一向に減らない借金…
毎日のように続く取立て…
借金苦によってうつ病を発症される方も少なくありません。うつ病になっていても債務整理はできるのか気になるところですが、結論を先に申し上げると、うつ病でも債務整理はできます。
ただし、うつ病で債務整理をする時には気を付けるポイントもありますので、しっかり理解して債務整理の準備を進めていただければと思います。
うつ病でも借金返済や債務整理は可能!うつ病で債務整理をする時の注意点
冒頭でもお伝えしたように、うつ病になっていても債務整理をすることは何ら問題ありません。
ただし、普通に借金を抱えている人とうつ病の人とでは、債権者や裁判所からの印象などが若干違いますので、うつ病の人が債務整理で気を付けるポイントについてご説明します。
うつ病の人が任意整理で気を付けること
任意整理とは、債権者と利息カットや支払い期限の延長(分割返済回数の増加)などを交渉して、月々の返済負担を減らす債務整理の方法です。
借金を大幅に減少させることは難しいですが、一番リスクが低く手軽にできる方法です。
うつ病になるほどの借金を抱えている方であれば、任意整理での減額だけでは不十分なケースも考えられますし、その後も返済義務は残りますので、債権者にうつ病でもしっかり収入は確保して返済できることを納得してもらう必要があります。
≪気を付けるポイント≫
- 大幅な減額は期待できない
- 返済義務が残る
- 残った債務は返済できると納得してもらう必要がある
うつ病の人が個人再生で気を付けること
個人再生は裁判所を介した債務整理の方法で、原則1/5まで借金を減らすことが可能です。かなり大幅な借金減額をしつつ、自己破産のように家や車を処分しなくても済むことが大きなメリットです。
ただし、裁判所を介した手続きなので、非常に難しく期間も半年以上はかかります。うつ病の方が自分だけで個人再生の手続きを進めることは、非常に困難だと言えます。
また、借金を返せない理由や収入が減った理由にうつ病があれば、診断書の提出も必要になります。一方で、個人再生にも残った債務には3年間での返済義務がありますので、今後しっかり返済ができることを裁判所に納得してもらう必要もあります。
≪気を付けるポイント≫
- 自分だけでの手続きは困難
- 診断書が必要になる場合がある
- 返済義務が残る
- 残った債務は返済できると納得してもらう必要がある
うつ病の人が自己破産で気を付けること
自己破産は、財産価値があるものを全て換金して債権者に分配することで、借金の返済義務を免除してもらう方法です。
自己破産には借金免除の許可が貰えない『免責不許可事由』がありますが、その中に「うつ病では免責できない」などといった文言はありませんので、うつ病の方でも問題なく自己破産をすることが可能です。
一方、自己破産も裁判所を介した手続きで、事前に財産情報などを集めたり破産管財人と面談を繰り返したりと、手続きだけでも大変になります。また、個人再生と同様に、うつ病を理由に自己破産をするのであれば診断書の提出も必要です。
しかし、自己破産で免責許可をもらえれば、借金の返済義務はなくなり、ゼロからの再出発も可能となります。状況によっては非常に有効な方法ですので、うつ病になるほどの借金をお抱えであれば検討してみる価値は十分にあります。
≪気を付けるポイント≫
- 自分だけでの手続きは困難
- 財産は処分される
- 診断書が必要になる場合がある
うつ病の人が債務整理以外にできること
以上がうつ病でもできる債務整理と注意するポイントでした。うつ病だからと言って、債務整理ができないことはありませんのでご安心ください。
こちらでは、借金苦でうつ病になってしまった方が、債務整理にやっておくべきことについて簡単にご紹介します。
医師からの診断
うつ病は精神疾患の1つで、放っておいて自然に治るものではありません。「治療費がない」などと言って、放置しないようにしましょう。また、お伝えしたように個人再生や自己破産では、医師からの診断書が必要になる場合があります。
「うつ病かも」と思った時点で、医師からの診断を受けるようにしてください。治療によって少しでも回復できれば、その後の返済や再出発もスムーズに行えるようになるでしょう。
治療費などの負担軽減のためには、『自立支援医療制度』や『精神障害者保健福祉手帳』があります。これら制度を利用することで、治療費や税金などでの優遇を受けることができます。
どちらの申請窓口も市町村となりますので、一度問い合わせてみるのも良いでしょう。
生活費の確保
借金を減額・免除できたとしても、その後の生活は続きます。もしうつ病が原因で失業など収入が止まってしまっている方は、生活費の確保もしておきましょう。
まずは『生活保護』が思い浮かびますが、生活保護は借金があっても問題なく受給可能です。
ただし、生活保護費を借金返済に充てることは原則的にできませんので、生活保護を受けるとなれば、取れる債務整理の方法も自己破産に限られてくるかと思います。
まとめ|一人で悩まず専門家に相談を!
借金苦でうつ病になったとしても債務整理を行うことは可能です。ただし、今後の返済が難しいと判断された場合には、自己破産をせざるを得ない状況になることもあるかもしれません。
自己破産は決して悪い事ではありませんし、状況によっては再出発のための最善の方法の場合もあります。
いずれにしても、一人で悩んでいても答えは出てきませんし、悩みが増幅するだけです。弁護士や医師などの専門家に直接相談して、最適なアドバイスを受けることを強くおすすめします。