2020.03.03 2022.10.01

個人再生条件

個人再生条件

個人再生は裁判所を介した手続きとなりますので、利用するにあたっていくつかの条件があります。簡単に言うと、個人再生には返済義務が残り、ある程度の返済能力(一定の収入)がある必要が条件となります。

今回は、個人再生の条件と、個人再生をすべき人の特徴についてお伝えします。

個人再生をするための条件

早速、個人再生をするにあたって必要になる条件をお伝えします。

冒頭でもお伝えしたように、特に重要な部分が、一定の収入があり返済能力があることです。個人再生では、大幅な借金減額が期待できますが、ある程度の債務は残りますので、残った債務は原則3年間で完済する必要があります。

返済能力があり継続的な収入がある

繰り返しになりますが、個人再生をする条件として、返済能力があり継続的な収入がある必要があります。

収入の種類に決まりはなく、アルバイトや年金による収入でも継続的または反復した収入であれば個人再生の条件に当てはまっています。

一方、収入が不安定で再生計画のとおりに返済ができないことが考えられる場合、個人再生が認められないケースが出てきます。

5,000万円以下の債務に限る

個人再生は5,000万円以下の債務に限ります。5,000万円を超える債務や法人の場合、『民事再生』によって手続きを行います。

債権者から半数以上の不同意がない(小規模個人再生)

個人再生には、『小規模個人再生』と『給与所得者再生』の2種類がありますが、小規模個人再生の場合、債権者からの半数以上の同意が必要になります。

ただし、再生計画案に異議がある場合は、書面決議によって決めます。簡単に言うと、異議がある債権者が自ら意思表示することで不同意となるため、意思表示がない債権者については同意扱いとなります。

つまり、債権者から半数以上の不同意をもらうケースも少ないと考えられます(再生計画案や債務額にもよりますが)。

収入の変動幅が少ない(給与所得者再生)

一方の給与所得者として定期的な収入がある給与所得者再生の場合、収入の変動幅が少ないことが条件となります。

目安として、年収の20%未満の変動であれば変動幅が少ないと判断されます。

個人再生の条件とはならないもの

以上が個人再生を利用するにあたっての条件です。まとめると、特に厳しい条件はなく、継続的な収入があって再生計画案での返済が可能であれば、多くのケースで利用できると言えます。

一方で、他の債務整理(特に自己破産)では、条件となっているものの、個人再生では特に条件にはなっていないものもあります。

こちらでは、個人再生の条件ではない部分についても簡単にご紹介します。

借金を作った理由は問われない

自己破産の場合、借金を作った理由によっては「免責不許可事由」に当てはまり、自己破産ができない場合があります。

代表的なものが、ギャンブルや過剰な浪費による借金です。一方、個人再生にはそのような借金理由の条件はありませんので、ギャンブル等で借金を作った方でも申立て可能です。

職業制限もない

同じく自己破産では職業制限があり、自己破産手続きを開始することで一部の職業が一定期間就けないことがあります。

個人再生には職業制限もなく、特に職業を気にせず利用ができます。

個人再生のメリット・デメリット|個人再生を決める条件とは?

個人再生が利用できる条件についてはお伝えしましたが、そもそも「個人再生が最適な方法か?」という問題があります。場合によっては、他の債務整理が適している状況もあります。

こちらでは、個人再生のメリット・デメリットをお伝えします。個人再生を利用するかどうかの判断基準にしてみてください。

個人再生のメリット

個人再生の大きなメリットには以下の内容があります。

原則的に1/5まで債務を減らすことができる

個人再生では原則的に借金を1/5にまで減らすことが可能です。例えば、500万円の借金があった場合には100万円にまで減額可能です。これはかなりの減額率ですね。

大きな借金を背負っている方でも、1/5にまで減額できれば完済も現実的になるという方は多いかと思います。

高額な財産を残して手続きできる

個人再生で特に注目したいメリットが、家や車などの財産を残しつつ借金減額ができることです。自己破産をすれば高額な財産を手放すこととなりますが、個人再生には財産処分はありません。

家や車などの高額な財産をお持ちの方は、まずは個人再生を前向きに検討すると良いでしょう。

個人再生のデメリット

反対に個人再生のデメリットには以下のものがあります。

手続きが複雑で弁護士への依頼が必須

個人再生の手続きは非常に複雑で、債務整理の知識がない方が自力で手続きを全て行うことは現実的ではありません。

多くのケースで弁護士の依頼が必須と言えるでしょう。そうなった場合、以下の弁護士費用がかかることがデメリットの1つになります。

申立て費用と弁護士費用がかかる

個人再生によって大幅な借金減額はできますが、その反面それなりの費用がかかります。個人再生にかかる申立て費用と弁護士費用を合わせると、30~100万円程度はかかるものだとお考えください。

もともとの債務が少ない方は、個人再生にかかる費用だけで減額した金額を上回ることも考えられます。その場合、任意整理などの低コストで行える債務整理を検討しましょう。

返済義務が残り原則3年での完済が必要

何度かお伝えしていますが、個人再生には返済義務が残ります。減額後の債務は原則的に3年間で返済していく必要があります。条件としてもお伝えしましたが、減額しても返済が難しいようであれば、他の手段を取る必要があります。

ブラックリスト(事故情報)や官報に掲載される

他の債務整理にも言えることですが、個人再生をすることで信用情報機関の事故情報(ブラックリス)に登録されます。これによって、5~10年は新たな借り入れやクレジット決済、ローン契約ができなくなります。

また、官報という国が発行する機関紙にも名前や住所が載ります。官報をきっかけに知人に個人再生の事実を知られる可能性は低いのですが、闇金業者も官報を見ており、官報経由で闇金の営業がされるおそれがあります。絶対闇金には関わらないようにしましょう。

個人再生がおすすめの人

  • 継続的な収入があり返済能力がある
  • 大きな借金があり1/5程度に減れば返済可能
  • 家や車を残して借金減額したい

ここまでの内容をまとめると、上記に当てはまる方には特に個人再生がおすすめです。ただし、お伝えの通り、個人再生にはデメリットもありますので、しっかりデメリットも理解した上で、弁護士と相談しながらどうやって借金を減らしていくかを決めていきましょう。

まとめ

個人再生には厳しい条件はなく、継続的な収入があり減額後の債務を返済できるようであれば多くのケースで利用ができます。

借金を原則的に1/5にまで減らすことができ、高額な財産も残せる点が大きなメリットです。

今回お伝えした個人再生の条件を満たしておすすめに該当する方は、個人再生を前向きに検討してみてください。

なお、お伝えしたように、個人再生では弁護士に依頼することがほとんどになります。無料相談ができる弁護士が多くいますので、まずは相談から弁護士と接触してみることをおすすめします。

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