弁護士に無料相談をしたい、という交通事故の被害者の方は多くいらっしゃいます。
「これからどうやって示談交渉まで進むのか?」
「弁護士への相談費用が心配。無料でどこまで相談できるのか?」
弁護士への無料相談では、各事務所で内容は多少異なりますが、示談交渉についてのアドバイスだけでなく、賠償金がいくら増額できるのかを確認したり、弁護士費用についてもどれくらいの金額が必要なのか案内してもらえたりすることが多いです。
特に交通事故の場合、弁護士相談するか否かで最終的に被害者の方が受け取る示談金が大幅に変わること可能性も高いことから、無料相談をすることは非常に大切です。
ここでは、無料相談を電話でできるとところや、無料相談を避けたほうがいいところ、また無料相談をする場合の注意点について述べていきます。
目次
1 交通事故の無料相談ができるところ、電話相談できるところ
まず、交通事故の無料相談を電話でできるところをご紹介します。
⑴各都道府県の交通事故相談所
ここ近年、交通事故問題においてお困りの方のために、無料相談窓口を設置している地方自治体が増えてきています。
各相談所では、専門の相談員が窓口におり、交通事故被害者の方だけでなく加害者の方の損害賠償問題や示談交渉の仕方、保険関係の進め方などをアドバイスしています。
電話での相談にも対応している地方自治体もありますので、お住いの地方自治体に問い合わせてみましょう。
⑵日弁連交通事故相談センター
日本弁護士連合会が設立、運営する公益財団法人日弁連交通事故相談センターでは、弁護士事務所と同じように、弁護士による自動車事故の損害賠償問題に関する電話相談だけでなく、対面相談も対応しています。全国に相談所が設置されているので、相談者の方が足を運びやすいという特徴があります。
なお、電話相談は10分程度と限られていますので、場合によっては、詳しい相談ができない可能性はあります。
なお、加害者側の保険会社との示談あっせんにもセンターの弁護士は対応をしてくれるので、示談交渉が難航している方はおすすめです。
⑶交通事故紛争処理センター
交通事故紛争処理センターは、公正かつ迅速に交通事故の被害者の方を救済するために設立されたADR機関(裁判外で当事者同士の紛争を解決するといった目的をもつ、紛争処理機関)です。
センターに嘱託された交通事故問題に詳しい弁護士が、担当としてつき、被害者の方と加害者側の保険会社の間に入り、無料で和解あっせんを行ってくれます。
まずは、全国11か所ある相談窓口に連絡をし、事前予約を取ります。その後必要書類を準備したうえで、センターに足を運び、初回相談日を迎えます。
初回相談では、資料を提出し事故の概要などをセンターの職員によって受付を行い、その後、和解あっせんを目的に法律相談を弁護士と行います。
注意をしなければならないのは、交通事故紛争処理センターでは、電話相談は行っていないという点と、和解あっせんが目的である機関の為、事故直後の対応について等といった相談はできないという点です。
⑷弁護士事務所
弁護士事務所と聞くと、費用が掛かる、相談料が高いというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最近では交通事故の被害者の方のために、法律相談料を無料にしている弁護士事務所が増えてきています。
被害者の方は、弁護士に相談することで、保険会社への対応の仕方や示談交渉における相手からの示談金提示額が妥当であるかどうかなどについても知ることができます。
弁護士事務所での無料相談できる範囲は各事務所で異なりますので、電話で問い合わせた際にどういったことを無料で相談できるのか確認してみましょう。
なお、そのまま弁護士に依頼となった場合は、相手の保険会社に対して示談交渉を代理人として行い、適正な損害賠償金を被害者の方が受け取ることができるよう、示談成立まで行ってくれます。
ちなみに、依頼を取りたいが故に弁護士が慰謝料等を水増しして見積もりをし、契約させようとすることは通常ありえません。
もし万が一そんなことをしてしまったら、実際に依頼した際との差額に被害者である依頼者の方の信用を失い、弁護士も立場が悪くなります。
2 無料相談をしない方が良いところ
次に無料相談をしない方が良いところについてご紹介します。
⑴加害者側の保険会社
加害者側の保険会社の担当によっては、被害者の方に非常に新味になって話してくれることもあり、つい被害者の方もいろいろと相談することがあります。
これらは確かに「無料で相談をしている」となりますが、頼りすぎることは要注意です。
何故ならば、交通事故の被害者の方と加害者側の保険会社は、利害関係が反しています。
そもそも加害者側の保険会社は、被害者の方の治療費や休業損害、慰謝料といったものを支払ってくれます。
その中で、様々な相談に回答してくれることがあります。
しかし、保険会社はそもそも「営利企業」です。つまり、自社からの損失を抑えることを基軸に行動をします。
つまり、被害者の方へ示談金が増えれば増えるほど、保険会社の損失は増えるため、営利企業の目的に反します。
すべての担当者ではないと思いますが、加害者側の保険会社の担当者が被害者の方から相談を受けたときは、保険会社からの支出が少なくなるよう動いている可能性もあります。
また、親身になってくれた担当者が、低い金額を提案するはずがないと被害者の方は考え、低額な損害賠償金であっても示談を進めてしまうこともあり得ます。
被害者の方に覚えておいていただきたいことは、加害者側の保険会社と良好な関係を保っていたとしても、損害賠償金が高額になることに結びつくとは限らないということです。
⑵自分が加入している保険会社
交通事故の被害者の方の中には、自身が任意で加入している保険会社や代理店の担当者に相談することもあるかと思います。
これも無料相談の1つですが、頼りすぎるのはよくありません。
たとえば、契約している任意保険会社の人身傷害補償特約を使用する場合、先ほどの加害者側の保険会社の対応で述べたように「営利企業」であるため、利害が反します。よって適切な相談窓口でない場合があります。
また、保険代理店の担当者は、自身の契約者側の為、親身に相談には乗ってくれますが、代理店の担当者の方々は、損害保険契約の専門家ですので、損害賠償金額についての相談の場合は十分な知識があるとは言えません。
自身の契約する保険の内容については積極的に相談することをおすすめしますが、損害賠償問題については、避ける方が良いと言えます。
⑶交通事故に詳しくない弁護士事務所
すべての弁護士が交通事故問題を得意とするわけではありません。
また、弁護士歴が長い=交通事故問題に詳しい、というわけでもありません。
交通事故問題に詳しくない弁護士事務所に相談、依頼をしてしまうと、被害者の方にとってマイナスになりかねません。
弁護士事務所に相談をするときは、各弁護士事務所のウェブサイトを見て、交通事故問題を取り扱っているのか、取り扱っているのであれば、「解決実績」はどれくらいあるのかを確認しましょう。
解決実績は、弁護士の交通事故問題への経験数に直結します。解決実数が多ければ多いほど、経験豊富な弁護士である可能性が高いです。
交通事故に詳しくない弁護士事務所に相談した場合、被害者の方の質問に対して、あいまいな回答で返したり、時には高圧的な対応や否定的な対応を取ったりする場合もあります。
また、詳しくない弁護士事務所に依頼をした場合、交通事故問題の交渉になれていないことから、示談金が思っているよりも上がらないことや、適当な金額で示談をまとめてしまうこと、また慣れていなことで示談交渉に時間がかかることもあります。
さらに、後遺症が残った場合の、後遺障害等級の認定申請についても、詳しい弁護士事務所であれば、ノウハウがあることから、医学的な知識も踏まえて、万全の状態で申請までの手続きを進めてくれます。
しかし、詳しくない弁護士事務所の場合は、そういった知識や経験が無いことから、等級申請に不利に働く可能性もあります。
後遺障害等級は認められるか認められないか、また1~14ある等級のうち1つ等級が異なるだけで大幅に金額が異なります。
必ず交通事故問題に詳しい弁護士事務所に相談をするようにしましょう。
3 弁護士に電話で無料相談する場合の注意点
弁護士に無料相談をする際に気を付けなければならないことが3つあります。
⑴回数や時間に制限がある場合
弁護士事務所によっては、無料相談に関して、回数や時間制限があることがあります。
何度でも相談できる弁護士事務所もあれば、初回無料相談や、初回30分~1時間無料相談という弁護士事務所もあります。
必ず相談を行う前に事前にしっかりと確認するようにしましょう。
⑵費用がどこから発生するか
多くの弁護士事務所では、基本的に正式に契約を交わして事件に着手することで弁護士費用が発生します。
また、着手金も無料とし、示談金から報酬金のみを精算する弁護士事務所も多いです。
弁護士の費用は、以下の内容があります。
①弁護士から問題に対するアドバイス等を相談するための費用である法律相談料 ②弁護士が正式に事件に着手するときに発生する着手金 ③弁護士が介入したことにより被害者の方が得た利益に応じての報酬金 ④実務上必要となる郵送料や資料取り付けにかかる実費等 |
これらをどのように支払うのか、費用はいくらになるのか、弁護士に相談をする際は必ず確認するようにしましょう。
⑶弁護士特約に加入していないか
弁護士特約に加入をしている場合、被害者の方は、弁護士費用の心配が無くなります。
弁護士特約(弁護士費用特約)は任意保険の自動車保険についていることが多い、特約の1つです。
この特約は、保険会社が、交通事故問題においての弁護士関係費用をある一定の金額までは保険会社が負担してくれるものです。
弁護士特約は被害者の方本人が加入していなくても家族の方が加入していたり、自動車に同乗をしていた人が加入していたりする場合など適用範囲が広いので、確認をすることを強くお勧めします。
補償内容は、1事故1人につき法律相談料10万円、弁護士関係費用を300万円までとしている保険会社が多いです。たとえば、もし家族4名での交通事故問題にて、弁護士に相談するとなった場合、1人1人に10万円ずつ、計40万円の法律相談料が補償されることになります。
弁護士依頼関係費用は、上記で挙げた、②着手金③報酬金④実費等があたります。示談交渉や裁判などの事件解決までにかかった費用をいいます。
なお、交通事故で弁護士費用が300万円を超えるケースは非常に少ないです。
被害者の方が死亡するケースや、高次脳機能障害といった重い後遺症が残り、高い後遺障害等級の認定が下りたケースなど、非常に大きな事故の場合に限られます。
しかし、このような大きな事故のケースでは、慰謝料を含む損害賠償金は非常に大きくなります。仮に300万円以上の弁護士費用が発生し、自己負担分が発生したケースであっても、被害者の方自身で示談する損害賠償金よりも、弁護士に依頼し、数千万単位の増額した中から弁護士費用を支払うことで損はありません。
参考:弁護士特約を付けてなかった場合、弁護士を利用すべきかどうか知りたい!
4 無料相談をご希望の方は、交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイへ
電話でできる無料相談についてご説明をさせていただきました。
交通事故の被害者の方の大半が、交通事故問題を対応することが初めてであり、わからないことが多くあるかと思います。
交通事故は1つ判断を誤るだけで被害者の方にとって非常に大きな損失が発生してしまうこともありえます。
交通事故の被害に遭われた場合、まずは無料相談を受けてみましょう。
ロイヤーズ・ハイでは、来所面談の無料相談だけでなく、電話無料相談も行っております。
弁護士への無料相談をご希望の方は、交通事故を多く取り扱う大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご連絡ください。
このコラムの監修者
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太田 泰規(大阪弁護士会所属) 弁護士ドットコム登録
大阪の貝塚市出身。法律事務所ロイヤーズ・ハイのパートナー弁護士を務め、主に大阪エリア、堺、岸和田といった大阪の南エリアの弁護活動に注力。 過去、損害保険会社側の弁護士として数多くの交通事件に対応してきた経験から、保険会社との交渉に精通。 豊富な経験と実績で、数々の交通事故案件を解決に導く。