交通事故 交通事故基礎知識 届出
2020.10.09 2022.11.15

交通事故の届け出を後日行っても大丈夫なのか知りたい

交通事故の届け出を後日行っても大丈夫なのか知りたい

交通事故が発生すると気が動転してしまう方がほとんどです。

そのような中で、お互いに怪我がなかった場合、車の傷も目立たないといった小さな事故については、警察への連絡、届け出をつい怠ってしまいたくなることもあるでしょう。

しかし、これは決して怠ってはなりません。

ここでは警察への交通事故の届け出をする必要性・重要性についてご説明をいたします。

交通事故の届け出を後日行っても大丈夫か?

交通事故の届け出は義務

交通事故が起きた場合、届け出は義務です。必ずその場で警察に通報をしてください。当日に連絡をせず、後日に報告をした場合、受付をしてもらえないこともありえます。

なお、基本的には、警察への通報は加害者側が行いますが、被害者の方だけでなく、加害者も怪我をし、双方ともに警察に通報できない状況もあります。こういった場合は、周囲の目撃者の人が救急車を呼ぶだけでなく、警察にも通報してくれると考えられますので、問題ありません。

また、加害者の中には、警察へ通報することを渋る人もいます。加害者側の事情は様々ですが、警察に通報をしないことは被害者の方にとっての得は、全くありません。

警察への報告は加害者の義務ではありますが、被害者の方が行ってはいけない理由はありませんので、警察への通報は義務であると説明し、それでも渋るようであれば、被害者の方から連絡をするようにしましょう。

報告期限と事項

報告期限は特段定められていません。しかし、原則、事故の通報はその場で行う必要があります。怠ることは報告義務違反となり、刑事罰が科せられる場合があります。また、交通事故証明書が発行されない場合もあります。

なお、交通事故の届け出は、現場で警察に通報し、到着を待つだけです。到着をした警察には以下の内容を報告することが、道路交通法により義務とされています。

・交通事故が発生した日時、場所

・死傷者の人数、および負傷者の人数と怪我の程度

・交通事故により損傷した物と損傷の程度(事故が原因のものか否か)

・交通事故に関係する車両等の積載物

・交通事故について双方が行った措置

・交通事故当事者である互いの身元、および連絡先

報告義務違反になる可能性

冒頭で、後日に警察に報告をした場合、受け付けてもらえない可能性があるとご説明を致しましたが、全くできないわけではありません。

しかし、事故の発生日から日が経過している場合、警察からすると【本当に事故があったのか?】と疑わざる得ない状況になり、受理は非常に慎重となります。

また、申請する当事者も、事故発生日と矛盾しない診断書や、車両が事故当時も使用されていたのか、そしてなぜその場ですぐに通報しなかったのかと、必要書類を用意、また説明をしなければならないこともあります。

そして、仮に後日に届け出をし、受理をなされたとしても、場合によっては、報告義務違反として、処罰が科せられるかもしれません。詳しくは次でご説明をいたします。

交通事故の届け出をしなかった場合

道路交通法違反

そもそも、交通事故に遭った際に、事故の発生を警察に通報をすることは、物損事故、人身事故に関わらず、【義務】として、道路交通法の第72条に定められています。

【交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。(道路交通法 第72条 引用)】

この道路交通法に違反すると、3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

これは、相手がいる交通事故はもちろん、相手がいない自損事故の場合でも、必ず通報しなければなりません。自損事故の場合は、物を破損させてしまっている可能性があるからです。必ず速やかに警察に連絡するようにいたしましょう。

交通事故証明書が発行されない

交通事故証明書とは、公的に交通事故が遭ったことを示す証明書です。この証明書を作成するためには必ず警察に通報をしなければなりません。

何故ならば、先ほど述べた報告事項を基に、警察が交通事故証明書の作成を行っていくからです。

警察が精査した情報は、自動車安全運転センターへ流れ、【交通事故証明書】が発行されます。

なお、交通事故証明書には、事故が発生した日時や場所以外に、当事者双方の住所や氏名、生年月日、場合によっては電話番号が記載されます。また、車両については、車両番号、自賠責保険の会社名と証明書番号、最後に事故類型が記載されています。

この住所や氏名、生年月日については警察が現場で確認をした運転免許証や車検証のものとなります。

このように警察が聴取、確認をしたものをベースに交通事故証明書は作成、発行されることから交通事故の届け出をしなければ、交通事故証明書は発行されません。

保険金がもらえない

「公的な証明書であるだけであれば、交通事故証明書は必要ないのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、交通事故証明書は事故の当事者の方にとっては必要となる書面です。この交通事故証明書の必要性があるといえる大きな理由は、「保険金を請求する」際に必要であるという点です。

保険会社は交通事故証明書がない場合においては、保険の適用を拒否する可能性があります。つまり、加害者の加入する任意保険会社に、治療費や車の修理費を請求しても、被害者の方が補償を受けられない場合があるということです。また、加害者側の保険会社だけでなく、被害者の方が加入する任意保険の、人身傷害保険や車両保険も使用ができなくなる恐れもあります。

つまり、交通事故で受けた損害の補償、保険金を受けるためには、交通事故証明書は必ず発行しなければならなく、また交通事故証明書は警察に通報をしなければ作成されることはありません。よって、警察への通報は、義務でもありますが、保険金の面でも非常に重要といえます。

注意しなければならない点は、交通事故証明書の発行は永久的にできるわけではありません。原則として、事故発生から、人身事故は5年、物損事故は3年とされています。

交通事故に遭われた方は、大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイへご相談ください。

交通事故の届け出をすることの必要性・重要性をご説明させていただきましたがいかがでしたでしょうか?

重ねて述べますが、交通事故の警察への報告は道路交通法上で決められている義務です。報告を怠ることで、刑事罰を受け、さらには保険金を受け取れない危険性があります。

よほどの事情が無い限りは後回しにはせず、物損事故、人身事故、事故の規模に関わらず、その場で警察に報告をしましょう。

交通事故の被害に遭われた方は、交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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