしても、元本に充当される金額は7500円です。
つまり、2万円を返済しても7500円しか元本は減りません。
ちなみに、100万円を毎月2万円ずつ返済した場合、完済までには6年7ヶ月かかり、支払総額は157万9052円となります。
このうち利息の総額は57万9052円ですので、元本に対して相当な金額であることが分かります。
借入金額が高額になればなるほど、利息も高額になりますから、自力で返済をしていくには収入を増加させ、支出を削減しなければなりません。
自身の給料だけで返済原資が工面できなければ、副業をするなどして収入を増やさなければ、いつまでも完済することができません。
ですので、あまり現実的な方法とはいえないでしょう。
弁護士に依頼して債務整理をするパターン
任意整理
任意整理とは、借入先と弁護士が分割弁済(場合によっては一括弁済)の和解交渉を行う手続きをいいます。
上述の通り、借金には通常15%から20%の利息が完済するまで加算されます。
しかし、任意整理をすることによって、借入先と和解をしてから完済するまでの期間に発生する利息を免除してもらうことが可能です。
一般的に、債権者に返済する期間は3年間ですが、事情によっては交渉次第で5年間の分割払いにしてもらうことも可能です。
最大のメリットは上述した通り、和解をしてから完済するまでの期間に発生する利息を免除してもらえることですが、これ以外にもメリットはあります。
借金の事実を、ご家族や職場に知られずに(内緒で)手続きをすることができます。
また、自己破産のように、仕事に関する制限もありません。
そういう意味では、もっとも手軽でスピーディーな手続ともいえます。
個人再生
個人再生とは、継続して安定した収入がある方が、借金を大幅に減免してもらい、3年間(特段の事情があれば5年間)で分割弁済していく手続をいいます。
個人再生の最大のメリットは、住宅を残しながら、住宅ローン以外の借金を大幅に減免してもらえることでしょう。
ただし、借金を大幅に減免した金額が手持ちの財産以下の場合、手持ちの財産以上の金額を弁済しなければならない(清算価値保障の原則)ことに注意が必要です。
つまり、借金の総額が800万円の場合、通常ならば160万円まで減免されますが、手持ちの財産が200万円ある場合、借入先に支払う返済額は200万円になります。
個人再生の他のメリットとしては、自己破産と異なり、免責不許可事由がないことです。
よくある例としては、ギャンブルや浪費が挙げられます。
自己破産であれば、こういった行為は問題となりますが、個人再生においては、借金を何に使ったかということは問題になりません。
また、自己破産のように仕事に関する制限もありません。
ただし、弁護士が介入後に借入先に返済するといった行為(偏波弁済)は、個人再生においても自己破産と同様に問題になることは注意が必要です。
働き盛りの男性が、ギャンブルが原因で借金をしてしまったものの、家族のためにも自宅は守りたいというような場合、個人再生は最適な手続きであるものといえます。
自己破産
自己破産とは、手持ちの財産を吐き出してもなお返済ができない状態にある方が、借金の返済義務をすべて免除してもらう手続きをいいます。
自己破産の最大のメリットは、借金の返済義務をすべて免除してもらえることでしょう。
ただし、消費者にはメリットがある一方で、借入先には貸したお金が回収できなくなるという非常に大きな損失を与えることになります。
そのため、自己破産をするには、裁判所に対して様々な説明と資料の提出が求められます。
また、一部の仕事については、資格制限が課せられることにもなります。
(詳しくは「保険募集人が自己破産をするとどうなるのか」をご参照ください。)
さらに、自己破産には免責不許可事由という、これをやっていると免責を出しませんというものがあります。
代表的なものとしては、ギャンブルや浪費が挙げられます。
では、ギャンブルや浪費をしていると、免責は出ないのでしょうか?
決してそんなことはありませんので、ご安心ください。
破産手続きには2種類あり、書面だけで審査が進む同時廃止手続と、管財人といわれる裁判所が選任する弁護士が介入して、審査が進む管財事件があります。
ギャンブルや浪費の度合いにもよりますが、ギャンブルや浪費がある場合は管財事件になる頻度が高いです。
管財事件になると、管財人から色々と説明を求められますので、その中で、自身がギャンブルに打ち込んだ事情等を丁寧に説明し、反省している態度を示すことで、免責に至ることが多いです。
(詳しくは「免責不許可事由(浪費やギャンブル)があっても、自己破産で免責してもらえるの?」をご参照ください。)
自宅を持たない方で、借金の総額があまりにも高額であるような場合、自己破産は最適な手続きであるものといえます。
まとめ
このページでは、パチンコで借金地獄に陥った人が、問題を解決するためにとりうる手続きとその手続きの内容についてお伝えしました。
確かに自力での返済もまったく不可能なものではないにしても、家族や親族や頼れる知人等に借金をしている事実を打ち明けなければならなくなり、さらに朝から晩まで働き詰めになってしまうような事にもなりかねません。
しかし、弁護士に相談をすることで、上述したような様々な方法の中から、最適な手続きを提案してもらうことができ、借金地獄から脱出することができます。
借金の問題は、他人には話しにくいものではありますが、弁護士には他人に絶対に口外しない守秘義務がありますのでご安心ください。
ご相談の際には、自身がどのような人生を今後送っていきたいかを、弁護士にしっかり伝える事で、自身にとって最適なアドバイスを受けることが可能です。
債務整理問題に専門性のある弁護士は、借金に苦しむ方の状態をよく理解していますので、気軽に相談に応じてもらうことができます。
まずは相談だけでも行うようにして、借金地獄から一日も早く脱出しましょう。