近年、パチンコなどのギャンブルにはまり、いわゆる「ギャンブル依存症」になる主婦が増えています。主婦がストレス発散にパチンコに行くくらい、本来は大した問題ありませんが、ギャンブル依存の状態になると、家庭が崩壊するなど深刻な結果を招きます。なぜなら、パチンコのために生活費や貯蓄を食いつぶすだけでなく、借金してまでパチンコに行くようになるからです。
主婦がなぜパチンコやギャンブル依存になるのか
通常、主婦がいきなり「パチンコに行ってみよう」と思い立って、1人でパチンコに行くことはありません。
以前、彼氏や夫に連れられて一緒にパチンコをした経験がある場合、忙しい家事や育児の合間に、ふと「息抜きに行ってみようか」と考え、これがパチンコに通うきっかけになったりします。
また、パチンコをやっている主婦仲間に誘われてパチンコに初めて行く、ということもあるでしょう。
また、パチンコに数回いっただけで依存症になるわけではありません。
たとえば、ビギナーズラックで大勝したり、パチンコでストレス解消を実感したりするなど、「またパチンコに行きたい」と思う何らかの原因があり、そこから次第にのめり込むのです。逆に大きく負けてしまって、どうしてもお金を取り返したいという気持ちからはまっていく人もいます。
ギャンブル依存は、一部の人にだけが陥る特殊な症状ではなく、誰にでも起こり得ることなのです。
ギャンブル依存症の主婦の実態~借金や売春も~
ギャンブル依存症の主婦は「子育てや家事に忙しく、人付き合いも少ない」という傾向があります。
仲のいい友人がいて、定期的に息抜きできればよいのですが、人付き合いが少ないと息抜きの機会も少なくなりがちです。
そういう主婦にとって、「好きな時間に1人だけで楽しめる」という点で、パチンコはとても都合がよい遊びなのです。
もちろん、夫や子供が会社や学校に行っている間に、たまに息抜きとしてパチンコに通うくらいなら、特に責められるようなことではありません。
ところが、ギャンブル依存になると、手持ちのお金を使い切って生活費をパチンコに使う、貯蓄を切り崩してパチンコに使うなど、次第にエスカレートしていくため、問題が深刻なのです。
家庭内のお金では足りず、消費者金融やクレジットカードなどで借り入れるようになったり、手っ取り早くまとまったお金を稼ぐため、風俗店で風俗嬢として働き、売春するようになる主婦の方もおられます。しかし、風俗嬢になれば多少なりとも一時的にお金が手に入るので、ますますパチンコをやめることができず、結果として、パチンコも売春も続けざるを得ない、ということもあります。
売春が一例ですが、ギャンブル依存症になると、ギャンブルによってどんな不利益が生じるか分かっているのに、それでもギャンブル通いをやめられない、という状態に陥ります。
ギャンブル依存や借金の実態、最悪、風俗嬢として売春をしていることが家族にばれて、ついには家庭が崩壊してしまうこともあります。
妻のギャンブル依存に気付かない夫
家計のことは妻に任せきり、という家庭は少なくないでしょう。
完全に妻任せにしていると、生活費や貯蓄をギャンブルにつぎ込まれていても、なかなか気付くことができません。
また、夫は夫で仕事が忙しく、妻が日頃何をやっているか把握していない、そもそも妻に関心がない、という状態ともなると、妻がギャンブル依存症になっていても気が付きません。
そして、ようやく妻の異変に気付いたときにはすでに手遅れで、パチンコのために貯蓄が食いつぶされ、おまけに多額の借金まで抱えていた、ということもあるのです。
妻が家計を管理していること自体は至って普通だと思いますが、本当に適切に管理されているか、定期的に検証している家庭は少ないのではないでしょうか。
借金を繰り返している場合は弁護士に相談する
弁護士に依頼することで、ギャンブルの原資になっている借金を断ち切ることができます。
弁護士に借金の整理を依頼すると、弁護士は直ちに債権者に対して通知書を出します。要するに「借金は返せない」または「返済条件を緩めてほしい」ということですから、以降、金融機関はお金を貸してくれなくなります。
たしかに、クレジットカードが作れなくなるなど、一定の不利益は生じますが、ギャンブル依存の方にとって、優先すべきは「借金ができない」という状態を作り出すことでしょう。
自分自身、あるいは妻の借金問題を何とか解決したい、と考えている方は、弁護士に相談することが早期解決につながります。
弁護士事務所によっては、無料相談の場合もあるので、まずは問い合わせてみましょう。
弁護士に相談してから解決に至るまで
繰り返しますが、弁護士に依頼することで、ギャンブルの原資になっている借金を断ち切ることができ、
最終的には借金問題を解決することができます。
では、実際にギャンブルに依存してしまった方が、どのように借金問題を解決されたのかをご紹介します。
依頼者のお名前はAさん、40代のパート勤務されている主婦の方です。
Aさんは、会社員の夫と高校生のお子さんの3人家族で生活されています。
Aさんには毎月8万円、夫には毎月30万円の収入があり、決して経済的に困るような家計ではありませんでした。
Aさんは、これまでギャンブルをしたことがありませんでした。
パート勤務が終わったある日、Aさんは職場の同僚にパチンコに行ってみないかと誘われました。
その日はたまたま仕事中に嫌なことがあったこともあり、気分転換になるならばと思い、軽い気持ちで行くことにしました。
いざ、パチンコをしてみると、たった数千円のかけ金がわずかな時間で何倍にもなって返ってきました。
Aさんは、こんなにも簡単にお金を増やすことができるのかと驚きました。
しかし、このビギナーズラックがAさんの人生を大きく狂わせることになります。
給料日になり、Aさんはそのまま以前に訪れたパチンコ店に向かいました。
前回同様に数千円を使いましたが、この時はすぐに使い切り、手元には1円も戻ってきませんでした。
その日は諦めて帰宅しましたが、翌日もまたパチンコ店を訪れて数千円を使いましたが、結果は前日と同じでした。
Aさんは使った分を取り返そうと、毎日パチンコ店に通うようになりました。
しかし、毎回負け続け、ついにはパート収入を使い切ってしまいました。
そこで、Aさんは生活費をパチンコに使うようになりました。
ここでAさんには、これまで使ったお金を取り戻さないといけないという焦りが生まれました。
この焦りが、これまでは数千円だったかけ金を、一気に数万円まで増やしてしまいました。
あっという間に生活費も使い切ってしまい、ついにAさんはクレジットカードのキャッシングを利用してしまいました。
リボ払いで最初は返済を続けることができたものの、すぐに限度額いっぱいまで使ってしまいました。
そしてついに、Aさんは消費者金融から借入れを始めて、パチンコにつぎ込みました。
しかし、そんな生活も長続きすることはなく、借入額は150万円以上に増えてしまい、
返済ができない状態にまで追い詰められてしまいました。
異変に気付いた夫にすべてを話し、夫とともに弁護士に相談をされました。
Aさんの家計は生活費だけであれば、夫の収入だけで十分に賄うことができたため、
任意整理を選択し、Aさんの収入から返済原資を工面することになりました。
各借入先と弁護士が交渉し、合計で毎月4万円の返済をしていくことで各借入先と和解することができました。
また、手続と同時進行で、Aさんにはご家族のサポートのもと、ギャンブルをもうすることがないように、
医療機関でカウンセリングを受けていただき、更生の道を歩んでいただくことになりました。
まとめ
ギャンブルに使うお金を借金で調達していた場合は、「ギャンブル依存」と「借金」という2つの問題を同時に抱えることになります。そのため、妻がギャンブル依存症になってしまうと、離婚する夫婦も多くなります。
借金は、身内に泣きついて助けてもらうこともできますが、身内に借金を清算してもらい、再び借金をしてしまうことも珍しくありません。
ギャンブル依存を本気で克服したいと考えるなら、弁護士に相談して、借金を根本から断ち切ることが必要です。