交通事故 休業損害 外傷なし
2021.11.21 2022.11.15

主婦が交通事故による「むち打ち」でもらえる休業補償

主婦が交通事故による「むち打ち」でもらえる休業補償

交通事故の被害で特に多いのがむち打ちです。むち打ちは、慢性的な症状のため治療に時間がかかり、数多くの通院を必要とします。

通院のために仕事を休まざるを得なくなると、その分収入が減少することから減収分の賠償がなされます。しかし、主婦の場合、外部からの収入はないことから、目に見える減収がありません。そのため、主婦の方の労働である家事労働を休まないといけなくなったとしても、その分は何ももらえないのではないかと不安に思われることもあるでしょう。

実際には、主婦の方の家事労働にも経済的価値があるものとして、休業分の補償が認められます。交通事故の被害にあった場合、速やかに保険金支払請求等をしなければならないため、流れについて知っておくことは役に立つでしょう。

そこで本記事では、主婦の方が交通事故でむち打ちになった場合の通院について、休業補償について、休業損害と休業補償の違いについてご説明致します。

主婦が交通事故で「むち打ち」になったら?

整形外科と整骨院に通院

むち打ちは、慢性的な痛みや違和感が継続する性質があります。神経や頸椎・筋肉等を損傷することが原因であることが多く、レントゲン診断やMRI診断上は異常がないと判断されることが多いです。

後述しますが、検査や法的手続の観点から、交通事故による負傷を負った場合は、まず最初に整形外科等の医療機関を受診すべきです。

しかし、整形外科における治療は、上記のような症状の場合、湿布等の投薬治療のみということも少なくありません。むち打ちの症状に対して、湿布を張るだけといった処置しかしなければ、時間が経っても症状が改善しないという場合も多いです。

他方、整骨院においては、むち打ち治療のためにマッサージ等の施術を週に複数回と継続的に行うところ、症状の改善に役立つ場合があります。そのため、むち打ちの治療のために整骨院へ通院されることをお勧め致します。

ここで、整骨院通院には注意点があります。医師が、レントゲン診断・MRI診断・手術・投薬治療といった医療行為を行うことで治療をするのが整形外科です。他方、整骨院は、柔道整復師が処置を行うため、医療行為を受けることができません。レントゲンやMRIのような検査を症状の原因を明らかにすることは重要であるところ、初めから整骨院へ通院していない場合は、症状の抜本的な解決に不可欠な検査を受けられないことはお勧めできません。そのため、症状を改善させるという観点から最初に整形外科を受診しましょう。

次に、治療費や休業損害等を保険会社に請求することになりますが、保険会社は基本的に整骨院における施術を必要な治療行為として認めない傾向にあります。そのような傾向がある中でも、医師による整骨院利用への指示や同意があれば保険会社も必要な治療として認めざるをえなくなる可能性は高くなります。さらに、保険金請求を行うにあたっては、証拠資料となるような診断書等の書類が必要になりますが、これらの書類を作成することは基本的に医師のみです。以上のように、法的手続の観点からも最初に受診すべきなのは、整形外科等の医療機関であるといえます。

主婦は休業補償をもらえるのか?

仕事中や通勤途中の事故なら「休業補償」がもらえる

休業補償というものは、仕事中や通勤途中に交通事故に遭ってしまった場合に、この負傷は労働災害に該当することを理由に請求することができるものです。主婦の方でも、正社員や非正規労働者としてでも勤務し労働していた場合は、休業補償についても請求することができます。

このように、休業補償は、専業主婦の方であれば請求することができません。

もっとも、後述しますように、専業主婦の方であっても、休業補償に名前の似ている休業損害であれば請求することができます。

労災保険に請求できる

前述の通り、外部の企業等に勤務している主婦の方は休業補償を請求することができます。そして、労働災害という理由により請求するため、請求先も労災保険ということになります。

他方、詳しくは後述しますが、休業損害の場合、交通事故を理由に請求するため、請求先は相手方の自賠責保険会社や任意保険会社、場合によっては相手方本人となります。

休業損害と休業補償の違い

労災保険から支払われた休業補償は、加害者側保険会社に休業損害を請求するときに差し引かれる点に注意

まず、休業損害についてご説明致します。休業損害とは、交通事故の負傷や治療のために仕事を休まないといけなくなった場合の減収分を、相手方に損害賠償として埋め合わせをさせるものです。根拠は、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権や、自賠責保険制度です。そのため、前述のお労働災害を理由とする労災保険とは異なり、請求の相手方は自賠責保険会社や任意保険会社、場合によっては相手方本人となります。

そして、休業損害の場合、主婦の行う家事労働にも経済的な価値が認められるとして、請求することが認められています。専業主婦の場合は、前述の休業補償が認められないため、休業損害のみを主張していくことになります。

もっとも、注意が必要なのが、被害者はその被害を回復することを目的として休業補償や休業損害という制度が認められています。そのため、被害者に対して得をさせることが目的ではないことから、二重取りは認められていません。このような理由により、労災保険に休業補償を請求し、受け取っている場合、加害者側保険会社に休業損害を請求する際に差し引かれるため、注意が必要です。

交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

本記事では、主婦の方が交通事故でむち打ちになった場合の通院について、休業補償について、休業損害と休業補償の違いについてご説明致しました。

このように、主婦の方も休業損害を請求することができます。

もっとも、営利企業である保険会社は休業損害額の算定を、実際に裁判で認められている金額から著しく低い額を提示してくることも少なくありません。金額をめぐりトラブルになることも多い中、弁護士が介入すると大幅に金額がアップすることも少なくありません。そのため、弁護士の介入による交渉が重要であるといえます。

その際は、交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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