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企業の海外進出に伴い,日本国外において現地の外国人と雇用契約を締結するといったケースが増えています。
また,コロナ禍の影響で一時減少したものの,留学生の増加に伴って,日本国内において留学生などの外国人と雇用契約を締結するといったケースも増えています。
現地の外国人と労働契約を締結する場合,慣行上,書面による契約を締結しない場合もありますが,書面による契約を締結する場合には,外国人労働者に理解してもらうようにするため,英文や母国語で雇用契約書を作成することが多いでしょう。
英文雇用契約書(Employment Agreement)は,契約内容を本人に正しく理解してもらうという点で必要であり,無用な労使トラブルを未然に防ぐうえで重要となります。
雇用する企業及び労働者の双方にとって大切なものとなりますので,作成にあたっては,双方に食い違いが生じないよう慎重に行うことが求められます。
適用法によって契約書に必ず定めなければならない事項(必要的記載事項)は異なりますが,基本的には,業務内容や雇用期間,就業時間,就労場所,報酬,休暇などの項目を定めることになります。
業務内容は,明確に規定する必要があります。
もっとも,本人の適性や能力,会社側の事情などから配置転換がなされ,業務内容が変更せざるを得ない場合もあるでしょう。
そのため,業務内容を変更できる旨の定めを置くことが一般的です。
期間の定めのある雇用契約を締結する場合には,始期と終期を明確に規定しましょう。
期間の延長や更新をめぐる協議の規定を定める場合には,いつ協議を行うかという問題と協議が整わない場合,どのような結果として扱うかという問題があり,契約書に詳細を定めておくことが重要です。
関連記事:今さら聞けない英文契約書の基本!「期間」や「日付」はどのように書く?
労働時間や休憩時間については,就業規則に定めている企業が多いと思います。
就業規則に定めている場合には,上記例のように,就業規則による旨を明記します。
上記の例では,賞与(Bonus)の支払いがないという前提になりますが,誤解を予防するためにも明確に規定することをお勧めします。
企業としては,特に以下の条項に注意する必要があります。
従業員が企業の秘密情報や知的財産に関する情報を漏らすことによって会社が損害を被ることを防止する必要があります。
そこで,従業員との間で,秘密保持条項について合意します。
従業員が会社を辞めた後も漏えいのリスクがあるため,雇用契約終了後も秘密保持義務を負うことを明記しています。
海外で有能な人材を雇用してきた場合,会社を辞めて独立したり,他のメンバーと組んで新たに会社を設立したりして,競合する事業を営み,結果として会社が損害を被ることがあります。
このような事態を防止するため,競業避止条項を定めておくことが重要となります。
もっとも,雇用契約に競業避止義務を盛り込むことを原則として禁止している国(州)もあり,無効となる可能性もあるため注意が必要です。
また,競業避止の範囲や期間が不当に長い場合は,競業避止条項の効果が認められない場合もあります。
解除事項を明確に定めなければ,従業員が契約に反した場合であっても,雇用契約の解除が認められないことになりかねません。
どのような場合に,従業員との雇用契約を解除できるのか,明確に契約解除事項を定めておく必要があります。
もっとも,契約書に定めたからといって,ただちに契約解除が有効とならない場合もあるため,注意が必要です。
契約条項や解雇の有効性・正当性については,別途検討を要するため,法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
今回は,英文雇用契約書のポイントについて解説しました。
英語の雇用契約書は,外国人労働者が契約内容を理解するうえで必要であり,無用な労使トラブルを未然に防ぐうえで重要であるため,労使双方にとって大切です。
英文雇用契約者は,本文中に取り上げた事項などに注意し,慎重に作成しましょう。
もっとも,本文中に取り上げた条項や注意すべきポイントは一部に過ぎません。
会社や雇用形態,契約内容などによって雇用契約書に定めなければならない条項や注意すべきポイントは異なります。
英文雇用契約書を作成する場合には,一度,英文契約書を専門とする弁護士などに相談することをお勧めします。
このコラムの監修者
弁護士法人 法律事務所ロイヤーズハイ
永田 順子弁護士(大阪弁護士会) 弁護士ドットコム登録
国内取引のみならず、海外企業との取引を行う際の法務に携わってきました。 海外企業との英語・英文での契約書の作成・チェックを強みにしております。 海外進出・展開をお考えの方、すでに海外企業と取引があって英文の契約書を作りたい・ 見直したい方は是非一度ご相談くださいませ。
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