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反社会的勢力排除条項(以下,「反社条項」と呼びます)とは,契約を締結する際,当事者双方が反社会的勢力でないことや,暴力的な行為を要求しないことなどを保証する条項です。暴力団排除条項とも呼ばれます。
日本企業が契約書に反社条項を入れることとなった契機は,政府の犯罪対策閣僚会議で「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(企業暴排指針)」を推奨した2007年にまで遡ります。
その後,2010年4月,福岡県で全国初となる総合的な内容を有する暴力団排除条例が施行され,暴力団排除条例が各都道府県で施行されるに至りました。
例えば,執筆時点(2024年1月)で施行されている東京都暴力団排除条例では,契約の際,契約当事者が暴力団関係者でないことを確認し,暴力団排除条項を設けることが努力義務として定められています。
引用:東京都暴力団排除条例(全文)|警視庁
上記のように,各都道府県の条例によって,契約書に反社条項を規定することが求められるほか,上場企業の場合には,有価証券上場規定による要請もあります 。
また,反社会的勢力との関係は,法令遵守や企業倫理に反するだけでなく,企業の信用や評判を損なう可能性があるでしょう。
そのため,反社条項は,法令や規制に従うといったコンプライアンスの側面のみならず,企業リスクを回避するという側面からも必要であり,かつ重要であるといえるでしょう。
このような反社条項の必要性は,日本企業である以上,国際取引における英文契約書においても同様です。
反社条項は,以下に挙げる内容を記載することが多いです。
まずは,反社会的勢力の定義を明確にしておきましょう。
定義を明確にしておくことで,互いに反社会的勢力に該当するかの判断が可能となります。
関連記事:【基本】英文契約の定義条項(Definitions)はなぜ重要なのか?その意味と注意点を解説
【基本】英文契約の定義条項(Definitions)はなぜ重要なのか?その意味と注意点を解説
契約当事者が,現在はもちろん,将来においても反社会的勢力でないことを表明し保証しています。
これによって,安心して取引を行うことが可能となりますが,独自の反社チェックを怠る理由にはなりませんので注意しましょう。
暴力的な要求行為などは反社会的行為であるため,このような行為を禁止しています。
「反社会的勢力」の定義条項の中で,上記例文に挙げた行為を行う者と定めた場合も,反社会的行為を禁止する効果があります。
相手方が反社会的勢力であった,あるいは反社会的勢力と関わりを持ったなど,反社条項違反が発覚した場合に,ただちに契約解除や損害賠償ができることを定めておきましょう。
反社条項の中でも必ず押さえておきたいポイントの一つです。
違約金を定めることも可能ですが,その際には,具体的な金額や別途損害賠償請求できる旨を明記しておきましょう。
契約書に反社条項を定めたからといって,安心はできません。
相手方が反社会的勢力と関わりがないか,反社チェックを怠らないようにしましょう。
国際取引において,海外企業の調査は容易ではありませんが,マネーロンダリングや仮想通貨取引を装った犯罪などに手を貸してしまうことがないよう注意しましょう。
海外企業の調査にあたっては,現地の専門家や調査会社に依頼するなどの方法があります。
意図せずとも,自社が反社会的勢力と関わりを持ってしまった場合,相手方から契約解除や損害賠償請求をされてしまう可能性があります。
また,反社会的勢力と関わりを持っていたというたった1つの事実によって,企業の信用が急激に低下し,企業の存立に影響を及ぼしかねない損失を与えてしまう可能性もあります。
企業や有名人などが反社会的勢力と関わりを持っていたとして,ニュースに取り上げられることも少なくありません。
自社のコンプライアンス体制をしっかり整え,反社会的勢力と繋がりを持たないよう徹底した危機管理を行いましょう。
今回は,英文契約書における反社会的勢力排除条項(Anti-Social Forces)の必要性と記載方法などについて解説しました。
反社条項とは,契約を締結する際,当事者双方が反社会的勢力でないことや,暴力的な行為を要求しないことなどを保証する条項です。
反社条項は,法令や規制に従うといったコンプライアンスの側面のみならず,企業リスクを回避するという側面からも必要といえるでしょう。
万が一,反社会的勢力と関わりを持ってしまった場合には,企業の信用が急激に低下し,企業の存立に影響を及ぼしかねない損失を与えてしまう可能性もあるため注意しましょう。もし,英文契約書について,ご不明な点がございましたら,お気軽に当事務所までお問い合わせください。
このコラムの監修者
弁護士法人 法律事務所ロイヤーズハイ
永田 順子弁護士(大阪弁護士会) 弁護士ドットコム登録
国内取引のみならず、海外企業との取引を行う際の法務に携わってきました。 海外企業との英語・英文での契約書の作成・チェックを強みにしております。 海外進出・展開をお考えの方、すでに海外企業と取引があって英文の契約書を作りたい・ 見直したい方は是非一度ご相談くださいませ。
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