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スタッフブログロイハイの考え方有資格者

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【弁護士・修習生の方向け】弁護士のやりがいとは(代表弁護士 田中今日太)

皆さま,こんにちは。

弁護士の田中です。

仕事を充実させ,全力を尽くすということはどういうことなのかについてもお話させていただきます。

(料理や子供の絵本選びの話の前にこっちが先だろ!とツッコミが入りそうですが・・)

弁護士の仕事はやはり楽しいです。

何が楽しいでしょうか?

色々な分野がありますし、必要な知識やコツも違います。

ですから、飽きることがありません。

1 法律分野は幅広く、法律論は多様であること

男女トラブルだけでも様々な類型があります(私は様々な事件を取り扱いますが、ここでは男女トラブルを例に挙げます。)。

離婚、養育費、婚姻費用、面会交流、財産分与、離婚慰謝料、年金分割、などの事件があります。

それぞれの事件で、問題となる論点が異なります。

論点は、初めて対処するものは、文献を少なくとも3つ以上は参照しますし、判例はあるだけ確認します。

それを、まとめて、類型化して、本件が勝ち筋か、負け筋かを想定します。

なお、今では男女トラブルの場合は、初回面談で勝ち筋か、負け筋かほぼ回答できます。

細かい論点に関しても、多少調べれば、一定の結論を導けます。

2 証拠の取得、評価

私自身は、不倫の慰謝料や、貞操権侵害の慰謝料、内縁関係、事実婚などの事件も多く取り扱っていますが、これらもやりがいがあって面白いです。

これらの事件類型は法律論というよりは、証拠の有無と内容、その証拠の評価が大切であることが多い事件類型ですが、そうであるからこそ、

いかにして証拠を得るか、という点に最も注意を払って事件処理を行います。

依頼者自身が証拠収集に臨んだ方が成功率が高いと見れば、アドバイスをして証拠を収集いただきますし、

私が対応した方が可能性が高いと判断すれば私が動きます。

証拠を相手方と交渉するときに、供述として引き出すこともあります。

その場合には、事前に獲得目標を決めておくことも大切です。

要点を絞らず交渉をすれば、時間が無駄になり、本当に必要な獲得目標を得られないこともあります。

ですから、事前に裁判を見越した場合に、この証拠があれば勝てる、という獲得目標を決めて交渉に臨みます。

この際は緊張感が漂う交渉になり、スリリングでもあります。

今では、交渉トレーニングもいらず、いきなり実践できますが、ときには事前にイメトレを行って望みます。

慣れないうちは、交渉トレーニングも積んだ方が良いでしょう。

3 相手方との交渉、交渉方法の選択と熟達

また、相手方との交渉話術も非常に重要です。早期解決で良い結果を出すためには、「書面」交渉よりも「電話や直接」交渉の方が望ましいケースがあります。

ですから、どんな相手と話すときでも、緊張せず自身のリズムを壊さず自然体で接することができるように訓練しておく必要があります。

「書面」を作成するときも、依頼者の方の要望をかなえるための、最も良い表現を選択します。

「書面」の場合、通常は何往復か応答するということが通常ですが、「書面」であっても、一通の書面で解決するというケースもあります。

私もそれを何度も経験しています。

これは意識的に書面の送付方法や内容を工夫しているためです。

書面交渉のみに偏っていたり、電話や直接交渉のみに偏っているのはバランスが悪いです。

両方とも案件に応じて使い分ける、ことが大切であり、両方とも熟達を目指します。

4 依頼者の方への理解、共感と説得、人間力の向上

男女トラブルは様々な感情が渦巻いています。

また、依頼者の方も千差万別です。

同じ人は一人もいません。それぞれに悩みをお持ちです。

ただ、熟練すれば、自分の中に対応の型ができるので、依頼者の方をタイプに分けて、このようにお話をすれば理解してもらいやすい、ということができるようになります。

依頼者の方の話を聞かせていただき「共感」しつつも「同感」はせず、ただ裁判での見通しを「論理的」に説明することが必要です。

ここで、共感が同感になってしまい、「情」に流されすぎてしまうと、事件の解決を妨げてしまいます。

他方で、論理的すぎると、「理」が強すぎて、「愛」がない人だと思われて、依頼者の方の信頼を得られません。

男女トラブルは、弁護士の「人間力」「人間性」が試される場面でもあります(というよりクライアントが個人の方の場合は、ほとんどの事件そうなのですが。)。

その意味で、人間力を磨くことも同時に必要なことであり、やりがいを感じているところです。

例えばですが、ある人から言われた場合には腹が立つけど、別の人から言われれば納得するということはないでしょうか?

それは、「別の人」の方が「ある人」に比べて、その人にとって人間力(共感力、説得力)に優れていると思われているために起きることです。

私は、人間的に優れた「別の人」になりたいと思います。そしてそのようになるためには、実際に事件を通じた「訓練」「修行」が必要です。

ロイハイは、こうした事件類型を通じて、心を鍛えて人間力も磨く事務所だと考えていますので、それを希望される方がご応募されるのがよいと思います。

(弁護士の方の中には、依頼者の方や相手方の強い感情の渦に巻き込まれるのを嫌がったり、めんどくさがられる方もおられます。

 そのような方は、企業法務事件のみを淡々と処理されていることが多い印象です。それはそれで一つの考えであり、価値観です。)

5 裁判と尋問

交渉で決着がつかない場合も一定あります。

その場合には、訴訟の見込みを伝えて、依頼者了承のもと、裁判をします。

裁判の途中で和解の話があって、依頼者が早期和解を望む場合には和解に応じる方向で検討します。

しかし、和解がまとまらない場合には尋問になります。

尋問手続きはやはり弁護士の醍醐味だと思っています。

法廷で、代理人が尋問し、こちらに有利な供述を引き出します。

矛盾を突くことも大切ですが、それよりも事実の積み重ねを聞いて行った方が良いというのが私の実感です。

矛盾を突くのは、争点判断に直接的に有効かどうかは措いて、相手が虚偽の事実を述べていることにより記憶の混乱が生じ、後の有利な供述につながりやすいこともありますので、そのような形で使うこともあります。

裁判はやればやるほど、慣れていき熟達していきます。

裁判はマチベンの主戦場、と言われることも多いです。

私も、尋問手続はやはりマチベンの弁護士の方が慣れているという印象を受けています。

マチベンの方が、保有している案件数が多く、裁判を多く経験しているからでしょう。

なお、私も尋問は好きです。最終準備書面を意識して、事前に獲得目標をまとめておき、あとはイメージトレーニングをしておきます。

この作業は、普段の口頭交渉と似ているので、口頭交渉が慣れていれば、尋問もスムーズになっていきます。

静まりかえった法廷での、尋問はスリリングであり、獲得目標の供述を得られた時には、達成感に満たされます。

尋問について思うのは、交渉が得意なら、尋問も得意になりやすいということです。

両者の違いは、質問の仕方が交渉の方が自由度が高いだけであって、交渉だろうと尋問だろうと獲得目標を得るという本質に変わりはないためです。

・・・・・・・・・

弁護士のやりがいについて語ると、ノウハウに関する部分が多く出てしまうことになるので、あまり多くを語ることはできませんでした。

料理や子供の絵本選びの方が分量が多いかもしれません(笑)

弁護士業は非常にやりがいがある仕事です。

しかし,残念ながら,依頼者や相手方からのプレッシャーに耐えられなかったり、経済的に余裕がなくなってしまったり、

体調を壊してしまったりして、弁護士を辞めてしまう方もおられます。

しかし、弁護士は、誇りをもって一生取り組む価値のある仕事です。

迷いが生じたなら、私にご相談ください。一緒に仕事をしましょう。

この仕事は、決して「楽な仕事」ではありません。

むしろ「大変な仕事」です。「不断の努力」と「忍耐と精神力」が必要な仕事です。

ときに、多くの起案を行ったり,リサーチをしたりして残業が多くなってしまうこともあります。

ときに、依頼者の方や相手方からのプレッシャーにさらされて落ち込んだり、辛いこともあります。

しかし、「楽ではない」からこそ、頑張る価値があります。

「大変」だからこそ、頑張る価値があります。

皆さんが弁護士を志した時,この仕事が「楽な仕事」ではないことをわかっていたはずです。

むしろ,「楽ではない」からこそ,頑張らなければならないし,頑張る価値があるとも思ったはずです。

なのに、「弁護士になった途端」、「弁護士をある程度の年数」やったら、「楽をしたがったり」「手を抜きたがったり」してしまう。

「弁護士になること」があなたのゴールですか?

「弁護士をある程度の年数やったら」もう十分ですか?

いやいや、そうじゃないはずです。

弁護士を志したときの「輝きに満ちた心」を思い出してください。

弁護士は「一生」やる価値のある仕事です。

ときにしんどくて、やりがいを失ってしまった方は、酒を辞めて身体を動かしましょう。ストレス発散してやる気も出てきます。

同じことの繰り返しで飽きてしまったという方は、新しい分野に取り組みましょう。そんなに簡単に極められる仕事ではないはずです。

金銭欲や物欲が強くなって楽をしてしまいそうな方は、断食して心を洗いましょう。お金も物もなくても、人生楽しく生きられます。

どんなときであっても、前向きで明るい自分でいられるように、これからも邁進したいと思います。