自己破産をするにあたって、申立書以外にも収入や資産を証明する書類、債権者の情報をまとめた書類など、様々な書類を準備しておく必要があります。
仮に不備があったり虚偽の記載などがあれば、自己破産の免責許可がもらえない原因にもなり得ますので、申立て前の準備の段階が自己破産を成功させるために重要です。
今回は、自己破産をするにあたって必要になる書類をご紹介します。
自己破産に必要な書類の種類と例
早速、自己破産で必要になる書類をご紹介します。
- ・申立てに必要な書類
- ・収入等を証明する書類
- ・資産を証明する書類
種類も多いので、3つのカテゴリーに分けてご紹介します。裁判所や申立人の状況によっては、他にも必要な書類が出てきますので、具体的には裁判所や弁護士に相談して聞いてみることもおすすめします。
申立てに必要な書類
まず、自己破産を申し立てるにあたって以下の書類が必要になります。
申立書
自己破産を申し立てるための書類です。フォーマットは各裁判所によって若干違いますので、ご自身が申し立てる裁判所から取得するようにしましょう。
陳述書
陳述書では、自己破産を申し立てる理由や借金を作ってしまった原因、自己破産後にどうやってやり直していくかなどを記入していきます。
債権者一覧
債権者一覧では、全ての債権者の情報を記入して提出する必要があります。記入する債権者の情報は主に以下のものがあります。
- ・氏名/住所
- ・借入時期
- ・債務の残高
- ・債務の使い道/原因
- ・保証人/担保の有無
- ・差押え等の有無
- ・最終返済日
家計状況
申立書とセットでご自身の家計状況をまとめた書類も提出する必要があります。簡単に言えば、家計簿のようなもので、収入と支出がどの項目でいくらあるのかをまとめたものです。通常は申し立てる前月分の内容を記入します。
資産目録
不動産や車、保健などの資産の有無や名義、金額、ローンの残りなどをまとめたものです。抜け漏れがあると、故意に財産を隠したと裁判所に悪い印象を与えかねませんので、所有する財産は全て記入します。
住民票/戸籍謄本
自己破産を申し立てるにあたって、住民票と戸籍謄本の添付も必要です。3ヶ月以内に発行されたものに限りますので、申立ての直前に取得するようにしましょう。
収入等を証明する書類
ほとんどの方が何かしらの収入をお持ちでしょうから、収入をきちんと証明するための書類も必要になります。
給与明細のコピー
正社員やアルバイト問わず、給与所得がある方は、給与明細のコピーを提出します。基本的には直近2~3ヶ月分を用意します。
もし、紛失したという方は、一度会社の方に再発行を要請してみてください。再発行が難しい場合、振込履歴などを元に説明をします。
確定申告書のコピー
個人事業主や副業で確定申告書をしている方は、確定申告書のコピーを収入証明する書類として提出してください。2年分の提出を求められることが多いです。
源泉徴収票もしくは課税証明書
上記の書類が無い場合、源泉徴収票や課税証明書でも収入の証明が可能です。
生活保護費受給証明書
生活保護を受けている方は、生活保護受給証明書を提出します。
資産を証明する書類
自己破産では高額な財産は全て換金して債権者に分配しますので、資産を証明する書類の提出も必要となります。所有する資産に応じて、必要な書類は揃えておきましょう。
預金通帳のコピー
銀行口座に残高が少しでもある場合(もしくは過去2年であった場合)、内容を全て記帳してコピーを提出します。基本的には2年分の内容を提出します。
保険証券のコピー
保険に加入されている場合、保健も資産として扱われますので、保険証券のコピー提出が必要となります。
不動産の登記謄本/査定書
土地や家を所有している方もしくは過去2年間で保有していた方は、不動産の登記謄本が必要になります。また、不動産の査定を行い査定書も併せて提出します。
車検証/査定書
自動車を所有している方は、車検証と登録事項証明書のコピーを提出します。また、不動産と同じく査定もしてもらい、査定書も一緒に提出しましょう。
賃貸借契約書
持ち家ではなく賃貸にお住まいの方は、賃貸借契約書の提出が必要になります。
退職金の証明書
退職金も資産関係として扱われるので、退職金がいくら支払われるかの見込み額を証明する必要があります。
自己破産で必要になる費用
このように、自己破産で必要になる書類は多数あります。繰り返しますが、裁判所や申立人の状況によって違いがありますので、直接裁判所や弁護士に相談や確認することをおすすめします。
必要書類とは別に、自己破産にかかる費用も気になるところです。こちらでは、自己破産で必要になってくる費用についてまとめます。
自己破産でかかる費用まとめ
自己破産の種類 | 費用 |
---|---|
同時廃止事件 | 3万円前後 |
少額管財事件 | 20万円~ |
管財事件 | 50万円~ |
自己破産には上の3種類があり、方法によって費用が変わります。管財事件で費用が一気に上がるのは、『破産管財人』が選任されることで予納金の額が一気に上がるからです。
以下では、主な内訳をご説明します。
収入印紙代
申立ての際に必要になり、1,500円します。
予納郵券代
債権者の数に応じて増えていきます。1社あたり3,000円程度です。
官報公告料
自己破産することで官報に掲載されますが、その際の費用です。1万円前後となります。
引継予納金
自己破産で高額になる費用が、破産管財人が選任される場合の引継予納金です。要は、破産管財人への報酬のようなもので、少額管財事件で最低20万円、管財事件では最低50万円と、かなりの高額です。
自己破産の弁護士費用相場
自己破産で弁護士に依頼した場合の費用は、50万円前後が相場となっています。ただ実際には、債務の額や処分する財産の額によって変わってきます。具体的には依頼を検討している弁護士事務所で確認をしましょう。
自己破産をするくらいですから、当然費用面での心配も多いかと思います。弁護士もそのことを理解していますので、分割払いなど状況に応じて対応してくれる所が多いです。
手続きを一任してもらったり、管財事件から少額管財事件に切り替えてもらって結果的に引継予納金を減らすことができたりと、メリットも多いですので、費用だけで考えずにご自身にとって最適な方法の1つとして弁護士への依頼も検討しましょう。
まとめ
自己破産で必要になる書類は数多くあり、集めることすら面倒です。ただ、きちんと書類が揃っていないことで免責許可がもらえない原因にもなり得ますので、申立て前からの準備が大事です。
自己破産の相談であれば無料で受けてくれる弁護士も多くいます。一人で悩まずまずは専門家に相談してみてください。