パチンコは身近にあるギャンブル(世間一般ではギャンブルではないという建前ですが、幣事務所ではあえてギャンブルといいます。)のひとつです。
当初は、身近な人に誘われてであったり、ストレスの解消にと軽い気持ちで始めていたものが、気付けば手元の貯金も使い果たし、最終的には借金をしてまでパチンコに打ち込むということにもなりかねないものです。
今回は、3部に分けて、どのようにパチンコに打ち込むようになり、どのように解決をしていったのか、そしてそれらの具体的な事例も交えながら説明していきます。
パチンコを始めてから依存症になるまで
きっかけ
パチンコを始めるきっかけは、人により様々です。
幣事務所において、これまでにご相談をお受けした方々の中で一番多くあったのは、身近な人に誘われてというものです。
勝手の分からないパチンコ店に、ひとりでいきなり訪れてみるというのは、なかなか勇気がいるものです。
しかし、それが身近な人についていくだけで始められるとすればどうでしょうか。
分からないことはその人が教えてくれるでしょうから、何も不安なく始めてしまうことでしょう。
パチンコは、遊戯中ずっとパチンコ台の前に座っていなければなりません。
遊戯中は話すこともできますので、身近な人が近くにいれば退屈することもないということで、誘ったり誘われたりすることが多くあります。
また、上述したきっかけ以外にも、好奇心からであったり、ストレスの解消を目的に軽い気持ちで始められる方々もおられます。
こういった方々は特に依存症になりがちな傾向が見受けられます。
習慣化
パチンコを何らかのきっかけで始められた方々で、継続的にパチンコ店に行かれることがあったとしても、収入の範囲内での遊戯であれば、借金地獄に陥るようなことはまずあり得ません。
しかし、パチンコ店に通っているうちに徐々に慣れてくると、ハイリスク・ハイリターンのパチンコ台で遊戯するようになります。
そうなると、1度に使う金額も大きくなり、徐々に収入の範囲内に収めることが難しくなってきます。
パチンコは、競馬や競輪や競艇とは異なり、徐々にお金を消費していくという特徴があります。
競馬や競輪や競艇は、1レース毎にゴールをした時点で終了し、賭けに勝ったのか負けたのかについても明らかになります。
一方で、パチンコについてはこういったゴールという概念がなく、賭けに勝ったのか負けたのかも明らかにならず、手持ち資金が尽きるまで延々と続けてしまいがちになります。
夢中でパチンコに打ち込むうちに、気付けば手持ち資金がなくなり、賭けに負けたことが明らかになります。
すると、また次回にその負けた分を取り戻そうとして、パチンコ店に向かうことになります。
こういったことを繰り返すうちに、日常にパチンコが組み込まれ、習慣化していくことになります。
パチンコ依存症とはどういったものなのか
上述したように、いきなりパチンコ依存症になることはなく、徐々に日常にパチンコが組み込まれていくことが発端となり、習慣化することでパチンコ依存症になっていきます。
ここでは、パチンコ依存症に至るまでの段階とその症状について説明します。
初期
パチンコを始めた当初から、大金をつぎ込むといったような方は多くありません。
誰しも最初の頃は、数千円程度から始めるものです。
そして、多くの人が経験するのが、ギャンブルに特有のビギナーズラックというものです。
数千円がわずかな時間で数万円に化けてしまうという事実に、「パチンコは楽をしながら儲けることができる」という間違った錯覚に陥ってしまいます。
そうすると、また同じように儲けることができるという間違った思い込みから、パチンコ店に通い始めることになります。
また、思わぬ現金を得ることで、高価な食事や不要不急の買い物をすることができるようになることで、高揚感を味わうことができます。
この高揚感も、パチンコ店に通い始める一因となります。
中期
パチンコ店に通い始めるうちに、ビギナーズラックのような経験がなかなかできないことに焦りを感じ始めるようになります。
賭けに負けた金額の方が大きくなってくると、賭けに勝つことで、負けた金額を取り戻そうという心理が働くようになり、賭けに勝つまでパチンコをやめることができなくなってしまいます。
つまり、「賭けに勝って大金を手にしたい」という心理よりも、「これまでに損をした分を取り戻さなければならない」という心理が強くなり、損をした分を取り戻すまでパチンコをやめることができない状態になってしまうのです。
すると、徐々にハイリスク・ハイリターンのパチンコ台で遊戯するようになります。
このパチンコ台は賭け金に対して、何十倍にも増える可能性があるものです。
こういったパチンコ台で勝ちを経験すると、もうパチンコ店の思うつぼとなり、さらにパチンコに打ち込むことになります。
末期
この頃になると、頻繁にパチンコ店に通うようになり、中には仕事をさぼって朝からパチンコ店に通い始める方もいらっしゃいます。
金銭感覚も麻痺し始め、賭け金をためらうことなく使い始めます。
当然のことながら、ハイリスク・ハイリターンのパチンコ台では、賭け金があっという間になくなっていきます。
すると、当初は収入の範囲内で遊戯していたものが、それができなくなり、生活費にまで手を出してしまうようになります。
しかし、生活費のうちパチンコに使える金額は、そうたくさんもあるものではありません。
そうなると、借金をしてパチンコに打ち込むようになります。
ここまで症状が進んでしまうと、もうパチンコ依存症といわざるを得ません。
パチンコによる借金地獄への道
パチンコに打ち込むことで、何故それが借金をするところまでに至ってしまうのでしょうか。
パチンコは頻繁に通って長時間遊戯することで、高額な勝ち金を得ることがあります。
これは裏を返せば、長時間遊戯すれば高額な勝ち金を得ることができるという錯覚を持たせます。
そうすると、長時間遊戯をしていたものの、手持ち資金が尽きてしまった場合に、「あと1万円あれば、今日の負けた分は取り戻せるはず」という心理が働いてしまいます。
そこで、直近で支払わなければならない自宅の家賃や公共料金や通信費等の支払を遅らせて、その分をパチンコにつぎ込んでしまうことになります。
しかし、毎回この手法が通用するわけではなく、いずれはお金が足りなくなります。
そうなると、不足分を借金で補うことになります。
ここで借入れる金額をどうするかが、重要なポイントになってきます。
本来であれば、必要な分のみを借り入れるかと思われますが、パチンコ依存症になってしまうとやや異なります。
本来なら数万円の借入れで済むところを、「パチンコで取り戻せばいいのだから、10万円を借りよう。すぐに勝って返せば利息もほとんど変わらない。」という発想になります。
そして、損失を出すと、また借入れをすることになります。
これを繰り返すと、「これまでに損をした分を取り戻さなければならない」という心理がさらに強くなり、損をした分を取り戻すまでパチンコをやめることができないという悪循環からますます抜け出せなくなってしまいます。
気付けば、1社のみならず複数社からの借金を重ねることになります。
収入の中から返済できている間は問題ないかもしれませんが、借金の増加とともに返済も増加し、いずれは自転車操業に陥ってしまいます。
そうなると、返済のために借入をするようになり、ついには借金地獄に陥って抜け出せなくなってしまいます。
まとめ
このページでは、パチンコを始めてから、借金地獄に陥るまでのる一連の流れについてお伝えしました。
パチンコは、軽い気持ちで始めても、気付けば依存症に陥ってしまう可能性がある恐ろしいギャンブルです。
頻繁にパチンコ店に通い、習慣化してしまうと、迷うことなく借金をしてしまうようにもなってしまいます。
次のページでは、このような状態に陥ってしまった際の解決方法について説明します。