交通事故 交通事故基礎知識 損害賠償 整骨院
2021.09.13 2022.11.15

交通事故後、整骨院で起こる保険詐欺とは

交通事故後、整骨院で起こる保険詐欺とは

通常、交通事故の被害者は、治療費の支払や通院慰謝料といった損害賠償金を請求することができます。

通院する期間が長くなれば通院慰謝料がより多く貰える可能性があることや、交通事故前から存在していた痛みの治療費も欲しくなってしまうという心理から、通院期間や治療費をつい多めに申告したくなるときもあるでしょう。

しかし、損害賠償請求は、損害を回復するために必要な限度でしか認められませんので、通院期間や治療費を必要以上に多めに請求する権利はありません。

また、必要以上に多めに請求することは、詐欺罪(刑法246条1項)に該当する可能性のある行為です。

交通事故の被害者であるにも関わらず、犯罪者ともなりうるため、注意が必要です。

そこで、本記事では、交通事故における保険詐欺とはどのようなものか、不注意による保険詐欺を防止するため、及び保険詐欺と間違われないようにするために必要な知識についてご説明致します。

交通事故後、整骨院で起こる保険詐欺とは

過剰な通院は疑われやすい

まず、前提として交通事故における保険詐欺とは、交通事故の発生そのものを偽装することや、実際に発生した交通事故を利用することで、主に保険会社に対して、架空もしくは水増しした保険金を請求し、騙し取ることをいいます。これらの行為は、刑法に規定されている詐欺罪に該当する可能性があるため、10年以下の懲役に処せられる可能性があります。


そして、通院慰謝料とは、通院開始から治療が完了するまでの期間である通院期間に発生する精神的苦痛を回復させるために認められた損害賠償請求権です。その損害賠償額は、通院期間を基準に算出されるため、単純に考えると、通院期間が長くなればなるほど、損害賠償額は大きくなります。

算定方式がそのようなものであるため被害者が得をしそうな心理に付け込んで、長期通院による報酬を増やすことを企み、被害者の方に通院期間の水増しを提案する悪質な整骨院も存在します。

上記のように、長期通院が保険金の増加につながる算定方式であること、悪質な整骨院も存在することといった理由から、保険詐欺の被害に遭いたくない保険会社は、過剰な通院に対して保険詐欺ではないかと疑う傾向があると考えられます。

患者との関連性

前述の通り、水増し請求も保険詐欺に該当する可能性があります。交通事故が原因でない負傷を、交通事故により負傷したかのように装うことも、水増し請求にあたります。

保険詐欺に敏感である保険会社の立場から考えてみると、交通事故の治療のために通院している整骨院が、交通事故以前からの負傷を治療し続けている整骨院と同じところであれば、従前の負傷も交通事故が原因であるとして水増ししているのではないかという疑いの目を持っている可能性があります。

また、身内が経営している整骨院に通院した場合も、整骨院と被害者の関係性の密接さから、当初から疑いの目を持っている可能性も考えられます。

このように、保険会社は整骨院と被害者の関係性という観点を重視して疑いの目を持っている可能性があります。

しかし、日常から通院しており信頼している整骨院を利用してはいけないということではありません。交通事故を専門に取り扱っている数多くの実績がある整骨院など、被害者を真に第一に考えた適切な施術や請求を行う整骨院として保険会社からも一定の信頼のある整骨院も数多く存在します。


そのため、交通事故対応を普段から数多く取り扱っている実績のある整骨院など信頼できる整骨院を利用することをお勧め致します。

また、日常から使用している整骨院であれば信頼関係があると思われますので、コミュニケーションを重視し、交通事故負傷治療が目的であると伝え、不必要に疑われないように、事故治療の部位と事故以前からの治療の部位の施術は別日に行う、記録を管理するなどの対策はとれないかといった相談することをお勧め致します。


以上の通り、信頼のできる整骨院に通院することが、保険会社から不必要に疑われるといった大きな負担になることを避けるために重要です。

治療費の支払いを打ち切られる可能性

保険詐欺に該当する場合や、保険詐欺であることを疑われるような場合、被害に遭いたくない保険会社は治療費の支払いを打ち切られる可能性があります。


本当に必要な治療の場合、その後も治療を継続するべきといえますが、治療費の支払いを打ち切られると金銭的に大きな負担となってしまいます。

その際、保険会社との再交渉や、自賠責保険に請求する、その後の法的手続で保険会社に請求するといった手段が考えられますが、どれも被害者本人が単独で行うには難しいと考えられます。そのため、弁護士といった専門家に相談されることをお勧め致します。

何よりも、金銭的負担のみならず、精神的にも大きな負担を負うことになってしまうため、治療費の支払いを打ち切られないようにすることが重要です。そのためにも、医師や整骨院の柔道整復師と密接にコミュニケーションをとり、なぜこの治療が必要なのか、どれくらいかかると見込まれるのかを理解し、保険会社にも頻繁に伝えるようにしましょう。トラブル予防のためには、コミュニケーションが重要であるといえます。

保険会社の判断基準

受傷の程度

まず、前提として、保険会社が判断基準を公開することはありえません。そのような判断基準を公開すれば、みんなギリギリの部分を攻めることになるからです。

ただ一つ言えることは、交通事故処理を数多く行っている保険会社にとって、偽装や水増し請求はある程度把握していると考えられます。

そのため、具体的な診断症状に照らし、必要と一般的に考えられる程度であるかが、一つの判断基準であると考えられます。

例えば、医師により単なる打撲と診断されたにもかかわらず、長期間整骨院に通院しているようなことがあれば疑われる可能性は当然高くなるといえます。

施術内容の適切性

交通事故治療のついでに、関係のない部位の治療を行っていた事実が判明したとすれば疑われるでしょう。

通院の頻度の妥当性

軽症である場合や、事故の規模から長期的症状となるとは考えにくい場合に、頻繁かつ長期的な通院をしていれば疑われるでしょう。

交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

本記事では、交通事故における保険詐欺とはどのようなものか、不注意による保険詐欺を防止するため、及び保険詐欺と間違われないようにするために必要な知識についてご説明致しました。

前述の通り、過剰な通院や水増し請求の疑いがある整骨院として保険会社からマークされている整骨院への通院は保険詐欺を疑われやすいといえます。そのため、信頼のできる整骨院への通院が必要です。

また、関係のない部位の治療が開始されたと感じた場合や、保険会社とのやり取り内容を指示された場合、よくわからない書類へのサインを求められた場合など、保険詐欺への加担を疑われることがあれば、断固として拒否しましょう。

疑われないことが1番良いからです。

保険詐欺への加担してしまった場合、気づいたらすぐに保険会社に連絡し不当部分の返還を行いましょう。また、問題が解決できなかった場合はすぐに弁護士に相談されることをお勧めします。

刑事告訴されないため、実刑とならないため、前科を付けないためにも、できることがたくさん残っていることが考えられます。


その際は、交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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