日弁連交通事故相談センターはご存じですか?
交通事故に遭った場合に備え、日常から法的処理について勉強されている方は、基本的にいないと思われます。しかし、交通事故被害に遭った場合、突然、法的処理という大きな壁と対峙させられることになります。
被害者の方は、右や左も分からず途方に暮れていると推察することができますが、そのような局面において心強い味方となってくれる機関が日弁連交通事故相談センターです。
事故に遭ってどうすれば良いのか不安な心境にある人、身近な人が交通事故に巻き込まれて助けたい人、偶然この記事をご覧になった人、その他全ての人が知っておくことが望ましい、日弁連交通事故相談センターの概要・評判についてご説明させていただきます。
目次
1 日弁連交通事故相談センターとは?
⑴センターの定義
日弁連交通事故相談センターとは、日本弁護士連合会が運輸大臣の許可を得て、交通事故被害者の救済を目的として設立された公益財団法人です。高度経済成長期に自動車が増加したことにより、交通事故が急増した結果、交通事故被害者の救済への要請が高まったという時代背景がありました。
⑵全国の相談センター数
全国157か所に相談所が設置されています。大阪府には北から南まで、7か所設置されており、交通アクセスも大変便利となっています。
なお,日弁連交通事故相談センターについては当事務所の次のコラムでもご紹介しているのでご覧ください。
交通事故後に加害者が無料相談できるところについてどこがあるのか?
2 日弁連交通事故相談センターでの相談について
⑴相談費用、必要書類
①電話相談
無料です。相談することのできる時間は約10分です。もっとも、通話料は本人負担となっています。
②面接相談
無料です。1回あたり約30分の相談で、原則5回まで相談することが可能です。
③高次脳機能障害面接相談
面接による無料相談を行っています。
以上のように、電話相談は10分と短くなっているため、電話相談のみで多数の基礎知識が必要となる法的処理について満足に理解することは困難であると思われます。そのため、電話相談を行ったうえで、面接相談をなさることをお勧め致します。
④必要書類
(ア)交通事故を証明するもの
交通事故証明書、その他写真・映像等の事故を証明することのできるもの
(イ)医療上の書類
医師による診断書(後遺障害の場合は後遺障害診断書も要する)、病院の明細書、その他医師による診断を証明する書類
(ウ)被害者の交通事故発生前からの収入を証明する書類
給与明細、電磁的記録による場合プリントアウトしたもの、源泉徴収票、休業損害証明書、その他収入の減少を証明する書類
(エ)相手方から送付された書類等
示談条件の提案が記載されている書類、損害賠償の金額を提示している書類、その他相手方からの交渉に使用された書類
もっとも、必ずしも上記書類が揃っていなければ、相談することができないことを意味するのではありません。ただ、多くの書類を集めることができた方が、的確かつ今後の処理において内容の濃いアドバイスを受けることができるといえます。
⑵相談できる内容
①適切な損害賠償額
②相手方の提示する損害賠償額の妥当性
③損害賠償請求の相手方となる者
④損害賠償の適切な請求手段
⑤相談者の損害賠償責任の有無・程度
⑥保険の適用問題
⑦交通事故後の法的処理についての一般的なご相談
といった、交通事故の法的問題について全般的に相談することができます。
もっとも、交通事故に関するご相談であっても、内容が刑事処分・行政処分に関するものについては相談することができません。
また、非弁護士との提携によるご相談、本人以外からの相談、代理人弁護士が選任されている場合、その他具体的事情に応じて相談を受けることが妥当でない場合は、相談することができません。
⑶相談手順
①電話相談
(ア)前述の必要書類を準備する
(イ)センターに電話を掛ける
(ウ)無料電話相談が始まる
という流れです。
②面接相談
(ア)前述の必要書類を準備する
(イ)電話相談をしたうえで面接相談の決定をする、もしくは直接各相談所に電話する
(ウ)無料面接相談を行う
という流れです。
3 日弁連交通事故相談センターの評判
⑴交通事故時のセンター利用割合
年間約50万件程度交通事故が発生しているところ、年間約4万人前後の方が日弁連交通事故相談センターを利用しています。割合としては、約10%であり、低い利用率に思えるかもしれません。しかし、特に法的処理が問題とならない軽微な交通事故も多数存在すること、当事者や保険会社同士の交渉で満足した方も多数存在することを考えれば、本当に法的相談を受けたいと考えている人をベースにすると、高い割合の方が利用していると考えられます。
⑵利用者の声・評判
まず、日弁連交通事故相談センター自身による公表によれば、約88%の利用者の方が満足したと評価しています。
また、好意的な評判としては、無料という費用面から助かった旨の評判、弁護士という専門家による意見・損害賠償額の算定を聞くことができ役に立ったという旨の評判がございます。
無料という負担なしで専門家たる弁護士の意見を聞くことができる以上、好意的評判が多数に上ることは、妥当であると考えます。
他方、批判的な評判としては、無料相談の時間制限内に理解することができなかった旨の評判がございます。
しかし、時間制限があることは、制度上の理由である以上、受任すべき内容であるように思われます。
4 日弁連交通事故相談センターの無料相談を受けるメリットとは?
⑴国の認定を受けている
日弁連交通事故相談センターは,国の認定を受けている公益財団法人なので,安心して相談することができます。
⑵相談費用が無料になっている
日弁連交通事故相談センターは国からの補助金等で運営してます。
そのため,相談費用は無料で,原則5回まで相談することができます。
実際に相談にかかる費用は,電話代や相談に行く際の交通費ぐらいです。
⑶豊富な相談実績がある
令和4年度は年間3万6758件の相談実績があります。
⑷示談成立率が高い
令和4年度は示談あっせんを申し出た者のうち86.58%の示談が成立しました。
⑸全て弁護士が対応する
弁護士が運営している機関なので,専門家に相談することができます。
⑹全国に相談所がある
全国に156か所あるので,地方に住んでいる人でも利用することが可能です。
例えば,大阪府には大阪,なんば,堺,岸和田,茨木,門間,豊中の7か所に相談所があるのでどの地域に住んでいる方でもアクセスしやすいです。
参照:大阪府警察 公益財団法人 日弁連交通事故相談センター大阪支部
5 日弁連交通事故相談センターの無料相談を受けるデメリットとは?
⑴示談あっせんで「審査」まで行っても強制力がない
日弁連交通事故相談センターと協定している自動車共済でなければ,審査結果を尊重する義務はありません。
加害者が加入している自動車保険が損害保険会社であれば,審査結果の尊重義務を負わないので,「審査」まで行っても希望している保険金額を支払ってもらえません。
⑵あくまでも中立な立場の機関である
日弁連交通事故相談センターは,公正・中立な機関なので,必ずしも利用者の利益のために動くわけではありません。
また,アドバイスを受けることができるだけで,示談金を受け取るために必要な手続きは被害者が行わなければいけません。
⑶電話相談が繋がらないことがある
基本的には,平日10時から16時30分が電話相談の受付時間です。
平日の日中は,仕事や家事・育児などの大事な予定が入っている人が多いので,受付時間に電話をかけられるとは限りません。
また,気軽に相談できるので,電話が繋がりにくいこともあります。
6 弁護士事務所との違いとは?
⑴示談交渉を行ってもらえるか
弁護士事務所に依頼すれば,担当弁護士は依頼者の代理人として動きます。
そのため,示談交渉などの面倒な手続きを代わりに行ってもらえます。
⑵依頼者の味方か
弁護士事務所に依頼した場合,弁護士基準で慰謝料を算定するうえに,依頼者の利益が最大になるよう動いてもらえます。
依頼者がなるべく高額の示談金を受け取ることができる可能性が高まります。
⑶有料か
弁護士事務所に依頼すれば,弁護士費用がかかります。
もっとも,ご自身が加入している保険に弁護士費用特約が付されていれば,保険会社から弁護士費用が支払われます。
この場合,無料で弁護士事務所に依頼できます。
7 交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。
日弁連交通事故相談センターの概要・評判についてご説明させていただきました。
保険会社から提示される損害賠償額は、事例によっては1000万円以上も低く抑えられていることがあるため、法の専門家である弁護士から適切か否かを判断してもらう必要性は極めて高いといえます。
そのため、無料で弁護士からのアドバイスを受けることができるというメリットは間違いなく大きいといえます。
もっとも、弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイでは、弁護士特約がある場合、原則として費用負担が実質0円です。また、弁護士特約の無い場合でも、原則として相談料・着手金0円でご案内しており、弁護士報酬のみでリーガルサービスをご提供することができます。下記が、弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにおける弁護士費用についてのURLです。
【交通事故に強い】大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人ロイヤーズ・ハイ
そして、日弁連交通事故相談センターにおいては、公平かつ中立な処理がなされます。しかし、弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談いただいた場合、依頼者様の代理人としてリーガルサービスをご提供することができます。
そのため、依頼者様の一番の味方として戦略的な方針や相手方との交渉を行うことができるため、最大限の満足を得られる可能性は高くなるといえます。以上の理由により、弁護士へ依頼することも強くお勧め致します。その際は、多数の複雑な交通事故案件を取り扱い、高い評価を得ている大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。