2020.02.14 2022.12.20

残業が80時間・・・

残業が80時間・・・

毎月80時間の残業が続いているような方がこちらの記事をご覧だと思います。結論から言うと、残業80時間は十分な長時間労働で、このままの働き方を続けることで体を壊す危険性も高まります。転職も前向きに検討すべき段階だと言えるでしょう。

今回は、残業80時間の危険性や対処法についてお伝えします。
 

残業80時間は長い!平均時間との比較や危険性

冒頭でもお伝えしたように、残業80時間は非常に長い残業時間だと断言できます。まずは、どれほど長い残業時間なのかを平均残業時間との比較や過労死などの話題も加えながらご説明します。
 

平均残業時間は30~45時間程度

まず、一般的な残業時間ですが、『doda』が15,000名に行ったアンケートによると、平均で24.9時間の結果となりました。他にも類似のアンケート結果がいくつもありますが、多くが30~45時間程度の残業時間に留まります。
参考:「残業時間ランキング2019|doda」

また、2019年4月に施行された働き方改革関連法では、残業時間の上限も明確に決まり、原則的に月45時間以内となりました。

残業80時間は平均残業時間や残業時間の上限を2倍近く上回る非常に長い残業時間だと断言できます。
 

残業80時間の1日の過ごし方

80時間の残業は、月に20~25日出勤したとして1日3~4時間は残業している計算となります。通常の労働時間と併せれば、毎日12時間程度働く計算になります。

さらに、通勤時間も合わせれば、1日のうち最低でも15時間程度は仕事に関する時間を使うこととなります。

残った時間で、食事や睡眠など生活に必要な行動をとれば、自分で自由に使える時間はほとんど残っていないことになるでしょう…。「仕事して」→「帰ってきて」→「寝て」→「仕事」この生活サイクルをせざるを得ない状態になっていることだと思います。
 

残業80時間が続けば命の危険や違法性も!

長時間労働が繰り返されることで心労も累積していきます。残業80時間は、『過労死ライン』とも呼ばれており、健康障害の発症と関連性が高くなると判断される労働時間の目安にされています。

このまま80時間を超える残業を続ければ、健康障害や果てには過労死にまで繋がりかねないと言えます。対処法については後述しますので、少しでも早く対処するようにしましょう。
 

残業80時間の計算方法と計算例

こちらでは、残業80時間をした場合の計算方法についてご説明します。
 

残業時間の計算式

残業時間の計算方法についてまとめると上記のようになります。
 

1時間当たりの賃金の求め方

1時間当たりの賃金は、就業規則等に載っている『基本賃金』÷『平均所定労働時間』で求めることができます。平均所定労働時間は一般的には160~170時間になることが多いです。

例として、『基本賃金【30万円】』『平均所定労働時間【150時間】』にすると、【2,000円】が1時間当たりの賃金となります。
 

残業に対する割増率
  • 60時間まで=1.25倍
  • 60時間超=1.5倍(中小企業は2023年3月末まで1.25倍)

残業の割増率に関しては上の通りです。60時間を超える残業に対しては、1.5倍が適用されます(現在、大企業のみ)。
 

80時間残業した場合の計算例

それでは、実際に上記の計算式に80時間残業した場合の数字を当てはめていきましょう。

  • 残業時間=80時間
  • 1時間当たりの賃金=2,000円
  • 割増率=1.25倍(60時間分)、1.5倍(残り20時間分)

上でお伝えした通り、大企業の場合は残業60時間を超えると割増率が1.5倍になります。ですので、残業60時間分と残りの20時間分の2つを先に計算し、それぞれを足します。

60時間分=15万円、20時間分6万円となりましたので、合計で21万円もの残業代が発生していることとなります。

具体的には就業規則の内容や1時間当たりの賃金によって変わってきますが、80時間も残業していれば、残業代だけで10万円を超えることが十分にあり得ます。
 

未払い残業代も十分に考えられる

このように、80時間も残業をしていれば当然それ相応の残業代が発生していることが通常です。しかし、実際にはそこまで残業代が支払われていない方も多いのではないでしょうか?

中には複雑な労働契約を結び残業代を払わなくても良いような理由を作っている場合があります。しかし、多くのケースで労働契約が適切ではなく、違法に残業代を払っていないことも考えられるのです。

80時間も残業をしていて、残業代未払いが何ヶ月も続いているようであれば、未払い残業代だけで100万円以上することが考えられます。思い当たる方は、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。
 

残業80時間が続く場合の対処法

ここまでのご説明で、残業80時間は非常に長く、健康への危険も考えられるほどの残業時間だとお分かりいただけたかと思います。また、本来であればそれ相応の残業代も発生すべきです。

80時間を超えるような残業が続く会社でお勤めの方は、以下の方法を取っていってください。
 

早急に転職する

繰り返しますが、80時間を超える残業は健康障害も起こり得る長時間労働です。今は大丈夫と思っているかもしれませんが、いつ体に異変が訪れるか分かりません。

今の仕事や職場によっぽど強い想いが残っていないようでしたら、転職することを前提に動くことをおすすめします。そもそも、従業員の労働時間の管理もずさんな会社では、将来性があるとも考えにくいです。
 

未払い残業代も可能

退職する際に忘れずにやっておきたいことが、未払い残業代の請求です。お伝えの通り、長時間の残業が続いている方は、高額な残業代の未払いが発生している可能性が考えられます。

退職した後はなかなか残業代請求の証拠も集めにくくなりますので、在職中にタイムカードや給与明細、就業規則などの証拠を揃えておくことをおすすめします。
 

労働基準監督署へ通報する

今の会社は辞めるつもりはないが改善したいとお考えの方は、労働基準監督署へ通報を検討しましょう。労働基準監督署から指導してもらうことで、長時間労働の改善が期待できます。

ただし、実際に長時間労働が行われていると客観的に分かってもらわなければ労働基準監督署もなかなか動いてくれません。こちらも、タイムカードなどの実際に働いている時間が分かる記録や資料を持って報告しに行くと良いです。
 

まとめ

80時間を超える残業はあきらかな長時間労働だと言えます。このまま続くようであれば、労働者が体を壊すことも考えられます。

必ず何かしらの対処を行い、今の状況から改善されるようにしましょう。社内で解決できないようであれば、退職することも考えておいて良いです。

また、未払い残業代が多く発生している可能性が考えられます。長い間残業をしているのに、残業代はほとんど支払われていないような方は、一度弁護士に相談されることをおすすめします。

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