2020.02.07 2022.12.20

サービス残業の告発とは

サービス残業の告発とは

サービス残業が蔓延している会社にお勤めの方は、いつかサービス残業の実態を告発したいと考えている方も多いでしょう。

今回は、サービス残業の告発をすることで起こることや告発の方法についてご説明します。
 

サービス残業を告発する意味・メリット

まずは、サービス残業の告発をすることでどのようなことが起こるのかを知っておきましょう。

なお、本記事での告発とは労働基準監督署への申告のことを指します。労働者本人が残業代請求する方法との違いについてもお伝えします。

サービス残業を告発することで起きること

労働基準監督署へ告発することで、労基署は労働基準法違反の調査と違反があった場合の是正勧告(注意指導)を行ってくれます。さらに、悪質な場合や改善されない場合、経営者を刑事罰に問うこともできます。

サービス残業は、長時間労働と残業代未払いの2つの労働基準法違反が考えられますので、事実を証明できれば、労基署も対応してくれる内容です。

労基署からの指導の結果、会社は労働時間を見直す、きちんと残業代を支払ってくれることが期待できます。

ただし、労基署からの指導には法的強制力はありません。会社側が無視し続けることもわずかながら考えられます。

残業代が欲しいなら残業代請求の方が手っ取り早いことも

サービス残業を告発することで上記のような結果が期待できますが、そもそも「未払い残業代をきちんと払ってほしい」とお考えの方は、直接会社に対して残業代請求を行った方が手っ取り早いことも多いです。

特に、退職している(もしくは間近)の方は、労基署からの対応を待っているうちに時効によって受け取れる未払い残業代減っていくことも考えられます。

残業代請求が一番の目的で、少しでも早い解決を目指すのであれば、ご自身で残業代請求をすることも検討しておきましょう。
 

サービス残業を告発する方法

こちらではサービス残業の告発をする方法についてご説明します。

しっかり証拠を集めておく

サービス残業の告発をするにあたって、何より重要になるものが証拠です。労基署に告発しても、サービス残業が実際にあると分かってもらえないと、調査や指導勧告などの次の行動をなかなか起こしてくれません。

証拠の種類 証拠の例
労働契約の内容が分かる物 雇用契約書
就業規則
実際の残業が分かる物 タイムカード
出退勤時間が分かる物
残業の経緯が分かる物 指示書
上司からのメール
実際の支払われた金額が分かるもの 給与明細
源泉徴収票

サービス残業があると示す証拠としては、上記のものがあります。できるだけ多く複数種類を揃え、客観的にもサービス残業が行われていると分かる証拠を用意しましょう。

電話で相談した後に直接申告に行く

労基署への通報はメール/電話/直接訪問の3種類ありますが、具体的にどうすれば良いかはっきりしていない方は、まずは電話相談の後に告発することをおすすめします。ただ、電話では基本的には相談のみで、簡単なアドバイスが受けられる程度でしょう。

具体的に労基署に動いて欲しいのであれば、全国にある労働基準監督署へ直接訪問しましょう。その際に上記の証拠も一緒に持参することで、より緊急性が高いと判断してもらえます。

直接の訪問では、平日の日中しか行えませんので、上手く時間を確保しておく必要があります。

匿名での告発は効果が低くなることも
告発ということで匿名での報告を望んでいる方も多いでしょう。結論を言うと、匿名での告発は労基署から「緊急性が低い」と判断されやすいので、あまりおすすめではありません。

労基署にしっかり対応してほしいなら、しっかり実名を出した上で具体的な証拠を持って告発に行くべきです。

告発以外の残業代請求の方法

ここまで労基署への告発についてご説明しましたが、上記でお伝えの通り、未払い残業代だけ手早く請求したいのであれば、直接残業代請求をした方が良いケースもあります。

内容証明郵便や交渉によって請求する
サービス残業を行っている会社に対して直接請求する方法です。応じてくれるかどうかは会社次第ですが、しっかり証拠を持って請求したり、弁護士に代理で請求してもらうことで会社も応じやすくなるでしょう。
裁判所を介して請求する
どうしても当事者同士で解決しない場合は、労働審判や訴訟などの裁判所を介した手続きで残業代請求も可能です。

ただし、こちらも第三者である裁判所が関わってきますので、サービス残業の実態を証明する証拠が重要です。
 

まとめ

サービス残業の告発は労基署に行うことができます。匿名でこっそり告発したい気持ちも分かりますが、実名でしっかり証拠を持って通報に行った方が労基署も応じてくれやすくなると言えます。

また、未払い残業代を取り返したいとお考えであれば、直接会社に残業代請求をすることも検討しましょう。

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