交通事故 交通事故基礎知識 被害者請求
2020.10.13 2022.11.15

自賠責保険の請求の種類と請求方法を知りたい

自賠責保険の請求の種類と請求方法を知りたい

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)とは、自動車事故による人身事故の被害者の方を救済するために、原付を含むすべての車両が、自動車損害賠償保障法という法律によって、加入を義務付けられている強制保険です。

この保険は「他人の怪我に対する賠償」を請求することが可能であるため、事故の当事者が使用する場合は、相手側の自賠責保険へ請求する必要があります。

なお、物損事故や自損事故の損害については、自賠責保険は対象外です。

ここでは、自賠責保険へ請求する際の種類とその請求方法についてご説明を致します。

自賠責保険の請求の仕組み

自賠責保険へ請求する方法は、「被害者請求」と「加害者請求」の2種類があります。

被害者請求

何らかの理由で、加害者の方から賠償を受けることができない場合、加害者の方が加入している自賠責保険会社へ、被害者の方が直接、損害賠償金を請求する方法です。

自賠責保険は冒頭でご説明をしましたように、「被害者の救済を目的」としているため、被害者の方からの直接の請求も認められています。

また、治療の途中、つまり損害賠償金が確定していない段階であっても請求は可能です。

加害者請求

加害者の方が被害者の方や病院へ治療費や通運の交通費などの損害賠償金を支払ったあと、加害者の方が自身の加入する自賠責保険会社へ保険金を請求する方法です。

加害者の方は損害賠償金を支払った限度において、損害賠償金が確定していない段階でも保険金の請求が可能となります。

ただし、病院への治療費立替払い請求といった、加害者の方が実際に支払っていない賠償金については、請求はできません。

請求に必要な書類

損害賠償金や保険金を請求し、受け取るためには、様々なことを証明する必要があることから、自賠責保険への請求はどちらの方法であっても必要書類が多数あります。

まず、以下は提出の基本となる書類です。

・自賠責保険金支払請求書兼支払指図書

・交通事故証明書

・事故発生状況報告書(説明書)

・請求者の印鑑証明書

・診断書・診療報酬明細書

これらは、被害者請求であっても、加害者請求であっても必ず必要となります。また、被害者請求と加害者請求、さらには事故の内容、請求者の方が成人か未成年かで、必要書類が異なります。

死亡事故の場合は、死亡診断書または死体検案書の原本、省略のない戸籍(除籍)謄本が必ず必要となります。

また、未成年者の場合は、法定代理人である親権者が請求者となるため、続き柄の表示がある住民票または戸籍抄本を揃える必要があります。

被害者請求の方法

加害者が加入している自賠責保険会社を確認

被害者請求の場合、被害者の方はまず、加害者の方が加入している自賠責保険会社を確認する必要があります。

確認方法としては、加害者の方から自動車に備え付けられている自賠責保険証明書を提示してもらいましょう。

もし、加害者の方が提示を拒んだ場合は、自動車安全運転センターが発行する交通事故証明書を取り付ければ、記載されています。

請求書類一式をもらう

請求書類一式は、加害者の方が加入する自賠責保険会社へ問い合わせをすれば、窓口かもしくは郵送で取得することが可能です。

必要な書類に記入

保険会社から送られてくる請求書類一式のセットには、書式フォーマットと記入例、並びに請求に必要な書類の一覧が揃っていますので、それらを参考に必要書類を整えます。

なお、支払請求書兼支払指図書には、加害者車両の自賠責保険の契約者名や車両の保有者名など、交通事故証明書に記載がなく、被害者の方にはわかりかねる、加害者の方の情報を記載する欄が設けられています。

これについては、加害者に聞いて分かればいいのですが、わからない場合は、空欄でも基本的には受付処理はされますので、ご安心ください。

診断書・診療報酬明細書については、加害者の加入する任意保険会社が治療費を支払っている場合は、任意保険会社が保管しているので受け取るようにしましょう。基本的には任意保険会社で治療費を支払ってもらえていた場合は、コピーでも可能です。

健康保険で通っていた場合は請求書類一式の中に、健康保険用の診断書・診療報酬明細書がありますので、病院にて発行をしてもらうようにしましょう。その際にかかった文書料は、領収証の原本をつけて提出をすれば問題ありません。

また、接骨院や整骨院で施術を受けていた場合は、施術証明書・施術費明細書が必要となります。この場合も診断書・診療報酬明細書と同じく、任意保険会社が支払いを行っていたのであれば保険会社から、自己負担であれば、通っていた接骨院・整骨院に作成してもらうようにしましょう。

加害者請求の方法

被害者へ損害賠償金を支払う

加害者請求では、まず加害者の方は、被害者の方から請求された治療費等の損害賠償金を支払います。

その時に加害者の方は、加害者の方宛の領収証を受け取るようにしましょう。領収証には、加害者の方のお名前、金額、名目、支払年月日、受取人である被害者の方の署名・捺印が必要となります。

必要な書類に記入・提出

加害者請求の場合、先ほど述べた必要書類に加えて、加害者の方のお支払いを証明する領収証が必要となります。

また、必要書類の1つである、診断書・診療報酬明細書については、加害者の方は、被害者の方の同意が必要となります。医療機関から取り付ける診断書・診療報酬明細書には個人情報は記載されているため、加害者の方は被害者の方の同意なしには取り寄せることはできません。

被害者の方からの同意書を取り付けて、医療機関へ提出し取得することとなります。

加入している自賠責保険会社へ請求

必要書類が揃ったら、加害者の方は加入している保険会社へ保険金を請求します。この請求した日を請求完了日といいます。

請求完了日から、その日を含めて30日以内に、自賠責保険会社は加害者の方に保険金を支払うこととされています。

ただし、事故原因や態様、被害者の方の損害額、治療の内容等、保険金支払いの義務があるか否かと、保険金額を確定するための事実調査の関係で30日以上かかる場合もあります。

なお、加害者の方は、限度額の範囲内であれば何度でも請求は可能です。

交通事故問題については、大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

自賠責保険への請求の種類、また方法についてご説明をさせていただきました。

加害者請求については、加害者側からすると、非常に手間で、被害者請求をしてもらった方が手間はかかりません。なお、加害者の方が任意保険会社に加入していれば、保険会社が一括支払制といって、保険会社が最終的に加害者請求の対応を行ってくれます。

しかし、被害者の方が行う、被害者請求の場合はそうはいきません。

加害者の方が任意保険に入っておらず、協力的でない場合や、後遺障害の申請など相手の保険会社に任せておくことが不安な場合、被害者の方は、手間をかけて、ご自身で行わなければなりません。

日常生活を送りながら、書類を集めたり作成をしたりすることはかなり負担になるかと思います。

こういった時に弁護士に依頼をすれば、被害者の方の代わりに手続き関係を行ってくれます。また、100%被害者の方の味方なため安心して任せることができます。

被害者請求についてお考えの方は、大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイに一度ご相談ください。

このコラムの監修者

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