交通事故 交通事故基礎知識 後遺障害
2024.01.05 2024.01.05

【原則】交通事故で脾臓摘出したら後遺障害の認定はどうなる?

【原則】交通事故で脾臓摘出したら後遺障害の認定はどうなる?

脾臓は,左脇腹にあるにぎりこぶし大の臓器で,古い赤血球を壊す,抗体を作る,新しい血液を溜めるなどの役割を担っています。

当コラムでは,交通事故で脾臓を損傷してしまい,摘出して残った後遺障害についてご説明いたします。

目次

1 交通事故による脾臓摘出とは?後遺障害等級と慰謝料の相場

交通事故で腹部左側を強く打撲する,高所から転落するなどすれば,脾臓を損傷します。

症状が重く,腹腔内に出血しており,摘出する以外に出血を止める方法がなければ,脾臓摘出を行います。

脾臓は肺炎球菌などの細菌に対する防御機能を持っています。

そのため,脾臓を摘出すれば免疫機能を低下させ,感染症に罹患する危険性が増えます。

脾臓摘出の後遺障害は,13級11号が認定されます。

等級後遺障害弁護士基準自賠責基準
13級11号胸腹部臓器の機能に障害を残すもの180万円57万円

2 交通事故による脾臓摘出後遺障害の損害賠償請求方法は?

⑴後遺障害診断書を作成してもらう

交通事故を原因とする後遺障害が残れば,後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益などの後遺障害に関する損害も,損害賠償請求することができます。

ただし,後遺障害に関する損害も含めて損害賠償請求するには,後遺障害等級認定を受けなければいけません。

後遺障害等級申請には,後遺障害診断書が必須です。

そこで,主治医に「症状固定です。」と診断されたら,後遺障害診断書の作成を頼みましょう。

なお,加害者に請求できる損害賠償項目については当事務所の次のコラムでご紹介しているのでご覧ください。

交通事故で加害者に請求できる14個の項目を弁護士が徹底解説!

⑵必要書類を準備する

後遺障害申請するためには,後遺障害診断書以外には,交通事故証明書や事故発生状況報告書などの必要書類があります。

被害者請求を行うのであれば,必要書類を用意しておきましょう。

【被害者請求の必要書類】

支払請求書
印鑑証明書
交通事故証明書
事故発生状況報告書
診断書
診療報酬明細書
※施術証明書・施術費明細書
※休業損害証明書,確定申告書(写),所得証明書など
※住民票または戸籍抄本(事故当事者が未成年の場合)
※委任状および委任者の印鑑証明書(弁護士に依頼したような場合)
※看護料領収証,付添看護料自認書
※その他損害を立証する書類,領収証など
後遺障害診断書

※:必要に応じて提出する書類

⑶後遺障害申請する

後遺障害申請は,事前認定(加害者請求)または被害者請求のどちらかの方法で行います。

①事前認定(加害者請求)

加害者請求では,後遺障害診断書を書いてもらってから認定を受けるまでは以下の流れになっています。

(ア)加害者側の任意保険会社に後遺障害診断書を提出する

被害者は,加害者の加入している任意保険会社に後遺障害診断書を提出します。

任意保険会社は,後遺障害診断書以外の必要書類を集めます。

(イ)任意保険会社が自賠責保険会社に必要書類を提出する

任意保険会社は,加害者側の自賠責保険会社に必要書類を提出します。

(ウ)自賠責保険から損害保険料率算出機構に必要書類が送られる

自賠責保険会社は,必要書類を確認してから,損害保険料率算出機構に書類を提出します。

(エ)損害保険料率算出機構が審査する

後遺障害診断書などの提出書類をもとに,後遺障害等級に該当するか審査します。

(オ)審査結果に応じた等級認定の結果が出る

審査結果が自賠責保険会社に送られ,この結果をもとに自賠責保険会社は後遺障害等級を認定します。

そして,自賠責保険会社は任意保険会社に結果を通知し,任意保険会社は被害者に結果を通知します。

②被害者請求

被害者請求では,後遺障害申請から認定までは以下の流れになっています。

(ア)必要書類を自賠責保険へ送る

被害者は,加害者側の自賠責保険会社に必要書類を提出します。

(イ)自賠責保険から損害保険料率算出機構に必要書類が送られる

自賠責保険会社は,必要書類を確認してから,損害保険料率算出機構に書類を提出します。

(ウ)損害保険料率算出機構が審査する

後遺障害診断書などの提出書類をもとに,後遺障害等級に該当するか審査します。

(エ)審査結果に応じた等級認定の結果が出る

審査結果が自賠責保険会社に送られ,この結果をもとに自賠責保険会社は後遺障害等級を認定します。

そして,自賠責保険会社は被害者に結果を通知します。

⑷示談交渉する

後遺障害等級認定が出ると,後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を含めた損害額が確定するので,示談交渉を開始することができます。

示談案の提示を行い,検討したうえで,合意すれば書面を取り交わします。

示談書に署名捺印すれば,示談が成立します。

示談が成立すれば,基本的に取り消すことはできないので,示談書の内容はきちんと確認しましょう。

3 脾臓摘出後遺障害の申請時に注意すべきこととは?

⑴後遺障害診断書の内容にこだわる

損害保険料率算出機構は,提出書類に基づいて審査を行います。

その際,後遺障害について医師が記載した後遺障害診断書が重視されます。

そこで,適切な後遺障害診断書を作成してもらいましょう。

医師には自覚症状を正しく伝えておくことをお勧めします。

また,作成してもらった後は弁護士に,記載漏れがないか,後遺障害等級認定を受けるために必要な記載があるか,反対に後遺障害等級認定を受けるうえで不利な記載がないかのチェックを受ける方がいいです。

⑵必要な検査を受ける

後遺障害等級認定を受けるために,検査結果が必要であれば,その検査も受けておきましょう。

医師に検査をお願いするにあたっては,気を悪くしないよう,弁護士からアドバイスを受けたうえで追加検査を頼みましょう。

⑶申請方法を考える

加害者側の任意保険会社が主体となる方法が事前認定で,被害者が主体となる方法が被害者請求です。

 メリットデメリット
事前認定(加害者申請)・被害者は,医師に後遺障害診断書の作成をお願いするだけでいい・加害者の加入している任意保険会社が必要書類を準備するので,後遺障害等級獲得に万全の状態ではない・示談交渉が成立しないと,示談金を受け取ることができない
被害者申請・被害者が必要書類を準備するので,後遺障害等級獲得に向けて万全の状態にできる・一定額であれば,示談交渉成立前であっても示談金を受け取ることができる・必要書類の準備に時間がかかり面倒

後遺障害等級獲得のためには,被害者申請が良いです。

弁護士に依頼すれば,書類の準備にかかる手間はなくすことができます。

4 脾臓摘出後遺障害に強い弁護士とは?どうやって探せばよいのか?

⑴脾臓摘出後遺障害に強い弁護士とは?

①後遺障害事案で,様々な等級を扱った実績がある

多くの法律事務所では,これまでに扱った案件をホームページに掲載しています。

1級から14級まで多くの等級の案件を扱っていれば,脾臓摘出後遺障害でもどう対応すればよいかの検討がつくでしょう。

②後遺障害事案で,後遺障害等級認定・適切な示談金を獲得した実績がある

過去に後遺障害等級認定・適切な示談金を獲得していれば,後遺障害申請のポイントや示談交渉での駆け引きを把握している可能性が高いです。

脾臓摘出後遺障害であっても,上手く対応することができるでしょう。

③後遺障害に関するコラムを多く掲載している

脾臓摘出も含め,後遺障害に関するコラムを多く掲載していれば,後遺障害に関する知識が豊富だと考えられます。

⑵脾臓摘出後遺障害に強い弁護士の探し方

①インターネットでホームページを検索する

「脾臓摘出後遺障害 弁護士」と検索ボックスに入力して,出てきたホームページを検討しましょう。

トップにヒットした事務所に即決するのではなく,複数の事務所を見てから決めましょう。

その際,過去の案件や後遺障害コラムを確認しましょう。

②弁護士ポータルサイトを利用する

後遺障害に強い弁護士が掲載されているポータルサイトを利用することもできます。

ただ,必ずしも後遺障害案件の実績があるわけではないので,事務所ホームページも確認しましょう。

③知人から紹介を受ける

周りに交通事故に遭い,弁護士に依頼した経験のある人がいれば,実際に依頼した事務所を紹介してもらいましょう。

ただ,あとになって弁護士を変えたいと思っても,変更はしにくいです。

5 まとめ

脾臓摘出後遺障害では,免疫低下によって感染症に罹患しないよう特段の注意を払わなければいけません。

そして,損害賠償請求するためには留意する事項が多岐にわたります。

脾臓摘出後遺障害に強い弁護士に依頼すれば,弁護士が損害賠償請求の手続きをほとんど行ってくれるので,様々な手続きに煩わされることなく示談金を受け取ることができます。

当事務所の弁護士は,後遺障害事案で,様々な等級を扱った実績があります。

また,後遺障害等級認定・適切な示談金を獲得した実績もあり,後遺障害コラムも豊富です。交通事故による脾臓摘出の後遺障害でお悩みの方は,ぜひ弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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