交通事故 示談
2020.07.30 2024.06.28

交通事故の相手が、たちが悪い場合ときはどうすればいいのか?

交通事故の相手が、たちが悪い場合ときはどうすればいいのか?

交通事故に遭った時、加害者も被害者も冷静な判断をすることは非常に難しいです。その結果、相手が不快になることを言ってしまったり、思わず相手の言わるがまま行動してしまったり、と事態が良くない方向に向かうことがあります。

ここでは、交通事故が発生したときの対応を中心に、相手のたちが悪かった場合についてご説明をいたします。

1 交通事故の相手が「たちが悪い」と思った時に気を付けること 

⑴警察への事故の連絡

交通事故が発生した場合、必ず警察へ通報をいたしましょう。警察への通報は義務です。事故の発生場所、日時、誰が怪我をしているのか、どういったものが壊れたのかを説明し、現場に来てもらうようにしてください。警察への連絡を怠った場合、報告義務違反により1年以下の懲役、または10年以下の罰金となります。なお、この通報の義務は加害者側にあります。

⑵事故現場で示談に応じない

被害者は絶対にその場で示談には応じてはなりません。また、損害賠償の金額についても話すべきではありません。加害者の反省している様子や、十分な損害倍書金を提示していると判断したとしても、示談すべきではありません。交通事故の怪我は、その場では痛みを感じなかったとしても、後日痛み出すケースが非常に多いです。

後々のことを考えて、その場では示談の話しはせず、相手が加入している保険会社に連絡を入れてもらうか、保険に加入をしていないのであれば、後日に今後の流れ等を話し合うようにしましょう。

また、加害者の場合は、被害者から「事故の原因は全部自分にある、被害者の損害をすべて補償します」という一筆を書くように言われたとして、念書やメモ書きであってもしてはなりません。交通事故において一方だけに責任があるケースは稀です。被害者側にも過失があるにも関わらず、「全額補償」などといったことを約束してしまうと、責任を認めた証拠となり、保険会社より保険を使用できないと言われてしまうこともあります。

示談は口約束であっても成立します。一度成立した示談については、内容を覆すことは非常に難しいので、双方ともに具体的な金額の話、損害の対応の話はしないようにしましょう。また、加害者であっても、被害者であっても、相手のたちが悪い場合、たとえば暴言を吐いたり、一方的に話を進めたりする相手だった場合、早く話を終わらせたいからと言って了承してしまうケースがあります。そうなると、後で自身にとって悪い方向に進んでしまうことは少なくありません。適正な手続きを行うためにも、その場で示談等は行わないようにしてください。

2 交通事故を起こした時の注意点

⑴警察に通報しないでと言われたら?

交通事故の加害者が、事故現場で被害者に「修理費や治療費は出すので、警察に通報しないでほしい」と申し出ることがありますが、被害者は絶対に応じてはなりません。先ほど述べたように、交通事故があった場合は、先ほども述べましたように、必ず警察に通報をしなければならないとされています。

加害者が警察に通報をすることを嫌がる理由は、業務中の事故や免許取り消しまたは免許停止を逃れたいといったものです。被害者の良心に訴えて、なんとか通報しないようにとする加害者もいますが、警察に通報しないことによって、得があるのは加害者だけであり、被害者には何のメリットもありません。警察への通報は義務ですので、加害者へ説明をし、それでも相手が渋るようであれば、被害者から行ってください。被害者が行うことについては何ら問題ありません。

⑵保険会社と通さずに直接交渉

加害者の保険会社の対応が悪い場合、被害者は保険会社を通さずに直接加害者に連絡をし、損害賠償を請求するケースがあります。

双方に過失がある場合は、双方の加入している保険会社同士が協議をし、損害賠償の内容について話を進めていきます。しかし、被害者側に過失が0%の場合は、被害者側の保険会社は示談交渉を行いません。よって、被害者は加害者の保険会社とやりとりを行うこととなります。加害者側の保険会社が被害者の心情を考慮しながら示談が成立すればいいのですが、実際は、保険会社の対応が酷く、被害者は「保険会社の対応に納得がいかないから、加害者本人へ損害賠償を請求する!」と考える方もいます。

請求をすることは自体は違法ではありません。被害者の損害賠償の支払い義務を負っているのは加害者だからです。多くの場合は、加害者が任意保険会社に加入をしている場合は、示談代行サービスがあり、被害者対保険会社間で示談を行いますが、加害者と保険会社の契約には「被害者が、保険会社との直接交渉を受け入れない場合は、示談代行は行うことはできない」とされています。

では、この場合の「たちが悪い加害者の場合」と「たちの悪い被害者の場合」をご説明します。まず、たちが悪い加害者の場合、「保険会社に一切を任せているから応じない」となることが多いです。また、一切の連絡を無視することがあります。

次に、たちが悪い被害者の場合、加害者に行き過ぎた損害賠償金を請求し、執拗な取り立てをすることがあります。払わなければ、電話で恐喝まがいな電話をしたり、家に突然来たりなど嫌がらせをするケースがあります。

どちらの場合であっても、当事者本人では手が負えない状況になる前に、弁護士に相談をしましょう。なお、弁護士が入ったにも関わらず、被害者が加害者に執拗に連絡をした場合、違法として評価され、罪になってしまうこともあります。相手に弁護士が入った場合は、同じく弁護士を入れるようにしましょう。

3 交通事故の加害者・被害者の責任とは?

交通事故後の相手へ対応する際の注意すべきポイントを述べましたが、そもそも加害者には、交通事故において、どのような責任があるのでしょうか?

⑴加害者の責任

交通事故において加害者の責任は「民事責任」「刑事責任」「行政上の責任」の3つがあります。

①民事責任

民事責任は、加害者が被害者に与えた損害を賠償する責任、いわゆる損害賠償責任のことです。治療費や休業損害、慰謝料といったものが損害の主な内容となりますが、これは加害者の【不法行為】が原因で発生した被害者の損害のため、加害者は支払いをしなければなりません。この支払う金額を具体的に決めていく手続きが、被害者と加害者で行われる「示談交渉」となります。

②刑事責任

交通事故は、犯罪とされています。よって、懲役刑や、禁固刑、罰金刑に処される可能性があります。交通事故の場合は、自動車運転処罰法が適用されます。人身事故の場合は、自動車運転過失致死傷罪といったものがあり、加害者は7年の懲役刑または禁固刑、100万円以下の罰金に処される可能性があります。

なお、これは通常の運転時であり、飲酒運転などの悪質であり危険なケースの場合は、危険運転致死傷罪にて被害者が怪我をした場合は15年以下の懲役刑、死亡した場合は1年以上20年以下の懲役刑となる可能性があります。死亡するかもしれないと予想をしながらも、逃げるために被害者を引きずって運転し、そのまま被害者が死亡した場合は、殺人罪とされることもあります。飲酒運転やひき逃げについては、道路交通法にも違反しているため。さらに罪は重くなります。

③行政上の責任

公安委員会により、免許の取り消しや免許の停止処分を受けます。人身事故は、免許の点数が加算されます。死亡事故や飲酒運転等は1度で高い点数を加点され、1回で免許取り消しになることもあります。なお、これは完全に公安委員会=国が決定するため、被害者の希望は通りません。

よって、交通事故の損害賠償については、民事責任となります。

⑵被害者の責任

さて、交通事故の被害者には責任はあるのでしょうか?

これは過失割合が大きく影響します。もし、被害者側にも過失が発生した場合には、加害者と同じく【民事責任】があり、相手に過失割合分に応じて損害賠償金を支払わなければなりません。この支払わなければいけない金額は、時として非常に納得しがたい場合もあります。

例えば、高級車と衝突事故を起こした場合、被害者側の過失割合が低いにも関わらず、被害者側が賠償責任を負う金額が、加害者側の損害賠償金を上回る場合もあります。この際、支払いを拒否することはできませんので、自身が加入している保険を使用して支払うこととなります。

4 交通事故相手のたちが悪い場合は、大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

交通事故は相手を選ぶことができません。相手が保険に入っていない無保険者だったり、たちの悪いタイプの人の場合だったりすることもありえます。

まずは、自動車を運転する際には任意保険に加入をしておくことが大事です。もし、入っていない状況で事故に遭ってしまったら、たちの悪い相手と示談交渉をしなければいけなくなる可能性が出てきます。

もし、今この記事を読んでいる方の中で、相手のたちが悪く困っている場合は、大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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