交通事故 任意保険 整骨院
2021.09.25 2024.04.25

もし交通事故後、整骨院の通院で保険会社とトラブルが起きたら

もし交通事故後、整骨院の通院で保険会社とトラブルが起きたら

交通事故による負傷の治療のために整骨院を利用した場合、保険会社が治療費を支払わないといったトラブルが数多く発生しています。

トラブルに遭わないために、また保険会社から不当に巻き込まれないようにするために、整骨院利用におけるトラブルの生じやすい理由や場面を知っておくと役に立つでしょう。

そこで、本記事では、整形外科と整骨院の違い、保険の補償範囲、トラブルの起きた場合についてご説明致します。

整形外科と整骨院の違い

医療行為と施術行為

まず、整形外科は医師が医療行為を行う医療機関です。医療行為とは、レントゲン診断、MRI診断、手術、投薬治療等の医師のみが行うことの認められている行為をいいます。そして、診断書といった書類は医師のみが作成することを認められていることが多いです。

他方、整骨院は柔道整復師という国家資格の有資格者が処置を行います。前述の通り、医療行為は医師のみが行うことを許されているため、整骨院では行うことができません。そのため、マッサージ等の施術が、整骨院で行われる処置の中心となります。

併用も可能

前述の通り、整形外科と整骨院はできることが違う分、各々にメリットがあります。

まず、整形外科のメリットは、レントゲンやMRIといった身体の内部までも検査することができるため、負傷の原因が明らかになることです。原因がはっきりと分かった方が、必要な治療が漏れることにより症状が改善しないことや悪化することを防止できる可能性が高くなるといえるでしょう。また、重傷の場合は特に、手術や投薬治療が不可欠である場合も考えられ、その際は、整形外科への通院が不可欠な場合であるといえます。

さらに、前述の通り、診断書等の書類は医師のみが作成することを認められているところ、これらの書類は治療費の支払いを請求する際などに不可欠となっていることが多いため、必要資料を揃えることができる点もメリットであるといえます。

次に、整骨院のメリットは、むちうち症などの慢性的な症状の場合、整骨院におけるマッサージ等の継続的な施術が症状の改善に有効である場合もある点です。また、通院慰謝料という損害賠償は、通院を開始した時点から治療が完了するまでの期間を基準に算定されるため、長期かつ継続的な施術が中心となる整骨院の利用は、慰謝料が高くなる可能性があるというメリットも存在します。

これらのメリットを踏まえたうえで、むちうち症のような場合、整骨院の利用が治療のために必要であるとして、両者を併用することができます。その際は、後にご説明致しますように、保険会社とトラブルが発生する可能性があるため、先に整形外科を受診し、整骨院の利用について医師から指示や同意をもらっておくようにしましょう。

また、治療が完了したとの誤解を避けるためにも、整形外科から整骨院へ完全に切り替えるのではなく、両者を併用するようにしましょう。

保険の補償範囲

任意保険基準

保険で補償される範囲は、治療費にとどまらず、通院を開始し完了するまでの間に被る精神的苦痛に対する賠償である通院慰謝料も含まれます。

通院慰謝料は前述の通り、通院を開始した時から、治療が完了するまでの期間をさす通院期間を基準に算定しますが、この算定基準は3通り存在します。

まず、一番低い算定基準は自賠性基準といいます。強制保険として加入を義務付けられ最低限の補償を目的とした自賠責保険を基準に算定したものです。この基準では、1日あたり4300円をベースに算定されます。

次に低い基準であるのが任意保険基準です。保険会社が通院慰謝料を算定する際に独自に定められた基準であり、その額は非公開です。もっとも、これまでの実例から、自賠責基準に近い金額となっていると考えられます。そのため、保険会社から提示される慰謝料額は低く抑えられている可能性が高いと考えられます。

そして3つ目が弁護士基準です。この基準は裁判で実際に認められた賠償額をベースに算定するものであるため、最も高い算定基準となっており、弁護士はこの算定基準に従って交渉を行います。この基準では、通院の日数ではなく期間で算定され、また使用される算定基準表も他2つの基準に比べて大きな差額が生まれます。

以上の通り、慰謝料額においては、使用する基準にて大きな差があるため、長期間の通院になりやすい整骨院通院をした場合、弁護士の介入により慰謝料額が大幅に増額する可能性があります。そのため、慰謝料額が低く抑えられていると感じた場合、弁護士に相談されることをお勧め致します。

整骨院通院でトラブルが起きた場合

保険会社が認めない

まず、最も多く考えられるトラブルとして、保険会社が整骨院利用を認めないことです。当然ですが、治療の必要性を判断するのは基本的に医師であり、保険会社ではありませんので、保険会社が認めないからといって必要な通院を止めるべきではありません。その際は、後に弁護士が介入し交渉や紛争処理を行っていくことが通常ですが、余計な負担を負わないためにもトラブル予防が重要であるといえます。

そこで、整骨院の利用について医師から指示や同意があれば、保険会社も認める可能性が高くなりますので、先に整形外科を受診することをお勧め致します。

治療費の不当な打ち切り

整骨院における施術は長期的かつ継続的となりやすいことから、治療費や通院慰謝料の金額が大きくなる可能性が高いため、営利企業である保険会社としては避けたいのが本心であると考えられます。

そのため、整骨院への通院期間が長くなれば、保険会社から通院の終了を打診されたり、治療費の支払いを打ち切ってくるという強硬手段がなされるかもしれません。

その際は、一旦自費で受診することになってしまいかねません。そうならないためにも、保険会社とコミュニケーションを重視し、症状の状況、治療の進捗度合を伝えておくことを心掛けましょう。

対処法

上記のような注意点を踏まえていたとしても、トラブルに巻き込まれることも考えられます。このような場合、交通事故処理を本業としている保険会社に対して、被害者本人が単独で交渉することは簡単なことではありません。

そこで、紛争処理の専門家であり、保険会社に対する交渉のノウハウや知識を有する弁護士へのご相談をお勧め致します。弁護士が介入することにより、慰謝料が倍以上増額するといった大きな効果を期待できる可能性もあります。

交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

本記事では、整形外科と整骨院の違い、保険の補償範囲、トラブルの起きた場合についてご説明致しました。

前述の通り、整骨院を利用する場合、保険会社とトラブルになることが少なくありません。ご説明致しました通り、弁護士の介入が重要です。

その際は、交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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