皆さま,こんにちは。
弁護士の田中です。
当事務所の働き方について、お話させていただきます。
ロイハイの特徴は、弁護士も事務局も前向きに明るく、ストイックに全力で業務に取り組む、ということだと思います。
ロイハイは、ライフワークバランスを大切にしています。その意味は、仕事を時間内でしっかり終わらせて帰宅し、プライベートを充実させていただく考え方です。
そのため、仕事を全力で取り組んでいただく必要がありますし、プライベートも充実させていただく必要があります。
詳しくは、以下のページをご覧ください。
このような考え方に基づいて、事務所にいるメンバーは、「テキパキ」仕事をしている方が多いです。ロイハイでは、こうした情報をSNSなどで積極的に開示し、発信しています。
それを見れば、ロイハイは、明るく、楽しい、雰囲気のよい事務所であると分かっていただけると思います。実際、私自身も日々楽しいですし、笑い声のある法律事務所はなかなか他にはないと思います。
ですので、入所いただければ、皆様にはきっと楽しいと感じていただけると思います。このように、皆様、ロイハイは、明るく希望に満ち溢れた事務所であると思ってご応募されてこられます。
その認識は正しいです。
代表である私自身も、常に希望に満ち溢れて、やりがいをもって全力で業務に取り組んでいます。前向きに明るく仕事をすることや、希望に満ち溢れて仕事をすること、その姿勢を発信し続けることで、
社会や世の中に影響を及ぼし、いずれは偉業をなせると信じています。このような話だけ聞くと、希望に満ち溢れて、素晴らしい事務所であると期待されるのも当然ですし、
私自身もその期待に沿えるように、ロイハイをもっと良い事務所にしていきたいと考えています。ただ、誤解のないように、入所いただく方にお伝えしたいことは、
- 私と「直接」関われる時間は、必ずしも多くはないかもしれない、ということ
- 私はメンバーに対して「希望」を与えるとともに、ときに「厳しさ」を持って接するということ
- 私は、弁護士としても、経営者としても、ときにドライで冷徹な判断を下すこともあるということ
- 入所いただくと、業務は相応に忙しいですし、全力を尽くしていただくこと、努力が必要であるということ
です。
これは、皆さんの期待感を損ねないために、是非知っておいてほしいことです。
1についてですが、
まず、修習生や修習期の浅い弁護士の方については、新しく入所された場合には、私と数名の先輩弁護士で行う予定です。非常に実践的な教育になりますので、楽しみにしておいてください(笑)
ところで、もしかしたら、事務局に応募される方も人によっては、私と直接関わって仕事がしたい、と考えられる方もおられるかもしれません(私の杞憂かもしれませんが。笑)。
ただ、私は、多数の事件処理を抱えつつ、経営者として常に思考し行動しています。
私もできることなら、メンバー全員と密接な時間を過ごせればよいのですが、時間は有限であり、正直、時間がいくらあっても足りません。
そのため、新たに入所される皆さんが皆さん、私と直接関わることができる時間は必ずしも多くはないかもしれません。
ただ、今は一つのフロアで仕事をしているので、直接私と話をしなくても、私が話している様子やコミュニケーションをとっている様子は見ることができますし
私がどのような人柄なのか知ることもできます。
また、私は、現在のメンバーの人数がまだ30人ほどであることもあり、概ね半年に一度は全員と定期的な個別面談もしています。個別面談で悩みがあれば聞きますし、必要な指導、今後のキャリアの話などもできます。
ですので、全く私と関わる時間がないことはないのですが、私も普段の業務が相応に多忙であることもあるので、
皆さんが私と関われることに強い期待感をお持ちの場合は、期待を害することになるかもしれません。
ところで、私と直接関わらなくとも、他のメンバーも個性的で、頭の回転も速く、しゃべれば非常に楽しいです。私だけがロイハイの主役というわけではありませんし、私だけの事務所でもありません。
確かに私一人で設立しましたが、メンバーの力があって支えられている事務所です。私が経営はしていますが、「経営者」という役割を担っているだけであって、メンバー一人一人が、ロイハイにとって必要な役割を担っています。
個性的な一人一人が主役であり、また新しく入所されたいというあなたもまた主役なのです。
そして、直接私と関わらなくとも、私は他のメンバーからもあなたの働きぶりを聞いたり、私自身も確認したりしているので、放置することもありません。あなたの努力が確かなものであるなら、それは私と直接関わらなくとも、私に伝わるようになっています。
そして、あなたが個性と才能を発揮して、ロイハイで働き、実力に応じた結果を出していただければ、
ロイハイの重要な仕事を任せていくことにもなります。そうすれば、直接私と関わる機会も増えるでしょう。
私と関わって仕事がしたいと思ってくれる人がいることは私にとって幸せなことです。
2についてですが、
私は、メンバーに対して「希望」を与えるとともに、ときに「厳しさ」を持って接することもあります。私は「希望」、「愛」、「明るさ」、「前向き」などを信条にしていますが、「厳しさ」もまた信条にしています。
子供がいる方ならよくご存じだと思いますが、子供が何か悪さをしたり、あるいはするべきことをしなかったりしたら、その子供を叱りますね?
例えばですが、子供が他の子供をたたいたとかすれば、叱りますよね?他の子供は叩かれるという被害を受けているわけですから、当然、叱って謝らせるわけです。
また、自分の子供が挨拶をしてくれた友達に挨拶をしなかったら、叱りますよね?挨拶をしてくれた子供の心情を傷つけることになるので、叱って、挨拶をさせるわけです。
しかしですが、ここで、自分の子供を叱るのは、自分の子供に「人をたたくような悪さをする」大人や、「挨拶もしないような」大人になってほしくない、というのも大きな理由のはずです。
ここで、何も子供を叱らなければ、人をたたいてもよいし、人に挨拶をしなくてもよい、ということを黙認することになります。だからこそ、「叱る」という行為が必要不可欠なわけです。
この点、仕事においても全く同じことが言えます。そのため、仕事を真面目に取り組まないとか、手を抜かれれば、会社の業務に支障が生じます。
顧客に対して、不親切、不誠実な態度をとれば、その顧客から不満が出ますし、二度と当事務所に依頼してほしくないと思うでしょう。
それだけではありません。
そのような行為を繰り返すような人が、まともな人間に成長するでしょうか?まともな社会人になることができるでしょうか?
当たり前ですが、そのような行為を繰り返していれば、まともな社会人になることも、まともな人間になることもできません。
であるからこそ、会社の業務に支障を生じさせないためにも、顧客のためにも、そして指導されるその人自身のためにも、ときに、私は「厳しく」指導することがある、というわけです。
これが、私が「厳しさ」もまた信条にしていることの理由です。
「厳しさ」もまた「愛」だということですね。
といっても、私は普段からやりがいをもって楽しく仕事をしていて、合理的な理由なく、叱る、厳しく指導するということもありませんので、ご安心ください(笑)
なお、私の経営のスタンスと子供の教育のスタンスは同じところがあります。
興味のある方は、以下のページをご覧ください。
3私は、弁護士としても、経営者としても、時にドライで冷徹な判断を下すこともあるということ
私は、弁護士の仕事が楽しく、やりがいと誇りをもっています。
ですから、弁護士の仕事を一生やりたいと考えています。
詳しくは以下のページをご覧ください。
ときに、弁護士の仕事をする中では、私が、依頼者の敵対者、要は「相手方」と接する際、それは必ずしも友好的であるとは限りません。
もちろん、理由もなく必要以上にドライであったり、冷淡な態度を取ることはないように心がけてはいます。
しかしながら、ときに「相手方」が悪質な言動、態度があるときや、顧客からの要望があったときには、ドライで冷淡な対応に徹することもあります。
これは、弁護士としての職責上当然のことです。依頼者を守るために弁護士がいるからです。時に、客観的に、依頼者の方が悪く、相手方の方が正しいと言えるような事案もあります。
しかし、そのような事案であっても、客観的に正しい適正な罪、あるいは適正な金銭相場というものがあります。その適正な罪、あるいは適正な金銭相場を守るために、ときにドライで、冷淡、冷徹ともいえる対応が必要なケースもあります。
また、経営者としても同様です。事務所の売上の観点から、弁護士にしても、事務局にしても、相応に残業をしていただかざるを得ないこともあります。
もちろん、求人内容によっては、「残業なし」の求人もありますので、そういう求人の場合には残業は想定されていません。しかし、弁護士やパラリーガルについては、残業は想定されていますので、時に相応に残業していただくことがあります。
もちろんできる限り配慮はしますが、現実問題、それでは仕事が回らないときもあります。そのような場合には、事務所全体を守るため、私は「みんな頑張ってくれ」としか言えません。
また、残念ながら、十分に業務をしていただけず、ミスを繰り返し、指導しても直らない、というような場合にも、時に厳しく指導せざるを得ない、ということもありえます。
もし、その方に私が必要な指導もせず、厳しくもしないなら、同じように働いて、十分に業務をこなし、ミスもしない人とのバランスが取れなくなります。
また、その方に私が必要な指導をせず、厳しくもしないなら、今まで真面目に普通に業務をこなしてくれていた方すらも、「自分もこの程度の仕事でいいんだ」と誤解されてしまいかねません。
そうなれば、事務所全体の仕事に対するモチベーションが下がり、顧客の満足度が下がり、売上も下がり、事務所はいずれ破綻します。
今在籍してくれている、仕事に真面目で誠実なメンバーは働き口を失うことになります。
そうならないためにも、今いる仕事に真面目で誠実なメンバーを守るためにも、私はときに、厳しく、ドライで冷徹にならざるを得ない場面もあるのです。とはいえ、真面目に誠実に業務に取り組んでいただいているなら、あまり心配されなくても大丈夫ですので、ご安心ください(笑)
4入所いただくと、業務は相応に忙しいですし、全力を尽くしていただくこと、努力が必要であるということ
これは、どの職種の方でも同じです。
パート・アルバイト・一般事務・パラリーガル・弁護士・その他有資格者、全て同じです。ただし、パート・アルバイト・一般事務の方は、もとより残業がありませんので、その意味で業務が忙しいというわけではありません。
お伝えしたいのは、ロイハイは、常に何かしらの業務があるので、その日一日があっというまに終わるということです。
はっきり言いますが、決して「楽」ではありません。むしろ、「毎日」「一生懸命」「全力」で取り組んでいただく必要があります。
それによって、皆さん、同じ業務に取り組むときには、同じことを積み重ねているので、業務スピードが速くなります。業務スピードが速くなれば、他の仕事をできる時間が生じるので、こなせる仕事の種類も増えていきます。
これが「成長」です。
もし、入所しても、業務スピードが全く速くならず、やっていることも変わらないなら、それは成長ではありません。
みなさんは、今いる会社で、そのような状況になっておられませんか?成長をしないなら、残念ながら、給与待遇を上げる積極的な理由が存在しません。あるいは、途中から給与が上がっていないということはありませんか?
もし仮に、そのような状況におられるなら、自分に自信を持っておられますか?
おそらくですが、自分に自信を持つことはできないはずです。今日やったことが明日に活き、それを繰り返して成長しているからこそ、数年たてば、新入社員とは一線を画する存在になれるわけです。
成長するから、自分に自信を持つことができますし、自分のやったことに対して見合った対価・給与報酬が得られます。
しかし、成長が止まり、同じことを同じ速度でしかしていないなら、どうでしょうか?
自分のやっていることが新入社員とさして変わりがないとしたら、自分のやったことに給与が上がらなくても仕方ないと思うしかありません。
これは、どんな会社にいてもそうです。
スタッフが成長もしないのに、給与を上げ続ける会社があったとすれば、人件費が増えてその会社はつぶれます。ですから、会社の社長は、会社をつぶさないために、スタッフが成長しないなら給与も簡単に上げることはできないというのが、本当のところです。
この「現実」は、どこの会社にいても変わりませんし、ロイハイでも同じです。
皆さんが「直視したくない現実」かもしれませんが、「絶対に知っておかなければならない現実」です。成長と給与待遇は、切って切り離すことはできない表裏一体です。
ですから、ロイハイに入所されたいと思った方は、成長のための努力、自己修練のための努力は必要だと思ってください。
そして、そのためには、毎日「全力を尽くさなければならない」ということもです。
成長と給与は不可分であり、成長しなければ給与は上がりませんし、逆に、成長すれば給与は上がっていくということです。
この「現実」をよくご理解いただいて、「成長すれば給与は上がっていくんだ」と前向きにとらえていただき、頑張っていただきたいと思います。
・・・・・・・・・
さて、いかがだったでしょうか?人によっては、委縮してしまう内容だったかもしれません。
ただ、私は、こうした信念、信条に基づいて行動をしています。代表である私と信念、信条が合わないなら、きっとミスマッチが起きてしまいます。
ミスマッチが起きると、お互いにいい結果になりません。
しかし、私のこうした信念、信条を理解して、「確かにその通りだな」「当然のことを言っている」と思っていただいた方は、是非ご応募ください。
あなたと一緒にお仕事ができるのを楽しみにしております。
みなさん。こんにちは。
弁護士の田中です。
私は,日々,各種弁護士業務に取り組みながら,事務所の経営も行っております。
どちらも興味深く,やりがいもあって面白いです。
弁護士をやって約10年たちましたが,力量は日々成長していると感じています(もちろん,まだまだこれからですが。)。
事務所の経営も充実しており,事業戦略,売上,利益,人材の採用,教育なども楽しく,徐々に成長を続けています。
事務所経営の目指すところは,対顧客に対してはその顧客を救うことであり,対社員・従業員に対してはやりがいをもって働いていただき、働きに応じた給与待遇を得ていただくことです。
さて、ここでは、仕事もプライベートも全力で取り組むことの大切さについてお話をしたいと思います。
世には「ライフワークバランス」という言葉があります。
この言葉は,生活と仕事とのバランスを整えましょう,という考え方です。
私もこの考え方を尊重しています。
ただし,バランスは大切ですが,両方とも「全力」で取り組まないと,仕事もプライベートもうまくいかない、ということは強く自論として持っています。
私は、弁護士や事務局の方の面接を担当させていただいておりますが、私の事務所でも、「ライフワークバランス」という考え方は大切にしていることもあって、
一定数の方が当事務所に「ライフワークバランス」を求めて、ご応募される方がおられます。
私の事務所では、一般事務の方は、残業が予定されておらず、1日8時間の労働です。パートの方は、5時間以上の勤務で終業時間になれば帰宅いただけます。
パラリーガルの方であっても、残業は月20時間以内です。
弁護士は、月40時間以内の残業を目指しています(弁護士は専門職なので状況によってこれに収まらないことはあります。)。
そのため、ライフワークバランスを求めて、当事務所に応募していただく方はありがたいことに多いです。
もちろん、ご応募をいただくことは非常にありがたく歓迎しておりますが、
残念ながら、「ライフワークバランス」という言葉を曲解して、仕事を軽視して、プライベートを重視する,というような誤解を持っておられる方もおられます。
しかし、私は、それは違うと思います。
ライフワークバランスは、仕事とプライベートのバランスとを整えること,すなわち、仕事と仕事以外の時間をメリハリをつけて分けることです。
そのため、仕事を疎かにして、プライベートだけを重視してよいということではありません。
むしろ、与えられた時間内に仕事をしっかりこなして、残業をせずに帰宅し、プライベートも充実させていただくという意味です。
つまり、「メリハリ」を大切にしている考え方です。
ですから、仕事は仕事でしっかりしなければなりませんし、プライベートはプライベートで充実させるものなのです。
どちらかを疎かにして、どちらかだけを重視するということはできません。
そのことについて、詳しくお話をさせていただきます。
1 仕事を充実させ、全力で取り組むことが大切であること。逆に仕事がない・やりがいがない,仕事をちゃんとこなしていないと,プライベートが充実しないこと。
仕事を充実させ、全力で取り組むことはとても大切です。
私は何事も全力で取り組むことを信条にしています。
これは仕事でもそうです。
仕事をする中で、人は人格、能力ともに磨かれていくと考えています。
全力で仕事に取り組むことで、実力がついて行きます。
逆に全力で取り組まなければ、自分に何が足りないのかも分かりません。
初めてやる仕事であれば、どんなことであっても、難しいです。
難しいから、「この仕事は自分には向いてないんじゃないかな・・・」と考えてしまいがちです。
しかし、初めてやる仕事は、どんな仕事であっても「難しい」です。
これは、当たり前です。
例えば、サッカーを初めてやった人がいきなりリフティングができるでしょうか?
パソコンに触ったこともない人が、いきなりタイピングができるでしょうか?
できるはずもありませんよね?
しかし、何度も練習を繰り返すうちにリフティングもタイピングもできるようになるのです。
仕事もこれと同じです。
慣れない仕事であっても、初めての仕事であっても、「全力で取り組んでいれば」そのうち慣れて、熟練していきます。
それが成長です。
しかし、全力で仕事に取り組まなければ、習得はどうしても遅いです。
また、仕事に全力で取り組んでいるかいないかは、上司や先輩、同僚の目から見ればすぐに分かるものです。
ですから、たとえ初めはミスをしたりしていても、全力で真面目に取り組んでいれば、「そのうち成長してミスもなくなるから心配ない」と思ってもらえるものです。
しかし、初めの仕事であったり、慣れない仕事に、全力で取り組まないないなら、
「ミスをするのに、頑張りもしないなら、成長もなかなかしないだろうな」と思われてしまいます。
ですから、仕事に「全力で取り組む」ということはとても大切なことです。
全力で取り組んでいれば、実力が身につき、いずれ会社や上司、先輩、同僚に認められ、評価されていきます。
そうすれば、純粋に嬉しいはずですよね。人から評価されれば、嬉しいものです。
自分に「自信」が生まれます。さらに進めば、自信は「自負」へと変わり、自負は「信念」に変わっていきます。
そのようにして、人の人格も能力も磨かれていきます。
また、会社から評価されれば、給与待遇が上がっていきます。これによって、「経済的」にも豊かになっていきます。
会社から評価される働きをすることで、会社もまた成長し、それによって、その会社に勤めていることが誇りになっていきます。
このように、仕事に全力で取り組むことは、あなたの人生にとってとても大切なことです。
しかし、逆に、仕事がない,あるいはやりがいがなくて,プライベートばかり充実させても,それはそれで自己実現を達成することは難しいです。
プライベートで,どれほど美味しく豪勢な食事を食べたり楽しい旅行に行けたとしても,それだけで満足することはできないのが人間です。
例えば,会社で全く評価されておらず,居心地が悪いとしたら,プライベートでいくら贅沢しても,完全に気が晴れることはありません。
それに,プライベートで贅沢をしようとしたり,贅沢をしなくとも生活をするための日々の生活費を稼ぐためには,仕事をしなければなりません。
なのに,仕事にやりがいがなかったり,仕事が辛かったりすると,プライベートがいかに楽しくとも,仕事に行くのが嫌になります。
仕事に行くのが嫌というような心境で仕事に取り組んでいるなら,仕事に身も入りません。
そうなれば,会社から評価を得ることは難しいでしょうし,仕事を続けることができないかもしれません。
仕事を続けられなくなると収入を失うことになり,勤務先を転々としたりして安定もしません。
また,仕事をちゃんとこなしておらず,ミスを犯したり,やるべきことを忘れるなど,仕事上の心配事があると,そればかりが頭をよぎってしまいます。
このような状況では,プライベートでどれほど楽しいことをできたとしても,不安感を払しょくすることはできません。
ですから,仕事にやりがいをもつこと,全力で取り組むことは,プライベートを充実させるためには,必要不可欠なことだと思います。
2 仕事が忙しすぎると,プライベートが充実しない(難しい)
仮に,仕事が忙しくなりすぎて残業ばかりとなれば,会社一辺倒になってしまい,時間が足りなくてご自身のプライベートを充実させることはできません。
もちろん,仕事はとても大切です。
仕事をしないと生活費も稼げませんし,生活できなくなります。
また,一日の時間の中で,仕事は,多くの時間を占めることになりますから,仕事にやりがいをもち全力を尽くすことは非常に大切です。
しかし,仕事ばかりで,プライベートな時間が全くない,となれば,それはそれでつらくなる時があります。
もし,「今は」仕事が最も大切であるという人でも,年齢とともにライフステージに変化が生じます。
20代後半から30代前半の方は,まだまだバリバリ働くことが多いでしょう。
しかし,結婚したり,子供も生まれると,家庭の時間も大切にしたくなります。
仕事に追われて,家庭を顧みないと,家族からは不満の声が生じて辛くなります。
「家族のために一生懸命仕事をしているんだ」と家族にいくら言ったところで,家族からすれば「そこまで仕事をしてほしいとは思っていない」と思っていたりもします。
仕事にやりがいをもち一生懸命働くことは大切なことです。
ただし、「仕事だけが全て」と考えてそれを実行することはあなたの「人生の幸せ」にとっては,必ずしも望ましくないかもしれません。
3 プライベートが充実しないと,仕事も充実しない
他方で,プライベートが充実していないと,何のために仕事をしているのかの目的を見失うこともあります。
家庭環境にトラブルを抱えていると,そちらにストレスや労力がかかってしまい,仕事にも集中できません。
また,家庭環境に不満を持っていると,仕事をしてお金を稼いでも素直に家庭にお金を入れるということもできなくなるかもしれません。
ですから,プライベートを充実させることが,仕事の充実にもつながると思います。
そして,プライベートを充実させることは,プライベートにも全力を注ぐということです。
例えばですが,男性の場合,家族がいる場合に,休日は子供と遊ぶ,家族に料理を作る,外食に行く,家事も行うということです。
言うのは簡単ですが,私もやってみてその難しさを知りました。
ただ,今は,休日は子供と公園に行って運動しますし,子供と図書館に行って本を借りて読みますし(子供の学習度に応じた本を選ぶのも私の楽しみの一つです),
料理も練習してそれなりのものを作りますし,家族で外食にも行きますし,洗濯や掃除などの家事も行います。
私なりに全力で取り組んでいるつもりです(笑)。
こうしてやっていると,少々,仕事に偏ることがあったとしても,家庭環境は円満になり,仕事も充実させることができます。
また,私は公園が好きなのですが,公園に行くと,季節ごとの木々や花々の移ろいや美しさを見ることができます。
日の光が木の葉や枝に差し込んで,コントラストが生まれ,何とも言えない自然の美しさに目を奪われます。
木は何年もかけて成長し続け,自然の大きさや時の流れを教えてくれます。
仕事ばかりしていては,決して感じることができない心の余裕を与えてくれます。
そして,これらのことも,プライベートを充実させ,全力で取り組むからこそ,感じることができることだと思います。
4 プライベートばかり大切にしすぎると,仕事も充実しない
プライベートを大切にしすぎる,つまり自分の好きなことばかりしていると,仕事を疎かにしてしまうこともあります。
例えば,新しい職場で働き始めたとしましょう。新しい仕事ですので,初めは学ぶのが大変です。
しかし、職場で新しい仕事を習ったのに復習することをせず、どうしても見たいドラマやアニメがあるとして,そればかりを見て時間をつぶしてしまうと、
なかなか新しい仕事が頭に入らず、仕事を覚えられないということがあります。
そうすれば,新しい職場で十分な働きができずに,会社から評価されず,働き始めた当初から居づらくなってしまうこともあるでしょう。
また,仕事に慣れてきたとして,ドラマ、アニメ、ゲームや読書などに没頭しすぎて睡眠の時間を削っていたりしていると,翌日からの仕事に支障を生じます。
お酒が好きだとして,それを飲みすぎたり,ご飯を食べすぎたりすると,翌日の仕事も頭がボーとして,仕事に支障が生じます。
また,その日中に終わらせておかないといけない仕事があるときに,自身のプライベートに目が行き過ぎて,帰宅するとします。
そうすると,やらなければならない仕事の締め切りに間に合わず,支障が生じます。
仮に,このようなことばかり繰り返していると,会社からの信用や信頼を失い,働きづらくなって仕事を辞めざるを得ない,続けられないということになります。
プライベートを大切にすることと,自制を失って自分の好きなことばかりをするということは意味が違います。
このように,プライベートを大切にすることも,それが過ぎると,仕事を疎かにしてしまい,良い結果にはなりません。
何事にも,「やらなければならない時」があります。
それは,仕事であれ,プライベートであれ,同じです。
5 まとめ
以上のように,仕事とプライベートはメリハリが大切です。そして両方とも「全力を尽くす」こそが大事だと言えます。
「仕事」と「プライベート」は別だ,とよく言われます。
確かに,「仕事」と「プライベート」でやっている内容は違うかもしれません。
しかし,あなたの「本質」は何も変わることがなく,あなたの「人生」の中では「仕事」と「プライベート」は密接に関わっています。
ですから,「仕事」も「プライベート」も同じく「充実」させ、両方とも「全力で取り組む」ことが大切です。
もし,あなたが,ご自身の生活を見直してみて,うまく切り替えができていないと思ったら,今の生活習慣を見直してみましょう。
そして、仕事もプライベートも、両方とも「充実しているかどうか」、両方とも「全力で取り組んでいるかどうか」をよく考えてみましょう。
きっと,そこに「幸せ」の鍵があるはずです。
皆さま,こんにちは。
弁護士の田中です。
仕事を充実させ,全力を尽くすということはどういうことなのかについてもお話させていただきます。(料理や子供の絵本選びの話の前にこっちが先だろ!とツッコミが入りそうですが・・それらの話に興味がある方は以下をご覧ください。)
さて、弁護士の仕事はやはり楽しいです。何が楽しいでしょうか?色々な分野がありますし、必要な知識やコツも違います。ですから、飽きることがありません。
1 法律分野は幅広く、法律論は多様であること
男女トラブルだけでも様々な類型があります(私は様々な事件を取り扱いますが、ここでは男女トラブルを例に挙げます。)。離婚、養育費、婚姻費用、面会交流、財産分与、離婚慰謝料、年金分割、などの事件があります。
それぞれの事件で、問題となる論点が異なります。論点は、初めて対処するものは、文献を少なくとも3つ以上は参照しますし、判例はあるだけ確認します。
それを、まとめて、類型化して、本件が勝ち筋か、負け筋かを想定します。なお、今では男女トラブルの場合は、初回面談で勝ち筋か、負け筋かほぼ回答できます。
細かい論点に関しても、多少調べれば、一定の結論を導けます。
2 証拠の取得、評価
私自身は、不倫の慰謝料や、貞操権侵害の慰謝料、内縁関係、事実婚などの事件も多く取り扱っていますが、これらもやりがいがあって面白いです。
これらの事件類型は法律論というよりは、証拠の有無と内容、その証拠の評価が大切であることが多い事件類型ですが、そうであるからこそ、いかにして証拠を得るか、という点に最も注意を払って事件処理を行います。
依頼者自身が証拠収集に臨んだ方が成功率が高いと見れば、アドバイスをして証拠を収集いただきますし、私が対応した方が可能性が高いと判断すれば私が動きます。
証拠を相手方と交渉するときに、供述として引き出すこともあります。その場合には、事前に獲得目標を決めておくことも大切です。
要点を絞らず交渉をすれば、時間が無駄になり、本当に必要な獲得目標を得られないこともあります。
ですから、事前に裁判を見越した場合に、この証拠があれば勝てる、という獲得目標を決めて交渉に臨みます。この際は緊張感が漂う交渉になり、スリリングでもあります。
今では、交渉トレーニングもいらず、いきなり実践できますが、ときには事前にイメトレを行って望みます。慣れないうちは、交渉トレーニングも積んだ方が良いでしょう。
3 相手方との交渉、交渉方法の選択と熟達
また、相手方との交渉話術も非常に重要です。早期解決で良い結果を出すためには、「書面」交渉よりも「電話や直接」交渉の方が望ましいケースがあります。
ですから、どんな相手と話すときでも、緊張せず自身のリズムを壊さず自然体で接することができるように訓練しておく必要があります。
「書面」を作成するときも、依頼者の方の要望をかなえるための、最も良い表現を選択します。
「書面」の場合、通常は何往復か応答するということが通常ですが、「書面」であっても、一通の書面で解決するというケースもあります。
私もそれを何度も経験しています。
これは意識的に書面の送付方法や内容を工夫しているためです。書面交渉のみに偏っていたり、電話や直接交渉のみに偏っているのはバランスが悪いです。両方とも案件に応じて使い分ける、ことが大切であり、両方とも熟達を目指します。
4 依頼者の方への理解、共感と説得、人間力の向上
男女トラブルは様々な感情が渦巻いています。また、依頼者の方も千差万別です。
同じ人は一人もいません。それぞれに悩みをお持ちです。ただ、熟練すれば、自分の中に対応の型ができるので、依頼者の方をタイプに分けて、このようにお話をすれば理解してもらいやすい、ということができるようになります。
依頼者の方の話を聞かせていただき「共感」しつつも「同感」はせず、ただ裁判での見通しを「論理的」に説明することが必要です。
ここで、共感が同感になってしまい、「情」に流されすぎてしまうと、事件の解決を妨げてしまいます。
他方で、論理的すぎると、「理」が強すぎて、「愛」がない人だと思われて、依頼者の方の信頼を得られません。男女トラブルは、弁護士の「人間力」「人間性」が試される場面でもあります(というよりクライアントが個人の方の場合は、ほとんどの事件そうなのですが。)。
その意味で、人間力を磨くことも同時に必要なことであり、やりがいを感じているところです。
例えばですが、ある人から言われた場合には腹が立つけど、別の人から言われれば納得するということはないでしょうか?
それは、「別の人」の方が「ある人」に比べて、その人にとって人間力(共感力、説得力)に優れていると思われているために起きることです。
私は、人間的に優れた「別の人」になりたいと思います。そしてそのようになるためには、実際に事件を通じた「訓練」「修行」が必要です。
ロイハイは、こうした事件類型を通じて、心を鍛えて人間力も磨く事務所だと考えていますので、それを希望される方がご応募されるのがよいと思います。
(弁護士の方の中には、依頼者の方や相手方の強い感情の渦に巻き込まれるのを嫌がったり、めんどくさがられる方もおられます。
そのような方は、企業法務事件のみを淡々と処理されていることが多い印象です。それはそれで一つの考えであり、価値観です。)
5 裁判と尋問
交渉で決着がつかない場合も一定あります。その場合には、訴訟の見込みを伝えて、依頼者了承のもと、裁判をします。裁判の途中で和解の話があって、依頼者が早期和解を望む場合には和解に応じる方向で検討します。
しかし、和解がまとまらない場合には尋問になります。尋問手続きはやはり弁護士の醍醐味だと思っています。法廷で、代理人が尋問し、こちらに有利な供述を引き出します。
矛盾を突くことも大切ですが、それよりも事実の積み重ねを聞いて行った方が良いというのが私の実感です。
矛盾を突くのは、争点判断に直接的に有効かどうかは措いて、相手が虚偽の事実を述べていることにより記憶の混乱が生じ、後の有利な供述につながりやすいこともありますので、そのような形で使うこともあります。
裁判はやればやるほど、慣れていき熟達していきます。裁判はマチベンの主戦場、と言われることも多いです。
私も、尋問手続はやはりマチベンの弁護士の方が慣れているという印象を受けています。マチベンの方が、保有している案件数が多く、裁判を多く経験しているからでしょう。
なお、私も尋問は好きです。最終準備書面を意識して、事前に獲得目標をまとめておき、あとはイメージトレーニングをしておきます。
この作業は、普段の口頭交渉と似ているので、口頭交渉が慣れていれば、尋問もスムーズになっていきます。静まりかえった法廷での、尋問はスリリングであり、獲得目標の供述を得られた時には、達成感に満たされます。
尋問について思うのは、交渉が得意なら、尋問も得意になりやすいということです。両者の違いは、質問の仕方が交渉の方が自由度が高いだけであって、交渉だろうと尋問だろうと獲得目標を得るという本質に変わりはないためです。
・・・・・・・・・
弁護士のやりがいについて語ると、ノウハウに関する部分が多く出てしまうことになるので、あまり多くを語ることはできませんでした。料理や子供の絵本選びの方が分量が多いかもしれません(笑)
弁護士業は非常にやりがいがある仕事です。
しかし,残念ながら,依頼者や相手方からのプレッシャーに耐えられなかったり、経済的に余裕がなくなってしまったり、
体調を壊してしまったりして、弁護士を辞めてしまう方もおられます。しかし、弁護士は、誇りをもって一生取り組む価値のある仕事です。
迷いが生じたなら、私にご相談ください。一緒に仕事をしましょう。
この仕事は、決して「楽な仕事」ではありません。むしろ「大変な仕事」です。「不断の努力」と「忍耐と精神力」が必要な仕事です。
ときに、多くの起案を行ったり,リサーチをしたりして残業が多くなってしまうこともあります。
ときに、依頼者の方や相手方からのプレッシャーにさらされて落ち込んだり、辛いこともあります。
しかし、「楽ではない」からこそ、頑張る価値があります。「大変」だからこそ、頑張る価値があります。
皆さんが弁護士を志した時,この仕事が「楽な仕事」ではないことをわかっていたはずです。
むしろ,「楽ではない」からこそ,頑張らなければならないし,頑張る価値があるとも思ったはずです。
なのに、「弁護士になった途端」、「弁護士をある程度の年数」やったら、「楽をしたがったり」「手を抜きたがったり」してしまう。
「弁護士になること」があなたのゴールですか?
「弁護士をある程度の年数やったら」もう十分ですか?
いやいや、そうじゃないはずです。
弁護士を志したときの「輝きに満ちた心」を思い出してください。
弁護士は「一生」やる価値のある仕事です。
ときにしんどくて、やりがいを失ってしまった方は、酒を辞めて身体を動かしましょう。ストレス発散してやる気も出てきます。同じことの繰り返しで飽きてしまったという方は、新しい分野に取り組みましょう。そんなに簡単に極められる仕事ではないはずです。
金銭欲や物欲が強くなって楽をしてしまいそうな方は、断食して心を洗いましょう。お金も物もなくても、人生楽しく生きられます。
どんなときであっても、前向きで明るい自分でいられるように、これからも邁進したいと思います。
そして、当事務所は、こんな事務所です。
興味がある方はご覧くださいね。
こんにちは。
弁護士の田中です。
皆さんは、職場をどのように探しておられますか?
またどのように職場を選んでおられますか?
私は、職場探しは、「交際相手や結婚相手探し」と同じだと思っています。
最近は、「成長」に関するテーマ投稿が多かったのですが、ちょっと趣向を変えてみようと思います(笑)
今回は、誰もが一度は興味を持つであろう「恋愛」をテーマにして、職場探しについて書いてみました。
ただし,せっかくの機会ですので,皆さんが、ロイハイに限らず、他の法律事務所や会社の書類選考や面接を受けるにあたっても、大切な視点を盛り込むようにしました。
(特に、あまり就職活動をしたことのないかもしれない修習生の方には、今後就職活動をするにあたって勉強になる部分もあると思います。)
是非、楽しんで笑っていただきながら、皆さんの就職活動にあたって学びになればと思います。
では、早速いってみましょう!
あなたが、誰か好きな女性(または男性)がいるとします。
その女性(または男性)に対して、あなたが勇気をもって告白をしようとしている場面を想定してください。
そして、それが上手くいきそうかどうかを見ていきましょう。
1 あなたが、その女性の外見だけが好きで、女性の性格や中身などもよく知らずに告白している場合
このようなケースは、実際、多いのではないでしょうか?
例えば、綺麗であったり、かわいい女性がいたときに、その美しさやかわいさに目を取られてしまい、なんとなく好きになってしまうという男性は多いのではないでしょうか?
(逆に、カッコいい男性、背の高い男性、収入が多い男性がいたときに、そのカッコよさや、外見、経済面に目を取られてしまう女性の方もおられるかもしれません。)
しかしながら、その女性の中身や性格もよく知らないままに、告白をしてしまったら、どうなるかを見ていきましょう。
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あなた:「●●さんのことが好きなので、私と付き合ってください。」
女性:「え・・・ありがとうございます。」「え、でも、普段あんまり私と関わってないと思うんですが、どうして(好き)なんですか?」
あなた:「・・・・それは、あなたの外見が好きだからです。」
女性:「・・・あ、そうですか。ちょっと私、そんなに大した外見でもないですし、外見だけのことを言われるのはちょっと・・・」
あなた:「あ、すみませんでした・・・・」「もちろん、他の理由でもあなたのことが好きです。あなたの優しいところが好きです。」
女性:「そうなんですね(そうかなあ・・?そんなに優しいかな・・?)。ありがとうございます。どうして私のことを優しいと思ったんですか?」
あなた:「えーと、なんとなく、イメージというか、雰囲気が優しいと思いました。」
女性:「そうなんですね。。(イメージだけで言われてもなあ・・・。優しいところもあるけど、怒るときは怒るし。いろんな側面があるからなあ。。あんまり分かってくれてないな・・)」
あなた:「ですから、付き合ってください。」
女性:「ごめんなさい。私は、あなたの思っているような人間じゃないと思います。」
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皆さんは、このやりとりを見て、どう思われるでしょうか?
いやいや、どんなに口下手な男でも、もう少し「マシ」なことを言うよ!と思われるでしょうか。
まあ、実際は、男性の方も、ストレートに「外見が好きです」と言うことはないのでしょうが、
本当は「外見」が一番好きで、あとは雰囲気だけでなんとなく好き、というのは多いと思います。
しかし、女性の立場からすれば、「見てるのは、外見だけか」「イメージで言われてもなあ。私のことなんも知らないよね。」と思ってしまいますよね。
こうなると、女性の立場からすれば、「本当に真剣に自分のことが好きなのかな?」「ちゃんと長く付き合いたいと思っているのかな?」
「むしろ、自分のことを全然よくわかってないな」と考えて、断る方向に働くはずです。
2 先ほどの例よりも、もう少し女性とコミュニケーションをとって、女性の性格を知っている場合
では、もう少し、マシなやりとりができないかを考えてみましょう。
あなた:「●●さんのことが好きなので、付き合ってください。」
女性:「え・・・ありがとう」「え、でも、どうして(好き)なの?」
あなた:「普段から一緒にしゃべっていて楽しいし、価値観とか合うなと思って。だからもっと仲良くできたらと思って。」
女性:「そうなんだ。」
あなた:「うん。それに、普段から友達に優しくしているのも知ってるし、こないだも●●にノートを貸してあげてたでしょ。」
女性:「うん。困ってそうだったから。」
あなた:「そういうところがいいなと思って。」「逆に、断るときはしっかり断っていてえらいな、と思って。ほら。こないだバイトの先輩から飲み会誘われてたの断ったでしょ。」「あの飲み会は、俺も誘われたんだけど、なんかいつも誰かの悪口とか愚痴ばっかりな会だから。俺も参加したくなくて。」「そういうシッカリしたところも魅力に感じて」
女性:「そうなんだね。それも見てくれてたんだ。」
あなた:「だから、俺と付き合ってくれないかな?」「ほんと真剣なんだけど」
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とまあこんなふうに、女性が応じるかどうかはその女性次第ですが、かなりマシなやりとりになったと思いませんか?
少しではありますが、先の例に比べて具体的かつスムーズなやりとりになりましたね。
そして、この女性も、あなたの誠実さや人間性を見て、あなたが自分に合うという判断をすれば、交際に至る可能性が上がるかもしれません。
このやりとりの流れは、会社の面接においても、全く同じことが言えます。
ただし、会社の面接の場合には、もっと具体的にお話いただく必要はあるでしょう。
なぜ、あなたがその会社に応募したのか(志望動機)、あなたはどういう人間なのか、は、どの会社の面接においても重要です。
しかし、例えば、志望動機に「会社の給与条件面のことだけ」を話をするようなことがあれば、それは、上記の「女性の外見だけ」を褒めているのと同じです。
また、「会社の給与条件面のことを優先的に」話をすることがあれば、それは、「一番好きなのは女性の外見」だと言っているようなものです。
例えば、「なんとなくの雰囲気のことだけ」を話をするようなことがあれば、それは上記の「女性のなんとなくの雰囲気」を褒めているのと同じです。
もちろん、応募するにあたっては、会社の雰囲気はとても大切です。また、その雰囲気が自分と合うかどうかはとても大切です。
ただ、いったい、なぜ会社の雰囲気についてそのように考えたのか、会社の雰囲気がどうして自分と合うと考えたのか、という理由は大切です。
この理由が、しっかりしていないなら、本当に「ただのイメージ」だけになってしまいます。
会社の実態や中身に関して言及せず、あるいは言及しても「薄い」のであれば、それはイメージが先行してしまっていて、中身をしっかり見ていないということでもあります。
中身をしっかり見ておらず、説明もできないなら、やはり、先の女性の外見やなんとなく雰囲気で告白しているのと同じです。
なお、実際の面接においては,その会社に応じた様々な考慮要素があるでしょう。
ですから、ちゃんとその会社のことを知る、知ろうとすることは大切です。なぜなら、知れば、ご自身に合うか合わないかも分かるからです。
逆に、会社もあなたのことを知ろうとしています。なぜなら、しっかり知ったうえで、自社に合うか合わないかを考えたいからです。
このように、お互いがお互いに、「合う相手」を求めるというのは、まさに「交際相手」や「結婚相手」を探すのと同じだと思います。
実際、皆さんは、人生において、交際相手や結婚相手と過ごす時間と同じかそれ以上の時間を、職場で過ごすことになりますよね?
そうであれば、その職場が自分に合うかどうかを考えることは、交際相手や結婚相手を探すことと同等以上に大切なことではないでしょうか?
皆さんが、交際相手や結婚相手を見つけるように、あなたに合った職場が見つかることをお祈りしております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皆さん興味があるかどうかわからないですが、長く交際する秘訣について書いてみました(笑)
もしよければこちらもご覧ください。
こんにちは。
弁護士の田中です。
さて,本日は,特に中途弁護士向けの内容になります。
事務所の規模が徐々に大きくなってきたせいか,ありがたいことに中途弁護士の方から応募をいただくことが増えてきました。
応募いただく方に,ご自身に合う事務所を探していただきたいと考えておりますので、ロイハイでは「(考えや相性が)合うか合わないか」を大切にしています。
詳しくは,是非、以下の記事をご覧ください。
では,本題に入っていきましょう。
よく,弁護士の間では,①職人的要素と②経営的要素の議論が巻き起こります。
つまり,弁護士は,事件処理をする(事件処理にこだわる)という意味において「職人」であり,他方で,自営業者という意味において「売上」(サービスも含めて)を考えなければならない立場であるため「経営者」でもあります。
勤務弁護士の場合には,そこまで経営について考えなくてよいため,①の要素が強いことが多いです。他方で,独立して経営をしている弁護士の場合には,②の要素も大切になります。
経営している弁護士の場合に,自分一人,あるいは少人数規模で経営している場合には,経営者弁護士自身も事件処理に大きく関わるため,①の要素は重要ですが,
他方で,事務所規模が大きくなるにつれて,②の要素の比重も大きくなっていき,最終的には①を捨象して②の要素に振り切ってしまう,という方もおられます。
ここで,①の要素を追求しすぎると,事件処理に時間をかけすぎてしまい,売上をあげることができず,経営的に厳しくなるということがあります。
経営が厳しくなれば,自らの生活が経済的に不安定になり,それこそ逆に事件処理に集中できない環境になってしまいます。
他方で,②の要素を追求しすぎると,経済合理性を優先するあまり,時間や手間暇がかかる割に売上につながらない案件(つまり利益率の低い案件)をそもそも受任しないか,受任したとしても事件処理に時間をかけない,という方向に働きます。
これが過ぎると,顧客満足は得られません。
つまり,①と②の要素のいずれかの要素を追求しすぎると,デメリットが生じることになります。
このような観点から,弁護士業をするにあたっては,①と②のバランスをよく考えて行かなければなりません。
ロイハイは,弁護士も事務局も増えて約30名ほどの規模に成長してきました。
その中で,私が①と②のことで思ったことを言うと,実に「難しい案件,手間暇のわりに売上につながらない案件の方が,自分を成長させてくれたな」と感じます。
また「こうして成長させてくれたからこそ,今の自分がある。」とも思います。
難しい案件や手間暇のわりに売上につながらない案件は,やっている間は苦労しますししんどいことも多いのですが,やり終わった後は,強い達成感と自己成長を得られます。
何が言いたいかというと,難しい案件,手間暇のわりに売上につながらない案件も,つまり,「売上では評価されない案件」であっても,「自己成長のために経験を積んでおくべきだ」ということです。
なぜかというと,②の要素を強くしすぎて経営合理的に考えて,そのような案件を避け続けていると,なんでもかんでも艱難苦難を避けることになり,忍耐力や精神力が育まれません。
これらが育まれないと,いざやったことのない新しい事件に対応する気力を失ったり,楽をすることばかりを考えてしまい,普通の案件(難易度が普通であったり,手間暇もそこまでかからず一定の売上が期待できる事件)の事件処理でも,楽をしてしまいかねませんし,
仕事のやりがいを失ってしまうことがあるからです。
つまり,②の要素を強くしすぎると,①の職人的要素と相反してしまい,仕事自体のやりがいを見失ってしまうということです。
(私は,これが経済的合理性を追求することの多い,新興系法律事務所における大きな問題点の一つだと思います。)
ですから,①の職人的要素は,今のロイハイになるにあたって必要不可欠な要素であったし,今後も必要不可欠な要素であり続けるでしょう。
なお,弁護士の仕事のやりがい(主に職人的要素)についても書いたブログがあるので,そちらもご覧ください。
他方で,①の要素を強くしすぎると,自己成長のため,やりがいのためとして,あえて難しい案件,手間暇のわりに売上につながらない案件ばかりをやってしまうことになります。
しかし,このような事件「ばかり」を対応していると,時間がいくらあっても足りなくなりますし,精神的にも辛くなります。
そんなことを続ければ,経営が苦しくなり,自分の生活が経済的に追い詰められて,結局のところ,良い事件処理ができなくなります。
ですから,①と②のバランスが大切であるということです。
私は,中途弁護士の方と面接をする際に,「今の(以前にいた)事務所では,売上でしか自分を評価してくれない」という転職理由を聞くことがあります。
私は,これは,その事務所が②の経営的要素を強くしすぎたことによる弊害なのだろうと思います。
せっかく弁護士になったのに,「売上でしか評価されない」というのは残念なことです。
経営者弁護士は,弁護士に①職人的要素が必要であることを,働いてくれる従業員弁護士のためにも忘れてはならないと思います。
他方で,経営者弁護士は,①の要素に流されすぎず,自身と従業員の「生活」を支えるためにも,②の経営的要素も忘れてはならないと思います。
なお,自身と従業員の生活を支えるための工夫の一つですが,以下のブログにちょっとだけ書いていますのでよければご覧ください。
さて,今回のブログの内容は,私自身にも常に当てはまる内容になりました(笑)
肝に銘じて邁進したいと思います。
どうか、転職活動をされている弁護士の方が、売上では評価できない経験を積んで、①と②のバランスを忘れずに、仕事のやりがいを持ち続けていただけるようお祈りしております。
こんにちは。
弁護士の田中です。
今回は,仕事のスタートダッシュをスムーズに決めることの重要性についてお話したいと思います。まず、当事務所では、入所された方については、弁護士・事務局問わず、研修を行っています。
大企業レベルのものではありませんが、中小企業としては十分な内容と考えています。
私は、この研修段階、あるいは入所して数か月以内にどれだけ全力を尽くして会社の業務に取り組んだかが、今後その会社で仕事をするうえでは非常に重要だと考えています。
入所して数か月は「スタートダッシュ」の段階です。スタートダッシュは、どのような世界でも重要ですよね。
分かりやすく言うと、陸上の短距離走です。
自分がタイミングや方法において「最高のスタート」を決めれば、自らが先行者になることができますし、ほんの数秒は先行者に先を行かれても追い越していくことができます。
陸上の短距離走において、スタートダッシュのタイミングや方法を誤れば、そこから先行者を抜くのは難しくなります。これは非常に分かりやすい例ですね。
受験勉強でも考えてみましょう。例えば、高校に入学して、大学受験は3年後だとします。
ここで、高校に入学して、一番最初から必死になって勉強し、かつそれを3年間続けた人と
入学して2年間は勉強をさぼったが、最後の1年間で必死にやった人、とでは、一般的に考えて、どちらの方が良い結果を残せるでしょうか?
私は、間違いなく前者の方だと思います。
ときに、最後の1年間を必死に勉強して結果が出たという人もいますが、それはたまたま、その人がもともと優れた能力を持っており、優れた勉強方法を実践し、運よく結果が出た、というだけです。
もちろん、あなたが、たまたまその分野においてもともと優れた能力を持っていて、優れた勉強方法を実践でき、運も良い方だったならよいのですが、現実はなかなかそうはいきません。
むしろ、そうではない方が大半です。だからこそ、たまたまそういう成果が出た人が、「受験の成功本」のような書籍を書いて売れるわけです。
私は、「最初はサボっていても後から必死になってやって短期間で結果が出た人」を真似して、その人と同じことができるとは思うべきではないと考えています。
むしろ、「最初から必死」にやる方が成功確率はずっと高いです。
よって、あなたが新しいこと、新しい仕事を始める場合には、「初めから本気であり必死であるべき」です。
もう少し補足しましょう。
類型的に話します。
①「初めから本気であり必死で」やれば、結果を残せる可能性が高いです。
「初めから結果」を出せれば、周りからも称賛されやすく、自己評価が上がります。
自己評価が上がって自信がつくと、「もっとやろう」、「もっとやればもっと伸びる」と思って頑張りやすくなります。
つまり、最初から結果を出せば、その努力を続けやすくなると言うことです。
こうなると、努力する習慣が身につき、成長を持続できる可能性が高くなります。
つまり、自己成長により、自分の考えや環境を変えて、自分の給与待遇を変えて、目に見える環境や世界を変えて、自分の人生を変えていくことができます。
②他方で、「最初を怠けてしまって結果を出せなければ」、称賛してくれる人はまずいません。
称賛してくれる人がいない状況下で,結果を出せるよう頑張り続けるのは一般的に難しいです。ですから、途中で自分には無理だと思って頑張らなくなり、ますます結果を出せなくなります。
これを続ければ、自己成長は望めず、考え方も変わらず、目に見える環境世界も変わらず、自分の人生は変わりません。
③最後のケースとして、「最初から本気で必死で努力しても結果が出なかった」場合についても話をしておきます。
この場合は②の場合とは異なり、最初から本気で必死でやったものの,結果がでなかった場合ですね。この場合は、②と同じように思われるかもしれませんが、そうではありません。大きな違いがあります。
最初から本気で必死で努力しても結果がでない場合でも、周囲の人は、「結果は出ていないが、少なくとも頑張っている」と見てくれることがあります。
そして、この努力を続けていれば、「そのうち結果が出る」と思ってくれることがあります。そうすれば、周囲の人も「頑張れよ」と声をかけてくれるわけです。
頑張れよと言ってくれもしない状況と、頑張れと声をかけてくれる状況では、後者の方が当然頑張りやすいと思います。なぜなら、多少ながらでも頑張りを見てくれるひとがいる、自分にも居場所がある、と思えるからです。
ここで、そう遠くないうちに結果がでれば、①になっていきます。
なお、本気で必死で頑張ってもずっと結果が出ないなら、それは努力の仕方が間違っていたり、教えてもらったことに従わず自分本位のやり方にこだわっていることが多いので、その点は素直に反省して改善する必要があります。
このように、「最初から本気で必死」でやれば、①OR③にはなることができるわけですね。
だからこそ、「最初から本気で必死」でやるべきなのです。
このページをご覧いただいている方は、ロイハイへの求職者の方,興味を持っていただいた方がほとんどだと思いますが、ロイハイに限らず、他の会社でもこの理は同じです。
したがって、何事においても、スタートダッシュの時点で、どれだけもがき、本気で必死になって取り組むかが大切なわけです。
ところで、ロイハイに応募される方の中には、特に弁護士の方の中には、現在いる事務所や会社が、「事件数が少なすぎて生ぬるい」「自分が仕事に対する考えなどで誤りがあったときでも指導を受けない(要は放置されている。)」「経験が十分に積めず将来的に不安がある」という理由から、応募される方がいます。
詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
まさに、その理由は正当です。つまり、ご自身で「(弁護士人生の)スタートダッシュを満足にきれていない」と感じているからです。
弁護士の方でこういう方がおられるのは、おそらくですが、私が例に挙げたように受験勉強を相応に経てきており、「一番最初から」「努力」をすることの大切さを理解されているからだと思います。
そうです。
弁護士人生は永いです。
人によりますが、死ぬまで一生続けることができますし、司法試験に合格した年齢にもよりますが、数十年は続けられるでしょう。
しかし、それはあくまでも「成長のため本気で・必死で努力をし続けることができた人に限られる」と私は思います。
であるからこそ、「初めのうち」にどれだけ「努力できる」環境があるか、「努力できる精神性」を身につけられるかが大切なのです。
もちろん、これは事務局の方でも同じです。
他の会社では、事務というと、同じ仕事を繰り返しさせられてスキルアップしない、ということも聞きます。
確かに、「事務」という仕事が同じ仕事を繰り返す、という側面があることは私も否定しません。
しかし、その中にも「必ず成長する要素」はありますし、成長を求めなければ、ご自身の「考え」が変わることもありませんし、ご自身の「給与待遇」が上がることはまずありませんし、ご自身の「人生」が変わることはありません。
ですから、最初から、スタートダッシュが大切だとよくご理解いただき、スタートダッシュから、もがいて、本気で必死になって、取り組むようにしてみてください。
そのように取り組むことにより、あなたの取り組もうとしている物事がスムーズにいきますようお祈りしております。
こんにちは。
弁護士の田中です。
さて、今回のテーマは、仕事が忙しい事務所と、手持無沙汰な事務所についてお話したいと思います。
ちなみに、私の事務所は③の「ボチボチ忙しい事務所」かなと思っています。
私の適当な分類を言いますね。
あくまでも体感の話なので、参考程度に読んでください。
また、一日●●時間と記載しますが、一時的に起案が重なるとかリサーチが重なる等の理由で、多少ぶれる可能性があることもご留意くださいね。
では、分類していきましょう。
①激忙しい事務所=1日15~20時間労働
とある企業法務系の激忙しい事務所では、「睡眠時間が4時間でそれ以外仕事」というような、そんなことが可能なのか?という働き方をする事務所もあると聞きます。
この場合の労働時間は、一日20時間?ぐらいでしょうか?
配置される部署によって忙しさが全く異なると聞いていますが、さすがに誇張していると思うので1日15時間から20時間というよう定義しておきますね。
(ただ、今のご時世にこれだけ働かなければならないのかは疑問です。
これだけ忙しいときもあるという風に考えるのが良いのかもしれませんね。
関係者の方で詳しくご存じの方は教えてください。)
とはいえ、一応、分かりやすい分類として設定させていただきます。
ところで、これらの事務所は、入所する前に、激忙しいことは十分に分かっていてなお入所されているので、「こんなに忙しいとは思わなかった」とはならないと思います。
また、それだけ働くので得られる報酬は多いです。
1年目から年収1000万円以上が払われる事務所もあります(ただし時給換算すると・・・・)。
②かなり忙しい事務所=1日12時間~15時間労働。
とある企業法務系の事務所や個人事務所でもブラックと呼ばれる法律事務所では、「毎日終電で帰らないといけない」事務所もあると聞きます。
例えば、勤務開始時間を9時からとしたとして24時まで働くとすれば、休憩時間を1時間とすると、14時間の労働ですね。
勤務開始時間が9時からで22時まで働くとすれば、休憩時間を1時間とすると12時間労働ですね。
これもかなり忙しい事務所だと思いますね。
企業法務系の事務所でこれだけ働く事務所は、そこそこネームバリューのある法律事務所かと思いますし、入所される方も事前にかなり忙しいことが分かっているので、
不意打ちで「こんなに忙しいとは思わなかった!」とはならないと思います。
他方で、個人事務所でこれだけ働く事務所は、無名の法律事務所であることが多いと思いますし、「これだけ忙しいとは思わなかった!」となりやすいように思います。
そのため、個人事務所の場合には「ブラック」と呼ばれやすいでしょうね。
なお、全国に支店展開をしている法律事務所の中で「業務過多」になっている状況の場合には、ここに分類されることもありうると思います。
企業法務系の事務所は、顧問対応やリサーチが多く含まれることや、1件の対応時間が相当長くなることもあるので、一概に保有件数は言い難いです。
他方で、個人事務所の場合の保有件数ですが、どんなに少なくても50件以上~80件といったところかと思います。
ここで50件から80件と幅があるのは、法律事務所のシステムや仕組みによる事件処理の効率性によって、処理できる件数に大きな差が生じるためです。
ブラックと呼ばれる法律事務所の中には、事務局が不在又は不足しており、システムや仕組みによる事件処理の効率性が図られておらず、また任せる事件の難易度も考慮していないので、経験力量不足の弁護士に高い難易度の事件が配転されます。
よって、これらの状況におかれれば、50件ほどの事件数であっても、弁護士が大きな事務負担を負うことになり、また経験力量不足によって事件処理方針が決まらず、リサーチに多大な時間を要すること等が要因となって、労働時間が12時間~15時間に至ります。
あるいは、多少なりともシステムが整っていても、弁護士の保有する事件(又は弁護士が主として処理する事件)が70件~80件ともなると、これぐらいの労働時間にはなると思います。
③ぼちぼち忙しい事務所=1日9時間~12時間労働。
私の事務所もここに分類されると思っていますが、ちゃんと経営が成り立っている事務所(利益がしっかり出て黒字でありメンバーにも適正な報酬が払われている)なら多くはここに分類されるように思います。
ちゃんと経営が成り立つためには、「一定レベルの集客」は必要不可欠です。集客が立たなければ、皆さんに十分な給与や報酬が支払えません。
集客が不足すると⑤の分類になってしまいます。
そうはならないように集客に関する努力を行い調整しようとすると、この③「ぼちぼち忙しい事務所」の分類に至るはずです。
事務局の人数、経験、仕組み整備の程度、システム面の充実の度合いによって、保有件数は異なりますが、概ね弁護士の保有件数(又は弁護士が主として処理する件数)は40~60件程度になると思います。
ちなみに、ロイハイは、10:00~19:00勤務で、19時半から21時までには帰宅する弁護士が多いです。起案が立て込めば、22時ぐらいになる場合もありますが、それは例外です。
そのため、30分から2時間ぐらい残業して1日8時間半から10時間労働ぐらいでしょうか。
ロイハイは、固定残業時間が40時間ついているので、その範囲内で勤務している弁護士がほとんどです。
もちろん、その日に予定がある弁護士は19時ピッタリに帰宅する方もいます。
④忙しくはない事務所=1日8時間労働。
概ねの印象ですが、1年の事件処理件数が30件以下なら、このラインだと思います。
この分類にあてはまる事務所は、私はほとんどないという印象です。
やや忙しい方向に振れれば③に分類されますし、暇な方向に振れれば⑤寄りの分類になると思います。
なぜ、このようになるかというと、個人事務所の場合、事件がちゃんと来るかは事前に予測しきれませんし、
「紹介」でいつ事件がくるか分からないということもあるので、「受任できるときに受任しておく」という考えになります。
そして、事件が来る、ということが続けば③に分類されます。
他方で、事件が来ない、ということが続けば⑤に分類されます。
このように、丁度中間点である④を「意図的」に狙うのは、かなり難しいです。
仮に、皆さんが④の状況にあるなら、「ただの偶然」か、意図的に「事件数を●件まで」というように決めておける場合のみです。
前者の場合は偶然なので、忙しくなれば③に振れ、暇になれば⑤に振れます。
後者の場合には、事件数を●件までという風に定めて受任制限をしたときに、事件が来なくなってしまうと⑤に振れてしまうので意図的に行うのはややリスキーな面があります。
私の意見は、③の状態までは集客を維持し、②の状態に至る前に受任制限をして従業員の負担を軽減した方が経営的にも安定するし、
いざというときに従業員を守りやすいと考えています。
また、従業員のスキルアップにもつながります。
それもあって、ロイハイでは③の分類で調整を行うようにしています。
⑤手持無沙汰な法律事務所=一応8時間の勤務時間が定められているが、事件処理が少なく手持無沙汰になっている状況。
概ねの印象ですが、1年の事件処理件数が20件以下なら、このラインになると思います。
弁護士が1~3名程度の個人事務所に多い印象です。
働く人にとってメリットになるかどうかは分かりませんが、早く帰宅できるという点が特徴かと思います。
他方で、働く人にとってのデメリットとしては、勤務弁護士に給与を支払うのが経営的に厳しいので、安定した給与や報酬が払ってもらえるかどうかについて不安があったり、
あるいは、経営が安定しないので状況によっては退職せざるを得ないということもあります。
また、事件処理を十分にこなしていないので、弁護士として十分な経験を積めていないという悩みをお持ちの方が多いです。
このような理由から、中途弁護士の方でロイハイにご応募される方も一定数おられます。
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さて、いかがだったでしょうか?
今回は、手持無沙汰な事務所と忙しい事務所について、私なりの分類をお伝えしました。
皆さんがどのような事務所で働きたいかは、皆さんの価値観によって変わります。
あまり働きたくないという方は⑤の事務所で勤務したいと思うのかもしれませんし、
自分のプライベート時間は無くなってもいいからめちゃくちゃ働いてお金を稼ぎたいという方は①の事務所で勤務したいと思うのかもしれません。
あなたがどうしたいのかについて、よく考えたうえで、事務所を選びましょう。
あなたにあった事務所が見つかることをお祈りしております。
こんにちは。
弁護士の田中です。
私は公園にいってリラックスをすることがあります。
その日は,なんとなしに,一人で公園に行きたいと思いたちました。
朝の9時ぐらいでしょうかね。
青空の下太陽が差し,冬の張り詰めた空気をやや暖かくしてくれてるような日でした。
昨日は雨だったのか,地面は多少濡れていましたが,気になるほどではありませんでした。
冬はどうしても室内の生活が多くなっていたので,新鮮な空気が吸いたいと思ったのです。
コンビニでパンとジュースを買って,一人で公園のベンチに座って食べていました。
公園を散歩される方や犬の散歩をされる方がほんの少し通りすがっていきました。
太陽の光とややも冷たい空気は,室内で溜まった私の頭のモヤモヤを消して,
頭の中をクリアにし,頭や身体の感覚を冴えわたらせてくれていました。
「朝からめちゃ気分ええな~」と思っていると,公園の「木」に目に入りました。
葉が落ちて丸裸になっている木もあれば,冬でも葉がそのままきれいに残っている木もありました。
それぞれの木を見つめていると,そういえば,「光合成」ってあったよなと思いました。
光合成は,主に植物の葉(緑)で行われています。
太陽の光が差し,植物は二酸化炭素を吸い,酸素を出してくれます。
山に行けば,新鮮な空気を吸えると感じるのは,植物が新鮮な酸素を出してくれているからです。
葉の落ちた木を見ながら,葉の落ちた木は緑がないから,光合成はしないだろうな,と思いました。
(なお,このブログを書くので調べてみると,「落葉樹」というらしく,光合成はしない(ORほぼしない)とどこかのサイトに書いてました。)
私は,葉の落ちた木を見て,冬を越す間は,自分の役割をいったん終えて,休んでいるんだ,蓄えているんだ,と感じました。
他方で,葉がそのまま残っている木もありました。
(これを常緑樹というそうです。)
常緑樹は,冬の間でも一年中光合成してくれます。落葉樹は,冬は光合成しませんが,春以降になると光合成が活発になります。
もしも,常緑樹がこの世になかったとしたら,光合成は十分に行われことによって,四季があるような,特に冬の季節のあるような地域って,
酸素不足になったりしないのか?なんてことを考えました。
私は,植物にとってはしんどいはずの冬の間でも,光合成をしてくれて酸素を出してくれてるんだな,と思ってなんとなく感謝したい気持ちになりました。
そして,その木に近付いて葉を見てみると,細かい葉脈が見えました。
大きな木であっても,これが成り立つためには,「細部」まで厳密に成り立っているのだなと思いました。
そして,落葉樹のことをもう少し調べてみると,落葉樹は,冬こそ光合成をしませんが,それ以降の光合成を活発にするので,一生の間には,二酸化炭素の吸収量が常緑樹より多くなるそうです。
つまり,常緑樹は「安定して常に」,落葉樹は「やるときはめっちゃやります」といったイメージでしょうか。
経営をしていると,ニーズが安定している分野があることを感じます。
逆に,時期やタイミングによって,ニーズが増えたり少なくなる分野や仕事もあります。
まるで,常緑樹と落葉樹のように。
「常緑樹」と「落葉樹」の両方が「地球」にとって必要です。
同じく,常にニーズがある分野も,ニーズが増えたり少なくなる分野も,困っているクライアントがいます。
ですから,我々弁護士は,困っているクライアントの方のために,両方とも対応できる必要があると思います。
ところで,「大きな木」も,大きいからといって「雑」なわけではなく「細部まで全て厳密である」ことで成り立っています。
葉に葉脈がなければ,葉に水分が行き届かず葉はなくなります。木がいくら大きくて細やかな葉脈がなければ,木は成り立ちません。
ロイハイも人数が増えてきましたが,だからと言って,「おおざっぱ」であったり「雑」であったりするのではなく,
「細部まで厳密に成り立つ」
「それぞれのメンバーがそれぞれの個性と才能に応じた役割を果たす」
そうしたことによって,一つの大きな木を造っていこうと感じた日でした。
こんにちは。
弁護士の田中です。
さて、今日は、老後をテーマにしてお話しましょう。
皆さん、老後はどのように過ごすおつもりでしょうか?
何かやりたいことはありますか?
「いやいややりたいことなんてないよ、それより前に老後が心配で仕方ない。」
どこかの政治家が、老後は2000万円の貯金が必要だ、なんてことを言っていました。
さて、この日本にちゃんと老後に2000万円を貯金できる人が一体どれだけいるのでしょうか?
このような話を聞くと,老後に希望を持つよりも,老後が心配になるのは無理はありません。
しかし,私の話をお聞きいただければ,老後の心配などいらないことはお分かりいただけるはずです。
私の父の話も交えながら、老後が心配、というテーマについて話しますね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある日、私の父が、私の家に遊びに来ました。
私の子供,つまり孫と遊ぶためですね。
毎月あることではないのですが、数か月に1回ぐらいのスパンで、孫と遊んでもらっています。
その際は、私も子供たちから多少なりとも解放されるので,そのお礼と親孝行もかねて父に晩御飯を御馳走することにしています。
とはいえ,高価な食事にするということではなく,父が好きなお酒(特に日本酒)が美味しく飲める店を適当にチョイスしています。
「楽しく飲めたらなんでもいい」というような感じの父です。
そして,父も,孫と遊ぶことにプラスして私たちと食事に行くことを目当てにして遊びに来ているところもあります。
いつもは,このように多少のギブアンドテイクも交えながら、家に来てもらうわけです。
しかし,その日は,少々勝手が違いました。
父が私の家に来るなり,警備関係の過去問題集を私に手渡して,「今日太、勉強の方法を教えてくれ」と言うのです。
父は昔から勉強は好きではありません。大学は出ていませんし,新聞も読みません。アニメとバラエティはよく見ています。
仕事が終わると,1杯酒を飲んで風呂に入って寝るのが好きな父です。
私も30年以上生きてきましたが,父から勉強について聞かれたことは初めてでした。
なので,さすがに
「え?どうしたん急に?」となりました。
聞くと,
「会社から警備関係のこの資格をとるように言われてな。これ取ったら定年後でも働けそうやから頑張ってみようかなと思って」
とのことでした。
父が珍しく仕事と勉強にやる気になっていたので、私も嬉しくなり,「そういうことなら」と、私が教えられる勉強法を伝えることにしました。
警備関係の問題集を開いてみると,択一式でした。
択一式の勉強方法は明確です。
修習生の方,弁護士の方であれば,誰もが実践したことがあるであろう方法です。
①問題集から解いてみる(実戦こそが大切。)②問題集を解いてみて全く分からなかったら,テキストで内容を読んで理解する。③んで、もう一度解く。
④択一式で間違えたところは、間違えた理由が大切なので、間違えた問題をチェックしておき,もう一度解きなおす。問題の解説はしっかり読んで理解する。
問題の解説だけでは理解できなかったら、テキストに戻る。
⑤合っていたところは、正解した理由が偶然ではなく、ちゃんと理解したうえでなら、ちゃんと理解してできているということなので、もう一度解きなおす必要はない
(時間がもったいないので。)。
⑥下手に新しい問題集を買うのではなく、同じ過去問題集をぐるぐると何度も解き続ける。(同じ内容で記憶の定着を図る。)
⑦試験の択一で分からないと思ったら飛ばして次の問題に行く。分かる問題から解いて、分かる問題が全部終わったら終わっていないやつを解く
(択一は時間との勝負。悩む時間がもったいない。)
⑧択一は,消去法も活用する。確実に間違いと分かるは消していく。そうすれば,正解の可能性を上げられる。
⑨試験問題を,実際に時間を図って解いて,時間感覚を身につける。
ですね。
勉強方法を伝えた時間は1時間にも満たないものでした。
父は、珍しく熱心に私が伝えたことをメモしていました。
しかし,このように私は伝えこそしましたが,実際に父がちゃんと勉強するかどうかは半信半疑でした。
私は父が勉強しているところを見たところがなかったからです。
(※この点,私が弁護士で,弁護士のいう勉強量と普通の人の勉強量が違うので,そりゃ弁護士の私からすれば大して勉強してないかもしれないけど,私の父もなんだかんだで勉強してるでしょ,と思われた方もおられるかもしれません。しかし、違います。弁護士の基準での話ではなく、普通の人の基準でも,父は本当に勉強しませんので,誤解ないようにお伝えさせていただきます。)
父は「休みの日や夜勤の空き時間に勉強するわ。」と言って、孫と遊んで、食事を食べて帰っていきました。
その後,試験までに2回ほど父は遊びに来ました。
父は会うたびに「ぼちぼち勉強してるわ~、今日太の言う通りに勉強してるわ~、やけどやっぱ難しいなあ~」とか言っていました。
私もどれぐらい勉強してるかなどは特に聞かず,「そっか。頑張りや」とだけ言って励ましていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、しばらく会っていなかったのですが、久々に会ったときに,試験の結果を聞かされました。
私も仕事が忙しかったこともあり、父が試験勉強をしていたことなどはすっかり忘れていたのですが,父が試験の結果を伝えてきたので,
「そういえばそういうのあったな」と思い出しながら聞きました。
なんと、結果は、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不合格・・・・
かと思ったら、合格、だったそうです(笑)
結果は,当初,私の母がネットで見てくれたそうなのですが,母も受かると思っていなくて,父の受験番号を流し見していたら,
父の受験番号を見落としていたそうで,当初母は父に「番号ないわ(つまり、不合格ということ)」と伝えていたそうでした。
しかし、父なりに勉強を頑張ったのに不合格だったのが残念だったようで、会社に報告するのに自分で再度ネットで見てみたら、合格していたのでした。
ちなみに、会社の方も同じ試験を数名受験されたらしいのですが,合格したのは父だけだったそうです。
(正直,私も父が合格したことに驚きました。お祝いに,その日はちょっと豪華な食事を御馳走しました。)
結果,定年後の今でも,資格を取得した父はその会社で働いています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人によっては,老後が心配だ,と思われて,将来の心配に苛まれている方もおられるかもしれません。
今の若い世代は,年金がもらえないかもしれないなどと言われています。
確かに,あなたの老後に年金をもらえるかどうかは私にはわかりません。
しかし,ちゃんと働く意思があって,そのための努力をするなら何の心配もない,というのが私の答えです。
資格を取ったり,手に職をつけたり,何かしらの実力をつける。
そのようにして,努力ができるなら,仕事に困ることはありません。
なんだかんだで,どこかに何かの仕事はあります。
あなたが努力をする限り,必ず何かの仕事ができます。
ですから,働く意思(やってみようという意思)がまず大切かと思います。
私の父は決して勉強が得意ではありませんでしたし,むしろ苦手であり,勉強をしない人でした。
しかし,働く意思(やってみようという意思)から,私に勉強法を聞いて勉強して資格を取り、定年後も働いています。
このことから,働く意思ややってみようという意思は,いくつになったとしても,気の持ちよう一つで持つことができると思いました。
皆さんは,老後は働く意思がない,つまり老後は働きたくない,何もしたくない,とにかく楽をしたい,ということを前提にされておられませんか?
会社を定年退職したら,もう働きたくない,求職活動もしたくないと思っておられませんか?
人によっては,会社で相応の役職や地位についたために,定年後にこんな仕事はしたくない,なんてことを思われるかもしれません。
このように,プライドが邪魔をして働きたくないと思っておられませんか?
もちろん,若いうち,定年を迎えるまでの間に,しっかり働いて貯金を貯めておくことも大切なことでしょう。
そうすれば,老後はさして働かなくとも済むかもしれませんから。
しかしです。
まったく働かないとなれば,よほどの趣味とその趣味を続けられる経済力を持っている方でなければ,退屈で仕方ないと思います。
私は,いくつになったとしても,何らかの仕事はした方が良いと思っています。
もちろん,働く日数や時間は減らしてもよいでしょう。
しかし,少なくとも週2日ぐらいは何かしら働いた方が良いと考えています。
私の父は定年を超えても週6で警備の仕事で夜勤で働いていますが,私はそんな父を誇りに思っています。
父は,私や孫と遊ぶことや旅行に行くことを楽しみにしており,一緒に旅行に行くにはお金がいるから働いて稼ぐ,と言っています。
もちろん,生活をするための経済的な事情も,働く理由としてはあるのかもしれません。
いずれにしても,自分のため,家族のために今も働く父は,立派だと思います。
私も父と同じ年齢になっても,それを超えても働き続けるつもりですし,何かをやり続けるつもりです。
弁護士という仕事ができればそれが一番良いと思っていますが,何らかの事情で弁護士ができないということがあったとしても,働き続けるつもりです。
仕事を通じて,日々を充実させ自分のできることを一つでも増やし社会に貢献して,生き抜くつもりです。
このようにしていれば,老後が心配,ということはありません。
このブログを読まれている方は,弁護士,修習生か法律事務員の希望者でしょう。
弁護士,修習生は,「弁護士」という資格があります。
ただし,資格を得るだけではなく,しっかりした「実力」をつけておきましょう。そうすれば,老後の心配などありません。
いくつまでもできる仕事です。
また,法律事務員は,「法律事務」という手に職があります。
これも「実力」をしっかり身に着けておけば,定年後であっても,必要とされるスキルとなるでしょう。
実際,私の事務所でも,最近,定年の年齢を迎えた方がいるのですが,そのまま普通に勤務されています。
実力スキルがあるなら,いくつになっても会社はあなたを必要とします。
このように,あなたが,しっかり地に足をつけて「実力」を身に着けるよう努力を続けるなら,老後が心配などということはありません。
たとえ,あなたが若いうちに貯めた2000万円の貯金があったとして,それがなくなれば,不安心配しかありません。
また,貯金がなくならように神経を張り巡らせて,このお金がなくなったらどうしようと考えて,節約するというのも苦痛です。
しかし,働こうとする意思(何かをしようとする意思)とそのための努力をして実力を身に着けるなら,
いつまでも,いくつになっても,希望の中で次は何をしようかと考えながら,生きることができます。
この話を読んだあなたが,若かろうと年を取ろうと,どんな状況にあっても実力を身に着けて,前向きに生きられるようお祈りしております。
(おまけ)
父のこの話は数年前の話なのですが,今でも父から「今日太に教えてもらったからほんま助かったわ~、初めはお母さんに不合格って言われてな~・・・」と会うたびに言われます。
正直,耳タコのところもあるのですが,父も何度も言うほどよほど嬉しかったんだなと,こういう親孝行の形もあるんだなと思いました。
親孝行はできるうちにしておくことをお勧めいたします。
こんにちは。
弁護士の田中です。
さて、私は、中途の経験弁護士の方や修習生の方の面接を担当させていただいております。
今回は、中途の経験弁護士の方の、面接でふと感じたことについてお話できればと思います。
修習生の方も参考になる内容なので、時間があれば読んでくださいね。
過去に、私が中途の経験弁護士の方で面接をさせていただいたことがありました。
いつも、ブログでお伝えしているように、当事務所の採用基準は、「当事務所に合う」かどうかです。
当事務所に合うと判断すれば、司法試験の成績や学歴があまり良くなくとも、内定をお出ししますし、
逆に、当事務所に合わないと判断すれば、どれだけ司法試験の成績や学歴が良かったとしても、内定をお出しすることはありません。
ただし、ときに、当事務所に合うと思っても、所内の受け入れの準備が整っていなかったりタイミングが悪い等の事務所に合うかどうかの判断とは別に、内定をお出しすることができないという状況があります。
内定はお出ししたいが、お出しできない。
如何ともしがたい気持ちになります。
そのように、内定をお出ししたいと思ったのに、諸事情から内定をお出しできなかったという方の中に、事務所を数社転職している応募者の方がおられました。
弁護士の方の中には、一つの法律事務所で勤めることを良しとしない風来坊のような方や、なんでも自分でやってやるぜという一匹オオカミのような方もおられます。
他人との関わりを好まない、そういう弁護士の方もおられます。
ですから、私は当事務所とミスマッチがあってはいけないので、転職した理由を確認しました。
ただ、その方は
「事務所を転々としたいわけではなく、本当は一つの事務所でずっと働けるものなら働きたいと思っているが、今までの弁護士人生では、
残念ながらその機会に恵まれなかった」と答えました。
私もたくさんの方と面接をさせていただいておりますので、その言葉が本心からのものなのか、その場をやり過ごすだけのうわべだけのものなのか、ということは、
様々な方法で見極めるようにしているのですが、この言葉は明らかに本心から言っていると感じました。
また、経歴をお聞きするに、おそらくこの方は今までの弁護士人生において「損をしてきた」方だなという印象を受けました。
人は良いが、決して世渡りが上手なわけではない。
だから、周りにいる人に恵まれれば人生はよくなるし、恵まれなければ損をする。
そして、この方は、残念ながら、周りの人に恵まれてこなかったんだなと思いました。
また、それは本人の努力や資質が理由ではなく、純粋に「運」の部分が大きい気がしました。
私は、この方の話を聞いたときに、
弁護士として、「一つの事務所に働き続けることができる」というのは非常に「幸運」なことなのだろうと思いました。
もちろん、事務所に対して不満ばかりなのに、我慢に我慢を重ねて、その事務所でずっと働くという意味ではありません。
生き生きと、明るく前向きにやりがいを持って仕事をし、周りの人から評価と尊敬を受け、しかるべき報酬を得て、その事務所で働きたいと思って働く。
この当たり前のことと思えるようなことが、人によっては運悪くかなえられないという現実。
この世には、ご自身が入った事務所や会社で幸せを感じられないという人がいます。
仕事にやりがいをもてず、周囲からの評価も尊敬も得られず、しかるべき報酬も得られないという人がいます。
いくらそれらを望んでも、運悪く叶わないという人がいます。
そうした方が、現実には沢山おられると思います。私が見えていないところでも。
もし私が人を採用することで、この事務所を大きくする理由があるとすると、
それは「仕事にやりがいを持って、周り人に恵まれて、しかるべき報酬を得られる人を一人でも増やしていくことなのだろう」と感じたときでした。
ところで、弁護士というと、独立して当たり前、一時は合流しても条件が合わなくなったら離れて当たり前、転職して当たり前、というイメージがあるかもしれません。
しかし、私は、それは過去のことだと思います。
昔は、弁護士の競争も今ほど激しくはなく、顧客に困ることもなく、裕福な生活も送ることができ、必死の努力をしなくとも、弁護士1人でも十分に生きていくことができました。
日本の経済はうなぎのぼりで、世界2位の大国に昇りつめ、人々の給与も生活水準も上がった時代でした。
確かに、今でも弁護士は、自営業者であり、自由業であり、資格もあるので、働き方も選べます。自己の努力次第で、一人でも仕事を続けて生活することもできます。
しかし、弁護士1人でやれることには限界があります。
弁護士1人だけで積める研鑽にも限界があります。
弁護士1人だけで満足させられる顧客にも限界があります。
弁護士1人だけでできる経営にも限界があります。
また、これから弁護士同士の競争はもっと激しくなりますし、日本の国力も経済力も落ちていく一方です。
このように全体がしんどい状況だと、
「弁護士なら、独立して当たり前、一時は合流しても条件が合わなくなったら離れて当たり前、転職して当たり前」というのは、現在の状況には合っていない、のではないでしょうか。
むしろ、志や価値観を同じくする者同士が集まって、それぞれの個性と才能を活かして仕事をすることで、一丸となって幸せな環境を作ることを目指していく。
メンバー全員でそういう事務所づくりをしていくことが大切なのではないでしょうか?
また、一つの事務所で働くことの具体的なメリットは多々あります。
例えばですが、一つの法律事務所で事件処理の方法を覚えれば、その方法に従って事件処理を進めて行けばよく、時間的にも精神的にも楽になります。
他方で、事務所を転々とすれば、転職のたびに、新しいボス、新しい先輩弁護士のもとで、新たな考えや方法に従わなければならない可能性もありますし、
人間関係を新たに作っていく時間も精神的忍耐も必要です。また、転職すれば、受けていた事件を完結させていないので、終結させるという経験を失うことも多々あります。
そうすれば、自身の弁護士としての研鑽も詰めず、研鑽に割く時間も気持ちの余裕も奪われてしまう可能性があります。
実際、私が面接をした方も、このような問題に直面しており、自らが十分にスキルアップできていないと感じておられました。
ですから、「一つの法律事務所で永く働くことができる」というのは非常に幸運なことであり、自身のキャリアを着実に積んでいく、という意味において、とても大切なことだと思います。
そして、あなたが転職や就職するにあたって選んだ法律事務所や会社が、応募したときにはそこまで分からなくとも、たまたま「ずっとそこで働きたい」と思える事務所や会社であったなら、どれほど幸運なことでしょうか。
あなたが、仕事にやりがいを持ち、周囲の人に恵まれ、しかるべき報酬を得られる職場に勤められることをお祈りしております。
新たに、髙木峻一郎弁護士が加入されました。
今後も、事務所としてより一層のリーガルサービスを提供できるよう邁進していく所存です。
皆さま,こんにちは。
弁護士の田中です。
以前にも書きましたが,弁護士の仕事は一生かけてやる価値のある仕事,だと私は考えています。
では,一生,弁護士を続けるためには,どうすればよいのでしょうか?
これは,求人票にも記載している内容なのですが,せっかくなので,求人票よりも詳しく書きます。
その答えは,①仕事にやりがいを感じること②仕事とプライベートの時間を適切に取れること③人間関係が楽しいこと④適切な待遇・報酬が得られること,です。
①仕事にやりがいを感じること
これは,前回の以前の記事にも詳しめに書いたので,そちらをご覧ください。
もう少し補足すると,「全ての分野」に熟達するには,時間はいくらあっても足りない,ということです。
そもそも論として,すべての分野について熟達する必要があるのか?というか無理でしょ,と人によっては考えるかもしれません。
しかし,私は,人によっては,すべての分野のスペシャリストになっていただいて全然かまわないと思っています。
すべての分野のスペシャリストを目指す場合には,膨大な時間と努力が必要になりますから,あっという間に一生が終わると思います(笑)。
そういう高みを目指す方にとっては、仕事にやりがいを感じなくなるということはないでしょう。
他方で,そこまでの努力ができない,という方であっても,弁護士という業務の「性質」を理解していれば,十分にやりがいを感じていただけると思います。
この性質を理解していない,あるいは,理解してもそれを当たり前だと思えない人は,弁護士業務をしんどい,もうやってられない,一生やれる仕事ではない,と考えたりします。
では,弁護士という業務の性質について詳しく説明しておきます。
1 弁護士の業務には,依頼者と相手方の存在があること
まず,弁護士の業務には,関係者がいます。
一つは,依頼者,一つは,相手方,です。時に利害関係のある第三者も混じってくるケースがありますが,基本的には,依頼者と相手方です。
そして,弁護士は,依頼者の利益を最大化することを目指す存在です。裏を返すと,相手方の利益を最小化するとも言えます。
他方で,交渉で話をまとめようとする場合には,相手方も自身の利益が最小化することを防ぐため,反論をしてくることになります。
そこで,依頼者の利益を最大化することを考えつつも,依頼者に譲歩を求めて説得していく作業,また相手方に対しても譲歩を求めて説得していく作業が必要になります。
つまり,弁護士は,依頼者と相手方の板挟みに立たされていることになります。
しかし,弁護士が依頼者と強い信頼関係があれば,依頼者から弁護士へのプレッシャーは減少するので,相手方への対応に注力していけばよいということになります。
そして,弁護士としての力量や人間力が上がれば,依頼者との信頼関係は築きやすくなります。
ですから,弁護士の力量や人間力が上がれば上がるほど,相手方への対応に注力すればよいことになり,精神的に仕事がやりやすくなります。
しかし、残念ながら、新しく弁護士になった方や弁護士になっても年数や経験をあまり経ていない方は、依頼者との信頼関係が十分に築くことができていない結果,
板挟みの関係になって,精神的に追い詰められてしまうことがあります。
ですから、新しく弁護士になった方、あるいは年数や経験を経ていない弁護士の方は、まずここの「下積み期間」をしっかり忍耐して、頑張っていただく必要があります。
依頼者と十分な信頼関係を築くだけの実力や能力、人間力が身につけば、後は相手とのやりとりだけですから、そこまでしんどくありません。
ただ、ときに、依頼者の方と対立して、言い合いになることもあります。しかし、そのような場合であっても、冷静さを保ち、最大限理解を得られるよう誠実に対応するのです。
結果、言い合いになった依頼者の方も理解してくれることも多いです。
(残念ながら理解を得られず、辞任又は解任になることもあります。
しかし、あなたが誠実を尽くした結果であれば、きっとあなた自身が納得できる結論のはずです。)
ですから、まずは、あなた自身に依頼者と十分な信頼関係を築くだけの実力や能力、人間力が身につけましょう。
そして、それは、一朝一夕でできることではなく、ある程度の年数をかけて身につけていくことであることも知りましょう。
一朝一夕で、依頼者と十分な信頼関係を構築できる実力、能力が身につけられるというのは大きな誤解です。
一朝一夕で出来ることは、大したことではありません。依頼者を口先だけ上手になって丸め込むなんてことを考えないでください。
しっかり、自身に実力、能力、人間力を身につけて、本当の意味で依頼者の信頼を勝ち取れるよう努力してください。
2 弁護士は、新たな事件を処理し続けなければならないこと
弁護士は、弁護士を続けている間、新たな事件を処理し続けなければなりません。
新たな事件を依頼いただけなければ,その弁護士は、いずれ生活に窮して経済的に破綻してしまいます。
(最近、成年後見人で横領したお金を事務所経費に使ったという理由が多いのは、こういう理由かと思います。)
新しい事件なので、自分がやったことのあるような事件類型であることもあれば、全くやったことのない事件類型もあります。
自分がやったことのない事件類型は、物理的にも精神的にも負担があります。いつも以上に頭を使わなければなりません。
新たな知識を得るために、文献や判例にあたりインプットをする必要があります。
そのうえで、書面を作成するためにすぐにアウトプットに移らなければなりません。
学んで終わり,という学生のようなことはできません。
すぐに成果物(それは往々にして「書面」であったり、依頼者への「報告」)が求められます。
さらに、新しい事件なので、当然ですが、依頼者も相手方も変わります。
あなたが、過去に事件処理をして信頼関係を築いた依頼者の方ではありません。また新たに信頼関係を築かなければなりません。
このように,弁護士は,弁護士である間は,一生,新たな出会いと別れを繰り返し,新たな知識をインプットしてアウトプットしつづけなければならないのです。
こう聞くとしんどく感じるでしょうか?
実は,これと似た仕事があります。それは,保険営業マンです。
保険営業マンの仕事は,新たな顧客に保険の契約を続けてもらわなければなりません。
そのために,様々な営業手法を用いて,契約を得続けることになります。
既存顧客を満足させることで,新たな顧客を紹介してもらう,という紹介営業の手法を用いることもあります。
それは、弁護士が目の前の事件を一生懸命こなすことで,新たな顧客を紹介してもらう,ということと似ています。
しかし,紹介営業を用いる保険営業マンも,常に新たな出会いを求め続けています。
それは,紹介を待つだけでは足りない,ということを知っているからです。
保険営業マンは,初めて会う人であっても,コミュニケーション力によって徐々に信頼関係を築いていきます。
そして,それを繰り返し続けているのです。
また,優秀な保険営業マンは,常に情報をインプットすることを怠りません。
保険商品自体に関する勉強はもちろんのことですが,経営、政治経済、スポーツなどなど。
顧客が興味を持ちそうな事柄については,一通り勉強し続け,顧客の話題について行けるよう努力しています。
そうでなければ,いずれ話題が尽きて顧客から飽きられてしまいます。顧客から飽きられれば,いずれ必要とされなくなり,保険の相談や依頼も来なくなります。
このように保険営業マンと弁護士の仕事は似ていると私は考えています。
他にも新たなインプットとアウトプットをし続ける仕事はありますので弁護士特有の特徴だとは思いません。
特に、これからの時代はそういうことができる人が、どのような職業、職種にあっても必要とされていくことも忘れてはいけません。
そして、弁護士にあっても同じです。
弁護士がやることは,顧客からの依頼を続け,信頼関係を築き,新たにインプットとアウトプットを繰り返して事件処理をこなし続ける。
顧客との出会いと別れを繰り返す。
それを一生続ける。
そういう仕事だと理解してください。
ずっと同じクライアントとずっと一緒に仕事をする、そんなことはまずありません。
この弁護士の仕事の性質を知っていれば、一生頑張らなければならない仕事であると自覚することができ、忍耐して頑張ることもできます。
また、逆に自分に向いているかどうかも自然と分かります。
しかし、自分に向いているかどうかも、「全力」で取り組んでみて分かるものです。
全力で取り組めば、自分がそれに向いているかどうかは分かります。
私は、まずは弁護士になったなら、とりあえず弁護士としての「基本業務」に全力で取り組んでみることを勧めています。
当事務所の基本業務とは、離婚・不倫の慰謝料・子の親権などの家事事件,むちうちや後遺障害の申請も含む交通事故案件,示談活動を含む刑事事件,破産・個人再生などの債務整理案件などです。
ここからスタートしてどんどん専門性を磨いていっていただくことが成長にとって良いと考えています。
そして、全力で取り組めば、上記に書いた大変そうに見える弁護士の仕事が、一定ラインを超えれば、案外そうでもないと感じることもできます。
私も、弁護士を始めて数年は不安でした。
お客さんに依頼をしてもらえるのか、信頼して仕事を任せてもらえるのか、それをずっと継続することができるのか。
そうした不安は私もありました。
しかし、全力で取り組み続けた結果、今後も継続して行けるとの自信を持つに至っています。
ですから、全力で取り組み続ければ、自分が自信がないとか、不安だと思っていることも、乗り越えていくことができると信じています。
皆さんもどうか、焦らず、じっくりと、そして全力を尽くして、自分の実力を伸ばすことを心がけてください。
当事務所の弁護士は、皆、そのように弁護士として成長を続けるつもりです。
こんにちは。
代表弁護士の田中です。
今回は、修習生の皆さん、あるいは弁護士の方でも知らないかもしれない、「雇用契約」と「業務委託契約」(委任契約)との待遇の差についてお話させていただきます。
皆さんが、弁護士の求人を見るにあたって、まず初めに見るところはどこでしょうか?
・・・・・
私は、「給与」だと思います。
自分がその事務所で働くことで、いくらの給与が得られるのかは最も関心事だと言っても過言ではありません。
そして、法律事務所の中には【年収600万】と設定されていることがあります。
この金額だけ見ると、この不景気の時代に、初年度でそれだけの金額がもらえるんだと思われる方も多いかもしれません。
もちろん、中には1年目から1000万近くの報酬が得られる事務所もあるでしょう。
しかし、その分激務であったり、同期の競争が激しくて長く働けるかどうか分からなかったり、そもそも就職が難しかったりもします。
他方で、大量の事件処理をこなすため多くの人員が必要である事務所は、比較的就職が容易でありつつも、1年目から年収600万円もらえる事務所もあるので、
人によっては、これは好条件だと思われるかたもおられるでしょう。
しかし、留意しなければならないのは、その契約が、【雇用契約】なのか【業務委託契約(委任契約)】なのかです。
実は、二つの契約は、全然意味するところが異なります。
ですから、意味を理解した上での比較検討が必要だと思います。
1 雇用契約の方が、業務委託契約に比べて、手元に残る金額が多くなること
まず、大前提として、雇用契約は社会保険もつくし税金の点でも優遇されているのに対し、業務委託契約は、社会保険はつかず税金の点でも雇用契約に比べて劣っています。
下記の内容は、それぞれの年収でシミュレーションしたものです。
一応それぞれの前提条件はありますが、概ね1年目の皆さんの実態には沿っているのではないかと考えています。
これをご覧いただいてお分かりかと思いますが、
手取りで皆さんの手元に残る金額が、雇用契約の正社員(600万円)は4,581,780円,業務委託契約(600万円)では4,132,000円であって、約40万円程度の差があります。
つまり、雇用契約の正社員(600万円)と業務委託契約(600万円)では、手取り金額は、雇用契約の正社員の方が有利だということです。
ちなみに、会社の負担額も、見ていただいて分かりますが、雇用契約の正社員(600万円)が6,936,300円、業務委託契約(600万円)が6,000,000円です。
よって、会社の負担で言うと、なんと約100万円もの差があるということですね。
では、例えば、年収550万円の雇用契約の正社員の場合(ロイハイの求人です。)はどうなるのでしょうか?
この場合には、手取り金額について4,204,416円となります。
となると、業務委託契約の600万円よりも、正社員の雇用契約の年収550万円の方が、皆さんの手元に残るお金は多い、ということになります。
他方で、会社の負担額でみると、6,378,794円となります。
つまり、業務委託契約の600万円よりも多い、ということになります。
さらに言うなら、雇用契約の場合には、社会保険が付きますので、「厚生年金」になります。
他方で、業務委託契約の場合には、「国民年金」です。
常識なので詳しく説明はしませんが、「厚生年金」の方が多くの年金をもらえることは明らかです。
最近では、我々の世代の老後では年金がもらえるかどうかわからない、というような話を聞きますが、
少なくとも厚生年金の方が国民年金よりはもらえる可能性が高いことは明らかです。
このように考えると、業務委託契約の年収と雇用契約の年収の手取りで比べた場合には、雇用契約の方が有利だということになりますし、
業務委託契約の年収よりも雇用契約の年収の方が多少低くとも、手取り金額で言うと逆転現象が起きるのです。
しかし、ここまで詳しく「手取り金額」や「会社の負担額」、「年金」について語っている事務所はおそらくないのではないでしょうか?
「年収600万円」の業務委託契約の方が見栄えがよいですし。
正直、私も上記のようなことを書くよりも、率直に600万円の業務委託契約としてしまった方が楽ですし、経営的にも会社の負担額も少なくなるので、そっちの方がいいようにも思いました。
しかし、私が最初に入所した事務所はありがたいことに「雇用契約」でした。
当時の私は、ここまで差が出るとも考えていなかったですし、待遇に差があることも知りませんでした。
今振り返って考えてみれば、私自身知らぬうちに恩恵を受けていたわけです。
ですから、私は「雇用契約」で良かったと思い、同じく皆さんにもそれを知ってほしいし、ちゃんと理解したうえで事務所を選択いただくのがよいと思いました。
2 雇用契約(正社員)は期間の定めがないのに対し、業務委託契約は契約期間が定められていること
さて、雇用契約(正社員)は、期間の定めがありません。
つまり定年を迎えるまでの間、法的な解雇事由がなければ、基本的にずっとその会社で働き続けることができます。
他方で、業務委託契約は、契約期間が定められているので、もしも契約期間を満了する際に更新がされないこともありますし、
あるいは報酬などの条件の変更がされた上でなければ、更新されないということもありえます。
事務所によっては、報酬制度が存在し、それに基づいて報酬が算定されることがあるようです。
報酬制度は、その報酬制度がその人にマッチしていれば、多くの報酬が得られる人もいるかもしれないし、他方でマッチしなければ、逆の結果になるかもしれません。
人によっては、年度によって、よい報酬のときもあれば、そうではないときもあるかもしれず、報酬が年度により不安定になるという方もおられるかもしれません。
そうなると、目先の利益に振り回されて、さして依頼者に利益もないのに、受任率や受任件数、報酬を稼ぐために、無理に依頼を受任しなければならないということもあるかもしれません。
他方で、雇用契約は「給与」ですので原則として従業員側の同意がない限り、下げることはできません。
その意味で、給与は安定的にもらえるのに対し、業務委託契約による報酬は、人や年度の成果によって変動があるがときに報酬が高くなることもある、と考えられることになります。
他方で、事務所によっては、給与の場合には昇給に関しては謙抑的になる可能性もあります。なぜなら、一度昇給させると、従業員側の同意がないと下げられないからです。
従業員側、会社側には、このようなメリットデメリットがありますが、私も悩みに悩んで「雇用契約」を選択しました。
なぜなら、雇用契約の方が安定して勤務が可能だからです。
修習生の皆さんにとっては特に言えることですが、初めの数年間は下積み期間として、事件処理に集中して弁護士としての実力を身につけることが大切です。
受任率、受任件数、報酬に血眼になって目先の利益に振り回されるのではなく、しっかり依頼者の利益を考えて事件処理をしてほしいと考えています。
(無論、依頼者の利益になるなら、積極的に依頼をいただき、事件処理をしていただくことは私も大いに賛成です。)
その意味で、安定して勤務が可能である雇用契約の方が望ましいと私は考えています。
ところで、当事務所では、概ね3年以上勤務いただいた方の年収は700万円以上に昇給していますし
(もちろん働きによるので皆さんが皆さんそのようになるとは限りません。その点は申し訳ありません。)
オフィス長になった方は1000万円以上の方もいます。
ですので、雇用契約で安定して勤務を可能にしつつも、昇給もさせていきたいというのが私の考えです。
両立が難しいものを両立させる。
これぞ、経営努力としか言いようのないところですね(笑)
ところで、もちろん、業務委託契約であっても、事務所によっては安定的に働くことができる事務所もあるでしょう。
それは事務所によって異なると思います。
しかし、私が言いたいのは、「法的」に立場が守られているのは、業務委託よりも雇用契約だ、ということです。
(最近、とある運送会社が配達業務委託のドライバー3万人との契約を打ち切って、大手会社に委託するような話が出ました。これには世間からの批判も一定数ありましたね。
今まで働いてくれたドライバーたちの生活はどうなるのだろうかと個人的に憤りを覚えたニュースでしたが、いざとなればそういうことが可能なのが、業務委託なのです。)
3 雇用契約は労働法の規制が働くのに対して、業務委託契約は原則として労働法の規制が働かないこと
例えばですが、雇用契約だと、労働時間の把握義務が定められているため、会社はどれぐらいの時間労働をしたのかを確認しなければなりません。
他方で、業務委託契約の場合には、そのような規制はありません。
そのため、雇用契約よりも業務委託契約の方が、労働時間の把握や規制がない分、長時間労働になりやすい土壌があります。
しかしながら、これも事務所によりけりです。
業務委託契約だが、事件数が少なくて長時間労働にならないということもあるでしょう。
あくまでも雇用契約は、労働者を守るための法律が働くため、保護されやすいということです。
また、雇用契約の場合には、残業をした場合には残業代を払う必要があります。
通常、雇用契約の法律事務所では、固定残業代がついていることが一般的で、固定残業代を超える残業をした場合には、別途残業代を払うということになります。
当事務所の場合には、固定残業として月40時間分がついているので、40時間を超えた分には残業代がつきます。
他方で、業務委託契約の場合には、いくら残業しても残業代はつきません。
4 雇用契約は「有給」があるのに対し、業務委託契約は「有給」がないこと
雇用契約の場合には、有給が法定されています。つまり、通常の休日とは別に、有給日数分休む権利があるわけです。
他方で、業務委託契約の場合には、有給はありません。
つまり、「休み」という観点で言っても、雇用契約の場合の方が業務委託契約よりも多くなることが多いです。
5 雇用契約と業務委託契約とでは、消費税の算定が異なること
人によっては、これは大きな差異かもしれませんので、こちらも説明させていただきます。
皆さんは、1000万を超える事業所得がある場合には、消費税を払わなければならない、ということをご存じでしょうか?
ここでも、雇用契約と業務委託契約とでは、大きな差があることを説明しておきます。
雇用契約の場合には、会社からもらえるのは「給与」なので、「事業所得」ではありません。
他方で、業務委託契約の場合には、会社からもらえるのは「報酬」なので「事業所得」です。
つまり、例えばですが、皆さんが働く事務所から、800万円の報酬を得たとしましょう。
そして、個人事件を受任することで、210万円の報酬を得たとしましょう。
そうなると、合計して事業所得が1010万円になりますから、2年後に消費税を納めなければなりません。
(※簡易課税の適用によって、事業所得が1000万の場合には、ざっくり50万ぐらいの消費税になります。)
(※なお、ここでは、分かりやすいように、「事業の経費」を0として算定しています。事業の経費があれば、事業所得を下げることができます。
しかし、それは、雇用契約の場合で個人受任による事業所得がある場合も同じです。)
他方で、雇用契約の場合には、給与ですので、税法上、事業所得とは別区分になります。
そのため、雇用契約の場合には、仮に個人受任で210万円の報酬があったとしても、事業所得1000万円を超えませんので、消費税を納める必要はありません。
皆さんもある程度、事務所からもらう年収が多くなってきた場合には、個人受任分の報酬や消費税の点も考えておいた方が良いです。
6 雇用契約の場合は必ずしも確定申告の必要がないこと、業務委託の場合には確定申告が必要であること
雇用契約の場合に、個人受任による事業収入がない場合には、あえて確定申告の必要はありません
(事業収入がなくとも、事業経費があれば税金の還付が受けられる場合もあるので、確定申告をしても構いません。それは個人の自由です。要は、確定申告の義務はないということです。)。
雇用契約の場合には、会社が年末調整で手続きをしてくれるのでとても楽です。
他方で、業務委託の場合には、確定申告が必要です。
私も経験がありますが、年末の忙しいときに確定申告を自分でやるのは地獄です。
普段から真面目に帳簿をつけていればよいですが、事務所の事件が相応にある中でそれを行うのはとても大変です。
業務委託の契約の場合に、自分で確定申告をする時間や余裕がなければ、早急に税理士に確定申告を依頼した方が良いと思います。
7 【女性の方は必見!】雇用契約は公的な産休育休制度があるのに対し、業務委託契約の場合にはないこと
まず、雇用契約は、公的な産休育休制度があります。
具体的には、雇用だと協会けんぽなどの健康保険に加入しているので、産前6週間~産後8週間に休む場合には、育休手当がでます。
ざっくりな話ですが、育休手当は、給料の2/3もらえます。
また、育休手当は、半年間は給料の67%、その半年後は給料の50%がもらえます。また、一定の要件を満たせば、さらに1年間延長されるので、Max2年間育休手当がもらえます。
つまり、雇用契約の場合には、公的な制度として手当がもらうことができるので、非常に安心です。
私の事務所にも産休育休をとっているスタッフがいるのですが、やはり育児の負担を考えると2年間ぐらいは育休が取れた方がよいとのことでした。
他方で、業務委託契約の場合には、国民健康保険なので、このような公的な産休育休制度はありません。
ただし、その会社(法律事務所)で独自に産休育休に相当するようなお金を払ってくれる制度があるなら、その独自の産休育休手当が支給される可能性はあります。
しかし、働いていない産休育休期間中に、一方的に報酬を払い続けられる事務所がどれぐらいあるのか私には分かりません。
ですから、特に女性の修習生や弁護士の方は、ご自身のキャリアにおいて妊娠や出産のことをお考えなのであれば、
必ず、雇用契約なのか、業務委託契約なのか確認した方が良いです。
その上で、業務委託契約だった場合には、❶ちゃんと産休育休をとれるのかどうか❷とった場合にその間の産休育休手当に相当するお金が支給されるのかどうか❸支給されるとしていくらなのか➍また支給条件があるのか➎万が一、産休育休期間をあけても復職するのが難しい場合に、一旦支給された産休育休手当の返還を求められることがないのかどうか(要はただの貸付ではないのかどうかも含めて)、等についてしっかり確認した方が良いでしょう。
業務委託契約でこうした制度がないのなら、その事務所で産休育休が取れたとしても、産休育休中は生活の保証がないことになるので、十分に注意しましょう。
8 雇用契約は雇用保険が付くのに対し、業務委託契約は雇用保険が付かないこと
雇用保険が付くとどうなるのでしょうか?
雇用保険は、例えば、その会社を辞めるとなった場合に「失業手当」が出ます。
つまり、焦って次の就職先を探さなくとも、失業手当が出るので生活することができます。
他方で、業務委託契約は、失業手当がありません。
また、例えば、通勤途中や勤務中に何らかの事故に巻き込まれた場合には、「労災」がおります。
労災で、自身が被った損害について一定程度補償してくれます。
他方で、業務委託契約の場合には労災はありません。
9 雇用契約は、協会けんぽなどの健康保険であるのに対し、業務委託契約は国民健康保険であること
ここでの違いは何かというと、傷病手当金の支給があります。
傷病手当金は、業務外の怪我や病気が原因で仕事ができない場合に、一定要件のもとで、生活を補償するため一定のお金がもらえるという制度です。
この点、協会けんぽなどの健康保険の場合には、要件を満たすなら傷病手当金を申請すればもらえます。
他方で、国民健康保険の場合、傷病手当金は支給されません。
10 業務委託契約のメリット
上記の通り、私は、どう考えても、雇用契約の方が皆さんにとって有利だと思うのですが、業務委託契約のメリットについてもお話しておかないと不公平かと思うので、
そちらも伝えておきます。
業務委託契約(委任契約)は、もとは、独立した業者同士の契約です。
つまり、理論上は、業務委託契約の場合には、法的には事務所からの依頼(仕事)を断ることもできることになります。
また、業務委託契約の場合には、特に何時に出勤しなければならないということも本来的にはないはずです。
なぜなら、業務の委託を受けるかどうかも、何時に出勤するかも、どのように仕事をするのかも本来的には自由なはずだからです。
このように、法的な観点で言うと、業務委託契約の場合には、雇用契約に比べて自由があることになります。
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しかしながら、実際に、皆さんがお勤めになった事務所で、事務所からの依頼(仕事)を断ることができるのかどうかについては疑問ですし、
何時に出勤してもよいのかどうかについても選べるのか疑問です。
むしろ、そのような実態にはなっていないことがほとんどなのではないかと思ってしまいます。
この点は、皆さんがお勤めになる事務所またはお勤めになりたいと思う事務所によくご確認ください。
11 まとめ
このように、雇用契約と業務委託契約とは待遇に大きな差があることはご理解いただけたかと思います。
私は、このような考慮のもとで、とくに修習生から弁護士になる場合には、雇用契約からスタートしていただくことが望ましいと考えています。
修習生の方で、いきなりインハウスとして会社勤めになる方や中途の弁護士でインハウスに勤める方が増えているのは、弁護士事務所に「勤務の安定性」が欠けているからだと思います。
弁護士になりたての段階では、修練のために一定の残業や自己努力が必要であることは否定しません。私もそうでした。
ただし、皆さんが「永く弁護士としてやるため」には、事務所側も寄り添い、環境を整えるべきなのだろう、と考えて、ロイハイでは雇用契約を選択しています。
皆さんが、この記事にたどりつき、参考にしていただけることを祈っております。