交通事故 交通事故基礎知識 後遺障害 慰謝料
2022.11.24 2024.07.23

交通事故には3つの慰謝料基準があるってご存知ですか?

交通事故には3つの慰謝料基準があるってご存知ですか?

交通事故に遭った被害者は,加害者側から慰謝料を受け取ることができます。

この慰謝料には基準があり,どの基準を用いるかで数百万円もの差が生じることがあります。当コラムでは,交通事故における慰謝料の3つの基準についてご説明いたします。

1 交通事故における慰謝料の3つの基準

交通事故慰謝料の算定には、3つの基準が設けられています。

⑴自賠責基準

強制加入の自賠責保険の基準で、最低限の補償を目的とした基準です。

⑵任意保険基準

保険会社が独自に設けている基準で,原則非公開です。 

⑶弁護士基準(裁判所基準)

過去の判例も元に算出した基準です。

慰謝料の算定においてこの3つの基準は非常に重要な意味を持っており、自賠責基準で査定するか、弁護士基準で算定するかによって慰謝料額に100万円単位の差が出るケースも少なくありません。 

慰謝料には『入通院慰謝料』『後遺障害慰謝料』『死亡慰謝料』の3つの種類があり、そのいずれにも自賠責基準と弁護士基準が当てはまりますので、被害者が適正な金額で慰謝料を請求できるよう、正しい慰謝料を獲得するために、金額にどのような差があるのか把握しておきましょう。

なお,任意保険基準の慰謝料,慰謝料の交渉,慰謝料が支払われる時期については当事務所の次のコラムでご紹介しているのでご覧ください。

任意保険基準の慰謝料について知りたい

交通事故で慰謝料の交渉について知りたい!

慰謝料が支払われるのはいつ頃なのかを知りたい!

2 【基準別】入通院慰謝料

(1)自賠責基準

1ヶ月(30日)の治療期間中に14日通院をした場合

<計算式> 
・4,300円×治療期間
・4,300円×実通院日数(実通院日数)×2
 ※金額が少ない方を適用
<例>
4,300円×30日=12万9,000円 
4,300円×14日×2=12万400円 ← 採用
※2022年3月31日以前の事故は,4,200円で計算する

(2)弁護士基準

<通常の弁護士基準による入通院慰謝料の表(単位:万円)>

   入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
通院B\A53101145184217244266284297306314321328334340
1月2877122162199228252274291303311318325332336342
2月5298139177210236260281297308315322329334338344
3月73115154188218244267287302312319326331336340346
4月90130165196226251273292306316323328333338342348
5月105141173204233257278296310320325330335340344350
6月116149181211239262282300314322327332337342346 
7月124157188217244266286304316324329334339344  
8月132164194222248270290306318326331336341   
9月139170199226252274292308320328333338    
10月145175203230256276294310322330335     
11月150179207234258278296312324332      
12月154183211236260280298314326       
13月158187213238262282300316        
14月162189215240264284302         
15月164191217242266286          

<むちうち症で他覚症状がない場合に適用される入通院慰謝料表(単位:万円)>

   入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
通院B\A356692116135152165176186195204211218223228
1月195283106128145160171182190199206212219224229
2月366997118138153166177186194201207213220225230
3月5383109128146159172181190196202208214221226231
4月6795119136152165176185192197203209215222227232
5月79105127142158169180187193198204210216223228233
6月89113133148162173182188194199205211217224229 
7月97119139152166175183189195200206212218225  
8月103125143156168176184190196201207213219   
9月109129147158169177185191197202208214    
10月113133149159170178186192198203209     
11月117135150160171179187193199204      
12月119136151161172180188194200       
13月120137152162173181189195        
14月121138153163174182190         
15月122139154164175183          

実際に通院した日数ではなく,実際に通院した期間をもとにして入通院慰謝料を計算します。

むちうち症以外の怪我の場合:通院期間1カ月,入院期間0ヵ月なので,入通院慰謝料は28万円となります。

むちうち症で他覚症状がない場合:通院期間1カ月,入院期間0ヵ月なので,入通院慰謝料は19万円となります。

自賠責基準と比べると,倍以上の差があることが分かります。

3 【基準別】後遺障害慰謝料

等級自賠責基準(2022年4月1日以降)自賠責基準(2022年3月31日以前)弁護士基準
第1級1,150万円1,100万円2,800万円
第2級998万円958万円2,370万円
第3級861万円829万円1,990万円
第4級737万円712万円1,670万円
第5級618万円599万円1,400万円
第6級512万円498万円1,180万円
第7級419万円409万円1,000万円
第8級331万円324万円830万円
第9級249万円245万円690万円
第10級190万円187万円550万円
第11級136万円135万円420万円
第12級94万円93万円290万円
第13級57万円57万円180万円
第14級32万円32万円110万円

4 【基準別】死亡慰謝料

被害者本人の立場自賠責基準(2022年4月1日以降)自賠責基準(2022年3月31日以前)任意保険基準(推定)弁護士基準 
一家の支柱400万円350万円1,500万円〜2,000万円2800万円程度
配偶者・母親400万円350万円1,200万円〜1,500万円2500万円程度
上記以外400万円350万円1,300万円〜1,600万円2000万円〜2500万円程度

5 弁護士基準で慰謝料を請求するなら法律事務所ロイヤーズハイにご相談ください

被害者が示談をする際に相手とするのは保険会社の担当者で、何度も示談交渉を行ってきた方々です。

示談交渉に慣れた相手に対して、交通事故に詳しくない方が話をしても相手にされない可能性も高く、弁護士基準で算定してくれと伝えても困難である可能性が高いでしょう。

被害者ご本人であっても交渉自体はできますが、示談金には『過失割合の算定』や『後遺障害等級の認定などが絡み、適正な慰謝料額の算定は非常に困難と言えます。

ご紹介したような金額はあくまで参考値であり、実務としてはより高額な慰謝料を請求できる可能性も十分にあります。 

治療の通院や後遺症などで時間も限られている中、知識を蓄えて交渉するよりも弁護士に依頼することで「時間・増額・安心」の3つのメリットを得ることが出来ます。

法律事務所ロイヤーズハイには交通事故の慰謝料問題に精通した弁護士が多数在籍しています。

示談交渉も得意としていますので、豊富な知識と有効なアドバイスをすることも可能です。慰謝料金額について不安を抱かれている方は、ぜひご相談ください。

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