交通事故 慰謝料 示談
2020.08.31 2022.11.15

慰謝料と示談金の違いについて知りたい。

慰謝料と示談金の違いについて知りたい。

交通事故の被害に遭い、相手の保険会社とお話をしていると、初めて聞く言葉も多いと思います。

その中で、被害者であるご相談者様からはよくこういった質問を頂きます。

「保険会社から慰謝料について話があったけど、示談金とは別にもらえるの?」

「示談金について話はあるけど、慰謝料について話がないのですが、どうなっているのでしょうか?」

慰謝料と示談金という言葉の違いや関係性を知らないままでいると、保険会社からのお話もなかなかわかりづらいかと思います。

ここでは「慰謝料」と「示談金」の違いについてご説明をさせていただきます。

慰謝料と示談金の意味

まずは、慰謝料と示談金の言葉の意味を確認しましょう。

慰謝料とは

慰謝料とは、精神的、肉体的な苦痛に対しての損害賠償金のことをいいます。事故によって怪我を負ったり、後遺症が残ったりすることで、被害者の方は精神的に大きなダメージ受けると考えられるため、損害賠償を受けることができるとされます。

なお、交通事故の被害者の方が請求できる慰謝料には3種類あります。

・入通院慰謝料(傷害慰謝料)

被害者の方が交通事故の怪我により、入院、通院を余儀なくされた場合において、被害者の受けた精神的苦痛に対する賠償金をいいます。

・後遺障害慰謝料

交通事故により傷害を負い、さらに後遺障害が残存し、その結果第三者機関の審査を受け、後遺障害等級の認定が下りた場合、後遺障害が残ったことに対する精神的な苦痛を賠償するためのものとなります。

・死亡による慰謝料

交通事故の被害者が亡くなってしまった場合にもらう慰謝料です。これは、死亡させられたことに対する本人への慰謝料と、被害者の遺族の方(相続人)への慰謝料があります。

示談金とは

示談金とは、損害賠償について、被害者と加害者(もしくは加害者が加入する任意の保険会社)と話し合いの中で決定された、双方の合意の元に支払われる損害賠償金のことをいいます。

一般的に、不法行為を行った場合において、加害者から被害者へと示談金が支払われます。

不法行為とは、第三者に対して、故意や過失による行為の結果、損害を発生させることをいいます。

不法行為を行った加害者は、損害賠償を被害者に対して行わなければなりません。基本的に双方で金額を決めることになりますが、損害賠償金を支払うためには、その金額や支払い条件をしっかりと合意したうえで決めてから行わなければ、後々のトラブルが発生する可能性があります。

このように、当事者間の間で損害賠償の金額や条件について話し合いを行うことを「示談」または「示談交渉」といいます。

そして、示談交渉の結果として、加害者から被害者に支払われるものが「示談金」となります。

示談金を被害者の方が受け取ると、示談成立となるため、例外的な場合を除いては、被害者は加害者に追加で別途の損害賠償金を請求することはできません。

慰謝料と示談金の違い

では、慰謝料と示談金の違いはなんでしょうか?

示談金の内訳

先ほども述べたように、示談金とは、示談交渉に基づいて決定される金額です。

ここには、一般的には治療費や休業損害、逸失利益、そして慰謝料等、すべての損害に対する損害賠償金が含まれています。

つまり精神的な苦痛に対する「慰謝料」は、あくまでも損害倍書金の一部になります。

よって、交通事故の被害者の方は、示談金よりも先に慰謝料だけを先に受け取ることはあまりありません。

通常、慰謝料は、示談が成立した段階で、示談金の一部として受け取ることになります。

稀に、被害者の方の中で、生活が困窮しており、先に「慰謝料の先払い」として保険会社から支払われるケースもありますが、もちろん最終の示談時には既払い金額として差し引かれます。

示談金がもらえるのはどんなときか

被害者の方が、示談金をもらえるときは、当事者間が双方合意し、示談が成立したときとなります。

双方どちらかが納得していないのであれば、示談金を受け取ること、支払われることはありません。

結論として、示談金と慰謝料の違いをまとめると、慰謝料は示談金の一部である、示談金の内訳項目の1つである、ということで、別々のものではないということです。

よって、先ほども述べたように、示談金と慰謝料を被害者の方がもらえるタイミングは、「同時」ということになります。

損害賠償金と示談金の関係

損害賠償金とは

損害賠償金とは、不法行為によって被害者が与えられた損害について、加害者が賠償するための金銭をいいます。

先ほどご説明をした「示談金」は、当事者間の示談交渉によって決定された損害賠償金となります。

よって、加害者の保険会社と示談交渉を行い、受け取る損害賠償金は示談金と同じ意味ということになります。

たとえば、調停や紛争処理センターといったADR機関での解決により支払いを受ける際の損害賠償金は、「示談金」とは言いません。

そういった時は、「損害賠償金」か、もしくは「調停による和解金」、「ADRにより和解金」と言われることが多いです。

また、訴訟を起こし、裁判所によって被害者に支払われる損害賠償金について決定された場合も「示談金」とは言いません。

裁判によって決められた金額については「損害賠償金」と呼ばれます。

つまり、交通事故においての損害賠償金は、生じた損害を必要かつ相当な範囲で賠償するための金額をいい、その金額について示談で合意した場合には示談金、その他の場合は先ほどの述べたように解決手段により異なる場合があるということです。

よって、「損害賠償金」と「示談金」も同じ意味になる場合もあれば、そうではない場合もあるということになります。

損害賠償金の内訳

交通事故の損害賠償金の内訳はどういったものがあるのでしょうか?

慰謝料を含めて、損害賠償金の代表的なものは下記となります。

・慰謝料:精神的、肉体的な苦痛に対して支払われるお金。

・治療費・入院費:診察費、検査費用の他手術費等の怪我の治療にかかる費用。入院でかかる布団使用料や通信費、栄養費などの諸雑費も含まれる。

・通院交通費:入院時や通院にかかった公共機関の交通費や駐車場代。タクシー代については必要かつ妥当と判断された場合は請求可能となる。

・付添看護費:入院や通院において、医師が被害者に付添が必要であると判断した場合、もしくは12歳以下の子供の方が被害者で付添が必要な場合の費用。

・装具等費用代:眼鏡やコンタクトレンズ等。また、義肢や車椅子など、治療や後遺障害で必要となった費用。

・家屋等改造費:後遺障害により自宅のバリアフリー化が必要となった際の費用。スロープを作ったり、手すりを作ったりした場合の費用。

・休業損害:交通事故の怪我により、本来得るはずだった収入の減収分。主婦(主夫)の方も家事従事者として請求が可能。

・逸失利益:交通事故による後遺症がなければ、被害者が得られるはずだった将来の経済的な利益。

・葬儀関係費用:被害者が死亡した場合における、葬儀に関係する費用。墓地や香典返し等は含まれません。

・車両修理費:自動車やバイク、自転車を含む車両の修理にかかった費用。

・物損費用:交通事故が原因で破損したもの(例:携帯電話やヘルメット、車内積載品等の携行品)の買替、もしくはその修理費用。

これらはあくまでも代表的なものであり、事案によって異なりますので、被害者の方は、ご自身の事故の場合はどういったものが請求できるかは、弁護士に相談することをおすすめします。

示談金や慰謝料についてのご相談は、大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイへ

慰謝料と示談金の違いについてご説明をさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

交通事故は聞きなれない単語をよく耳にするかと思います。

保険会社は被害者の方に知識がないことをいいことにわざと難しい用語を使い、わからないようにする傾向もあります。

そのままにしておくと被害者の方が大きく損をしてしまう可能性もあります。

些細な質問でも問題ございません。示談金や慰謝料についてのご質問は、交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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