交通事故 交通事故基礎知識
2020.08.14 2024.07.23

交通事故によって死亡する確率は?他の場合と比べてどう違う?

交通事故によって死亡する確率は?他の場合と比べてどう違う?

日本の自動車の保有数はおおよそ8,000万台となっています。

若者の車離れが言われてはいますが、とはいえ我々の生活の中で、自動車は身近な存在です。

しかし、身近である存在であるということは、同時に危険との隣り合わせであることを我々は忘れてはいけません。

ここでは、交通事故による死亡確率と交通事故以外が原因で死亡する確率についてご紹介をいたします。

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1 交通事故の死亡確率

(1)近年の交通事故の発生件数

警察庁交通局によると、令和元年の交通事故の発生件数は、38万1,237件となっています。その内訳は、死亡事故が3,133件、重傷事故が3万0,370件、軽傷事故が34万7,734件とされています(警察庁交通局 「令和元年中の交通事故の発生状況」より)。

交通事故の発生件数自体は、平成21年は73万7,637件から考えると約10年の間で半数近く減少傾向にあります。

(2)死亡者数

警察庁交通局は、令和元年の交通事故死者数は、3,215人と発表しています。これは前年よりも317人少なく、近年減少傾向は続いています。

ただし、この死亡者数は、【交通事故が発生してから24時間以内に死亡した人数】とされています。

つまり、この警察庁の発表する死亡者数には、例えば事故発生から1週間後に亡くなっている方の人数は含まれていません。

24時間後以降に亡くなった方は、平成5年より【30日以内死者】という形で集計がされています。

ちなみに、令和元年は、事故発生から24時間以内に亡くなった方が3,215人に対して、24時間経過後30日以内に亡くなった方は705人となります。結果、30日以内に亡くなった方の合計は3,920人にのぼります。(警察庁交通局 「令和元年中の30日以内交通事故死者の状況」より)

30日以内死者の特徴の1つは、24時間以内死者に比べて、自転車乗車中に交通事故の被害に遭った比率が高いことです。

これは、24時間以内死者のような即死に至るわけではない受傷だったけれども、事故の際に、横転したり、車両とぶつかったりすることで、頭部を強打したことにより、結果数日後に亡くなることがあるからです。

また、2つめの特徴として、65歳以上の高齢者が30日以内死者に多いです。

年齢的に若い方であれば、怪我に対しての回復力が高く、乗り切れる傷害であっても、回復力が低下している高齢者にとっては死亡に至る傷害となるケースもあることから、こういった特徴がみられると考えられます。

(3)死傷者に対する死亡者数

では、交通事故の死傷者数の中で、死亡者数はどのくらいいるのでしょうか?

検察庁交通局の調べによると、令和元年の交通事故による死傷者数は46万4,990人とされています。

内、死者数は3,215人(30日以内死亡者数は除く)、負傷者数は46万1,775人という結果となっています。

なお、負傷者の中の内訳は、1ヶ月以上の治療を要した重傷者は3万2,025人、1ヶ月未満の治療を要した軽傷者は42万9,750人となります。

交通事故の死傷者の中では全体の約0.8%が死亡していることがわかります。こうやってみると少なく感じるかもしれませんが、ある日突然、交通事故に遭って亡くなった方が、3,000人以上いるという事実は変わりません。

2 交通事故以外の原因で死亡する確率との比較

交通事故以外でも、毎年多くの方が亡くなっています。

厚生労働省の発表によると、令和元年の日本での死亡者数は 138 万 1,098 人で、前年の 136 万 2,470 人より 1 万 8,628 人増加しています。

死亡原因をみると、1番多い死亡原因は、悪性新生物<腫瘍>、次いで心疾患、そして老衰が続きます。

では、交通事故はどうでしょうか?

以下の表をご覧ください。

日本における死亡原因(令和元年)

悪性新生物27.3%
心疾患15.0%
脳血管疾患7.7%
老衰8.8%
肺炎6.9%
不慮の事故2.9%
腎不全1.9%
アルツハイマー病1.5%
血管性及び詳細不明の認知症1.5%
その他23.5%
(令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況 厚生労働省より)

交通事故は不慮の事故に含まれます。

不慮の事故とは、交通事故の他に、不慮の窒息、転倒・転落、不慮の溺死及び溺水、煙・火災・火災への曝露等があります。

不慮の事故で亡くなられた方が、全体で2.9%ということは、交通事故での亡くなられた方は、死者全体数の約2.9%以下と、割合としては低い順位です。

それでも3,920人もの人が昨年は交通事故が原因で命を落としていらっしゃいます。

3 乗り物別の死亡確率

自動車乗車中の死亡確率についてもう少し細かな部分を見ていきましょう。

まず、乗車位置による死亡者数の違いです。

(令和元年における交通死亡事故の発生状況等について 警察庁交通局より)

運転席が75%、助手席が11.6%、後部座席等が13.4%という数値が出ています。

運転席が非常に高い理由は、助手席や後部座席に人が乗っていないケースも含まれていることが考えられます。

では、死亡確率を上げている死亡原因にはどういったものがあるでしょうか?

まず、死亡原因の1つにシートベルトの非着用があります。

高速道路にてシートベルトを着用している際の致死率は0.29%に対して、非着用時は3.37%と約11.7倍と上がっています。

また、一般道路の際も、着用時は0.16%、非着用時は0.52%と約3.3倍となっています。

つまりシートベルトを着用していないことは、死亡確率を上げる1つの要因となっています。

次に、飲酒運転も死亡確率を上げる1つの原因とされます。

飲酒なしの時の死亡事故が0.73%に対して、飲酒ありの場合は、5.78%となります。7.9倍と非常に高くなります。

最後に、ハンドルの操作ミスやブレーキとアクセルの踏み間違えといった操作不適です。

この操作不適は運転者の年齢も関わってきます。

75歳未満の運転者が起こした死亡事故件数が2,076件、そのうち操作不適が251件となっており、全体の12%となります。

次に75歳以上の高齢者の運転者が起こした死亡事故件数は358件です。その中で操作不適は30%もの割合を占めています。

こういった内容を述べると「免許を返納すべきだ!」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、地方によっては車がなければ生活ができない方もいらっしゃるため、一概にそうするべきだと言えないにも実情です。

次に自動車とそれ以外の死亡確率を比べてみましょう。

自動車乗車中が33.7%であることに対して、二輪車乗車中は15.9%、自転車乗車中は13.5%となっており、自動車がいかに高いかがわかります。

なお、自動車乗車中よりも高いのは、36.6%を占めている歩行者となっています。

なお、自転車の死亡確率を上げる原因の1つは交通違反です。違反あり、違反なしで死亡確率は大きく変わります。

運転手が高齢者の方の場合は、違反なしが20.9%に対して、違反ありは79.1%となっています。

運転手が高齢者の方以外の場合でも、違反なしが27.7%、違反ありは72.3%という数値が出ております。

なお、自転車に関しては、自動車対自転車の衝突死亡事故は非常に多く、全体の約40%を占めています。

これについては、自転車側の交通ルール違反が大きく影響します。

また、同じく自動車対自転車の出合い頭での死亡事故については約80%が交差点で発生をしています。

ちなみに、他の乗り物と比べても、自動車は一番死亡確率が高いです。

まず、日本で一番安全な乗り物と言われている新幹線は、開業以来から現在まで死亡事故ゼロとなっています。

なお、火災事故で死亡者が出たことはありますが、列車の運行上の自己ではない為、事故としてはカウントされていません。駆け込み乗車での事故も、正しくない乗車ということでカウントはされません。

飛行機については、事故が遭った場合は、ほぼ確実に死亡事故となり多くの犠牲者が出ることから、死亡事故が多いイメージがあります。

しかし、実際は毎日飛行機に乗ったと仮定したとしても、数千年に1回事故に遭うか否かの確率と言われています。

対する自動車事故での死亡確率は、平均寿命80歳と仮定し、それを全うするまでに自動車事故に遭う確率は、死亡事故の確率を含めると50%以上となり、かなり高い確率です。

4 交通事故についてのご相談は、大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイへ

交通事故の死亡確率についてご説明をさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

交通事故によって、ある日突然、大事なご家族を失ってしまうこともあります。

大切なご家族が理不尽に命を奪われたとき、悲しみが癒えることは難しいでしょう。しかし、その中でも残されたご遺族の方は、適正な損害賠償金を受け取ることが大切となります。

弁護士に相談することで、適切な対応のサポートはもちろんのこと、示談交渉により、損害賠償金も適正な金額に引き上げることが可能です。

法律の専門家である弁護士が力になれることはきっとあるかと思います。

もしも、お悩みがあれば、交通事故問題について多く取り扱っている、大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイへ一度ご相談ください。

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