交通事故 示談 過失割合
2020.10.13 2024.04.25

交通事故の過失割合による賠償金の負担割合について知りたい

交通事故の過失割合による賠償金の負担割合について知りたい

交通事故の被害者の方が、加害者側より損害賠償金を受け取る時、被害者の方にも過失があれば、その過失分は損害賠償金より減額がなされてしまいます。

できる限り多くの損害賠償金を受け取るためには、自分の過失割合を減らすことが大事です。

ここでは過失割合による損害賠償金の負担割合についてご説明をさせていただきます。

過失割合とは

交通事故のほとんどのケースでは、当事者の双方に過失があると考えられ、どちらかに過失が一方的に及ぶことは実は珍しいケースです。

事故の状況から、どちらにどれくらいの過失があるか、事故の結果に対する責任の割合を過失割合といいます。

過失割合を決めるのは誰か

交通事故の過失割合については、当事者が契約する任意の保険会社同士で協議し決定されます。

現場に立ち会い、事情を確認することを警察が行うため、警察に決定権があると考える方も中にはいらっしゃいますが、過失割合はあくまでも民事上の問題の為、民事不介入の警察は、関与することはできません。

あくまでも過失割合の決定に影響を及ぼす、実況見分調書の作成を警察が行うだけとなります。

では、保険会社はどのように過失割合を決定するのでしょうか?

保険会社が過失割合を決定する際は、道路交通法を基本に、公平となるよう算出されます。また、加えて過去の裁判例を基準にしています。そのため、保険会社によって、過失の割合が大きく変動することは基本的にはありません。

ただし、事故の当事者間の双方の主張が異なる場合においては、各保険会社は契約者の主張を優先することとなりますので、大きく争われることがあります。

過失相殺とは

過失割合に関連する用語として、「過失相殺」というものがあります。

過失割合によって賠償金が変わる

交通事故に遭った場合、被害者の方は車両が壊れたり、衣服や携帯電話など携行品が壊れたりするなどの物の損害が発生します。また、被害者の方が怪我を負った場合は、治療費や通院のための交通費、怪我が原因で仕事を休業した場合は減収分(休業損害)や入通院慰謝料も発生することとなります。

また、後遺症が残り、後遺障害等級の認定が下りた場合は、後遺障害慰謝料、被害者の方が亡くなった場合は死亡に対する慰謝料が発生します。

こういった損害を被害者の方は、加害者側の保険会社(または加害者本人)へ請求することとなります。

しかし、被害者の方の過失割合が高ければ高いほど、加害者側から受け取れる損害賠償金より減額されてしまいます。

このように、交通事故問題における損害賠償金を算定する際に、過失割合に応じて被害者の方の過失割合分の賠償金を減額することを「過失相殺」といいます。

過失割合が大きければ大きいほど、損害賠償金は過失相殺されてしまうため、被害者の方が受け取ることができる損害賠償金に大きく影響します。

過失相殺の計算例

よくある事例を見てみましょう。

たとえば、交通事故が原因でむちうちとなった方が、3ヶ月通院したとしましょう。損害賠償金は慰謝料や休業損害など、合計100万円になったとします。

この時、追突事故などで被害者の方の過失割合が0%だった場合は、100万円が請求可能となります。

一方で、被害者の方にも過失割合がある場合は過失相殺がなされます。

・被害者の方の過失割合が10%の場合

100万円×(100-10%)=90万円

・被害者の方の過失割合が30%の場合

100万円×(100-30%)=70万円

このように過失割合で被害者の方が受け取れる損害賠償金が大幅に変わります。

被害者の方は自身の過失割合により損害賠償金を割合分負担する=減額されることになります。

過失割合が0の場合

損害の全額の支払い請求が可能

被害者の方が、できる限り高額な損害賠償金を受け取るためには、自身の過失割合がどこまで減らすことができるかが重要となります。

一番被害者の方が過失割合の影響を受けず、損害賠償金を得ることができるのは、追突事故や相手のセンターラインオーバーといった、過失割合が0の案件です。

被害者の方の過失割合が0の場合、過失相殺がなされませんので、加害者側に損害の全額の支払いを請求することが可能となります。

被害者の方の過失割合は0であることに越したことはありません。

しかし、その一方で、被害者の方の過失割合が0の場合は別の問題が起きます。

保険会社が示談交渉を代行してくれない

被害者の方の過失割合が0の場合、被害者の方が入る任意の保険会社は示談交渉の代行を行ってくれません。

本来、自動車保険には、相手側との示談交渉は、自身が加入する任意の保険会社が代行で行ってくれます。これは、各保険会社の自動車保険の対人賠償責任保険には、示談交渉代行サービスがついています。

通常、示談交渉は本人か、代理人として弁護士が行います。

しかし、任意の保険会社は示談が成立すると、当事者である契約者に代わって、損害賠償金を支払うことになります。そのため、任意の保険会社は【利害関係のある示談交渉】については、例外的に、示談の代行を行うことができるとされています。 

さて、被害者の方の過失割合が0の場合、被害者の方が加入する任意の保険会社は加害者側に損害賠償金を支払う必要はありません。

この場合、被害者の方の加入する任意の保険会社からすると、【利害関係を持たない示談交渉】ということになるため、被害者の方の代理として示談交渉を代行する根拠がありません。

つまり、被害者の方過失割合が0であると、自身で加害者側の任意の保険会社と示談交渉をしなければならないという問題が発生することになります。

被害者の方のほとんどが交通事故に遭うことは初めてです。そのような中で、交通事故問題のプロである相手の保険会社と示談交渉を1人で行うにはあまりにも負担が大きいです。

相手とのやりとりはすべて自分で行い、わからないことについては、自身で調べながら進めていかなければなりません。

このようなケースの場合、保険会社は被害者の方が【知らない】ことをいいことに、不利な条件を押し付けられることや、時には不当な金額で示談を無理やりまとめようとしてくることもあります。

被害者の方は、自身で交渉しなければならない場合は、必ず弁護士に相談をするようにしましょう。

弁護士に依頼をすれば、相手とのやりとりはすべて対応してもらえますし、相手からの不当な提案についても法律的根拠を持って反論をしてくれます。また、損害賠償金についても、保険会社が計算する基準よりも高い基準で算出し示談交渉を行うため、被害者の方本人で示談をするよりも、増額する可能性が高くなります。

過失割合についてのご相談は交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイへ

過失割合により、被害者の方にどのように負担があるかを、損害賠償金や示談交渉の面でご説明をさせていただきました。

被害者の方は、ご自身で知識をつけることも非常に大切ですが、自分で対処するには限界があります。

適正な損害賠償金を受け取るために、過失割合はとても重要な項目の一つです。誤った割合で示談をしてしまうと、被害者の方は大きく損をしてしまいます。

少しでも納得がいかない場合や不安な場合は弁護士に相談するようにしましょう。

過失割合についての疑問は、交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにぜひ一度ご相談ください。

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