交通事故 任意保険
2020.10.09 2024.04.25

交通事故の対応を保険会社に任せて大丈夫なのか知りたい

交通事故の対応を保険会社に任せて大丈夫なのか知りたい

交通事故の被害者の方が、示談交渉において注意しなければならないことの1つに、「保険会社に任せきりはいけない」ということがあります。

通常は、交通事故の対応のプロである保険会社に任せていれば大丈夫だろうと考える人が多いでしょう。

では、何故保険会社に任せきりではいけないのでしょうか?

ここでは、保険会社に任せた場合にどうなるのか、弁護士に依頼することのメリットについてご説明をさせていただきます。

交通事故の対応を保険会社に任せるとどうなるか?

慰謝料が少なくなる可能性がある

保険会社は営利企業です。そして、そこで働く担当者は、会社の利益を追求し、被害者の方へ支払う保険金を押さえ、会社の損失を減らそうと考えて行動します。

たとえば、相手の保険会社に任せきりになると、まず、慰謝料が適正でない金額で示談を勧めてくる可能性があります。

慰謝料を算定する基準は3つあります。最も高い基準から裁判所基準、任意保険基準、自賠責基準といい、保険会社は、任意保険基準の慰謝料で算出をします。

この任意保険基準は、各保険会社で計算方法を決めているため、計算方法の公開はされていません。ただ、現在は撤廃されていますが、旧任意保険基準を踏襲している場合や、最も低い基準である自賠責基準と変わらない金額を提示している場合が多く、いずれにせよ、裁判所基準を大幅に下回っていることには違いありません。

被害者の方が、保険会社任せにして、こういった基準を知らなければ、一切の疑問を持たずに、保険会社が提示する低い慰謝料を受け入れ、不当な損害賠償金を受け入れることになります。

治療費を早く打ち切られる可能性がある

交通事故の治療費は基本的に相手の保険会社が支払いを行うことになります。

本来であれば、被害者の方の怪我が完治(治癒)するか、医師が症状固定(これ以上治療を継続しても改善も悪化もない状態)と診断するまでは、保険会社より治療費は支払われるものです。

しかし、先ほど述べたように、保険会社は会社の損失を減らすことを第一に考えています。その結果、被害者の方の怪我の内容にもよりますが、保険会社より早い段階で治療費の打ち切りを言われます。それは、被害者の方にまだ治療の必要性があったとしても変わりません。

おそらく、打ち切りについては怪我の内容や事故態様で一定のルールが保険会社にはあると考えられます。

保険会社の治療費の打ち切りは成功すれば、保険会社の利益になります。 任せきりにしていると、まだ痛みがあるから通いたいと主張しても「交通事故はこういうものですよ。」と言われ、受け入れてしまう被害者の方も多くいらっしゃいます。

保険会社から、正当な理由かであるように説明されたとしても、それをすぐに受け入れないことが重要です。

対応が悪い場合がある

「このまま保険会社に任せていいのか?」という不安な気持ちをお持ちの被害者の方は、保険会社の高圧的な態度や対応の悪さに不満や不信感を抱いていることは少なくありません。

保険会社の対応の悪さは、弁護士に相談する被害者の方の困りごとの1つです。

保険会社にとっては、あくまでお客様は加害者である契約者であり、被害者の方ではありません。そのため、信じられないような対応をする保険会社の担当もいます。被害者の方の発言を真っ向から否定したり、優位に立って話を進めるためわざと高圧的にかつ一方的に話を進めたりすることがあります。

その結果、被害者の方は「保険会社とこれ以上話をしたくない」という思いから、できる限り会話をしないよう、保険会社に任せてしまい、自身が不利な内容で示談をしてしまうことになります。

保険会社の対応が悪い時も、これ以上話したくないからといって安易に示談をしないようにしましょう。

弁護士に依頼するメリット

保険会社に任せきりにすることは被害者の方が大きく損をする可能性があります。交通事故の被害者の方はまずは弁護士に相談をしましょう。

弁護士に依頼するメリットの代表には以下があげられます。

慰謝料が増額

先ほども述べたように慰謝料の算定基準は3つあります。その中でも最も高い基準である裁判所基準は、裁判を行うか、弁護士に依頼することで使用できる基準となります。

被害者の方本人が保険会社と示談する場合は、相手の保険会社は任意保険基準(もしくは自賠責基準)で提示をされます。被害者の方が了承をしてしまえば、示談成立となり、その後金額が低いことに気づいても、示談のやり直しは原則行えません。

弁護士が使用する裁判所基準は【最も適正な損害賠償金を算出する基準】であり、慰謝料増額の可能性は高くなります。裁判所基準で計算された場合、被害者の方の怪我の内容や事故態様など事案にもよりますが、保険会社が提示をしてきた倍以上の金額になることもあります。

弁護士に依頼をせずに、被害者の方が知識をつけ、裁判所基準で自身の損害賠償金を計算することは可能です。しかし、相手の保険会社がそれを了承する可能性は限りなくゼロに近いと言っても過言ではありません。残念ながら、裁判所基準には法的拘束力がなく、そのため、相手の保険会社へ強制で支払わせることができません。

弁護士が入れば、弁護士は裁判を見越して示談交渉を行います。裁判であれば、採用されるのは裁判所基準です。保険会社は、裁判所基準での損害賠償金を支払う上に、裁判になると弁護士を入れる等余計な費用がかかってしまうことから、裁判をできるだけ避けたいと考えます。

その結果、示談交渉の段階であっても、裁判所基準ベースで交渉が進められ、慰謝料増額の可能性が高くなります。

後遺障害の等級認定に影響

交通事故で負った怪我が残念ながら完治せず、症状固定となり、後遺症が残った場合は、多くの方が後遺障害の等級認定の申請を行います。

後遺症の損害賠償金を相手の保険会社に請求するには、第三者機関の損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所へ申請をし、1級~14級まである後遺障害等級のいずれかが認定される必要があります。

申請の方法には、相手の保険会社が行う事前認定と、被害者の方本人が行う被害者請求という方法があります。

この後遺障害の等級認定は非常に審査が厳しく、後遺症が残っていれば必ず認定されるわけではありません。

そのような中で、相手の保険会社任せで申請を行う事前認定にはいささか不安が残ります。申請する際の手続きが不透明なことから、考えたくないケースですが、保険会社の顧問医が作成した、等級申請に不利な意見書を添えられる可能性もあります。

しかし、弁護士に依頼をすれば、被害者請求にて申請を被害者の方の代わりに行います。被害者の方の手間が省けるだけでなく、安心して任せることができます。

また、交通事故問題に詳しい弁護士であれば、医学的知識も持ち合わせていることが多く、どのような後遺障害診断書であれば、後遺障害が認定されやすいか否かなど、ノウハウを持っています。

そのため、申請する前から、提出する書類を確認し、少しでも等級認定の可能性が上がるよう準備ができます。

弁護士に依頼をするか否かで、後遺障害の等級認定への影響が変わると言えるでしょう。

弁護士特約なら費用の心配がない

弁護士への依頼を考えたときに、真っ先に不安になるのは「費用」のことではないかと思います。

被害者の方は、まずご自身の自動車保険や火災保険、医療保険、クレジットカードの保険に【弁護士特約】という特約がついていないかを確認しましょう。

弁護士特約とは、交通事故トラブルを解決するためにおいてかかる、弁護士への相談や依頼関係費用を、一定額まで保険会社が補償をしてくれるオプションの特約です

一定額は保険会社によって異なりますが、多くの場合は「1事故、被害者1名につき法律相談料10万円まで、弁護士依頼関係費用300万円まで」とされており、この費用を超えるケースは早々ありません。超えたとしても、死亡事故や後遺障害の上位等級である場合であり、こういったケースでは弁護士が入ったことによる増額が数百万円以上となることが多く、弁護士費用を差し引きしても、依頼するほうが被害者の方にとってはプラスとなります。

主に自動車保険についていることが多いですが、先ほど挙げたようにその他の保険にもついていることがあります。被害者の方は、ありとあらゆる保険を確認するようにしましょう。

弁護士特約は使用範囲が広いです。ご家族の車の自動車保険についている場合でも使用可能なケースが多く、被保険者以外の場合、被保険者の配偶者、同居の家族や別居の未婚の子供も使用対象内である可能性があります。被害者の方自身が加入をしていない場合でも、ご家族の保険も確認するようにしましょう。

ちなみに、弁護士特約を使用することで、被保険者の方の等級が下がる、保険料が上がるといったことがありません。

弁護士特約を使用することで、弁護士費用を差し引かれることなく、弁護士が入ったことによる増額分をそのまま受け取れることができるため、被害者の方はプラスしかありません。

弁護士の選び方

では、どのような弁護士に依頼をすべきなのでしょうか?

交通事故に強い弁護士を選ぶ

教師に担当科目、医師に専門分野があるように、弁護士にも得意分野があります。つまり、弁護士であれば誰でも良い訳ではなく、また弁護士歴が長ければ安心というわけではないのです。

交通事故問題に強い弁護士を選ぶかどうかで、被害者の方が最終的に受け取ることが可能な損害賠償金は大きく差ができます。

数ある法律事務所から交通事故問題に強い弁護士を選ぶには、まずはウェブサイトで以下のポイントを押さえましょう。

①解決実績を確認する。

解決実績は、その弁護士の交通事故問題の経験、取り組み方が一番よくわかりやすいです。また、実績が多ければその分経験が豊富であると考えられます。なお、同じく相談実績を掲載している法律事務所もあるかとは思いますが、相談実績は、受任をせずに相談のみで終わっていることもありますので、解決実績に注目するようにしましょう。

②交通事故の記事(コラム)を確認する。

記事が多い法律事務所は交通事故の問題に積極的に取り組んでいると考えられます。

③相談者の声を確認する。

解決実績と一緒に、実際に法律事務所へ依頼した方の感想を掲載している法律事務所もあります。相談者の声は、実際に依頼した方の声ということになりますので、信憑性もあると考え決め手の1つとなります。

ただし、あくまでも声=口コミは個人の感想です。絶対に正しいとは限らないということを忘れずに、参考にしましょう。

①~③を踏まえて法律相談を受けた後は、その際の弁護士の対応を決め手にしましょう。

交通事故問題の経験が豊富な弁護士であれば、被害者の方の質問に対し、的確かつ解決までの道筋など、しっかりと説明をしてくれます。この際、質問に対してごまかしたり、説明がわかりにくかったり、また、被害者の方の話を聞かず、高圧的に自分の考えを述べる弁護士はやめておきましょう。交通事故問題について経験が浅いことがうかがえます。

着手金・相談料が無料の弁護士を選ぶ

弁護士に相談するにあたり、弁護士特約がない方は費用面がネックになるかと思います。最近では無料で法律相談を行っている法律事務所もありますので、そちらを利用してみましょう。

また、弁護士に正式に依頼をするとなると支払わなければならない着手金ですが、交通事故の相場が10~20万円程度、案件によっては30万円以上の場合もあります。しかし、この着手金も無料にし、代わりに報酬金を高めに設定している法律事務所もありますので、弁護士特約がない方はそういった事務所を探すと良いでしょう。

成功報酬制の弁護士を選ぶ

弁護士が介入し示談交渉が行われ、その結果示談が成立、依頼者に利益が生まれたときに、その成果に応じて、弁護士の報酬金を支払う制度を、【成功報酬制】といいます。

成功報酬制をとる法律事務所は、法律相談料・着手金を無料とし、報酬金20~30万円程度に、示談金の10~20%と設定していることが多いです。

つまり、弁護士の費用は示談終了後に示談金から差し引かれるため、経済的に余裕がない被害者の方でも安心して依頼ができます。

なお、被害者の方が弁護士に依頼をすることで費用倒れとなることは、あまりありません。

費用倒れになる可能性の高い事案としては、過失割合が被害者の方に大きく出る場合や、物の損害のみの事故(物損事故)、比較的軽微な事故の場合です。このようなケースでは、示談金の回収見込み金額が低いため、弁護士費用を差し引くと赤字になりかねません。

弁護士費用が心配であれば、相談時に弁護士に費用倒れの可能性が無いか を確認することをおすすめします。

保険会社の対応が不安な方は、大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

保険会社は決して悪者というわけではありません。しかし、被害者の方と利害が一致することはありません。

また、被害者の方の過失が0%ではない場合、自身の加入している保険会社に示談交渉を任せることはできますが、これも任せきりは良くありません。

相手の保険会社とのやりとりがなくなるため、被害者の方にとって精神的ストレスは軽減されるでしょう。しかし、保険会社同士の示談交渉では、使用されるのは【任意保険基準】です。各社で異なるとはいえ、大幅には変わりませんので、すり合わせをする程度なため、自身の保険会社では示談金が上がる可能性は低いです。

被害者の方の100%の味方は【自身で選んだ弁護士】です。

被害者の方が適正な損害賠償金を得るために、粘り強く交渉をしてくれるのは、被害者の方の弁護士だけです。

保険会社に任せきりでいいのか、でも自分で交渉するのは不安…と少しでも悩まれている方は、交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにぜひ一度、ご相談ください。

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