マタハラは妊娠中、あるいは出産後の女性社員に対して行われる嫌がらせのことです。中には、妊娠した女性を退職に追い込む、職場全体でマタハラを行うといった悪質なケースも存在します。
「もしマタハラにあっているかも」と思ったら、信頼できる人に早めに相談することをおすすめします。
 

そもそもマタハラとは

マタハラは「マタニティ・ハラスメント」の略語で、いわゆる妊娠中・出産後の女性社員に対する嫌がらせ行為のことをいいます。
結婚や妊娠・出産を理由とした解雇や降格などを強要することは違法です。
しかし、実際には、妊娠・出産をきっかけとして労働契約の変更や退職を強要するといった事例が後を絶ちません。
肉体的・精神的な嫌がらせやいじめを受けた結果、自主退職、あるいは、うつや早産・流産といった深刻な状況に追い込まれる女性も出てきています。
 

マタハラの具体例

マタハラには明確な定義はありません。しかし、相手の尊厳を傷つけるような言動は、その意図に関係なくハラスメントになる可能性があります。
妊娠・出産を理由として相手が不快に思う言動をしたら、その時点で「マタハラがあった」といえるでしょう。
さらに、妊娠・出産をきっかけに、職場で不利益な取り扱いをすることもマタハラに該当します。
 

嫌がらせ・いじめ

妊娠したこと、あるいは出産したことを理由とした嫌がらせやいじめは、マタハラに当たります。
産休・育休を取得させないなど、職場の制度を利用させないように追い込むことも、立派なマタハラです。
過去には、妊婦の見た目の変化を中傷した言動が「マタハラ」と認定された裁判例もあります。
 

退職強要や降格など

退職の強要や解雇、降格、減給、正社員から契約社員への労働契約の変更など、妊娠・出産した社員に対して不利益な扱いをすることもマタハラに当たります。
 

もしマタハラにあってしまったら

マタハラは被害者を精神的・肉体的・経済的に追い詰める可能性がある悪質な行為です。
さらに、場合によっては、お腹の中にいる子供にまで悪影響を及ぼすおそれもあります。
万が一マタハラの被害にあってしまったら、早めに行動を起こすことをおすすめします。
 

証拠を集める

いじめや嫌がらせにあっている場合は、まず証拠を集めましょう。相手の言動をICレコーダーに録音する、日記をつけるなどの対策がおすすめです。
 

社内の相談窓口を利用する

会社にはマタハラを防止する義務があります。社内に相談窓口がある場合は、そちらに相談してみましょう。
 

弁護士に相談する

会社ぐるみでマタハラが行われている場合など悪質な事例では、弁護士に相談するのもおすすめです。
 

悪質なマタハラの問題は弁護士に相談を

妊娠が原因で解雇された、あるいは心身の健康に重大な悪影響を受けた、といった場合のように、深刻なマタハラ被害にあったときには法的措置を検討しなければならないこともあります。
もし現在マタハラに悩んでいるのであれば、ぜひ一度弁護士にご相談ください。