交通事故 弁護士相談
2020.10.05 2024.04.25

交通事故で完全成功報酬の弁護士について知りたい

完全成功報酬の弁護士について知りたい

交通事故の被害に遭い、弁護士に依頼をしたい、という被害者の方の中にも費用が心配で、今一歩進めない方もいらっしゃいます。

弁護士費用は、その仕組みを知れば、方法次第では安く抑えることが可能です。

ここでは、弁護士費用の料金体系の一つである【完全成功報酬制】を中心に説明をさせていただきます。

1 完全成功報酬制とは?

(1)示談金が増額した場合

完全成功報酬制とは、保険会社から提示された示談金から、弁護士が介入したことにより増額した分の一定の割合だけ、弁護士費用を支払うというという料金体系です。一定の割合は各法律事務所によって異なりますので、法律相談の際に確認するようにしましょう。

完全成功報酬制は、弁護士が示談交渉に入り、増額に成功した場合のみ弁護士費用を被害者の方が支払うこととなります。

(2)示談金が増額しなかった場合

完全成功報酬制は、あくまでも【増額に成功した場合】において費用を支払うことになります。そのため、万が一、示談金が増額しなかった場合は、実費費用を含めて、弁護士費用は被害者の方には一切かからないとされています。

示談金が増額しなかった場合は、そのまま当初相手の保険会社より提示された金額を示談金として受け取ることなります。

弁護士に依頼し、増額したにもかかわらず、弁護士費用を支払った結果、被害者の方が受け取ることできる示談金が減ってしまったら、弁護士に依頼するメリットはありません。費用倒れという心配が、完全成功報酬制にはありませんので、経済的に厳しい方、弁護士費用が気になる方も不安なく依頼をすることができるでしょう。

ただし、ここで注意しなければいけないことは、完全成功報酬制を取っている法律事務所の中には、一定の業務のみ(たとえば保険会社との示談交渉)が、完全成功報酬制であり、裁判やADR機関への移行、加害者との直接交渉の際は別途費用がかかることもあります。

必ず法律相談時に確認をするようにしましょう。

2 弁護士費用の仕組み

ここで弁護士費用の仕組みについて、弁護士費用の料金体系の中でも大きな差が出る、【旧報酬規定】と【成功報酬制】について解説します。

(1)旧報酬規定と成功報酬制

①旧報酬規定

旧報酬規定とは、独占禁止法で禁止されるまで一律弁護士費用が定められていた時の料金体系をいいます。2004年以降に廃止されてからは、弁護士が自由に着手金や報酬金を定めています。一方で、大手の事務所では、現在でもこの旧報酬規定を踏襲して弁護士費用を定めているところも多いです。

以下が旧報酬規定です。

経済的利益 相談料 着手金 報酬金
300万円以下 5,000円 8% 16%
300万円以上3000万円以下 5,000円 5%+9万円 10%+18万円
3000万円以上3億円以下 5,000円 3%+69万円 6%+138万円
3億円以上 5,000円 2%+369万円 4%+738万円

経済的利益とは、治療費や休業損害、慰謝料等被害者の方が受け取れる金額の総額=示談金を指すことが多いです。

※各法律事務所で定義が異なります。

被害者の方が、もしも弁護士費用を自己負担する場合や、経済的にあまり余裕がない場合は、この旧報酬規定の事務所はおすすめできません。

成功報酬制とは異なり、示談金増額が成功しなかった場合や、ある程度想定していた金額よりも低い場合でも、弁護士費用は支払わなければなりません。

また、ある一定の報酬金が固定されていることから、弁護士費用が高くなりやすく被害者の方の負担が大きいです。

②成功報酬制

成功報酬制とは、弁護士が示談交渉に介入し、交渉をした結果、示談が成立し、依頼者である被害者の方に利益が発生した場合、その結果の程度に応じて報酬が支払われる料金体系です。

一見、完全成功報酬制と似ていますが、成功報酬制の場合、報酬金は一定の金額が定められています。

成功報酬制の料金体系を取っている法律事務所は、

【法律相談料無料、着手金無料、報酬金20~30万円+示談金の10~20%】が相場です。

このように、成功報酬制の場合、弁護士費用は示談が終了した段階で、示談金より精算されます。そのため、法律相談料や着手金の支払いが厳しい、金銭的に余裕がない方については、こちらの料金体系を採用している事務所に相談すると良いでしょう。

(2)弁護士費用の内訳

弁護士費用と一言で言っても様々な種類があります。上記の表で一部記載させていただきますが、改めて以下でご説明をさせていただきます。

①相談料

弁護士に相談をし、依頼者の相談内容に応じて、弁護士から解説、またその問題に対するアドバイスを受けることで、発生する費用を相談料と言います。1時間5,000円~10,000円としている法律事務所が多く、最近では、相談料を無料としている法律事務所も増えてきています。

②着手金

弁護士に依頼をし、弁護士が事件に着手することが確定した段階で発生する費用を着手金といいます。初期費用と考えるとわかりやすいでしょう。

前払い金の性質があることから、示談の結果が被害者の方の意にそぐわないものであったとしても、途中で弁護士を解任したとしても、返金はされません。

交通事故の場合は、10~20万円程度が相場となりますが、事故の規模や被害者の方の怪我の程度によっては、示談交渉の難易度が異なりますので、場合によっては、30万円以上の場合もあります。

③報酬金

弁護士の介入によって示談の成立がなされ、事件が解決した段階で支払う料金を報酬金といいます。

上記でご説明をさせていただいたように、料金体系でその相場は変わりますが、共通して言えることは、示談金により変動することになるという点です。

④実費

交渉時に相手の保険会社に郵便物を送る費用や病院の資料を取り付けるための手数料など、事件を進めるうえで、実際にかかってしまう費用を実費といい、依頼者の方は支払わなければなりません。

裁判の場合は収入印紙代、また後遺障害等級申請時のCTやMRIといった画像の取り付け代、通信費用も実費として支払うことになります。

相場は案件にも寄りますが、ある一定額を事前に支払う場合や、実費が発生する度に精算する場合、また、一旦法律事務所で立替えて、報酬金の支払い時に精算する場合と、法律事務所によって異なります。

⑤日当

日当とは、弁護士が事務所から離れて、事件について動くときに発生する費用です。遠方の裁判所に行くときや、被害者の方の主治医に会うために病院へ行くときの費用などが含まれます。

相場は実費と同じく事案に寄りますが、弁護士を半日拘束することになると3~5万円、泊りなど、1日拘束する場合は5万円~10万円はかかります。

3 成功報酬制の注意点

(1)依頼して赤字になる可能性もある

成功報酬制の場合、一番注意しなければいけないことは、事案によっては赤字になる=費用倒れになる可能性もあるということです。

物の損害のみの事故(物損事故)や比較的に軽い怪我である軽微な人身事故の場合、示談金が低額になります。成功報酬制の場合、報酬金は示談金から差し引かれますので、仮に示談金が5~20万円程度であった場合、報酬金よりも弁護士費用が上回り、被害者の方にとっては赤字となります。

心配な方は、必ず弁護士に相談をした際に費用倒れの可能性がないかを確認することにしましょう。示談案の提示が保険会社からきている場合は、その書面を弁護士に確認してもらうことをお勧めします。

(2)裁判を起こす場合には費用が発生する場合もある

一般的に交通事故の問題は、示談交渉で解決をすることがほとんどです。しかし、加害者側と折り合いがつかない場合においては、裁判へ移行せざる得ない場合もあります。

この場合、成功報酬制であっても、別途費用がかかる可能性があり、着手金で20~50万円かかります。また、損害賠償金によって金額は異なりますが、訴訟を起こすための収入印紙や郵券代、日当もかかるケースがほとんどです。

なお、旧報酬規定では、上記に述べた表が基本ではありますが、法律事務所によっては追加料金を定めているところもあります。

(3)弁護士特約を利用すれば費用の負担がない

弁護士特約とは、交通事故問題において、弁護士の費用を被害者の方が加入する任意保険会社が補償してくれるものです。

主に自動車保険にて加入できる特約の1種ですが、火災保険やクレジットカードの保険にもついている時があります。

使用には保険会社の同意が必要ですので、事故の概要を保険会社に説明をし、弁護士特約を使用したい旨を伝えるようにしましょう。

弁護士特約を使用できれば、弁護士費用は基本的には保険会社が負担をします。各保険会社で上限額が定められていますが、多くの保険会社が、法律相談料は10万円、弁護士依頼関係費用は300万円までと支払い限度額を設けていますが、超えることは滅多にありません。

また、被害者の方が亡くなったり、怪我が重傷であったりする場合は超える可能性はありますが、被害者の方本人で示談をするよりも、弁護士を入れたことによる増額分が多いことから、弁護士に依頼はする方が良いと言えます。

基本的には、弁護士が介入したことで増額した分を、弁護士費用の差し引きなく、被害者の方は示談金として回収できます。

なお、弁護士特約はデメリットがあまりありません。

何故なら、使用することで、等級が下がり、保険料が上がることもないからです。

あえてデメリットを上げるとすれば、年間でのオプション保険料が約1,500円~3,000円はかかることです。

しかし、弁護士特約がなければ、弁護士費用は数十万円かかるのに対し、弁護士特約があれば、年間たった数千円で、弁護士に依頼でき、示談金が増額できると考えれば、そこまで大きなデメリットとは言えないでしょう。

4 弁護士への相談は、交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイへ。

弁護士の費用についてご説明をさせていただきましたが、いかがでしでしょうか?

選んだ法律事務所の料金体系によって被害者の方が受け取れる金額は大きく異なります。

ロイヤーズ・ハイでは、弁護士特約のない方に関しては、成功報酬制でご案内をさせていただいております。

また、被害者の方が決して損をしないように、弁護士費用については臨機応変に対応をさせていただいております。

弁護士へのご依頼をお考えの方はぜひ一度、大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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