2020.01.14 2022.12.20

固定残業代40時間分の評価

固定残業代40時間分の評価

毎月の固定給の中に、あらかじめ固定残業代として一定額の手当が含まれていることがあります。たとえば「40時間分の固定残業代」が含まれた場合、残業をしたときの残業代の支払いはどうなるのでしょうか。
ここでは、固定残業代制度の概要や注意点について紹介します。
 

そもそも固定残業代制度とは

固定残業代制度とは、もともと一定の残業を想定した上で、その分の残業代をあらかじめ固定給に含めて支払うものです。みなし残業ともいいます。
固定残業代ありの給与体系で働く場合、「残業代込で月給を払っている」という建前になっているため、残業をしても残業代は出ません。
その代わり、残業をせずに帰れた場合も、固定残業代にあたる分の手当が満額支給されます。
 

固定残業代を適用する場合は金額・残業時間を明記する必要がある

固定残業代込で給与を支払う場合は、労働条件などを示すときにあらかじめ金額や残業時間を明記しておく必要があります。
月給20万円(○時間分の固定残業代○円を含む)といったように、はっきりと書いておかなければなりません。
逆に、どのくらいの残業時間に対して固定残業代がいくら払われるのか明記されていないような場合は問題にあるといえます。
また、あらかじめ定めたみなし残業時間を超えて残業させた場合は、企業にはその分については別途残業代を支払う義務があります。
 

固定残業代40時間分を含む固定給の問題点

固定残業代40時間分を含む固定給が支払われている企業で働く場合、次のようなことが問題になりえます。
 

40時間を超えて残業した場合

40時間を超えて残業をした分については、別途残業代が発生します。
毎月の残業時間を計算し、明らかに40時間を超えているような場合、固定残業代以外に残業代を請求することが可能です。
 

固定残業代が多すぎる場合

固定給に固定残業代が含まれている場合は、基本給の金額にも注目する必要があります。
固定残業代の金額が高く、基本給の金額が安い場合、基本給が最低賃金を下回ってしまうおそれがあるからです。
基本給が最低賃金を下回ってしまう状態は労働基準法違反となるため、問題になります。
 

固定残業代の問題は弁護士に相談を

固定残業代は企業が残業代を節約するための手段ではありません。
労働者の時間外労働時間には上限も設けられているため、「固定残業代を支払っているから」といって、際限なく長時間労働をさせることはできないのです。
もし固定残業代に関して「おかしい」と思うことがあったら、一度弁護士にご相談ください。
未払いの残業代がある場合、違法な長時間労働をしている疑いがある場合など、その方の状況にあったアドバイス・サポートを行います。
長時間労働は、労働者のライフワークバランスに大きく影響を与えるものです。
気になることがある場合は、1人で悩まず早めに相談されることをおすすめします。

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