2020.02.25 2022.10.01

個人再生が失敗に終わる場合

個人再生が失敗に終わる場合

個人再生は、成功すれば大幅な借金減額が期待できます。ただし、裁判所を介した手続きとなり、必ず認められるわけではなく、個人再生が失敗に終わるケースもあり得ます。

今回は、個人再生の失敗について以下の3つの内容をご説明していきます。

  • 失敗するケース
  • 失敗を防ぐ方法
  • 失敗時の対処法

個人再生をお考えの方は、どのような場合に失敗するかをしっかり理解しておき、確実に認可がもらえるようにしましょう。

個人再生が失敗するケース

早速ですが、個人再生が失敗するケースについてご説明します。個人再生には認可されるための条件もあるため、条件を満たさない方は、認可がもらえずに失敗に終わることがあります。

申立ての不備や再生手続き費用の未払い

個人再生は裁判所を介した手続きですので、申立書などの必要書類を記入して提出する必要があります。提出書類の不備がある場合、そもそも個人再生の手続きが始まりません。

また、申立てるにあたって、収入印紙や予納金などの費用がかかります。個人再生では、個人再生委員が選任されることがほとんどで、その場合には、30万円程度の申立て費用がかかります。申立ての費用が支払えないような場合にも手続きに移れません。

安定した収入がない

個人再生では大幅な借金減額ができますが、減額後の債務の返済義務は残ります。安定して継続的な収入がない場合、再生計画での完済ができないと判断されてしまい、個人再生も失敗に終わります。

収入が途絶えて個人再生を検討している方は、先に収入の確保をしておいた方が良い場合もあります。

履行可能性テストの失敗や返済の滞納

個人再生では返済義務が残るとお伝えしましたが、個人再生後にきちんと返済が続けられるかどうかを確認するために、『履行可能性テスト』が数回(通常6回)行われます。

履行可能性テストの途中で支払いが遅れてしまえば、個人再生が失敗してしまう要因になります。

また、再生計画案が認可された(つまりいったん個人再生が認められた)後でも、残った債務の返済が滞れば、返済計画認可は取り消され、減額された借金も元に戻る可能性があります。

個人再生の失敗を防ぐ方法

こちらでは、個人再生の失敗を防ぐ方法をご紹介します。上記でお伝えした内容が心配な方は、ぜひ参考にしてみてください。

法的知識を身につけて事前準備をしておく

個人再生の手続きは、非常に複雑で事前知識がない方が数日程度で理解できるような内容ではありません。

個人再生をしようとお考えの方は、しっかり事前知識を身に付けて準備をしておく必要があります。それでも債務者本人だけでの手続きは非常に難易度が高いのですが…。

弁護士に依頼する

個人再生の初歩的な失敗を防ぐには、弁護士に依頼すべきでしょう。弁護士に依頼することで、手続きなどの代理を行ってくれますので、余計な労力も使わず正確に終わらせることができます。

また、個別でアドバイスを受ければ、再生計画案の認可をもらうためのアドバイスもしてくれます。

形だけではなくきちんと返済をしていく

個人再生では再生計画案を提出しますが、当然形だけではいけません。きちんと現実的に可能な返済計画を立てる必要があります。

中には、大幅に減額した債務でも返済が難しい方も出てくるでしょう。その場合は、自己破産も検討すべき状況だと考えられます。

先に定職に就くなど安定収入を得る

個人再生では、きちんと返済が続けられるような継続的な収入がある必要があります。もし、収入が途絶えて個人再生をしようとお考えなのであれば、安定収入を確保しておく事が先かもしれません。

怪我や病気など、諸事情により収入を得られないようであれば、こちらも自己破産も視野に入れておくべきだと考えられます。

支払い期限の延長を申立てる

再生計画認可を受けて借金減額が認められた方でも、後々返済が滞ると再生計画認可の取り消しを受けて債務額が元に戻ります。

個人再生後に返済が難しいと分かった段階で、早めに支払い期限の延長ができないかを検討してみてください。

やむを得ない事情がある場合、支払い期限の延長申立てを行うことで最大2年間支払い期限を延長してもらえます。支払い期限が延びれば、月々の返済負担も減り、対応できる場合があるでしょう。

個人再生に失敗した場合の対処法

最後に、すでに個人再生に失敗してしまった方の対処法についてご紹介します。個人再生を失敗しても他の方法で債務整理ができる場合があります。

再申請してみる

個人再生に一度失敗しても、再び申立て(申請)できないことはありません。特に、債務者本人だけで申立てて失敗したケースでも、弁護士に任せればうまくいくようなケースはあり得ます。

ただし、個人再生の申立てにはそれ相応の費用も労力もかかりますので、「なぜ失敗したのか?」原因が分からない状態での再申請は止めておきましょう。

他の債務整理を行う

個人再生に失敗しても他の債務整理では解決可能な場合もあります。個人再生の失敗で特に多い原因は、返済できないと判断され再生計画が不認可になることです。その場合は、自己破産手続きを検討することをおすすめします。

自己破産では返済能力は問われませんので、仮に収入がない方でも免責を受けることが可能になります。ただし、高額な財産を失うなどのデメリットも多くなりますので、弁護士としっかり相談しながら最善策を取ることをおすすめします。

まとめ

個人再生は裁判所を介した手続きなので、裁判所などから再生計画案を認められなければ失敗することもあります。重要なことは、継続的な収入があり、残った債務をしっかり返済できると認めてもらうことです。

また、手続きも非常に複雑で、自分だけで全てやろうとすれば失敗の可能性を高める原因にもなります。少なくとも一度は必ず弁護士と相談しながら手続きをするようにしましょう。

もし、個人再生が上手くいきそうにないという方がいるのでしたら、他の債務整理も検討してみてください。個人再生は認められなくても、他の債務整理では借金減額が可能なケースがあります。

いずれにしてもご自身だけでの判断は難しいので、債務整理に力を入れている弁護士に相談することをおすすめします。

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