派遣契約の期間中であるにも関わらず、突然派遣先から解雇を宣告されてしまった――こうしたケースにおいて、派遣社員の側としてはどのように対処したらよいのでしょうか。
ここでは、派遣社員が不当解雇や違法な雇い止めにあった場合の対処法について紹介します。
そもそも派遣先が派遣社員を解雇することは可能か
もともと派遣社員は、派遣先の社員ではなく、派遣元である派遣会社の従業員です。
派遣先と派遣会社の契約に基づき、派遣先に派遣されて働いているという形態になります。
したがって、派遣先との間に、直接的な雇用関係はありません。
派遣先と派遣元の合意があれば、派遣先の都合で一方的に契約を切られても文句はいえないということになります。
もっとも、派遣期間中に一方的に契約を打ち切られたような場合、派遣元に休業補償や解雇予告手当を請求できる可能性もあります。
派遣先から雇い止めにあった場合はどうすればいいのか
派遣先からの契約が更新されず、雇い止めにあった場合も、事情によっては派遣先の雇い止め行為が違法になることがあります。
具体的には、以下のようなケースです。
- ・過去に何度も契約を更新しており、無期雇用と同じような状態にあった
- ・予告なしで雇い止めをした
- ・派遣労働者側に、契約が更新される、あるいは派遣先で雇用してもらえると信じるだけの合理的な理由があった
こうした事情があった場合、派遣先による派遣社員の雇い止めは違法です。泣き寝入りしないためにも、派遣元や弁護士など適切な相談先に相談することをおすすめします。
派遣元が派遣社員を不当解雇することは可能か
一方、派遣元にとっては、派遣社員は「派遣元に直接雇用された従業員」という位置づけです。そのため、派遣元との関係においては、派遣社員は正社員や契約社員と同じく扱われます。
無期雇用されている場合
派遣元に無期雇用されている場合は、正当な理由なしに派遣元が派遣社員との雇用契約を打ち切ることはできません。
有期雇用されている場合
契約社員などの形で有期雇用されている場合にも、他の有期雇用の場合と同様の保護が受けられます。
例えば、正当な理由や予告なしでの雇い止めは認められませんし、通算5年以上働いている場合には無期雇用への転換が企業側に義務付けられています。
派遣契約のトラブルは弁護士に相談を
不当な雇い止めにあったなど、派遣契約に関するトラブルに巻き込まれたら、まずは弁護士にご相談ください。
法律のプロとして様々なアドバイスを行うほか、企業との交渉や労働訴訟などの手続きにも対応できます。
自分の身を守るためにも、もし不安なことがあったら気軽にお話を聞かせていただければと思います。