• ホーム
  • コラム一覧
  • 社内トラブルから企業を守る!内部通報窓口を弁護士に依頼する5つのメリット
2024.04.04 2024年4月4日

社内トラブルから企業を守る!内部通報窓口を弁護士に依頼する5つのメリット

社内トラブルから企業を守る!内部通報窓口を弁護士に依頼する5つのメリット

企業内で不正が行われた場合,企業が大きくなるにつれて早期に発見することが難しくなってきます。

一度不正が発覚して企業の信用が失われてしまうと,回復することは容易でありません。

早期に不正を発見し,素早く対処することで被害を最小限に抑えることができるでしょう。

そこで役立つのが,内部通報制度(公益通報制度)の活用です。今回は,内部通報窓口の社外設置について詳しく解説します。

1 企業を守るための内部通報制度(公益通報制度)とは?

(1)内部通報制度(公益通報制度)とは

企業が企業内の不正を早期に発見して企業と従業員を守るため,組織内の不正行為に関する通報・相談を受け付け,調査・是正する制度です。

改正された公益通報者保護法が2022年6月に施行され,従業員数(派遣社員やアルバイトなども含む)が300人を超える企業には,内部通報制度の導入が義務付けされています。

従業員数が300人以下の企業であっても,内部通報制度の整備に努めることが求められています。

(2)罰則について

導入する義務があるにもかかわらず,これを怠った場合には,消費者庁による行政措置の対象となってしまい,企業名が公表される可能性があります。

行政措置に応じない,または虚偽報告をした場合には,20万円以下の過料を科される可能性があります。

通報者や相談者に不利益な取扱いをすることが禁じられており,通報窓口の担当者には,通報者を特定させる情報の守秘義務が課せられています。

公益通報対応業務に関して知り得た事項を漏らした者は,30万円以下の罰金を科される可能性があります。

(3)導入にあたって

導入する義務があると聞くと,企業に負担がかかって面倒だと思うかもしれません。

しかし,公益通報制度は従業員を守ると同時に,不正を早期に発見する,役職員が不正に及ぶことを思い留まらせるといった点で,企業を守るための制度でもあります。

内部通報制度がなければ,従業員はインターネットやSNS,マスコミなどを通じて会社の情報を公にしてしまう可能性があるでしょう。

自社で問題を把握して解決できない会社の体制は,会社の利害関係者(ステークホルダー)に対する信用にも大きく影響するでしょう。

企業の経営者や法務・コンプライアンス担当者は,公益通報者保護法を十分に理解したうえで内部通報制度を導入することが求められます。

2 内部通報窓口を社外に設ける3つのメリット

2024年2月に消費者庁が公表したアンケート調査によれば,一番通報しやすい先として「勤務先」を選んだ割合が46,8%と一番高く,次いで「行政機関」(28.5%),「インターネット・SNS」(14.2%)と続きます。

「勤務先」とは,内部通報窓口や上司等です。

参照:2023年度 内部通報に関する意識調査|消費者庁

内部通報制度を機能させるためには,通報しやすい窓口の存在がとても重要です。

そのような窓口の一つとして,社外の内部通報窓口が挙げられます。

社外に内部通報窓口を設けると,次のようなメリットがあります。

(1)通報窓口の利用を促進できる
(2)コンプライアンス体制が整えられる
(3)社内の窓口担当者の負担を軽減できる

(1)通報窓口の利用を促進できる

内部通報を妨げる心理的要因の1つに,従業員の制度に対する不信感が挙げられます。

通報を理由とする不利益取扱い禁止の周知や,通報者が特定されない調査方法の工夫などだけでは十分とは言えません。

社外窓口を設置することによって,会社から独立した通報ルートを確保し,従業員の制度に対する不信感を取り除くことができます。

結果として,通報窓口の利用を促進し,不正の早期発見に繋がるでしょう。

(2)コンプライアンス体制が整えられる

会社内の不正には,会社の経営陣や幹部が関与していることがあります。

そのような場合には,会社内部の窓口に通報しても,調査や問題解決が積極的に行われないという可能性があります。

社外窓口を設置した場合,会社から独立した第三者によって調査等が行われるため,コンプライアンス体制が整えられるでしょう。

(3)社内の窓口担当者の負担を軽減できる

通常,社内の窓口担当者は,窓口業務と他の業務とを兼任しています。

そのため,業務内容や時期によっては,負担が増大してしまうでしょう。

社外の通報窓口を設けることで,社内の窓口担当者の負担を軽減することが可能になります。

3 社外の内部通報窓口を弁護士(法律事務所)に依頼する5つのメリット

統計によれば,社外の内部通報窓口を弁護士(法律事務所)に委託している割合が最も多いです。

参照:平成28年度 民間事業者における内部通報制度の実態調査|消費者庁

社外の内部通報窓口を弁護士に依頼した場合,次のようなメリットがあります。

(1)通報者(従業員)が安心できる
(2)質問や相談に対して適切に対応できる
(3)秘密情報が漏えいを防げる
(4)公正かつ迅速な調査ができる
(5)コンプライアンス体制に信用を得られる

(1)通報者(従業員)が安心できる

「通報制度を導入しているが通報が1件もないから,うちの会社は健全だ」と勘違いしている経営者も少なくありません。

その場合,単純に従業員が通報することに不安を感じているだけという可能性があります。

会社から独立した弁護士に任せることで,従業員が安心して通報することができます。

(2)質問や相談に対応できる

公益通報者保護法上,通報対象となる行為は,横領や検査データの改ざん,残業代の不払い,ハラスメント,労災隠しなど多岐にわたります。

通報者の疑問や不安を解消するため,通報の取扱いや通報者保護の仕組みに関する質問・相談に対応する必要があります。

法律の専門家である弁護士であれば,通報時の質問や相談に対して,適切に対応することが可能です。

(3)秘密情報の漏えいを防げる

公益通報者保護法によって,通報者の秘密保護が義務付けられています。

しかし,通報者に関する情報のみならず,会社の機密情報の流出も防ぐ必要があるでしょう。

弁護士は職務上知りえた秘密を守る義務を負っているため,通報者の秘密情報を守るとともに,会社の機密情報の流出も防ぐことができます。

(4)公正かつ迅速な調査ができる

社外窓口の弁護士は,会社から独立した立場にあります。

また,どのような調査が必要かを熟知しています。

そのため,通報者から内容を聴き取ったうえで,公正かつ迅速に調査を進めることが可能です。

(5)コンプライアンス体制に信用を得られる

内部通報窓口を社外に置いていても,適任でない者が置かれていては機能せず,コンプライアンス体制に対して不信が芽生えてしまいます。

社外窓口を専門家である弁護士に依頼することで,企業の信頼度に関心を持つ株主や取引先,金融機関といった利害関係者(ステークホルダー)の信用を得ることができるでしょう。

4 内部通報窓口を社外の顧問弁護士(の法律事務所)に依頼する場合の注意点

顧問弁護士は,会社の内情に精通しており,会社の法務部やコンプライアンス部との人間関係が構築されていることから,迅速かつ効率的に対応が可能となるというメリットがあります。

また,顧問料の中に通報窓口の委託料が含まれていたり,あるいは,別途費用がかかる場合でも大きな支出にならない場合には,経済的なメリットがあります。

このような理由もあって,内部通報窓口を弁護士に依頼されることが多いと考えられます。

ただし,顧問弁護士は,あくまで会社側の弁護士であるため,従業員から詳細にヒヤリングを行ったり,アドバイスをするようなことがあれば,中立性や独立性に疑問が生じたり,利益相反が生じるおそれがあることが指摘されています。

そこで,会社としては,内部通報窓口を顧問弁護士に依頼される場合であっても,顧問弁護士は会社側と従業員(通報者)とを繋ぐ窓口の役割に過ぎず,受け付けた内容をそのまま社内窓口に転送するものであることを認識しておく必要があります。

5 まとめ

今回は,内部通報窓口の社外設置について解説しました。

内部通報制度(公益通報制度)とは,企業が企業内の不正を早期に発見して企業と従業員を守るため,組織内の不正行為に関する通報・相談を受け付け,調査・是正する制度です。

内部通報制度を機能させるためには,通報しやすい窓口の存在がとても重要です。

社外窓口を設置することで,通報窓口の利用が促進されるでしょう。

また,社外窓口を弁護士(法律事務所)に依頼することで,より一層制度の実効性を確保することができるでしょう。もし,内部通報窓口の社外設置についてご不明な点がございましたら,当事務所までお気軽にお問い合わせください。

このコラムの監修者

弁護士法人 法律事務所ロイヤーズハイ

金﨑 正行弁護士(兵庫県弁護士会) 弁護士ドットコム登録

交渉や労働審判、労働裁判などの全般的な労働事件に対応をしてきました。 ご相談いただく方にとって丁寧でわかりやすい説明を心がけ、誠心誠意、対応させていただきます。 お困りの方はお気軽にご相談ください。

カテゴリ一覧

アクセスランキング

新着記事

CONTACTお問い合わせ



ご相談など、お気軽に
お問い合わせください。

電話アイコンお電話でのお問い合わせ

06-4394-7790受付時間:8:30~19:00(土日祝日も営業)

メールアイコンwebフォームよりお問い合わせ