交通事故 加害者
2020.06.22 2024.02.20

交通事故後に加害者が無料相談できるところについてどこがあるのか?

交通事故後に加害者が無料相談できるところについてどこがあるのか?

交通事故は日常生活を過ごす中で、誰もが突然当事者になりえます。それは被害者の可能性もあれば、加害者の可能性もあります。ここでは交通事故の加害者になった時にどうすればいいのかを中心にご案内します。

事故後の加害者側の手順

a:不明点

交通事故において加害者になった時、おそらく驚きと焦りで頭が真っ白になるかと思います。交通事故のあとは何をすればいいのか、何をしてはいけないのか、加害者がわからなくなりがちな、交通事故の加害者が思う不明点をご説明します。

b:流れの確認

まず加害者が事故を起こしてしまった時に真っ先に必ず行わなければいけないことが3つあります。

1 負傷者の救護措置:交通事故を起こしてしまった時、事故の当事者には救護義務があります。これは道路交通法72条に定められています。まず相手が怪我をしていないか確認し、怪我をしている場合には意識があるのであれば病院に行けるかの確認をしてください。
 
意識がない場合は救急車を呼び、救護活動を最優先で行いましょう。逃げてはいなくても、相手を救護しなければひき逃げと同じ【救護義務違反】となる可能性がありますので、注意をしてください。
 
2 警察へ連絡:交通事故を起こしたことは必ず警察に報告しなければいけない義務が救護義務同様、道路交通法72条に定められています。これを怠ると報告義務違反だけではなく、警察の聴取を元に作成する交通事故証明書が作成されません。保険を使用する際はこの交通事故証明書は必ず必要となりますので、ご注意ください。
 
3 二次被害の回避:負傷者の救護を行い、警察に連絡を終えましたら、次は第二の事故を防ぐため事故車両を移動させ発煙筒や三角表示板を使い、移動ができない場合はハザードランプ焚くなどして事故が遭ったことを後続車両に伝えるようにしましょう。これも上記2つの義務と同様に道路交通法72条に定められています。

次に加害者がやってはいけない対応ですが、主立っては2点です。

1:事故現場で示談に応じてしまうこと
警察が来るまでに時間があるため、事故の当事者同士でお互いの名前や住所を確認する等、当事者だけの時間があります。その間に示談の話や過失の話をするケースがありますが、これはお勧めできません。示談や過失の話は事故の状況や怪我の有無を慎重に確認して進めていくものです。特に交通事故の怪我は事故当日ではなく翌日以降に発症することもあります。
 
また自分が加害者と思い込んでいたとしても、被害者と思われていた側に重大な過失が後に発覚することもあります。書面を交わしていないから大丈夫と思う方もいらっしゃいますが、口頭でも成立することがありますので、安易に約束等をしないようにしてください。
 
2:被害者対応をすべて保険会社へ丸投げしてしまうこと
加害者は上記の必ずやるべきこと3点が終わりましたら、自身が加入している任意保険会社へ連絡をしましょう。相手への損害賠償について等保険会社が加害者に代わって対応を行います。
 
ただし、ここで保険会社任せにしてしまう加害者が多くいらっしゃいます。そのような態度をとると被害者が加害者に対して負の感情を抱いている場合、さらに悪化させてしまう可能性があります。事故現場での加害者の対応を被害者は本当によく見ています。誠意ある対応なのかどうか、謝罪の感情があるのかどうか、そういったことを感じられないと被害者が判断した場合、後の示談の交渉の場で態度を硬化させてしまうことも想像に難くありません。
 
もちろん示談の内容については保険会社が対応しますので、加害者側が踏み込むことは避けるべきことではありますが、怪我をさせてしまったのは加害者本人ですので、事故後も誠意ある対応をしていくことが大切です。
 
なお、加害者へのお見舞いに行きたいと思う方もいらっしゃるとは思いますが、その場合は保険会社から確認をとってもらうといいでしょう。被害者の中には加害者に絶対に会いたくないという方もいます。
 
実際以前、信号無視をしたトラックに轢かれた被害者に、加害者が謝罪に行きたいと連絡がありましたが、被害者は骨折のため3か月の入院を余儀なくされていたため、謝罪を拒否されました。無理に会おうとするとさらに事態を悪化させますので、被害者の気持ちを優先しつつ、誠意ある対応をしていきましょう。

加害者の責任は?

交通事故の加害者は民事責任、刑事責任、行政上の責任を負担することになります。

a:民事責任

民事責任とは、加害者が被害者対して与えた損害を賠償しなければいけない責任をいいます。この民事上の責任は加入している任意保険会社が代わりに支払いを行うので、加害者自身が金銭的な負担を負うことはありません。しかし、保険には限度額があり、また、自賠責保険しか入っていない場合は加害者本人が支払う責任義務を負います。

b:刑事責任

交通事故の加害者となり、相手を負傷または死亡させてしまった場合には、過失運転傷害罪、過失運転致死傷罪が成立することが考えられます。これは過失がゼロではない場合には負う可能性のある責任です。また、飲酒運転などといった悪質、危険な運転で人を死傷させてしまった場合には危険運転致死傷罪、死亡する可能性が考えられるにも関わらず、被害者を引きずったまま逃走をした場合には殺人罪となることもあります。また、何らかの道路交通法違反が適用されることがほとんどです。なお、適用される罪状によって、実刑か罰金刑に処されます。

c:行政処分

民事上や刑事上の責任とは別に行政上の責任を当事者は負います。よく耳にする【免許証点数の加点】もその一つです。交通違反による交通事故の場合は、その違反に対しての反則金を支払わなければいけなくなることもあります。なお、違反点数によっては免許停止処分や免許取り消し処分もあります。具体例を上げると、死亡事故を起こした場合は20点加点されて免許は取り消しとなります。

相談したいことのまとめ

a:示談交渉

交通事故を起こした加害者は任意保険に入っている場合は保険会社が、入っていない場合は加害者本人が被害者に対して示談交渉を行います。物損の場合も同様で、例えば車同士の事故の場合は車の所有者の方に対して損害賠償を支払わなければなりませんので、示談交渉が必須となります。
任意保険に入っている加害者について、保険会社が対応する理由としてはもしも加害者が罪悪感から高い金額で示談を成立させてしまった場合、保険会社には不利益になるからです。保険会社は加害者の意思とは関係なく交渉を進めてきます。加害者は基本的にその示談交渉結果を待つだけとなりますが、どうなっているかは気にかけたほうがいいでしょう。以前、「『保険会社の対応が酷かったら電話ください。私(加害者)から保険会社にきっちりと対応をするようにと言います』と言われています。」と被害者から聞いたことがあります。被害者は非常に大きな怪我を負っていましたが、加害者の誠意ある対応があったおかげで加害者に対する負の感情はほとんどありませんでした。

b:慰謝料が増えた時

保険会社が示談交渉をする、ないしは加害者本人が交渉をしている中で相手に支払う慰謝料が増えるケースがあります。それは相手が弁護士を付けた場合です。慰謝料等損害賠償金を計算するにあたり、基準が3つあります。低い方から自賠責基準、任意保険基準、裁判所基準です。弁護士が入ると、弁護士は一番高い基準である裁判所基準で計算を行います。結果慰謝料を含め加害者が賠償する金額が大幅に増えます。保険会社が入っているのであれば、支払うのは保険会社ですが、加害者本人が支払わなければならない場合、かなり負担は大きくなります。慰謝料が増えた時、加害者はどうするべきなのでしょうか?まずは無料で相談できる機関がありますので、そちらに連絡をしてみましょう。

無料相談先はどういったところがあるのでしょうか?

加害者が相手との示談交渉に困った際に、どういったところに相談することができるでしょうか。

a:交通事故被害者ホットライン(国土交通省)

自動車による交通事故の当事者やその家族に対する支援をするために、独立行政法人自動車事故対策機構では電話相談窓口「NASVA(ナスバ)交通事故被害者ホットライン」を開設しています。当事者の悩みごとに応じて地方公共団体や各種相談機関、損害保険及び紛争処理等の相談窓口を案内しています。

b:都道府県や市の交通事故相談所

各都道府県や市でも交通事故の相談所があります。専門の相談員が電話や面接で相談に応じます。基本的に相談は無料で何度でも相談にいけることが特徴です。ただし示談のあっせんは行っていないなどできる範囲が限られていますので注意しましょう。

c:日弁連交通事故相談センター

公益財団法人日弁連交通事故相談センターは日本弁護士連合会が設立している機関です。全国統一のナビダイヤルで無料の電話相談が可能です。また、具体的な相談を個別で対応するために、無料の面接相談も行っています。全国157か所に相談所が設置されているので、非常に足を運びやすいです。なお、面接相談は原則5回まで可能とされています。

d:ロイヤーズ・ハイなど交通事故に強い法律事務所

民間の法律事務所は多数ありますが、その中でも交通事故に強い法律事務所があります。最近では無料で相談が可能な事務所が増えてきています。まずは一度電話をしてみるのがいいかと思います。法律事務所によっては加害者の弁護は受けていない事務所もありますので、過去の実績や解決事例、コラムなどを見てみましょう。

まとめ

交通事故というと被害者側になった時を想定されることが多く、なかなか加害者がどうすべきかがわからないかと思います。そして誰しもが交通事故の加害者になる可能性はあります。加害者になってしまったらまずは無料相談ができるところに相談をしてみましょう。

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