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いわゆるむちうちの具体的症状とは
むちうちは『首が痛い・首が回らない』といった痛みを伴う症状を総じて言いますが、一般的には「首がS字にしなった様な形になる」ことを指します。
むちうちの症状は千差万別
むちうちは、骨折や出血・内出血などの目立った外傷がなくとも発生するケースがあり、負傷した本人でさえ、事故のせいかどうか判断できないケースも存在します。正式名称は「外傷性頸部症候群」と言い、頚部の挫傷(くびの捻挫)の後、長期間にわたって頚部痛、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれなどの症状がでるが、X線(レントゲン)検査での骨折や脱臼は認めらないとされています。(参考:日本整形外科学会)
外傷性頸部症候群は,「頸部外傷によって生じた頸椎および神経系の構築学的ならびに神経学的帰結であり,運動および神経機能の多彩な異変のみならず精神神経学的ならびに耳性学的,視覚平衡機能障害を伴いうる症候群」と定義される)。
日本医事新報社
むちうちの具体的な症状は?
代表的な症状としては
首の周り・頚椎の痛み 首回り・肩が重いと感じる 首が回らない めまい・目のかすみ 吐き気・握力低下 足や指先のまひ 痺れ など
また、『兵庫県保険医協会』によれば、うちうちの症状を次の5つの段階に分類しています。
段階0:頚に症状の訴えなし 段階1:頚に痛み、コリの訴えがあるが、客観的所見なし 段階2:頚に症状があり、運動制限あり 段階3:頚の痛みと、神経の障害徴候あり 段階4:頚に症状あり、骨折などを伴う 参考:兵庫県保険医協会
むちうち(外傷性頸部症候群)の原因は筋肉や神経の損傷だけではなく、心理的な要素も関連しているとされており、正確なところは実は判断できませんので、医師による診断や説明を十分に聞くことが望ましいと言えます。
その他|医療文献によるむちうち(外傷性頸部症候群)の言及
主たる病態は筋,靱帯,椎間板などの頸椎支持軟部組織の損傷と考えられている。しかし通常,外傷性頸部症候群において発生しうる微細な損傷で疼痛の発生源を同定することは,科学的に困難である。
日本医事新報社
むちうち症は後遺障害認定されにくい
むちうち症は交通事故との因果関係を判断するのが難しく、後遺障害等級が非該当となるケースも多い症状です。医学的な説明は科学的に困難であると言われており、いまのところ有効な後遺障害診断書を書くことは医師であっても難しいのが現状です。 しかし、過去一度もむちうち症による後遺障害等級の認定がおりなかったということではなく、裁判で後遺障害等級第14級が求められた判例もあります。
原告は,本件事故後,首や腰等の痛みを継続的に訴えて継続的に通院しており,その症状が固定した平成26年5月31日の時点でも,首や腰の痛みを訴えていたものであるから,首の痛み及び腰の痛みについて,後遺障害が残存したと認められる。そして,これらの症状について,いずれも他覚所見は認められない(上記(1))から,それぞれ「局部に神経症状を残すもの」として14級9号に相当するというべきであり,以上を併合して,併合14級と認められる。 裁判年月日 平成29年11月 2日 裁判所名 大阪地裁 裁判区分 判決 事件番号 平27(ワ)12158号 事件名 損害賠償請求事件
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